コラム
マーケティング
「SNSトレンド徹底解剖レポート」をコミュニティ視点で読み解く
更新日:2026/06/08

マーケティングでお困りの方へ
マーケティングでお困りの方へ
施策は実行している。CSにも取り組んでいる。
それでも、どこか噛み合わない。
その違和感は、顧客との関係性が
積み上がっていないことかもしれません。
顧客との関係性を「面」として設計するために、
コミュニティという選択肢を検討しませんか?
施策は実行している。CSにも取り組んでいる。
それでも、どこか噛み合わない。
その違和感は、顧客との関係性が
積み上がっていないことかもしれません。
顧客との関係性を「面」として設計するために、
コミュニティという選択肢を検討しませんか?
目次
日々めまぐるしく変化するSNSの世界。そのトレンドを追いかけるだけでも一苦労ですよね。そんな中で、2025年6月、TBWA\HAKUHODOのマーケティング組織「65dB TOKYO」が非常に示唆に富んだ「2025年上半期SNSトレンド徹底解剖レポート」を発表しました。このレポートは現代のSNSユーザーの心理やコミュニケーションの変化を鋭く捉えています。
このレポートを読み解きながら感じたことがあります。それは、SNSトレンドの根底にあるユーザーの欲求や行動原理は、企業が顧客と長期的な関係を築くためのコミュニティのあり方と深く共鳴しているということです。
SNSが、いわば「拡散」と「出会い」の場だとすれば、コミュニティは「深化」と「育成」の場です。一過性のバズで終わらせず、顧客とのエンゲージメントを高め、LTV(顧客生涯価値)を最大化していくためには、SNSで起きている現象の「なぜ?」を理解し、それをコミュニティという受け皿でどう活かすか、という視点が不可欠になります。
この記事では、レポートで提示された2025年上半期の3大トレンド傾向を見ていきます。
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画像ミーム:Xでトレンド入りした万バズ画像ミームに見る特徴と兆し
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AIとの共生:SNSにおける二極化現象
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企業とユーザーのコミュニケーション:好感を得るブランドの共通点
これら一つひとつを「コミュニティ」という観点で再解釈し、マーケティング担当者やコミュニティ運営者の皆さんが実践できる具体的なヒントや新しい視点をご提供します。
それではいきましょう!
第1章:「画像ミーム」から見る「共感」の形
レポートが最初に挙げるトレンドは「画像ミーム」です。「エッホエッホ」と走るメンフクロウのヒナ、「犬の情けない写真ほしいです」というお題募集、「#育児ママあるある祭り」といった感情の代弁。これらがなぜ、あれほどまでに人々を惹きつけ、拡散されたのでしょうか。
レポートは、その背景に「語るSNSから、重ねるSNSへ」という大きな変化があると分析します。炎上リスクを恐れ、自分の意見をストレートに「語る」のではなく、既存の画像(フォーマット)に自分の感情を「重ねる」ことで、ユーザーは安心して自己表現を行っている、というのです。
これは、コミュニティ運営において非常に重要な示唆を与えてくれます。
ミームは「共通言語」である
コミュニティが活性化するための重要な要素の一つに「共通言語」や「内輪ネタ」の存在があります。そのコミュニティならではの言葉遣いや合言葉が生まれることで、メンバーの帰属意識は格段に高まります。
例えば、ある食品メーカーのコミュニティでは、特定の商品を使ったアレンジレシピにファンが独自の愛称をつけ、それが自然発生的に広まっていった事例があります。この愛称は、新しく参加したメンバーが「〇〇(愛称)作ってみました!」と投稿することで、古参メンバーから「お、やりましたね!」と歓迎されるイニシエーションのような役割も果たしています。
画像ミームの「フォーマットに乗っかる」という行為は、これと全く同じ構造をしています。「#育児ママあるある祭り」というハッシュタグ(フォーマット)を使うことは、「私も育児に奮闘する仲間です」という意思表示であり、同じ境遇の仲間と繋がるためのチケットなのです。
「お題」がUGCのハードルを下げる
レポートで紹介されている「情けない写真ほしいです」というミームは、秀逸な「お題」がUGCを爆発的に促進した好例です。コミュニティ運営の悩みとしてよく聞かれるのが、「なかなか投稿が増えない」というものです。多くのユーザーは「何か発信したい」と思っていても、「何を投稿すればいいか分からない」「こんなことを書いてもいいのだろうか」と躊躇してしまいます。
ここで有効なのが、企業側から「会話のきっかけ(Conversation Starter)」となるような、参加しやすい「お題」を投げかけることです。
重要なのは、そのお題が「開かれた問い」であること。「この商品の好きなところは?」という直接的な問いよりも、「皆さんの『#今日の◯◯活』を教えて!」「『#我が家のマストアイテム』の写真を見せてください」といった、ユーザーが自分の言葉や写真で「重ねる」余地のあるお題の方が、投稿のハードルはぐっと下がります。
コミュニティ担当者が「ミーム」から学ぶべきこと
では、コミュニティ運営者はこの「画像ミーム」のトレンドから何を学ぶべきでしょうか。
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「関わりしろ」のあるお題設計: 完成された質問ではなく、ユーザーが自分の体験や感情を「重ねて」遊べるような、少し余白のあるお題を定期的に投げかけましょう。「写真投稿キャンペーン」を実施したり「投票機能」などを活用するのも有効です。
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ユーザー発の「ミームの種」の発見: メンバー間の何気ないやり取りの中に、共通言語や内輪ネタの「種」が隠れていることがあります。コミュニティマネージャーは、そうした兆候を敏感に察知し、拾い上げ、時には公式のお題として昇華させることで、コミュニティ独自の文化を育んでいくことができます。
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「安心感」の醸成: ミームが流行る根底には「炎上したくない」という心理があります。これはコミュニティも同様です。どんな投稿も歓迎され、否定されないという心理的安全性が確保されていて初めて、ユーザーは安心して自分の感情を「重ねる」ことができるのです。
SNSのミームは、一見すると刹那的な流行に見えます。しかしその裏側には、「共感で繋がりたい」「安心して自己表現したい」という、人間の普遍的な欲求が流れています。この欲求に応える場こそが、コミュニティと言えるでしょう。
第2章:「AI」が変える「信頼」と「エンタメ」
第二のトレンドは「AI」です。レポートでは、X(旧Twitter)におけるGrokの「ファクトチェック」のように事実に厳格な活用と、TikTokの「生成AIラベル」付き動画のように非現実的なエンタメ活用という、AIとの共生方法の二極化が指摘されています。
この「信頼」と「エンターテイメント」という両極端なAIの活用は、コミュニティの価値を飛躍的に高める可能性を秘めています。
AIによる「信頼」の担保:コミュニティの健全性を守る番人
コミュニティが成長するにつれて、運営者の頭を悩ませるのが、誤情報、誹謗中傷、スパム投稿といったノイズへの対応です。コミュニティの心理的安全性を維持するためには、これらのノイズを迅速かつ公正に処理する必要がありますが、人的リソースには限界があります。
ここに、AIの活用が期待されます。
Gartnerの予測によれば、2027年までに企業の80%が、生成AIのAPIやモデルを利用し、あるいは生成AI対応アプリケーションを本番環境で展開するとされています。(参考:Gartner “Top Strategic Technology Trends 2024”)
コミュニティ運営におけるAI活用も、今後ますます加速するでしょう。例えば、
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不適切投稿の自動検知・アラート: ガイドラインに抵触する可能性のある投稿をAIが自動で検知し、コミュニティマネージャーに通知する。
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「ファクトチェック」機能の補助: 製品に関する誤った情報が投稿された際に、AIが公式のFAQや過去の議論を元に正しい情報源を提示する。
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議論の要約: 活発なスレッドの内容をAIが定期的に要約することで、途中から参加したメンバーも議論の流れを追いやすくする。
これらの機能は、運営者の負担を軽減するだけでなく、コミュニティ全体の「信頼性」を高める上で極めて重要です。ユーザーは「この場所は信頼できる情報が集まっている」と感じることで、より安心して参加し、貢献してくれるようになります。
AIによる「エンターテイメント」の創出:UGCの新しい遊び方
レポートで紹介されている「広告の中の推しに食べられる」動画のように、AIは「ありえない」状況を作り出し、人々を楽しませる力を持っています。この力は、コミュニティ内のUGCを活性化させる新しい起爆剤になり得ます。
これまでUGCの創出といえば、写真コンテストやレビュー投稿が主流でした。しかし、AI画像生成などを活用すれば、より創造的で参加のハードルが低い企画が可能です。
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「もしもAI」キャンペーン: 「もしも、うちの〇〇(製品)が擬人化したら?」「もしも、〇〇(製品)が宇宙にあったら?」といったお題で、AIにイラストを描かせて投稿してもらう。絵が描けない人でも気軽に参加でき、ブランドへの想像力をかき立てます。
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AIアバター生成: コミュニティ内限定で、プロフィールに設定できるAIアバターを生成できる機能を提供する。共通のフォーマットで生成されたアバターは、メンバー同士の一体感を醸成します。
重要なのは、レポートが指摘するように「明らかに作り物だとわかる非現実的なストーリーを楽しむ」という点です。企業がAIを活用する際、完璧なものを作ろうとする必要はありません。むしろ、少し拙かったり、予想外のアウトプットが出てきたりする「偶然性」こそが、ユーザーを楽しませ、コミュニケーションのきっかけを生むのです。
AIはコミュニティマネージャーの「パートナー」になる
AIはコミュニティマネージャーの仕事を奪うのではなく、むしろその能力を拡張する「パートナー」になると私たちは考えています。
ルーティンワークやノイズ対応をAIに任せることで、コミュニティマネージャーは、ユーザーとの個別対話や、コミュニティ独自の文化醸成、オフラインイベントの企画といった、より創造的で人間的な業務に集中できるようになります。
また、AIがユーザーの活動データを分析し、「最近アクティブでない〇〇さんに、こんな働きかけをしてみては?」「〇〇さんと△△さんは興味が近そうなので、繋げてみては?」といったインサイトを提供してくれる未来もそう遠くはないでしょう。
第3章:「企業とユーザーのコミュニケーション」に見るコミュニティ運営の理想像
最後のトレンドは「企業とユーザーのコミュニケーション」です。レポートでは、ブランド好感度が高まった事例として、「愛用者ファースト」「真摯な姿勢」「広告感のなさ」という3つのポイントが挙げられています。
そして、ユーザー心理の核心として「“フランクで身近な存在”だと好感を持てる」という気持ちと、「“公式である誠実さ”は忘れてほしくない」という、一見すると矛盾する2つの気持ちを同時に抱いている、と分析しています。これこそ、まさにコミュニティ運営のポイントの要点の1つです。
コミュニティマネージャーは「フランクさ」と「誠実さ」の体現者
レポートが指摘する「#公式暴走界隈」に代表されるような、企業の「中の人」のキャラクター化は、ブランドを身近に感じさせる有効な手法です。しかし、一歩間違えれば、軽薄な印象を与えたり、炎上を招いたりするリスクも孕んでいます。
ユーザーが求める「フランクさ」と「誠実さ」の絶妙なバランスを体現するのが、コミュニティマネージャーの役割です。
コミュニティマネージャーは、
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ユーザーと同じ目線で雑談を楽しみ、時にはいじられ役になる「フランクさ」
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企業の公式な代表として、正確な情報を提供し、ユーザーの声に責任を持って耳を傾ける「誠実さ」
この二つの顔を使い分け、コミュニティの「空気」を創り出します。彼らは、企業のメッセージを一方的に伝える拡声器ではなく、企業と顧客、そして顧客同士の対話を促進する触媒(カタリスト)なのです。
企業のマーケティング担当者は、SNSアカウントの運用方針を考える際、この「フランクさ」と「誠実さ」の二軸で自社の立ち位置を明確にすることが、ユーザーとの健全な関係構築の第一歩となるでしょう。
おわりに
今回は、「2025年上半期SNSトレンド徹底解剖レポート」を、コミュニティという視点から読み解いてきました。
「画像ミーム」「AI」「企業とユーザーのコミュニケーション」。一見バラバラに見えるこれらのトレンドは、「ユーザー主導」「共感」「信頼」「自己表現」といった、より根源的なキーワードで繋がっているようです。人々はもはや、企業から与えられる情報を一方的に受け取るだけの存在ではありません。自らが見つけ、共感し、時には作り変え、遊びながら、他者やブランドとの繋がりを築いていく、能動的な存在です。
SNSが、こうした新しい繋がりの「きっかけ」を生み出す広大な海だとしたら、コミュニティは、その繋がりをじっくりと育み、深化させていくための、穏やかで豊かな港です。
SNSトレンドの波に乗り、新しい顧客と出会うことはもちろん重要です。しかし、その出会いを一過性のものにせず、ブランドの熱心なファン、そして共創パートナーへと育てていくためには、彼らが安心して停泊し、交流し、自己表現できる「港」が不可欠なのです。
マーケティングでお困りの方へ
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施策は実行している。CSにも取り組んでいる。
それでも、どこか噛み合わない。
その違和感は、顧客との関係性が
積み上がっていないことかもしれません。
顧客との関係性を「面」として設計するために、
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それでも、どこか噛み合わない。
その違和感は、顧客との関係性が
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