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オンラインコミュニティとは?種類・作り方・企業の成功事例を解説

更新日:2026/06/30

オンラインコミュニティとは?種類・作り方・企業の成功事例を解説
コミューン編集部

コミューン編集部

オンラインコミュニティは、単なる交流の場にとどまらず、企業が顧客との関係を継続的に育てる接点としても活用されています。「インターネットコミュニティ」「ネットコミュニティ」と呼ばれることもあり、SNSやフォーラム、オンラインサロンなど形はさまざまです。

なかでも経営者やマーケティング担当者が押さえておきたいのは、自社ブランドのためにオンラインコミュニティを持つ企業が増えていることです。この記事では、その視点を中心に、種類・企業が取り組むメリット・作り方の基本・成功させるための留意点までを整理します。

用語としての「コミュニティ」全般の意味を確認したい場合は、コミュニティとは何かを解説した記事もあわせてご覧ください。

オンラインコミュニティとは

オンラインコミュニティとは、共通の趣味や目的を持つメンバーが、インターネット上で継続的に交流するつながりや場を指します。掲示板やSNSグループ、専用アプリなど、やり取りができる仕組みがあれば形式は問いません。

言葉が指す範囲は広く、SNSやフォーラム、Q&Aサイト、オンラインサロンなど、ユーザー同士がオンラインで交流するものはおおむねオンラインコミュニティに含まれます。「インターネットコミュニティ」「ネットコミュニティ」も、ほぼ同じ意味で使われる言葉です。

本記事で中心に扱うのは、このうち企業が自社やブランドのために運営するコミュニティです。なぜ企業がコミュニティに取り組むのか、どんな種類があり、どう作るのかを順に見ていきます。

企業が運営するオンラインコミュニティの主な種類

オンラインコミュニティは、「誰が運営するか」と「何を目的とするか」の2つの軸で整理できます。運営主体で見れば、個人が運営するオンラインサロンや、有志が集まるSNS上のコミュニティもありますが、本記事が中心に扱うのは、企業が自社やブランドのために運営するコミュニティです。

企業が運営するコミュニティとは、自社やブランドのために設けるコミュニティで、顧客との関係を深め、商品やサービスへの愛着を育てる目的で運営されます。近年は、顧客との継続的な接点をつくり、商品改善やロイヤリティ向上につなげる手段として、オンラインコミュニティに取り組む企業も見られます。たとえば、絶品部「やめられない、とまらない」課(カルビー株式会社)、ホットクック部(シャープ株式会社)、味のもト~ク(味の素株式会社)などが例です。

なお、絶品部「やめられない、とまらない」課、ホットクック部、味のもト~クは、いずれも「Commune(コミューン)」を活用して運営されています。

企業が運営するオンラインコミュニティは、目的や参加者との関係性によって主に次の3つに整理できます。実際には、1つのコミュニティが複数の役割を持つこともあります。

ファン・ブランドコミュニティ型

ブランドや商品のファンが集まり、活用方法や楽しみ方、商品への意見を共有するタイプです。ユーザー同士の交流を通じて、ブランドへの愛着や継続的な接点を育てることを目的に運営されます。

ファン同士の投稿や会話から、新商品のアイデア、既存商品の改善点、ユーザーならではの使い方が見つかることもあります。そのため、単なる交流の場にとどまらず、顧客の声を商品開発やブランド施策に活かす場としても機能します。企業がファンとの関係を育てるコミュニティの作り方は、ファンコミュニティの作り方を解説した記事で詳しく扱っています。

ユーザーサポート・ナレッジ共有型

自社の商品やサービスを利用するユーザー同士が、使い方や困りごとを相談し合うタイプです。企業からの一方向のサポートだけでなく、ユーザー同士の知見共有によって、疑問の解決や活用促進につなげることを目的に運営されます。

よくある質問や解決方法がコミュニティ内に蓄積されると、後から参加したユーザーも必要な情報を見つけやすくなります。問い合わせ対応の負荷を抑えるだけでなく、ユーザーが自分で学び、活用を深める場としても役立ちます。

ユーザー活用促進型

主にBtoBサービスやSaaSなどで、既存顧客の活用促進や定着支援を目的に運営されるタイプです。ユーザー同士が活用事例や運用の工夫を共有し、自社での使い方を広げていく場として設計されます。

サービスの機能が多い場合や、導入後の社内展開が成果に影響する場合は、企業からの説明だけでは活用が進みにくいことがあります。コミュニティ内で他社の事例や実践知に触れることで、ユーザーが自社での活用イメージを持ちやすくなります。

企業がオンラインコミュニティに取り組むメリット

企業にとってのメリットは、大きく4つに整理できます。顧客との関係づくり、顧客理解、口コミの創出、サポートの効率化です。いずれも、コミュニティという継続的な接点があることで生まれやすくなります。

顧客との関係を深め、エンゲージメントを高める

共通の関心を持つメンバーが、時間や場所を問わず交流できます。投稿が流れていきやすいSNSと比べ、テーマごとに議論が積み重なりやすく、メンバー間のつながりや帰属意識が育ちやすくなります。こうした関係は、LTV(顧客生涯価値)の向上にもつながりやすい部分です。

顧客の声や利用シーンを継続的に把握しやすい

アンケートやインタビューでは拾いにくい、日常的なやり取りの中の声を把握しやすくなります。コミュニティ内の自然な会話から、商品改良のヒントや新商品のアイデアが見つかることもあります。

口コミやUGCによって、広告だけでは届きにくい接点が生まれることがある

メンバー同士の自発的な情報共有や口コミが起きると、企業発信だけでは届きにくい接点が生まれることがあります。なかでも、ユーザー自身が発信するUGC(ユーザー生成コンテンツ)は、企業発信とは異なる視点の情報として受け取られやすく、新規顧客との接点づくりにも役立ちます。

顧客同士の助け合いでサポートを効率化できる

メンバー同士で質問と回答が交わされるようになると、問い合わせ対応の負荷を抑えやすくなります。よくある疑問や解決方法がコミュニティに蓄積されることで、後から参加した人が自分で答えにたどり着きやすくなる効果も期待できます。

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こうしたメリットを自社の成果につなげるには、コミュニティを施策としてどう設計するかが鍵になります。

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オンラインコミュニティが注目される背景

背景にあるのは、コミュニティを企業の競争力の源泉と捉える考え方が広がったことです。製品そのものでの差別化が難しくなるなかで、顧客との関係づくりを通じて優位性を生もうとする企業が増えています。

この考え方を整理するうえで参考になるものに、2020年にハーバード・ビジネス・レビューに掲載された「When Community Becomes Your Competitive Advantage(コミュニティが競争力になるとき)」があります。この記事の考え方をもとに、企業コミュニティがビジネスに寄与する仕組みを整理すると、主に次の3つに分けられます。

コミュニティが競争優位を生む3つの仕組み 1 新規顧客の獲得に貢献 熱心なメンバーの紹介や口コミで、 獲得コストを抑えやすくなる 2 継続率・LTVの向上 メンバーが離れにくくなり、 長く使い続けてもらいやすくなる 3 サポートコストの抑制 メンバー同士の助け合いで、 対応の負荷を抑えやすくなる 獲得・維持・サポートの3面で コストと成果の両面に働きかけられるのが特徴です
※ハーバード・ビジネス・レビュー「When Community Becomes Your Competitive Advantage」(2020年)の考え方をもとに編集部で整理。

日本でも、自社ブランドのためにコミュニティを持つ企業は少しずつ増えています。オンラインコミュニティは、言葉の意味を押さえるだけでなく、企業が顧客との関係を育てる手段のひとつとして検討する段階に入りつつあります。次に、実際に成果につなげている企業の例を見ていきます。

企業がオンラインコミュニティで成果につなげた事例

実際に、自社のオンラインコミュニティを通じて顧客との関係づくりや商品開発に成果を出している企業があります。ここでは業種の異なる3社の例を紹介します。いずれも、顧客の声を直接受け取り、商品やサービスの改善につなげている点が共通しています。

ベースフード:研究員とつくる商品改良と新商品開発

完全栄養食を手がけるベースフードは、顧客コミュニティ「BASE FOOD Labo」を運営しています。参加する顧客を「研究員」と呼び、毎月の『ラボ企画』で新商品の希望やオリジナル商品の提案を受け付け、代表や開発担当を含む社員が直接交流しています。

その結果、コミュニティ内の投稿から新しい食べ方やアレンジが共有され、商品への理解が深まりました。受注確認メールやパッケージへの不満の声を受けて改善した例もあり、顧客の声をスピーディに商品やサービスの改良へ反映できています。詳しくはベースフードの導入事例で紹介されています。

バケット:コロナ禍の顧客接点をオンラインで再構築

全国に96店舗を展開するベーカリーレストランのバケットは、新型コロナの影響で店舗での顧客接点が一時失われたことをきっかけに、オンラインで顧客の声を集める仕組みをつくりました。それまで紙のアンケートで集めていた声を、デジタルで双方向にやり取りできるようにしたものです。

デジタルアンケートには想定以上の回答が集まり、7月から8月に多かった意見をもとに、10月初旬には3つの新メニューを提供しました。今後は、顧客がファンとして情報を発信するアンバサダーマーケティングへの展開を目指しています。詳しくはバケットの導入事例で紹介されています。

スタディスト:ユーザーの声を開発につなげるBtoB SaaSのコミュニティ

マニュアル作成・共有システム「Teachme Biz」を提供するスタディストは、ユーザーコミュニティ「Teachme Compass」を運営しています。顧客数の増加にともなうサポートの負荷や、機能が十分に伝わらないという課題に対し、ユーザー同士が学び合い、活用事例やアップデート情報が蓄積される場として設けました。

コミュニティに寄せられた声を開発へフィードバックし、ある機能改善ではリリースから約1.5か月で改善版を届けています。ユーザー同士の交流から機能の認知が広がり、商談や受注につながった例も生まれています。詳しくはスタディストの導入事例で紹介されています。

オンラインコミュニティの作り方

オンラインコミュニティづくりの大きな流れは、「目的とKPIを決める」「誰のための場かを定める」「プラットフォームを選ぶ」「丁寧に立ち上げて運営する」の4ステップです。最初に方向性を固めておくことで、その後の判断がぶれにくくなります。

  1. 目的とKPIを決める。何のためのコミュニティか、どんな状態を目指すかを言葉にする。
  2. 誰のための場かを定める。参加するメンバー像を具体的に描き、その人たちの関心を理解する。
  3. 目的に合ったプラットフォームを選ぶ。機能・運営サポート・コストの観点で候補を絞る。
  4. 初期メンバーを大切にしながら立ち上げ、会話が生まれる仕掛けを用意して運営する。

企業のコミュニティサイトを作る具体的な手順や、運営のより詳しいポイントは、コミュニティサイトの作り方・運営を解説した記事にまとめています。手を動かす段階の方はあわせてご覧ください。

オンラインコミュニティを成功させる5つの留意点

立ち上げを検討する際に、あらかじめ押さえておきたい点が5つあります。技術的な準備よりも、誰のために、どう育てるかという設計の部分が成否を左右しやすいためです。

「何をするか」より「誰のためか」から考える

コミュニティづくりを「企業が何をしたいか」から始めると、つまずきやすくなります。まず「参加するのは誰で、その人たちはどんな人か」を起点に設計することをおすすめします。コミュニティは参加する人にとっての居場所であり、家を設計するときに住む人を深く知る必要があるのと似ています。

コミュニティは生き物として中長期で育てる

コミュニティは、必ずしも企業の思惑どおりには動きません。意図せず急に伸びることもあれば、ゆっくりとしか育たないこともあります。中長期の視点で辛抱強く育てる姿勢が大切で、この理解が社内に共有されていないと、途中で運営が止まってしまうこともあります。

運営に必要な人員・時間・意思決定体制を確保する

多くの組織にとって、コミュニティの運営は初めての取り組みです。従来の業務とは別に、運営にあてる人員・時間・意思決定体制が必要になります。この見積もりが不足すると、コミュニティの質が下がり、かえって顧客に良くない印象を与えてしまう可能性があります。社内人材だけでまかなえない場合は、外部の支援を含めて事前に検討しておくとよいでしょう。誰がどう運営を担うかは、コミュニティマネージャーの役割を解説した記事も参考になります。

目的に合った専用プラットフォームを選ぶ

FacebookなどのSNSをコミュニティの場にすることもできますが、企業が運営する場合は専用のプラットフォームを使うのが一般的です。自社でデザインや仕様をコントロールしやすく、必要なセキュリティを確保しやすく、コミュニティに蓄積される行動データを集めて活用しやすいためです。選ぶ際は機能・運営サポート・コストの3点で比べることになります。主要なツールの特徴や料金、無料SNSとの違いは、コミュニティツールおすすめ10選の比較記事で詳しく扱っています。

きめ細やかな運営でトラブルを避ける

オンラインコミュニティは、ユーザー同士、あるいはユーザーと企業との関係が育つ場です。人間関係を扱う以上、古くからのメンバーと新しいメンバーの間に距離が生まれたり、意見の食い違いが起きたりすることもあります。デリケートな関係を扱っているという自覚を持ち、人の心の動きに配慮した運営を心がけることが、トラブルを避けるうえで役立ちます。

まとめ

オンラインコミュニティとは、共通の関心を持つ人がインターネット上で交流する場で、SNSからオンラインサロンまで指す範囲は広い言葉です。なかでも企業が自社ブランドのために運営するコミュニティは、顧客との関係づくり、顧客理解、口コミの創出、サポートの効率化といった面で役立ちます。

立ち上げを検討する際は、「誰のための場か」を起点に考え、中長期で育てる前提に立ち、運営のリソースと専用プラットフォームを確保することが、成功の確度を高めます。導入を検討する場合は、まず目的、対象メンバー、運営体制を整理し、自社にとってコミュニティを持つ意味を明確にすることが重要です。

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