イベントレポート
コミュニティマーケティング
「全国メーカー」と「地域クラブ」に共通する、スポーツを軸としたコミュニティ育成のフレームワーク
更新日:2026/09/09

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本記事は、2026年8月29日開催のCMC甲子園 in 大阪 2026における第4セッション「店舗があるから強くなる。小売業が仕掛ける「「全国メーカー」と「地域クラブ」に共通する、スポーツを軸としたコミュニティ育成のフレームワーク」のイベントレポートです。
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ゲストスピーカー
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- ミズノ株式会社 田林正行
- 湘南ベルマーレフットサルクラブ 佐藤伸也
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ファシリテーター
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- 株式会社コラボスタイル 藤井麻由
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オープニング&自己紹介
藤井:本日最終回のセッションとなります。今回はスポーツを軸としたセッションということで進めさせていただきます。
二社の並びをご覧になった際、規模やスタイルがかなり異なる二社だなと感じられた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際にお話を伺うと、根底にあるロジックには非常に共通点が多いとお見受けしました。今回はそのあたりを紐解きながら、皆さんのご活動に活かせるポイントを見つけていただければと思っております。
本日はこちらの3人のスピーカーで進めてまいります。まずは田林さんから自己紹介をお願いいたします。
田林:皆さん、こんにちは。私はミズノ株式会社から参りました。今年で創業120周年を迎える企業です。私たちの存在意義は、「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」ことです。ものづくりが中心の会社ではありますが、それだけに留まらず、スポーツを通じて世の中に貢献していくことを使命としています。


私自身も小学校から大学までずっと野球をしてきました。就職で一度銀行員になり、そこで野球を辞めたのですが、やはり野球をしてきた人生を自分の生きがいにして楽しく生きていきたいと考え、ミズノに入社しました。
様々な経験を経て、ファンコミュニティに関しては2026年1月に立ち上げ、本格稼働したのが2026年3月です。まだ半年ほどの状況ではありますが、ミズノ一社の発展だけでなく、野球界全体の持続的な発展につながると信じて行動しています。
コミュニティの紹介をさせていただきます。名前は「&MIZUNO(アンドミズノ)」と名付けました。野球やソフトボールは仲間と共に作り上げていくものです。私たちが一方的に発信するのではなく、「皆様と一緒に楽しい場を作りたい」という思いを込めて「&MIZUNO」と名付けさせていただきました。
主には、全国の野球・ソフトボール好きな方とコミュニケーションを取ることを目的としています。野球やソフトボールと言うとプレーヤーを思い浮かべがちですが、教える指導者の方、裏で支える保護者の方、プレーはしないけれど見るのが好きな方、特定のチームや選手を応援するのが好きな方など、様々な関わり方があります。そうした方々に集まっていただき、それぞれの「好き」を語り合える場を目指しています。
もう一つ、個人的にも非常に面白いと思っている取り組みがあります。「全国のどこでキャッチボールができるのか」を集約する活動です。昔は公園で当たり前にキャッチボールができましたが、今は制限が多く、「やってはいけないのではないか」という声をよく耳にします。そこで、Googleマップのように「キャッチボールができる場所」をみんなで作ろうと、「キャッチボールマップ」という活動をコミュニティ内で行っています。
さらに、「&MIZUNO」限定企画として、プロ野球の試合観戦やトークショー、工場見学ツアーといったリアルイベントも始めています。ミズノが企画するイベントを発信しながら、野球に関わる全ての人たちとつながりたいという思いで始めたファンコミュニティです。本日はよろしくお願いします。
藤井:ありがとうございます。今、田林さんがずっと野球をしてきたというお話がありましたが、皆さんは本日のイベントタイトルを覚えていらっしゃいますでしょうか。「CMC甲子園」ですが、田林さんは実は元甲子園球児で、しかも今年の優勝校のご出身ですよね。高校時代は決勝まで進出したエースで1番ピッチャーだったということで、本物です…!改めましてよろしくお願いいたします。
では、つづいて佐藤さんお願いいたします。
佐藤:佐藤です、よろしくお願いします。
湘南ベルマーレについて、まずお伝えしたいのは、僕らは「スポーツは手段である」と言い切っている点です。本来達成したいミッションは、様々な環境やシチュエーション、場を作りながら、人や地域、街全体の力を引き出すことです。
ベルマーレはサッカーチームが一番有名ですが、様々な競技を保有しており、その中のフットサルチームが僕たちです。活動区域は神奈川県の湘南地域ですが、フットサルは小田原市を拠点にしています。
小田原市は二宮金次郎さんの故郷です。金次郎さんは薪を背負って読書をする苦労人のイメージが強いですが、実は優れた地域経営者でした。彼の有名な格言に「経済と道徳を両立させなさい」という二面性を持ったビジネスモデルや、「一円融合」という、個人や一社ではなくみんなで群れをなして事業を行いなさいという教えがあります。
これが最近の「ゼブラ企業」という概念に非常に合致しています。ゼブラ企業とは、経済性と社会性の二面性を持ち、群れをなして活動する企業のことです。
民間企業が担う「自助」と、自治体や公共が担う「公助」のちょうど中間を担っていこうという考え方です。これまでNPO団体などが担うことが多かった領域ですが、人口減少とお金不足で疲弊してしまうため、経済成長を遂げつつ社会性を目指す企業を増やしていこうとしています。

僕らは令和6年・7年に国策として進められているこの政策に採択され、モデル企業のような形で取り組んでいるスポーツクラブです。
スポーツが持つ価値には目に見えないものが多く、僕らはそれを「知的財産」と表現しています。特に、コミュニティを獲得するための「関係性(関係人口)」を作る力が最も強いと感じています。
こうした価値を活用しながら、スポーツ以外の福祉、防災、観光、環境保全といったプロジェクトを4年ほどかけて約50個立ち上げてきました。
後のディスカッションでも出てきますが、ベルマーレは「前に出すぎない」というキーワードを大切にしており、必ず誰かと組んで実施します。僕らは後方支援や伴走に徹する「中間支援組織」として場を作ることが多いです。
ステークホルダーとして約130社のパートナー企業さんと組んでいるコミュニティと、競技そのもののファン・サポーター、そして地域の中で試合会場以外の場(例えば僕らの事務所など)に集まってコミュニケーションを取る場、といった形で展開しています。
個人としては会社を経営している社長というだけで、甲子園に出た経験などもありませんが、そういった団体と佐藤でございます。よろしくお願いします。

藤井:ありがとうございます!このお二人をゲストにお迎えし、どのような視点で深掘りしていくか、私からも少しお話しさせていただきます。
株式会社コラボスタイルから参りました、藤井と申します。

コラボスタイルは、世の中の働き方をより良くするための事業を行っている会社で、デジタルとリアルの2つの場所を作ることで働き方を改善しようと考えています。具体的には、業務効率化やワークフローのシステムを作っているメーカーとしての側面と、働き甲斐が生まれるオフィスの施工・デザインを行う空間づくりの側面を持っています。

なぜこのような会社がコミュニティというキーワードに関わっているのかというと、製品のユーザーコミュニティはもちろんのこと、経営方針の中に大きくコミュニティが位置づけられているからです。

わかりやすい事例として、名古屋本社にある「コラボベースNAGOYA」という施設があります。
本社の半分を使い、会員企業様向けに運営しているコミュニティスペースです。「働き方」は一社だけで作るものではなく、世の中全体でみんなで作っていくものだと捉えているため、仲間が集える場所としてあえて自社オフィスを開放しています。会員制にして入口を精査することで、質の高いコミュニティ作りを行ってきました。
私は4年前の立ち上げ時期から名古屋でコミュニティマネージャーをしておりましたが、先月から東京でも新しい拠点をオープンし、現在は「コラボベース TOKYO」のコミュニティマネージャーとして活動しています。

そもそもなぜコミュニティなのか
藤井:早速ですが、そもそもなぜ「コミュニティ」なのかという点について伺いたいです。ミズノさんのような大企業も、ベルマーレさんのような地域に根ざしたスポーツチームも、すでに高い認知度をお持ちです。認知を得る手段が他にもある中で、なぜコミュニティという選択肢を取ったのでしょうか。佐藤さんからお伺いできますか。
佐藤:ありがとうございます。スポーツ団体は、もともとコミュニティに飛び込んでいく力が非常に強いんです。教育委員会などを通さずに、学校の授業に直接入っていけたりします。
藤井:直接行けるのですか。
佐藤:そうです。営利目的の民間企業だと難しいのですが、スポーツ団体という立場を活用してコミュニティに入っていける利点があります。地域の中小企業が集まる経済団体や自治体にもスムーズに入り込めます。ただ、従来のスポーツ界はこれを「スポーツビジネス」だけに傾けすぎていました。学校で子供たちに教えた後に「チケットを買ってください」とチラシを配るような形です。
藤井:観戦やファン獲得に寄った活動ですね。
佐藤:それは持っている価値の一部を使っているに過ぎません。Jリーグやプロ野球のようなメジャースポーツ団体とどう渡り合っていくかを考えた時、価値観を変える必要があると思いました。そのためにコミュニティの使い方を変え、ローカルコミュニティを再定義しようと考えたのが最初の発想です。
藤井:なるほど。
佐藤:スポーツビジネス以外の領域にコミュニティを投入していく。それが、僕らがコミュニティを大切にしている理由です。
藤井:地域に根ざした団体という前提があるからこそ、入り込みやすいという意識でしょうか。
佐藤:スポーツチームにはもともと「取り組みやすそう」というイメージがありますよね。公共性を帯びた立場として活動しやすい環境にあります。
藤井:単に自分たちの利益のためではなく、地域や社会のためになる活動としてコミュニティを活用していきたいということですね。
佐藤:そうです。相手方のコミュニティから見ても、スポーツ団体との連携というと「スポーツ観戦」「運動」「健康」くらいしか想起されません。しかし実際には、観光、防災、教育などにも使えます。相手側の目線を変えることで、僕らの使われ方も変わってくるのです。そのため、現在はあらゆるコミュニティに顔を出し、いつの間にか自分たちのコミュニティに巻き込んでいる、というようなイメージで活動しています。
藤井:ありがとうございます。大変興味深いので後ほどさらに深く伺います。ミズノさんはいかがでしょうか。
田林:野球事業の立場からお答えします。野球事業として抱えている課題が大きく2つありました。
1つ目は、競技者人口の減少です。少子化の影響もありますが、選ばれるスポーツが多様化する中で、野球をする人口は減少傾向にあります。プレーヤーだけに向けたビジネスを続けていては確実にジリ貧になってしまいます。そこで、野球をプレイしていない人に対しても様々な情報を届けていく必要性を感じていました。
2つ目は、ミズノが伝統的なBtoB企業であるという点です。地域のスポーツ店さんに商品をお届けし、そこからユーザーさんに販売していただく構造だったため、冷静に考えると「使ってくれているお客様の顔も性格も、どのような理由でミズノを選んでくれたのかも知らない」という状況でした。
この2つの課題に対し、ユーザーと直接相互コミュニケーションを取る(C2Cの要素も含む)こと、そして自分たちの商品を愛用してくださっているお客様を知るために、ファンコミュニティを立ち上げました。
藤井:ありがとうございます。野球をする本人だけでなく、親御さんや「見る専」のファンなど、関わり方のグラデーションが広い点も非常に興味深いですね。
どのようなエコシステムで成り立っているか
藤井:続いて、具体的な取り組みについて深掘りさせてください。佐藤さんは130以上の団体と連携し、「中間支援」という立場から、深入りしすぎず絶妙な距離感で関わっていらっしゃるとのことですが、具体的な動きについて教えていただけますか。
佐藤:湘南ベルマーレのフットサルクラブは、年間予算が約1億5,000万円、常勤社員はわずか2人で、あとは副業・兼業メンバーで構成されている非常に小さな組織です。そのため、人の力に頼らざるを得ません。リソース不足を埋めるために、ファンに動いてもらったり、スポンサーさんにもお金を出すだけでなくクラブ経営に携わっていただいたりしています。実際、僕以外の役員には地域の中核企業の社長や二宮金次郎さんの神社の宮司さんが名を連ねています。
持続可能なシステムにするために多くの人を巻き込む。その際、遠目から批判するのではなく、各自に「役割」を与えることでコミュニティを持続可能にしているのが工夫です。
藤井:協業のような考え方でしょうか。
佐藤:両方あります。経済成長も遂げる必要があるため、単なる「広告露出」のスポンサーシップだと露出面積や頻度の話になってしまい、マイナースポーツは戦えません。そのため、組むことで相手企業の採用が進んだり、インナーブランディングやチームビルディングに繋がるような提案を行っています。
藤井:採用に繋がるという点について、具体的にどのようなアクティベーションを行っているのでしょうか。
佐藤:例えば、現在インターン生が約50人います。彼らは「スポーツを通じた街づくりがしたい」という高い意欲を持っていますが、小田原周辺の学生は東京の大学に進学するとそのまま帰ってこないという地域課題があります。一方で、地元の中小企業は慢性的な人手不足に悩んでいます。
そこで、インターン活動を通じて地域の魅力的な経営者や働く人々と触れ合う機会を作っています。東京に出る選択肢を否定するのではなく、「地元で格好良く働く」という選択肢を提示することで、結果として地元企業への就職に繋がっています。
藤井:一社の悩みを単発で解決するのではなく、地域共通の課題として捉え、みんなで解決していく仕組みですね。
佐藤:単なる人材紹介ビジネスにするのではなく、企業には「インターンコミュニティの運営支援費」としてご協力をいただきます。そこで育った学生がパートナー企業に就職することで、毎年2人ほどが東京へ行かずに地元企業へ就職する実績が出ています。
藤井:ベルマーレ側にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
佐藤:まずは協賛金が得られる財務的なメリットです。そして何より、ベルマーレを熟知し愛してくれている人材がパートナー企業に入社してくれるため、強力な関係性が組織間に生まれるという利点があります。
藤井:コミュニティが多角的に機能している素晴らしい事例ですね。
続いて田林さんに伺います。ミズノ一社の利益やファン囲い込みではなく、野球に関わる人全般を広く巻き込んでいくスタンスを取られています。競合他社とのバッティングやオンラインコミュニティでのコントロールなど難しい面もあるかと思いますが、そうした方針をとった経緯を教えてください。
田林:ミズノ一社のためだけに動くのではなく、野球・ソフトボール業界全体の裾野を広げたいという思いが強くありました。
コミュニティを立ち上げる際、野球業界ではファンコミュニティの前例がほぼありませんでした。ファンがどこで交流しているか調べると、InstagramやXで個々に投稿して終わっていたため、公式な交流の場を作ろうと考えました。
コミュニティ内では他社製品の写真や話題が出てくることもありますが、それも全く問題なしとしています。ユーザーの生の声を把握できるため、自分たちのマーケティング活動にも非常に役立っています。
藤井:広い視野で取り組むことに対して、社内の合意形成や立ち上げ時の苦労はありましたか。
田林:社内の合意形成は非常に大変でした。「どれだけの投資対効果があるのか」といった議論を重ね、最終的に「チャレンジしてみよう」と会社から背中を押してもらうまで、約1年間勉強と準備を重ねました。社内に知見がなかったため、外部の事例を学びながら「コミュニティとは何か」をゼロから追求していきました。
藤井:じっくり時間をかけて準備されたのですね。ありがとうございます。
自分ゴト化を促すための工夫
藤井:次の話題として、「参加者をどのように自分事化させるか」という点について伺います。田林さん、「&MIZUNO」では幅広い対象に向けてどのような工夫をされていますか。
田林:間口が広い分、用途に合わせて部屋(トークルーム)を細かく分けています。「フリートークの広場」「道具好きが集まるアイテム部屋」「プレーヤー向けの部屋」など、興味・関心に合わせて会話が生まれる空間設計をしています。
藤井:現在、どのような属性の方が多く参加されていますか。
田林:30代以上のプレーヤー層が中心です。最初に小規模でスタートした際、ミズノの会員基盤の中から野球用品を頻繁に購入されているコアなユーザー数名にダイレクトメールを送り、オンライン面談などを重ねて熱量の高い初期メンバーと一緒に立ち上げました。
藤井:直接連絡されたのですね。反応はいかがでしたか。
田林:予想以上に反響があり、熱量の高いお客様が想像以上に存在することが分かり、大きな発見となりました。
藤井:ありがとうございます。ベルマーレの佐藤さんは、参加のハードルを下げる工夫としてどのようなことをされていますか。
佐藤:物理的なハードルを下げる工夫として、2年前に事務所を駅前の商店街の中に引っ越しました。通常、スポーツ団体の事務所はグランドや体育館の近くにあり駅から遠いことが多いのですが、飲み会終わりや銀行の支店長がふらっと立ち寄れるようなアクセスの良い場所に構えました。
また、夕方から事務所で「乾杯オフィスセッション」という会費2,000円程度のカジュアルな交流会を開催しています。高額なビジネス会食だと経営者しか来られませんが、2,000円であれば学生も参加できます。様々な職種や年代の人が混ざり合う「異種格闘技戦」のような場を作ることで、偶発的な出会いやコラボレーションを生み出しています。
藤井:素晴らしいですね。過去にうまくいかなかった経験などはありますか。
佐藤:2年ほど前、「合流」をテーマに経済団体、NPO、学生を一堂に会して共通のメッセージを発信したのですが、あまり響きませんでした。それぞれのクラスタで使っている「言語」が異なるためです。それ以来、各クラスタに合わせた言語に翻訳して伝える「翻訳家」としての役割を意識しています。
時間軸の捉え方
藤井:今のお取り組みを踏まえて、成果が出るまでの時間軸や歴史の積み重ねについて、どのように捉えていらっしゃいますか。
佐藤:コミュニティやソーシャルビジネスの成果は、財務諸表にすぐに現れないことが多いです。僕らはこれを「非財務」ではなく「未財務」価値と呼んでいます。信頼や関係性が積み重なることで、将来的に採用コストの削減や商品開発、行動変容といった「財務価値」に変わっていきます。ただ、時間軸の視点で言うと、即効性を求めすぎると難しいものがあります。私たちが今あらゆる場面に入り込めるのも、20年ほどの地道な積み重ねがあるからです。
藤井:点での関わりから、長期的な視点での接点構築へと変わっていくわけですね。田林さんはいかがでしょうか。
田林:ミズノでも以前は単発のイベント開催という「点」が中心でしたが、コミュニティを始めたことで、イベント参加者がその後の体験を投稿し、そこに新しい会話が生まれるという「面」での長期的な繋がりに変化しています。時間をかけて熱量を醸成していくプロセスを実感しています。
今後の展望
藤井:最後に、今後の展望や意識されているポイントについてお聞かせください。
佐藤:ファンコミュニティから一歩進めて、「俺たちのクラブだ」という当事者意識を持ってもらう「オーナーシップコミュニティ」への昇華を目指しています。その一環として、駅前に「若者活躍拠点」を作るプロジェクトを進めています。
藤井:「自分ゴト化」が極まると非常に力強いコミュニティになりますね。田林さんはいかがでしょうか。
田林:単発のイベントで終わらせず、「&MIZUNO」を通じて継続的な繋がりに変えていきたいです。リアルイベントに参加した方がコミュニティ内で報告し、そこに別の参加者がコメントするといった循環が生まれています。日常生活の中に自然と野球やソフトボールが存在するような世界を目指して、今後も活動を重ねていきます。
藤井:お二人とも素晴らしいお話をありがとうございました!


