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コミュニティ内サブカルチャーのススメ!多様性の庭を目指そう

更新日:2026/06/08

コミュニティ内サブカルチャーのススメ!多様性の庭を目指そう
コミューン編集部

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マーケティングでお困りの方へ

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施策は実行している。CSにも取り組んでいる。
それでも、どこか噛み合わない。

その違和感は、顧客との関係性が
積み上がっていないことかもしれません。

顧客との関係性を「面」として設計するために、
コミュニティという選択肢を検討しませんか?

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それでも、どこか噛み合わない。

その違和感は、顧客との関係性が
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顧客との関係性を「面」として設計するために、
コミュニティという選択肢を検討しませんか?

コミュニティ運営をしていると、あるフェーズで直面する壁があります。立ち上げ期の熱量が落ち着き、メンバー数は増えているのにどこか均一でのっぺりとした雰囲気になってくる。投稿は増えているのに、なぜかコミュニティ全体が単調に見える。

この兆候を放置すると、将来的にコミュニティの停滞を招く可能性があります。

その壁を突き破るためのひとつの視点が「コミュニティの中にサブカルチャーを育てる」という考え方です。「サブカルチャー」という言葉を聞くと、アニメや漫画、特定の趣味の世界を思い浮かべる方もいるかもしれません。しかしここで言うサブカルチャーとは、もっと広い意味を持ちます。

コミュニティという大きな母体の中で、独自のテーマやノリ、文化を持って活動するサブコミュニティ(分科会、部活動、勉強会など)が形成する「小さな文化圏」のことです。

コミュニティの多様性を語るとき、多くの場合は「どれだけ多くの属性の人が参加しているか」という話になりがちです。しかしそれと同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが、「コミュニティの中にどれだけ多様な文化が共存しているか」という視点です。

メインカルチャーだけが支配するコミュニティは脆い

メインカルチャーだけが存在するコミュニティは、実は非常に脆い。その理由と、サブカルチャーを意図的に育てることで何が変わるのかを、具体的な事例を交えながら掘り下げていきます。

コミュニティの「のっぺり化」

コミュニティが成長していくと、不思議なことが起きます。メンバーの数は増えているのに、コミュニティ全体の熱量は必ずしも上がっていかない。それどころか、何となく似たような投稿が増え、「いいね」はつくけれど深いやりとりが生まれにくくなる、という現象です。

これは「コミュニティの均質化」と呼べるでしょう。運営側が意図せずとも、ある種の「正解」や「空気」がコミュニティ内に形成されていき、それに沿った発言や行動だけが目立つようになる。結果として、コミュニティは「特定のトーン」でのみ動くようになり、ちょっと違う視点や関心を持ったメンバーは発言しにくくなっていきます。

この問題の本質は、「多数派の文化」=「メインカルチャー」だけがコミュニティを支配している状態にあります。

サッカーでいえば、フォワードだけのチームのようなものです。多彩な役割が交差してはじめて、チームは本当に機能する。コミュニティも同じで、複数の「文化的個性」が共存してこそ、全体に厚みと活力が生まれます。

メンバーは増えているのに、熱量が上がらない現象

社会における「サブカルチャー」の役割

少し立ち止まって、社会スケールでの「サブカルチャー」の意味を考えてみましょう。社会学的には、サブカルチャーとは「より広い社会の中で、独自の信念・価値観・行動様式を持つ集団」を指します。メインカルチャーと対峙したり、時にはそれを補完したりしながら、社会の多様性と活力を保つ役割を担っています。

歴史を振り返ると、後にメインカルチャーとなったものの多くは、かつてサブカルチャーだったことがわかります。ジャズ、ロック、ヒップホップ、そしてインターネット文化。いずれも傍流として始まり、やがてより広い文化全体に影響を与えていきました。

社会が活性化するのは、メインカルチャーが強固であるからではなく、そこに絶えずサブカルチャーが刺激を与え続けているからです。

企業が運営するオンラインコミュニティも、この構造と無関係ではありません。コミュニティ全体を「社会」と見なしたとき、その中に多様なサブカルチャーが存在することが、コミュニティそのものの活力と持続性につながります。この視点を持つかどうかで、コミュニティ運営の発想は大きく変わってきます。

コミュニティ内のサブカルチャーとは

では、コミュニティにおける「サブカルチャー」とは具体的にどのようなものなのでしょうか。それは、共通の母体(コミュニティ全体)の中で、独自のテーマ・ノリ・言葉・慣習を持つ「小さなコミュニティ」が自然発生的、あるいは運営の後押しによって形成されたものです。

「多様な文化が共存する」というパラダイムシフト

具体的には、以下のような形態が当てはまります。

興味関心や専門領域に特化した「分科会」や「部活動」。たとえばカメラのコミュニティであれば、「ポートレート部」「天体観測部」のように、より細かいテーマに特化したグループ活動です。

また、参加頻度や関与の深さが異なる「常連メンバー」と「新規メンバー」のコミュニケーション文化の差も、ある種のサブカルチャーと言えます。さらに、コミュニティ内で自然発生するハッシュタグや独自ワードの使い方も、小さな文化の萌芽と言えるでしょう。

重要なのは、こうしたサブカルチャーは「コミュニティを分断する力」ではなく、「コミュニティに深みを与える力」として機能する、という点です。同じ企業やブランドに惹かれた人々が、それぞれの関心や想いを持ち寄って、自分らしい関わり方でコミュニティで交流する。その交差点で熱量が生まれていきます。

実践共同体という理論から学ぶこと

この考え方に理論的な裏付けを与えてくれるのが、社会学者エティエンヌ・ヴェンガーが提唱した「実践共同体(Community of Practice)」という概念です。

ヴェンガー(Wenger-Trayner)によれば、実践共同体とは「ある関心や情熱を共有する人々が、継続的な相互作用を通じて、その実践をより良く行う方法を学び合っていく集まり」です。重要なのは、実践共同体がしばしば組織の公式な構造とは別のところで自律的に生まれ、知識の創造と学習を促す、という点です。

ヴェンガーは、大規模なコミュニティの内部で、関心や実践の違いに応じた小さな集まりが生まれやすいこと、そしてそれらがローカルなアイデンティティを持ちつつ、より大きな共同体への帰属とも両立しうることを論じています。

つまり、サブコミュニティの存在は「直接的な参加感」と「大きなつながりへの所属感」を同時に成立させうる、ということです。

論理的裏付け

これをコミュニティ運営の視点で読み直すと、サブコミュニティや分科会はコミュニティを小さく切り刻むものではなく、メンバーがより深く参加できる入口を増やすものだと理解できます。大きなコミュニティに漠然と参加しているよりも、自分の関心に合った小さな集まりに積極的に関与することが、メンバーのエンゲージメントを高めるのです。

事例:STATION Ai

理論だけでなく、現実の事例にも目を向けてみましょう。愛知県名古屋市にある日本最大級のオープンイノベーション拠点「STATION Ai」は、1,000社を超えるスタートアップや企業が集うコミュニティをコミューンのツールを活用して運営しています。

STATION Aiのコミュニティ設計において注目すべきは、「ギルド」と呼ばれるサブコミュニティの存在です。ギルドは会員が自発的に立ち上げる小集団で、テーマは「ものづくり」「環境」「街づくり・不動産活用」など多岐にわたります。2026年3月には、50近い企業・団体が参加する「街づくり・不動産活用ギルド」が発足したという報道もあります。

街づくりの知見を共有する官民コミュニティ、愛知県「STATION Ai」で発足
出典: 街づくりの知見を共有する官民コミュニティ、愛知県「STATION Ai」で発足

このギルドの特筆すべき点は、運営側が「黒子」として支援しながら、メンバー自身が主役となってイベントを企画・運営している点です。STATION Aiではコミュニティのイベントのうちおよそ8割がメンバー主導で開催されており、年間1,400回以上ものイベントが行われています。

開業5ヶ月で1,000件以上のマッチングを創出するSTATION Aiのコミュニティ活用方法とは【イベントレポート】
出典: 開業5ヶ月で1,000件以上のマッチングを創出するSTATION Aiのコミュニティ活用方法とは【イベントレポート】

開業5ヶ月で1,000件を超えるマッチングが生まれたのも、この多様なギルドが交差する場の豊かさによるものです。

STATION Aiは2025年に「Commune Community Award」においてSocial Impact Awardを受賞しており、その受賞理由としてギルドによる主体的なコミュニティ活性化が挙げられています。

コミュニティの成果を表彰する 「Commune Community Award 2025」にて、「STATION Ai Community」が「Social Impact Award」を受賞
出典: コミュニティの成果を表彰する 「Commune Community Award 2025」にて、「STATION Ai Community」が「Social Impact Award」を受賞

サブカルチャーの多様性が、コミュニティ全体の社会的価値を高めた好例と言えるでしょう。

多様性はコミュニティの引力を高める

そもそもなぜサブカルチャーの多様性がコミュニティ全体の活力に繋がるのでしょうか。

学術的な研究でも、この点が裏付けられつつあります。2025年にMarketing Lettersに掲載された研究では、オンラインコミュニティにおけるメンバーの多様性を伝えることが、新規参加への関心を高め、間接的にエンゲージメントの向上にも寄与することが示されています。

The power of diversity in online communities
出典: The power of diversity in online communities

多様性はコミュニティを複雑にするリスクではなく、コミュニティをより魅力的に見せる引力として機能するわけです。

その理由はシンプル。「自分の居場所があるかもしれない」と感じてもらえるかどうかが、コミュニティへの参加や継続の大きな動機になるからです。

単一のカルチャーしか存在しないコミュニティでは、そのカルチャーにぴったり合う人だけが残ります。しかしサブカルチャーが多様であればあるほど、「自分の入口」を見つけやすくなる。参加のハードルが下がるだけでなく、参加した後に「ここは自分の場所だ」と感じる体験も豊かになります。

多様性はコミュニティの「引力」を高める

さらに、異なるサブカルチャーを持つメンバーどうしが交差することで生まれる「偶発的な学び」も見逃せません。自分とは違う関心や視点を持つ人と思いがけない共通点を発見したとき、人は強い刺激と喜びを感じます。

STATION Aiのコミュニティマネージャーが「異質な出会いの場の価値」を強調しているのも、まさにこの点を指しています。同質性の高い集団の中では生まれ得ない気づきや協業は、多様なサブカルチャーが交差する場でこそ生まれます。

コミュニティマネージャーからのお願い| STATION Ai入居後やるべき3つのこと
出典: コミュニティマネージャーからのお願い| STATION Ai入居後やるべき3つのこと

運営者はどのようにサブカルチャーを育てるか

では、実際にサブカルチャーをコミュニティの中で育てるには、運営者はどのようなアプローチをとればいいのでしょうか。

まず大切なのは、「管理しようとしないこと」です。サブカルチャーは、過度なコントロールによって簡単に萎んでしまいます。運営者の役割はファシリテーターです。メンバーの中から芽吹こうとしている文化や関心のかたまりをいち早く察知し、場と承認を与えることが求められます。

具体的な施策として有効なのは、以下のようなアプローチです。

カルチャーを育てる4つのステップ

まずは「小さな実験」を歓迎する文化を作ることが第一歩です。分科会や部活動を立ち上げたいと声を上げたメンバーに対して、場所を提供し、最初の一歩を一緒に踏み出す。STATION Aiのコミュニティマネージャーが語るように、「こんなイベントどうかな?」という相談を気軽に受けられる存在でいることが、サブコミュニティの種を育てる土台になります。

次に、「サブコミュニティ同士の交流機会」を意図的に作ることも効果的です。それぞれのサブカルチャーが内向きにだけ深まっていくと、コミュニティ全体の分断につながるリスクがあります。異なるサブコミュニティのメンバーが出会い、刺激し合えるイベントや企画を定期的に設けることで、「大きなコミュニティへの帰属感」と「小さなサブコミュニティへの参与感」の両方を保つことができます。

また、自然発生的なハッシュタグや言葉の使い方、独自ルールなど、メンバーが自分たちで作り出した「文化の断片」を運営側が積極的に拾い上げ、広めることも重要です。「あなたたちがここで作ったものを、私たちは大切にしている」というメッセージを届けることで、メンバーのオーナーシップ意識が高まり、サブカルチャーはより根付いていきます。

そして何より、コミュニティ全体のメインカルチャーとサブカルチャーの個性のバランスを保つことが重要です。サブカルチャーの多様性を認めながら、コミュニティ全体が大切にするメインカルチャーから逸脱しないようにする。運営者がコミュニティのメインカルチャーをしっかりと体現し、それを発信し続けることで、自然と多様なサブカルチャーがメインカルチャーの内部で花開くようになります。

メインカルチャーとサブカルチャーの共存

おわりに

コミュニティ内にサブカルチャーを育てるということは、コミュニティを豊かな生態系にすることです。一種類の花だけを育てる庭よりも、多様な植物が共存する庭の方がより豊かであるように、コミュニティもまた多様な文化が共存してこそ、強くしなやかになります。

あなたが運営するコミュニティの中に、今どんな「小さな文化の芽」が育っているでしょうか?運営者がすべきことは、それを見つけ、そして水と肥料をやることかもしれません。

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