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イベントレポート

コミュニティマーケティング

店舗があるから強くなる。小売業が仕掛ける「共創型コミュニティ」の最前線 〜赤ちゃん本舗とカインズが語る、顧客とつながり続けるための新戦略〜

更新日:2026/09/18

店舗があるから強くなる。小売業が仕掛ける「共創型コミュニティ」の最前線 〜赤ちゃん本舗とカインズが語る、顧客とつながり続けるための新戦略〜

本記事は、2026年8月29日開催のCMC甲子園 in 大阪 2026における第2セッション「店舗があるから強くなる。小売業が仕掛ける「共創型コミュニティ」の最前線〜赤ちゃん本舗とカインズが語る、顧客とつながり続けるための新戦略〜」のイベントレポートです。

 

ゲストスピーカー

      • 株式会社カインズ 澁谷慶子
      • 株式会社赤ちゃん本舗 金森大輔

 

ファシリテーター

      • 株式会社再春館製薬所 田中真希

オープニング&自己紹介

田中:第2セッションを開始いたします。「店舗があるから強くなる。小売業が仕掛ける『共創型コミュニティ』の最前線」と題しまして、本日は異なるタイプのコミュニティを展開されている赤ちゃん本舗様とカインズ様をお迎えし、お客様と繋がり続けるための新しい戦略についてお話ししてまいります。よろしくお願いいたします。

本日ファシリテーターを務めます、再春館製薬所 ドモホルンリンクル事業部の田中と申します。CMCでの登壇経験は何度かあるのですが、普段は喋る側ですので少々緊張しておりますが、本日は両社のお話をしっかり引き出せるよう頑張ります!

 

それでは、ご登壇いただく金森さん、自己紹介をお願いします。

金森:ご来場の皆様、こんにちは。株式会社赤ちゃん本舗の金森と申します。2000年に入社し、今年で26年目になります。私の部署ではコミュニティサイトをはじめ、アプリやホームページなどのオウンドメディア、Web広告の運用など、顧客接点の拡大とファン作りに取り組んでおります。

 

簡単に弊社についてご紹介させていただきます。私たちは1932年の創業以来、マタニティ&ベビー・キッズの専門店として売り場と接客を大切にしながら、今年創業95年目を迎えました。私たちの強みは会員基盤にあり、国内出生数に対する会員登録シェア率は実に58%、マタニティの年間来店者数は延べ100万人と、多くの子育て世代の方にご利用いただいております。

 

田中:素晴らしい実績ですね。会場の皆様も赤ちゃん本舗にお世話になった方が多いのではないでしょうか。現在どういったサービスを展開されているのでしょうか?

金森:私たちは単に商品を販売する小売にとどまらず、行政と連携したB2G事業、デジタルや店頭を利用したリテールメディア、他社様との協業によるアライアンス事業など、妊娠・出産・子育てに関わる領域でサービス・事業の幅を拡大しております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

 

田中:よろしくお願いいたします。それでは続いてカインズ 澁谷様、お願いいたします。

澁谷:株式会社カインズの澁谷と申します。私は新卒で入社し、店舗での販売、新店舗の教育トレーナー、商品部でのバイヤーなど様々な経験を経て、2021年からコミュニティ「カインズ DIY スクエア」の立ち上げに従事いたしました。現在も企画運営を担当しております。

 

株式会社カインズは、全国に約277店舗を展開するホームセンター事業を行っております。ベイシアグループという流通グループに所属しており、スーパーのベイシア、作業服のワークマン、ハンズなども同じグループ企業となっております。

 

田中:最近、ワークマンには大変お世話になっています。

澁谷:ありがとうございます。実は同じグループ企業なのです。そして、全国277店舗のうち約60店舗でDIYができる工房を併設しております。そこでは手ぶらでも初心者でもワークショップを楽しみながらDIYを始められる取り組みを行っています。工房には「DIYキャプテン」というアドバイザーがおり、1つひとつ丁寧に教えてくれるため、初めての方でも作品を作ることができます。このキャプテンがコミュニティ内でもキーパーソンとなっておりますので、本日はそのあたりのお話もできればと思います。

 

田中:ありがとうございます。「DIYキャプテン」、後ほど重要になりますのでぜひ覚えておいてください。

コミュニティに注力する背景と目的

田中:生活に身近で人生の様々な場面で関わる両社ですが、「なぜ今コミュニティに注力するのか」という点について紐解いていきたいと思います。まずは赤ちゃん本舗様からお願いいたします。

金森:まず、弊社のミッションとビジョンについてご紹介します。私たちのミッションは「幸せな出産・子育てを応援すること」です。

 

モノとコトを通じて家族みんなを笑顔にする新たな価値を創造し、社会に貢献することを目指しています。また、単なるモノの提供だけではなく、情報やサービスを包括して機能的価値や情緒的価値を提供する「子育て総合支援企業」を目指す姿として掲げています。現在運営しているコミュニティサイトも、この理念が根底にあるからこそ生まれたものです。

では「なぜ今コミュニティが必要なのか」という点ですが、現代の子育て環境には様々な変化が起きています。核家族化や地域コミュニティの希薄化が進む中で、多くのママやパパが孤独感と不安を抱えています。誰にも相談できなかったり、ネットの不確かな情報に埋もれてしまったりする社会課題に対し、子育て総合支援企業としてどう向き合うかを考えた結果、コミュニティサイトの活用に行き着きました。同じ境遇の仲間や先輩ママパパ、そして専門スタッフと繋がることができる、安心できる居場所の提供です。ファンコミュニティの育成は単なる経済的価値の提供にとどまらない、私たちだからこそ提供できる価値だと考えています。

 

田中:私が息子を出産した時にもぜひ欲しかった場所です。初めての子育てはすべてが手探りで不安ですし、親世代のアドバイスと現状の違いに悩むことも多いので、本当に大切な存在だと感じます。その中で、過去のプラットフォームからの学びもあったのですよね?

金森:実は、過去に1度コミュニティサイトを立ち上げたものの、挫折した経験があります。当時は参加企業集合型のコミュニティモールにアカウントを開設したのですが、自社で集めた会員様ではないことも影響してか、熱量のあるコメントやインサイトが集まりにくい状態でした。また、リワードが発生した時だけ一方向で終わるコメントが集まってしまい、会員様同士や当社との共感・自発的な関係性を築くことができませんでした。さらに自社でデータ分析ができる環境になかったため、迅速な改善アクションに繋げられず、一度閉鎖して自社保有のコミュニティを再立ち上げすることにしました。

 

田中:前セッションの味の素様や、弊社のコミュニティ(3回目のチャレンジ)でも全く同じ課題がありました。インセンティブ目的の動機だけでは活性化しないというのは「コミュニティあるある」ですね。現在のコミュニティについて教えていただけますか?

金森:2026年1月に本格始動したのが自社コミュニティ「あかちゃんほんね」です。コンセプトは「みんなの本音が誰かの大丈夫になる場所」。妊娠・出産・子育ての悩みや疑問の投稿、日常の写真投稿、おすすめ商品の紹介などがメインコンテンツです。悩み投稿には200件ほどが集まっており、会員様同士で悩みを共有したり先輩ママパパがアドバイスを寄せたりしています。規模は現在1,300人ほどで、赤ちゃんに例えると「ハイハイ期」くらいですが、MAUは2万人を超えており、熱量を高めるための施策をPDCAを回しながら日々実行しています。

 

田中:ありがとうございます。続いてカインズ様、お願いいたします。

澁谷:弊社のコミュニティ設立は、「DIYをライフスタイル(生活文化)にしていく」というミッションを実現するための手段としてスタートしました。

 

日本でDIYというと日曜大工のイメージが強いかもしれませんが、カインズでは広義に捉えています。工作だけでなく、ガーデニングや料理(梅酒づくりなど)も含め、「自分自身でくらしをより良くすることすべて」をDIYと定義しています。そうした活動をする人を弊社では「DIYer」と呼び、DIYerを増やして文化として定着させることを目指しています。これまでは店舗というリアルの接点がメインでしたが、オンラインでの新たな繋がりを作ることで、オン・オフ両面からお客様のくらしをサポートしたいという背景から設立いたしました。

 

田中:DIYと聞くと難しそうに感じますが、お料理やお絵描きも含まれるとなると「私もDIYerだ」と親しみやすく感じられますね。

澁谷:文化にするのは簡単ではありませんが、参加者全員が自信を持って「自分はDIYerだ」と言える世界観を目指しています。一方的な情報発信だけで行動を起こしてもらうのは難しいため、DIYが好きな熱量のあるファンの方から他のファンへ伝播していく「ファンとの共創」が不可欠だと感じています。

 

田中:共創は本当に大切ですね。弊社(ドモホルンリンクル)のコミュニティでも、C to Cのコミュニケーションを重要視しています。実際のコミュニティ「CAINZ DIY Square」の現在の状態はいかがですか?

澁谷:DIY、グリーン、料理、ペットなどのカテゴリーがあり、真似したくなるアイデアや作品を投稿できるサイトになっています。作品を投稿すると「これすごいですね!どうやって作ったのですか?」といったコメントが多く寄せられる温かい雰囲気が魅力です。現在、オープンから丸5年で会員数は約17万人、非会員を含む月間訪問ユーザー(MAU)は約78万人となっています。

 

会員数の約3倍の流入がある理由として、ユーザー様の投稿がGoogle DiscoverやAIでおすすめとして推奨・表示されていることが挙げられます。非常に丁寧な投稿が多いため、自然と外部からの流入を作れています。

 

田中:ユーザーの投稿が評価されて自然に広がっていくのは理想的ですね。会員数の推移も素晴らしいです。

澁谷:17万人という数字も、試行錯誤しながら徐々に拡大してきた結果です。昨年、投稿よりもハードルを下げた「投票キャンペーン」を実施したところ、1日で約2万人会員が伸びるなど、新たなアプローチが見えてきました。

 

田中:ハードルを下げる工夫はとても重要ですね。「好きな商品を選ぶだけ」といった企画なら見ている専門(サイレントマジョリティ)の方も参加しやすくなります。

リアル店舗とデジタルの接続と現在地

田中:ここからは、リアル店舗を運営しながらオンラインに挑戦されている両社の「現在地」を深掘りしていきます。カインズ様、具体的な取り組みについて教えてください。

 

澁谷:コミュニティには、作品を投稿する「作品ギャラリー」、作り方を共有する「レシピノート」、日常会話も含めて交流する「トーク広場」、お困りごとを解決し合う「みんなに質問」などのメニューがあります。一番投稿数が多いのは「作品ギャラリー」です。

 

また、投稿やいいね、店舗でのワークショップ参加によりポイントが貯まるポイントランク制度を取り入れており、最上位は「ランク5」となっています。ランクに応じた特典は、店舗で受け取れる仕組みにしています。

 

田中:店舗へ足を運ぶきっかけを作られているのですね。赤ちゃん本舗様でもランク制度などの導入はお考えですか?

金森:はい。ランク制自体は導入しており、「ねがえり」から「おすわり」「ハイハイ」と成長に合わせた名前をつけています。特典内容については現在検討中です。

田中:独自のランク制があるとコミュニティならではの楽しみ方が生まれますね。カインズ様では、オンラインとリアルの接点をどのように繋いでいるのでしょうか?

澁谷:店舗のワークショップ参加時に着用するネームタグにコミュニティのニックネームを書いていただくことで、「もしかして〇〇さんですか?」といった交流が生まれています。

 

また、最上位ランク限定の「プラチナエプロン」やランク特典の受け渡しを店舗のキャプテンから直接行うことで、リアルな接点を意図的に作っています。その結果、オフラインで出会った会員様同士でお茶をしたり、他の会員様をご自宅に招いてワークショップを開催したりと、熱量の高い繋がりが生まれています。

 

田中:オンラインだけでなく、実際に会える場があるからこその成果ですね。金森さんはこのオン・オフの連携についていかがですか?

金森:将来的にはぜひ実施したいです。ただ、弊社のターゲットは妊婦様や小さなお子様連れのため外出のハードルが高いという特徴があります。それでもオンライン上で交流できたお客様から「久しぶりに人と話せて嬉しかった」という声をいただいており、コミュニティの存在意義を実感しています。

田中:家に閉じこもりがちな時期だからこそ、オンラインでの交流が救いになりますね。また、コミュニティの成果が数字としても顕著に出ているそうですね。

澁谷:コミュニティ会員様の年間購入金額を調査したところ、ランクに比例して購入金額が上がっていることが分かりました。特に最上位ランクの方は、一般的な会員様と比較しても購入金額が4.7倍と突出して高く、数日に1回ご来店される非常にロイヤルな顧客となっております。さらに、コミュニティ登録前後の1年間を比較しても全ランクで購入金額が増加しており、最上位ランクの方では年間購入額が大幅に伸びているという検証結果が出ています。

田中:素晴らしい結果です。元々ロイヤルな方が、コミュニティを通じてさらにファンになっているということですね。社内に成果を示す上でも非常に強力なデータです。

澁谷:商品単品の売上だけでなく、顧客のロイヤリティやLTV向上として成果を示すことが重要だと考えています。

また、オンラインでのUGC活用事例として、先日オリジナル麺を発売した際、レシピ考案のモニターを30名ほど募集いたしました。約2ヶ月の期間を設けていたのですが、わずか2週間で100以上のレシピが集まるという熱量の高さでした。集まったレシピは媒体としてまとめ、実際に売り場へ展開しております。

 

田中:2週間で100以上ですか!? 30名の募集でその投稿数は、お1人あたり2〜3件以上投稿してくださらないと達成できませんよね。熱量がものすごいです。

澁谷:はい。さらにリテールメディアとしての活用も始まっています。例えば塗料メーカーのニッペホームプロダクツ様との取り組みでは、「みんなに質問」コーナーで塗料に関する質問を募集し、メーカー様が直接回答する企画を実施しました。その結果、質問された方の内6割の方がカインズで塗料を購入してくださいました。

また、スポンジメーカーの3M様とは人気投票企画を開催し、約6,000件の投票が集まりました。本来の狙いは使用実態のアンケート調査だったのですが、投票者にアンケート回答を求めたところ、8割近くの方が回答してくださるという驚きの結果になりました。

自分ゴト化を促すための工夫

 

田中:質問企画からの購入促進も、8割近くという高いアンケート回答率も驚異的ですね! メーカーは直接の顧客接点が少ないことも多いので、ユーザーのリアルな声を聞けて信頼関係が生まれる貴重な場になりますね。

澁谷:そうですね。まさに顧客との直接的な接点としてこの場を活用していただけた事例だと感じています。

田中:ユーザーとのエンゲージメントが高いからこそ生まれる素晴らしい活用法ですね。赤ちゃん本舗様の現在の取り組みはいかがですか?

金森:弊社は立ち上げ期だからこそ、スピード感を持って多角的な施策を行っています。立ち上げから8ヶ月で約30の企画を実践してきました。

 

特に反響が大きかったのは、ベストセラー商品「水99% Superおしりふき」の発売20周年記念キャンペーンです。コミュニティ内で愛を語っていただいたところ、100件を超える熱いコメントが集まりました。「パッケージのカシャカシャ音が赤ちゃんの玩具になる」「手口拭きとしても長年愛用している」など、内部では気づけなかった価値を再発見できました。これらの声を店舗スタッフに社内報で共有してインナープロモーションに活かしたほか、Webや店頭でのプロモーションにも展開しています。

 

さらに、会員様の声を商品開発に活かす共創プロセスも開始しました。粉ミルク用スプーン「ミルクストン」の専用ケース開発では、オンライン交流会やモニター調査を通じ、会員様のアドバイスを取り入れながら使いやすい形状(吸盤で缶や箱に固定できるタイプ)へと改良を進めています。

 

田中:ユーザーの生の声を反映させた、まさに熱量のこもった商品づくりですね。店舗との連携についてはいかがですか?

金森:弊社店舗には専門知識を持つ「マタニティアドバイザー」が在籍しており、この接客力こそが最大の強みです。

 

今後はコミュニティに寄せられた悩みにアドバイザーが直接回答し、それを見たプレママ・プレパパが「店舗に相談に行ってみよう」と思えるような、デジタルからリアルへの好循環を作れるようテストを行っています。

 

また、将来的にアプリ会員データとコミュニティデータの連携を進め、お子様の月齢に合わせたパーソナライズな情報提供や施策の効果検証を行っていきたいと考えています。

 

田中:リアル店舗の強みをオンラインと繋ぐことで、より強固な関係性が構築できますね。店舗は単に物を買う場所ではなく、共感や体験を得る場所へと進化していくのだと感じます。

今後の展望とコミュニティが果たす本質的価値

田中:両社のお話を伺い、手法やフェーズは異なりつつも、鍵となるのは「リアル店舗の存在意義をどうオンラインと接続するか」という点だと改めて実感いたしました。すでにオン・オフの循環が拡大しているカインズ様と、様々な施策でスピード感をもってチャレンジを重ねる赤ちゃん本舗様。

 

私自身も感じていることですが、これからの時代、リアル店舗は「単に物を売るだけの場所」にしていては非常にもったいないですよね。店舗とは、同じ目的や趣味を持つ仲間が集まり、共通の悩みを分かち合い、「自分らしさを表現したい」「もっと知ってほしい」という想いを叶える場所へと進化できるはずです。国内の人口減少が進む中で、オンラインと店舗を密に繋ぎ、コアなファンと深く結びついていくことこそが、これからの小売業におけるひとつの大きな解になるのだと感じます。

 

それでは最後に、両社の今後の展望をお聞かせください。まずは赤ちゃん本舗の金森さん、お願いいたします。

金森:私たちのビジネスには、避けて通れない絶対的な課題が存在します。それは「お客様が必ず卒業してしまう」という事実です。お子様の成長に伴い、毎年約30%のお客様がビジネスから離脱されます。一般的なLTV(顧客生涯価値)モデルのように、一人のお客様との関係を永続的に伸ばすことには構造上の限界があるため、常に新しい世代のお客様を獲得し続けなければなりません。

 

そこで、私たちがコミュニティに期待しているのが「推奨の連鎖」を作り出すことです。

「初めて小さな肌着に触れた高揚感」「家族総出で応援したハイハイレースの感動」「アドバイザーに相談して心がふっと軽くなった瞬間」——店舗やコミュニティで生まれたかけがえのない体験や感動こそが、卒業後も自発的に「アカチャンホンポがおすすめだよ」と次の世代へ伝える動機になります。コミュニティ運用やマタニティアドバイザーの育成には相応のコストと時間がかかりますが、お客様の心の支えとなってファンを育むプロセスは、「未来のCPA(顧客獲得単価)を最大化させるための投資」だと捉えています。

 

コミュニティマーケティングの本質は、単に経済的価値を満たすことではありません。育児の孤独や不安という社会課題に向き合い、繋がり合える安心な居場所を提供することです。そこでの寄り添いから深いファンが生まれ、そのファンが創り出す「推奨の連鎖」が次の世代の集客へと循環していく。私たちはこれからも、オンラインと店舗の両軸でお客様に寄り添い続ける子育て総合支援企業として歩んでまいります。

 

田中:素晴らしい熱量とお話ですね!冒頭でコミュニティの成熟度を「ハイハイ期」とおっしゃっていましたが、すでに圧倒的な本気度が伝わってまいります。

それではカインズの澁谷様、今後の展望をお願いいたします。

澁谷:私たちは5年間の運営を通じて、会員数や投稿数の拡大という初期KPI(フェーズ1・2)を達成してまいりました。現在は、これを如何にビジネスの成果へと紐付けるかという「フェーズ3」に注力しています。

 

今後は、小売だからこそ実現できる「リテールメディア」としての価値を高めるだけでなく、メーカー様、店舗、さらには地域社会までをも繋ぐオープンなプラットフォームとしてコミュニティを発展させていきたいと考えています。私たちの根底にある目的は、あくまで「DIYを日本の生活文化にする」ことです。一人でも多くのユーザー様が自分らしいくらしを楽しめる世界を目指し、これからもコミュニティを進化させてまいります。

田中:ありがとうございます! 異なるアプローチでありながら、双方とも店舗とコミュニティを融合させた強固なファン施策を展開されており、大変深い学びを得ることができました。本日は貴重なお話をありがとうございました!

澁谷・金森:ありがとうございました!