コラム
LINEマーケティング
LINE公式アカウントの配信コスト削減|課金の仕組みと5つの見直し方法
更新日:2026/06/10
LINE公式アカウントの配信コストで削減余地が大きいのは、スタンダードプランの追加メッセージ料金と、成果につながっていない配信です。月額固定費はプラン変更以外で下げられないため、削減の中心は「誰に、何を、どの接点で届けるか」の見直しになります。
本記事では、課金の仕組みの整理から、削減前に確認する数字、具体的な5つの見直し方法、失敗しやすいパターンまでを順に解説します。
LINE公式アカウントの配信コストの仕組み
配信コストは「月額固定費」と「追加メッセージの従量課金」の2つで構成されます。LINEヤフー社の料金体系では、プランは次の3種類です(税別)。
| プラン | 月額固定費 | 無料メッセージ通数/月 | 追加メッセージ |
|---|---|---|---|
| コミュニケーションプラン | 0円 | 200通 | 配信不可 |
| ライトプラン | 5,000円 | 5,000通 | 配信不可 |
| スタンダードプラン | 15,000円 | 30,000通 | 配信可(1通3円から) |
規模感の例として、友だち5万人に月3回の一斉配信を行うと、配信通数は15万通になります。スタンダードプランの無料分3万通を除いた12万通が追加メッセージの対象です。
2026年9月末までの料金では、追加12万通に対して月34.2万円程度の従量課金が発生します。2026年10月1日以降は追加メッセージ料金が改定されるため、同じ12万通でも月36万円程度になります。
このように、配信規模が大きいブランドほど、月額固定費よりも追加メッセージ料金の影響が大きくなりやすい構造です。
もう1つ押さえておきたいのが、課金対象の区分です。LINEヤフー社の公式マニュアルでは、次のように整理されています。
- 課金にカウントされる:メッセージ配信(絞り込み配信、ステップ配信を含む)、Messaging APIのPush・Multicast・Broadcast・Narrowcast API
- 課金にカウントされない:LINEチャットの送受信、応答メッセージ、あいさつメッセージ、Messaging APIのReply API
この区分が、配信コストを見直すうえで重要な手がかりになります。企業側から送るプッシュ配信はメッセージ通数としてカウントされる一方、ユーザーの行動に応答する接点はカウント対象外です。
そのため、ユーザー起点で情報にアクセスできる設計を増やし、プッシュ配信の一部を代替できれば、追加メッセージ通数を抑えやすくなります。
削減の前に確認する3つの数字
削減策に着手する前に、現状を3つの数字で把握します。どこに無駄があるかが分からないまま配信を減らすと、成果まで一緒に落ちやすいためです。
- 月別の追加メッセージ通数:管理画面の利用状況から直近6ヶ月分を確認します。月ごとの変動が大きい場合は、特定のキャンペーン配信がコストを押し上げています。
- 配信1通あたりの成果:開封、タップ、CVのいずれかを配信通数で割ります。配信セグメントごとに差を見ると、成果に寄与していない配信先が見えてきます。
- ブロック率:配信のたびにブロックが増えている場合、その配信はコストを消化しながら、友だちリストの有効性を下げている可能性があります。水準の目安と下げ方はブロック率の目安と下げ方で解説しています。
配信コストを削減する5つの方法
確認した数字をもとに、削減効果が出やすい順に見直します。
方法1:反応のない友だちへの配信をやめる
直近数ヶ月の配信に一度も反応していない友だちを配信対象から外します。一斉配信の対象を反応ベースで絞るだけで、追加メッセージ通数は大きく減らせる場合があります。反応のない層への配信はブロックの引き金にもなるため、コストとリスクの両方を抑えられます。
方法2:属性・行動データで配信先を絞る
絞り込み配信やオーディエンスを使い、属性や行動履歴に応じて配信先を分けます。全員に同じ内容を送るより、配信1通あたりの反応率が上がりやすく、同じ成果をより少ない通数で出せる可能性が高まります。配信しても効果を感じられない場合は、絞り込み以前の問題が潜んでいることもあるため、LINE公式アカウントの運用効果が出ないときに見直すべき2つの壁もあわせて確認してください。
方法3:配信のまとめ方を見直す
課金は配信人数と配信回数の掛け算で決まるため、配信回数の設計がコストに直結します。週に何度も小分けに送っている内容を1回にまとめられないか、配信カレンダーを見直します。1回の配信に複数の吹き出しをまとめられる仕様も、通数の使い方に影響します。
方法4:課金されない接点に置き換える
応答メッセージ、LINEチャット、リッチメニュー、LINEミニアプリは、プッシュ配信と違って通数課金の対象外、またはユーザー起点の接点です。よくある質問への案内は応答メッセージに、キャンペーン情報はリッチメニューやミニアプリの常設導線に移すと、配信しなくても、ユーザーが必要な情報にアクセスできる状態を作れます。
方法5:配信の目的をリピート関係に置き直す
「とにかく告知を送る」運用のままでは、通数を絞っても再び増えていきます。配信の目的を「リピートにつながる関係を作る」に置き直し、1通の価値を高める方向に設計を変えます。具体的な設計はLINE公式アカウントでリピーターを獲得する方法で解説しています。
5つの方法を含む配信設計の全体像は、ホワイトペーパー「LINEマーケティング進化論」で体系的に整理しています。自社の見直しに着手する前の整理として、こちらからダウンロードできます。
5つの方法を自社に当てはめる前に、配信設計の全体像を整理しておきたい方へ。
コスト削減で失敗しやすい2つのパターン
削減は進め方を誤ると、コストと一緒に成果まで落とします。よくある失敗は次の2つです。
パターン1:通数だけを減らして成果も落ちる
削減目標を通数だけに置くと、成果に寄与していた配信まで削ってしまいます。追加メッセージ通数、配信1通あたりのCV数、ブロック率の3つをセットで追い、通数を減らしながら1通あたりの成果が維持または改善しているかを確認します。
パターン2:一律の削減で熱量の高い顧客への接点まで切る
配信頻度を全員一律で下げると、ブランドに強い関心を持つ顧客への接点まで薄くなります。購買金額だけで配信対象を決めると、購入は少なくてもSNSでの発信やイベント参加などでブランドに関わっている顧客を、削減対象に含めてしまう場合があります。削減はあくまで「反応のない層」から行い、関わりの深い顧客への接点は維持または強化する設計が安全です。
削減の先にある、配信に頼らない顧客接点
配信コストの削減を突き詰めると、行き着くのは「プッシュ配信に依存しない接点をどう作るか」という設計の問題です。配信単価は自社でコントロールできず、料金体系も変わり続けるため、配信量を前提にした運用はコスト変動の影響を受け続けます。
その代わりになるのが、顧客側から関わってくる接点です。SNSでの発信、イベントへの参加、来店といった購買以外の行動には、ブランドへの熱量が表れます。こうした行動を計測し、関わりに報いる仕組みがあれば、企業からの配信に頼らなくても顧客との接点を維持しやすくなります。この考え方の詳細は、非購買行動からブランド理解を深めるロイヤルティプログラムの新潮流で解説しています。
友だちを集めた後の接点設計に課題がある場合は、LINE友だちを増やした後にやるべきことも参考になります。
まずは直近6ヶ月の通数の把握から
配信コスト削減の最初の一歩は、管理画面で直近6ヶ月の追加メッセージ通数と、配信セグメントごとの成果を確認することです。数字で無駄の所在を特定してから、反応のない層への配信停止、絞り込みの精度向上、課金されない接点への置き換えの順で着手すると、成果を落とさずにコストを下げやすくなります。
配信コストを下げながら、成果を維持する
配信コストを下げながら、成果を維持する
配信量を減らすだけでは、成果まで一緒に落ちてしまいます。
コスト構造の見直しと、配信に依存しない接点づくり。
その両方の設計を、資料にまとめています。
配信量を減らすだけでは、成果まで一緒に落ちてしまいます。
コスト構造の見直しと、配信に依存しない接点づくり。
その両方の設計を、資料にまとめています。



