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オシノミクスの6つのコア心理で「推されるコミュニティ」になるには?
更新日:2026/06/08
マーケティングでお困りの方へ
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施策は実行している。CSにも取り組んでいる。
それでも、どこか噛み合わない。
その違和感は、顧客との関係性が
積み上がっていないことかもしれません。
顧客との関係性を「面」として設計するために、
コミュニティという選択肢を検討しませんか?
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目次
コミュニティづくりに悩みはつきものです。メンバーの熱量が上がらない、活動が停滞している…。こうした悩みを解消するために、ときにはコミュニティ運営とは一見距離のあるように見える領域の知見を借りるのが有効です。
そこで今回は、アイドルやアーティストの「推し活」を参照してみます。そこにはコミュニティを活性化するヒントが隠されていました。
博報堂DYグループの「オシノミクス レポート」によると、「推し活」には6つのコア心理があるそうです。これらの心理を理解しコミュニティ運営に活かすことで、メンバーに「推される」魅力的なコミュニティを作り出せる可能性があるのです。
本記事ではこの「オシノミクス」の知見を基に、コミュニティをより魅力的にする具体的な方法を探っていきます。読者のみなさんが関わっているコミュニティが、メンバーにとってかけがえのない「推し」になるにはどうしたらいいのでしょうか。
それではいきましょう!
推し活とコミュニティ運営の意外な関係性
一見すると、アイドルやアーティストの推し活とコミュニティ運営はまったく異なる世界のように思えるかもしれません。しかし両者には驚くほど多くの共通点があります。そして、推し活から学べる知見はコミュニティ運営に新たな視点をもたらしてくれます。
なぜ推し活の研究がコミュニティ運営の参考になるのでしょうか?その鍵は人々の「熱量」にあります。推し活はファンが自発的に推しに対して時間とお金を費やし、積極的に関わろうとする行動です。この自発的な熱量こそ、多くのコミュニティ運営者が求めているものではないでしょうか。
「オシノミクス レポート」によると、推し活を行っている人はそうでない人と比べて幸福度が20ポイント以上高いという結果が出ています。これは単なる消費活動ではなく、推しとの関係性を通じて自己実現や人生の充実感を得ているからだと考えられます。コミュニティもまた、メンバーにとって自己実現や充実感を得られる場所になり得ます。推し活の要素をコミュニティ運営に取り入れることで、メンバーの自発的な参加意欲を高め、コミュニティへの愛着を深めることができる可能性があるのです。
また、推し活では「共有」「応援」「紐帯」「憧憬」「探求」「所有」という6つのコア心理が働いているとされています。これらの心理を理解しコミュニティ運営に活かすことで、メンバーにとって「推したくなる」存在へと進化することができるでしょう。
コミュニティがメンバーに推される存在になることは、単にその場が盛り上がるということではありません。メンバーの人生に深く根ざし、彼らの成長や幸福に寄与する存在になるということです。そうなれば、メンバーは自然とコミュニティに対して時間や労力を惜しまず関わるようになり、結果としてコミュニティの持続的な成長につながるのです。
それではここから、推し活の6つのコア心理について詳しく見ていきましょう。それぞれをどのようにコミュニティ運営に活かせるか、具体的な方法も考えていきます。
「オシノミクス レポート」が明らかにした6つのコア心理
「オシノミクス レポート」では、推し活を行う人々の行動や心理を深く分析し、その根底にある6つのコア心理を特定しています。これらのコア心理は全国の10代から60代の男女1000人以上を対象とした調査から導き出されました。コミュニティ運営に当てはめるのは後にして、まずは明らかになった6つのコア心理について、それぞれ見ていきましょう。
①共有 -Share-
「共有」は、推しに関する体験や感情を他者と分かち合いたいという欲求を表します。推し活を行う人々は自分の推しへの思いや関連する情報を他のファンと共有することで喜びを感じるわけです。これは単なる情報交換ではなく、感情的なつながりを生み出す重要な要素と言えます。
②応援 -Support-
「応援」は、推しの成功や成長を願い、それに貢献したいという気持ちを指します。ファンは推しのために何かをしたい、力になりたいと考え、それが具体的な行動につながっていくのです。こうした応援行動は自己効力感や自己肯定感を高める効果もあります。
③紐帯 -Connect-
「紐帯」は、推しとの間に特別なつながりを感じ、それを大切にしたいという思いです。ファンは推しとの間に個人的な関係性があると感じることで、より深い愛着や忠誠心を抱くようになります。この感覚は、推し活を継続する大きな動機となるわけです。
④憧憬 -Admire-
「憧憬」は、推しを理想化し、あこがれの対象として見る心理です。ファンは推しの才能、魅力、人格などに強く惹かれ、自分もそうありたいと思うことがあります。この憧れの感情が、推しへの継続的な関心と支持を生み出すのです。
⑤探求 -Search-
「探求」は、推しについてより深く知りたい、理解したいという欲求です。ファンは推しに関する情報を積極的に収集し、その人物や作品について学ぼうとします。この探求心が、推し活における知識の蓄積や深い洞察につながるのです。
⑥所有 -Own-
「所有」は、推しに関連するものを手に入れ、自分のものにしたいという欲求です。これはグッズの購入やコレクションだけでなく、推しとの思い出や体験を自分のものにしたいという心理も含みます。所有することで、推しとの結びつきをより強く感じることができるのです。
これら6つのコア心理は互いに関連し合いながら推し活という現象を形作っています。個々のファンによって、各要素の強さや比重は異なりますが、これらの心理が複雑に絡み合うことで、推し活の多様性と深さが生まれているのです。
「オシノミクス レポート」が明らかにしたこれらの知見は、ファン心理の理解を深めるだけでなく、コミュニティ運営にも大きな示唆を与えています。次に、これらのコア心理がコミュニティ運営にどのように応用できるかを具体的に考えてみましょう。
「推されるコミュニティ」になるために
コミュニティ運営者にとって、メンバーから「推される」存在になることは大きな目標の一つと言っていいでしょう。6つのコア心理を理解し、それをコミュニティデザインに活かすことで、その目標に近づくことができるかもしれません。では、具体的にどのようなアプローチが考えられるでしょうか。
「共有」の心理を活かすには、メンバー同士が体験や感情を分かち合える場を積極的に設けることが重要です。定期的なイベントやオンライン上での交流スペースを用意し、メンバーが自由に意見や経験を共有できる雰囲気を作りましょう。また、コミュニティの活動や成果を外部に発信する機会を設けることで、メンバーの誇りや所属意識を高めることができます。
「応援」の要素を取り入れるには、コミュニティ自体が応援したくなる存在になることが重要です。そのためには、まずコミュニティが明確な目標や使命を持ち、それに向かって着実に進んでいることを示す必要があります。例えば、社会課題の解決に取り組むコミュニティであれば、その進捗や成果を定期的に共有し、メンバーが「この活動を支えたい」と思えるような情報発信を心がけましょう。
「紐帯」の感覚を強めるには、コミュニティと個々のメンバーとの特別なつながりを演出することが大切です。メンバー一人ひとりの貢献を認識し、感謝の言葉を伝えることや、コミュニティ独自の象徴的なアイテムを用意すること、役割を設けることなどで、帰属意識を高めることができるでしょう。
「憧憬」の要素を取り入れるには、コミュニティの理想像や長期的なビジョンを明確に示すことが重要です。そのビジョンに向かって進んでいるロールモデルとなるメンバーや成功事例を積極的に紹介し、メンバーが憧れを抱く機会を提供しましょう。
「探求」の心理を刺激するには、コミュニティのテーマに関連する深い知識や新しい情報を常に提供し続けることが大切です。専門家を招いてのセミナーや、メンバー同士で学び合うワークショップなどを定期的に開催することで、知的好奇心を満たし継続的な学びの場としての価値を高めることができます。
「所有」の欲求に応えるには、コミュニティ独自の体験や成果物を提供することが効果的です。例えば、参加証明書やバッジ、限定グッズなどの有形のものから、特別な役割や権限といった無形のものまで、メンバーが「自分のもの」と感じられる要素を用意しましょう。
これらの要素を総合的に取り入れることで、メンバーにとって価値ある、「推したくなる」コミュニティを作り上げることができます。ただし、重要なのは形式的に取り入れるのではなく、コミュニティの本質や目的に沿って、これらの要素を有機的に組み込んでいくことです。
こうした推し活のエッセンスを取り入れるなら、アーティストが自身のファンを大切にするように、コミュニティ運営者も長期的にメンバーとの関係性を丁寧に育んでいくことが求められます。その結果、コミュニティはメンバーにとってかけがえのない「推し」となり、自発的な参加と貢献が生まれる好循環を生み出すことができるかもしれません。
オシノミクス・デザイン
「オシノミクス レポート」では能動的な行動を引き出す行動デザインの7つのポイントが「オシノミクス・デザイン」として紹介されているのでご紹介して終わりにしたいと思います。
ここまでの文章を読んで推し活とコミュニティ運営を結びつける観点を持ったみなさんであれば、以下のどのポイントもコミュニティ運営に活かせると感じられるでしょう。
推す対象。一緒に推す仲間。その先の共同体。そして社会。趣味として閉じるのではなく、アクションとして「世界との関わり」をつくる推し活は世代や年齢を問わず、他者とつながる関係性を求めるすべての人がそのポテンシャルをもっています。推し活のマインドをつうじて、多くの人々がさまざまな「他者」へと開かれてゆくことでコミュニケーションや経済活動そのものの総量が増加し組織や社会全体が活性化していくかもしれません。
わたしたちの心に「推し」の感情を生み出すもの。それは思わずいろいろと想像したくなる推しの「限定された情報」や、思わず気がかりで心配したくなる推しのもつ「隙」ではないでしょうか。SNSを通じて小出しにされる、推しの普段の生活や時折ちらりと垣間見えるその素顔は、わたしたちの想像力をより豊かなものにします。想像すればするほど、わたしたちは推しの”沼”へとハマっていくでしょう。余白と隙が、わたしたちのさまざまな感情を揺さぶり結果として「推し」が誕生するのです。
「推し」との関係性、それは人によってさまざま。熱烈にその存在を求め、接近する人もいれば陰ながら応援・支援することにその喜びを見出す人もいます。推し活がより本格化し、深みを増すきっかけは、推される側と推す側の距離感にあるとわたしたちは考えます。その距離は変幻自在。近いから生まれる熱量もあれば、遠いからこそ生まれる熱量も確かに存在します。大切なことは、こうした「推し」との距離感の多様性を許容することができる、推される側の包容力。長く愛されるコンテンツや組織は、こうした距離の多様性を抱擁し肯定することができる”共感の空き地”をもっているのです。
推し活は、非日常への逃避。生きる糧であり酸素のような存在である「推し」は息苦しい日常におけるある種の清涼剤であり、日常とは異なる非日常としての魅力にあふれています。そして推し活は、自己開示。普段なかなか明らかにできない、自分の中のある側面、ある人格を外に向かって明らかにすることで、自己開示を通じた他者との関わり合いを可能にします。内向きのパワーと、外向きのパワー。「推し活」は、ふたつの相反するメリットをもったアンビヴァレントな行動であると言えるのかもしれません。
推し活は一見すると、自分の好きなものに対する単なる「一方通行な消費」として捉えられるかもしれません。しかし推し活の矢印は、じつは「推し」に向いているようで実は自分に向かって戻ってきます。「推し」がいることで、幸福度が高まったり、「推し」がいることで、明日に向けた活力が湧き出てきたり。その意味で、推し活は究極の自己投資のひとつであると言えるかもしれません。独占したり浪費したりするためではない、自分がじんわりと、結果的にしあわせになるための投資。そんなウェルビーイングな自己投資こそ、推し活であるとわたしたちは考えます。
推しに関するエコノミーの実態を観察していくなかで、わたしたちはそこに、非営利的な、あたらしい消費のかたちを発見しました。「応援」そして「感謝」。推しの存在にただ「感謝」するためにお金を使うようになるのです。「推し」はただ存在してくれるだけで有り難いもの。”ありがたい”という日本語が”有り難し”、すなわち存在することの奇跡を表現していることは、現代の推し活において”ありがたい”という感情が発露していることと無関係ではありません。「支えたい」「支援したい」そして「感謝したい」。推し活が生み出すエコノミーのもつ圧倒的な非均衡性は、資本主義のあたらしいかたちの模索とも言えるかもしれません。
推しエコノミーの中で目立つ現象、それはファンによるクリエイション。二次創作から普及活動にいたるまで、プロではない、いちファンによる「好き」の気持ちから生まれた副次的な創作活動は、推し活に特有な現象と言えるでしょう。SNSによる一億総クリエイター化が進むなか、こうした伝統は江戸時代から続く日本特有の「庶民文化の強さ」に根付いた歴史的なものでもあります。ルールに決して縛られることのないnon-professionalでnon-profitな市井の人々による創作活動は通常の資本主義とは別の論理から成り立っており、わたしたちの社会をその創造性で刺激することでしょう。
まとめ
「オシノミクス レポート」が明らかにした推し活の6つのコア心理を基に、コミュニティ運営の新たな可能性を探ってきました。一見すると無関係に思える推し活とコミュニティ運営ですが、その根底にある人間の心理には多くの共通点があることがわかりました。
推し活から学べる最も重要な点は、人々の自発的な熱量を引き出す方法です。コミュニティがメンバーにとって「推し」のような存在になることで、メンバーの積極的な参加や貢献を促し、コミュニティの持続的な成長につながる可能性があります。
普段のコミュニティ運営に推し活のエッセンスを加えることで、新しい形に進化させることができるかもしれません。この記事がそんな実践の1つのキッカケになれたら嬉しいです!
マーケティングでお困りの方へ
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