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VoC(顧客の声)の価値はまだまだこんなものじゃない

更新日:2026/06/08

VoC(顧客の声)の価値はまだまだこんなものじゃない
コミューン編集部

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マーケティングでお困りの方へ

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施策は実行している。CSにも取り組んでいる。
それでも、どこか噛み合わない。

その違和感は、顧客との関係性が
積み上がっていないことかもしれません。

顧客との関係性を「面」として設計するために、
コミュニティという選択肢を検討しませんか?

施策は実行している。CSにも取り組んでいる。
それでも、どこか噛み合わない。

その違和感は、顧客との関係性が
積み上がっていないことかもしれません。

顧客との関係性を「面」として設計するために、
コミュニティという選択肢を検討しませんか?

多くの企業がVoC(Voice of Customer:顧客の声)の重要性を認識し、製品改善やサービス向上に役立てようと努めています。アンケート調査、インタビュー、コールセンターへの問い合わせ、ソーシャルメディア上の言及など、VoCを収集するチャネルも多様化してきました。しかし、そこで得られたVoCは、果たしてその価値を最大限に発揮しきれているのでしょうか?

「顧客からのフィードバックは製品開発チームが見るもの」「クレーム対応はカスタマーサポートの仕事」といった固定観念に縛られ、VoCが組織の一部に留まり、その真価が十分に理解・活用されていないケースは少なくありません。ともすれば、VoCは単なる「1人の意見」として処理され、日々の業務のノイズとして埋もれてしまうことすらあります。

しかし、断言します。VoCの価値は、そんなものでは断じてありません。

VoCは、単に製品やサービスの欠点を指摘するアラートではなく、企業の成長をあらゆる側面からドライブする戦略的資産なのです。それはマーケティング施策の精度を飛躍的に高め、営業チームの成約率を向上させ、カスタマーサクセスの質を新たな次元へと引き上げ、さらには経営戦略や新規事業開発、そして組織文化の変革にまで貢献しうる、まさに「宝の山」なのです。

本記事では、従来のVoC活用の枠組みを大胆に打ち破り、その眠れるポテンシャルを最大限に覚醒させるための具体的な社内活用バリエーションを、多角的にそして深く掘り下げて提案します。読者の皆さんが、自社におけるVoCの価値を再発見し、顧客起点経営を真に実現するための一助となれば幸いです。

VoC活用の現状と限界

VoCの価値を最大限に引き出す第一歩は、まず現状の活用方法とその限界を正しく認識することから始まります。企業が陥りがちなVoC活用の「落とし穴」を理解することで、初めてその先に広がる可能性が見えてくるのです。

1-1. VoCは「宝の山」

あなたの会社では、VoCはどのように位置づけられているでしょうか? もし、単に「1人の意見」として処理され、問題点の修正やクレーム対応といった受動的な活動に終始しているのであれば、それはVoCの価値を正しく捉えられていない証拠です。もちろん、それらも重要な活動ではありますが、VoCのポテンシャルはそれだけに留まりません。

真に価値あるVoC活用とは、顧客の声を未来を指し示す「宝の山」として捉え、能動的に事業成長の糧とするアプローチです。顧客の言葉の奥に潜む深層心理、言葉にされない未充足のニーズ、そして自社ブランドや製品・サービスに対する期待を読み解き、それを経営のあらゆる意思決定に反映させていく。この認識のアップデートこそが、VoC活用の次元を高める出発点となります。

1-2. なぜVoCの価値は見過ごされがちなのか?

VoCが「宝の山」であるにも関わらず、なぜ多くの企業でその価値が十分に引き出されていないのでしょうか? そこには、組織内に存在する構造的・文化的な障壁、いわば「7つの壁」が存在します。

  1. 収集の壁:アンケートやクレームといった、企業側が設定したチャネルで「集めやすい声」に偏っていないでしょうか? 熱心な一部の顧客の声や、逆に強い不満を持つ顧客の声だけが大きく聞こえ、大多数を占める「サイレントマジョリティ」の声、あるいはまだ顧客になっていない潜在顧客の声が拾えていない可能性があります。オンラインコミュニティのような、顧客が自発的に、より本音に近い形で発言できる場から得られるVoCの質的・量的な重要性が見過ごされていることも少なくありません。

  2. 分析の壁:収集されたVoCが、単なるキーワード集計や感情のポジネガ判定といった表面的な分析に留まっていませんか? あるいは、特定の担当者の経験や勘に頼った属人的な解釈に終始し、客観性や再現性に欠ける分析が行われていないでしょうか? 定量データだけでなく、定性データに含まれる文脈やニュアンスを深く読み解き、本質的なインサイトを抽出する分析力の欠如は、VoCの価値を著しく低下させます。

  3. 共有の壁:製品開発チームは製品に関するVoCしか見ず、マーケティングチームはキャンペーンに関するVoCしか気にしない。このように、VoCが各部門の「占有物」となり、組織横断的に共有・活用されていない状況はあまりにもったいないと言わざるを得ません。顧客体験は部門を横断して形成されるものであり、VoCもまた、組織全体で共有されて初めてその多面的な価値を発揮するのです。

  4. 活用の壁:貴重なインサイトが得られたとしても、それが具体的なアクションプランに落とし込まれ、実行に移されなければ何の意味もありません。「顧客はこう言っている」という情報が、単に会議の議題に上がるだけで、具体的な改善策や新たな施策に繋がらない。この「活用の壁」は、多くの企業が直面する根深い課題です。

  5. 評価の壁:VoC活用にリソースを割いた結果、具体的にどのような成果が上がったのか? その効果測定の難しさも、VoC活動が本格化しない一因です。売上や利益といった短期的な財務指標だけでなく、顧客ロイヤルティの向上、解約率の低下、ブランドイメージの向上といった中長期的な価値をどのように可視化し、評価するかが問われます。

  6. 文化の壁:いくら仕組みやツールを導入しても、組織の根底に「顧客中心主義」の文化がなければ、VoC活用は形骸化します。失敗を恐れてネガティブなフィードバックから目を背けたり、既存のやり方を変えることに抵抗を感じたりする文化は、VoCが持つ変革の力を削いでしまいます。

  7. 経営の壁:経営層がVoCの戦略的重要性を真に理解し、その活用を強力に推進しているかどうかも決定的に重要です。短期的な業績目標の達成に追われ、VoCをコストセンターと見なしたり、現場任せにしたりするようでは、全社的なVoC活用は絵に描いた餅に終わるでしょう。

これらの「壁」を認識し、一つひとつ乗り越えていくことこそが、VoCの価値を最大限に引き出すための鍵となります。そして、その過程において、質の高いVoCを継続的に収集・分析・活用できるプラットフォームとしてのオンラインコミュニティの役割は、ますます重要性を増していくと言えるでしょう。顧客との対話を通じて、より深く、より本質的なインサイトを得られるオンラインコミュニティは、これらの壁を打ち破る強力な武器となり得るのです。

※関連記事: VOC分析の進め方と主な手法|実行するうえでのポイント
※関連記事: VoC(Voice of Customer)とは? 活用メリット・収集〜分析手順・成功事例を完全解説

部門横断でVoCの価値を解き放つ

VoCの価値は、製品開発やカスタマーサポートの領域に限定されるものではありません。むしろ、企業のあらゆる部門において、その活動を革新し、成果を最大化するための強力な推進力となり得ます。ここでは、マーケティング、営業、カスタマーサクセス、さらには経営企画や人事・採用といった多岐にわたる部門で、VoCが具体的にどのように活用できるのか、その無限の可能性を探ります。

①マーケティング部門での活用

マーケティングの本質は、顧客を深く理解し、そのニーズに応える価値を提供することです。VoCは、まさにそのための最も直接的で信頼性の高い情報源と言えるでしょう。

ペルソナに血肉を通わせる

多くの企業が作成するペルソナは、時にマーケターの憶測や願望が混じり、実在の顧客像からかけ離れてしまうことがあります。しかし、VoC、特にオンラインコミュニティなどで語られる顧客自身の言葉、日常の利用シーン、抱える課題や悩み、そして製品・サービスに寄せる期待を丹念に拾い上げることで、ペルソナは驚くほど具体的で、血の通ったものへと進化します。「こんな言葉遣いをするのか」「こんな価値観を持っているのか」「こんなライフスタイルなのか」といった生々しい情報は、あらゆるマーケティング施策の精度を格段に向上させるでしょう。

【VoC活用前後で期待される変化】
前:
 抽象的で実態と乖離したペルソナに基づき、的外れな施策を打つ。
後: ターゲットに深く共感される、効果的なマーケティング戦略を展開。

心を動かすメッセージング

「この製品の魅力は何か?」「どんな言葉で語れば顧客に響くのか?」 マーケターは日々、こうした問いと向き合っています。しかし、その答えは、実は顧客自身が既に語ってくれていることが多いのです。顧客が製品・サービスを評価する際に使う言葉、感動を表現する際の言い回し、メリットを感じる具体的なポイント。これらをVoCから抽出して広告コピーやランディングページのキャッチコピーに活用すれば、企業が一方的に考えた言葉よりもはるかに高い訴求力を持ち、コンバージョン率(CVR)の劇的な改善も期待できます。

【VoC活用前後で期待される変化】
前:
 企業目線の独りよがりなコピーで、顧客に響かずCVRも低迷。
後:  顧客の心に直接届くメッセージで、広告効果とCVRを最大化。

コンテンツマーケティングの「ネタ切れ」を解消

オウンドメディアのブログ記事、導入事例、FAQコンテンツなど、コンテンツマーケティングにおいて「何を伝えるべきか」というネタ探しは永遠の課題です。しかし、VoCに耳を傾ければ、顧客が何に困っていて、どんな情報を求めているのか、どのような成功事例に興味があるのかが手に取るようにわかります。例えば、オンラインコミュニティ内で頻繁に質問される事項は、そのままFAQコンテンツのネタになりますし、顧客が語る活用アイデアや成功体験は、魅力的な事例記事へと昇華させることができます。顧客視点に立った価値あるコンテンツは、自然とエンゲージメントを高め、リード獲得にも貢献するでしょう。

【VoC活用前後で期待される変化】
前:
 発信者都合のコンテンツが多く、読者のニーズとずれが生じ、エンゲージメントが低い。
後: 顧客にとって真に価値のあるコンテンツを提供し、高いエンゲージメントと信頼を獲得。

イベント・キャンペーンの「独りよがり」を防ぐ

せっかく企画したイベントやキャンペーンも、顧客の興味関心とズレていては参加者が集まらず、期待した成果も得られません。VoCを分析することで、顧客が現在どのようなテーマに関心を持っているのか、どのような形式のイベントなら参加しやすいのか、そして何よりも、どのようなベネフィットを期待しているのかを事前に把握できます。これにより、企画段階での「思い込み」や「独りよがり」を排し、顧客満足度の高い、成功確率の高いイベント・キャンペーンを実現できるのです。

【VoC活用前後で期待される変化】
前:
 思いつきで企画した内容が、顧客ニーズと合わず集客に苦戦。
後: 顧客の期待を超える内容で、高い参加率と満足度を達成。

ブランドロイヤルティ醸成

VoCは、単に情報を収集するだけでなく、顧客との対話を生み出し、関係性を深めるための強力なツールです。特にオンラインコミュニティなど、顧客が積極的に関与できる場では、企業が顧客の声に真摯に耳を傾け、フィードバックに対して誠実に対応する姿勢を示すことで、顧客は「自分たちは大切にされている」「自分たちの声が届いている」と感じるようになります。こうした経験は、顧客のブランドに対する信頼感と愛着を育み、熱心なファン、さらには自発的に製品・サービスを推奨してくれるアンバサダーへと進化させる原動力となるのです。

【VoC活用前後で期待される変化】
前:
 一方的な発信に終始し、顧客との距離がありロイヤルティが育たない。
後: 熱量の高いコミュニティが形成され、自発的なクチコミが生まれる。

②営業部門(主にBtoB)での活用

営業活動においても、VoCは顧客理解を深め、提案の質を高め、成約率を向上させるための貴重な情報源となります。顧客が何を考え、何を求めているのかを知ることは、まさに営業の生命線です。

顧客を理解し「選ばれる」営業へ

営業担当者は、しばしば自社製品・サービスの機能やメリットを一方的に説明してしまいがちです。しかし、顧客が本当に知りたいのは、それが「自分の課題をどのように解決してくれるのか」という点です。VoCを分析することで、顧客が抱える顕在的・潜在的な課題、競合製品と比較検討する際のポイント、そして最終的に導入を決定する際のトリガー(決め手)を深く理解できます。これらのインサイトに基づいて作成された提案書は、顧客の心に響き、「これこそが欲しかったものだ」と感じさせることができるでしょう。

【VoC活用前後で期待される変化】
前:
 製品の機能説明に終始した提案で、顧客の課題に寄り添えず、共感を得られない。
後: 顧客の課題解決に直結する、説得力の高いソリューション提案が可能になり、成約率向上。

失注分析の精度向上

失注は、営業にとって痛手であると同時に、貴重な学びの機会でもあります。なぜ顧客は自社を選ばなかったのか? 価格か、機能か、サポートか、それとも他に理由があるのか? 失注顧客からのVoC(可能であれば直接ヒアリング)は、その答えを生々しく教えてくれます。このフィードバックを真摯に受け止め、営業プロセスやトークスクリプトの改善、さらには製品・サービスそのものの改良に繋げることで、将来の失注を防ぎ、競争力を高めることができます。

【VoC活用前後で期待される変化】
前:
 失注理由が曖昧なまま放置され、同じ失敗を繰り返してしまう。
後: 具体的な改善策を実行し、営業戦略と製品戦略を強化。

セールスの暗黙知を形式知化

トップセールスパーソンは顧客の心を掴む独自のノウハウや勘所を持っていますが、それはしばしば「暗黙知」となり、組織内で共有されにくいものです。しかし、彼らが獲得した契約において、顧客がどのような点に価値を感じ、どのような瞬間に感動し、なぜ契約を決めたのかをVoC(例えば、契約後のサンキューコールやアンケート、コミュニティへの投稿など)から分析することで、その成功要因を「形式知」として抽出できます。これを営業チーム全体で共有し、トレーニングに活用することで、チーム全体の営業力を底上げすることが可能となるのです。

【VoC活用前後で期待される変化】
前:
 個人的スキルに依存し、セールスチーム全体の成果にばらつきがある。
後: 成功事例をチームで共有し、組織全体の営業力を向上。

③カスタマーサクセス部門での活用

カスタマーサクセスは、顧客に製品・サービスを最大限に活用してもらい、その成功を支援することで、結果としてLTV(顧客生涯価値)を最大化することをミッションとします。VoCは、このミッション達成に不可欠な羅針盤となるでしょう。

プロアクティブな成功支援の実現

顧客が困難に直面してから対応するリアクティブなサポートでは、手遅れになることがあります。カスタマーサクセスの理想は、顧客が問題を認識する前に、あるいは小さなつまずきの段階で、先回りしてサポートを提供することです。VoC、特にオンラインコミュニティや利用状況に関するフィードバックを継続的にモニタリングすることで、顧客がどのような点で苦労しているのか、どのような機能の活用が進んでいないのか、そして次に何を達成したいと考えているのかを早期に察知できます。これにより、プロアクティブな支援が可能となり、顧客満足度向上、解約率低下、そしてLTVの最大化に繋がります。

【VoC活用前後で期待される変化】
前:
 問題が顕在化してから対応するため、顧客の不満が募り、解約リスクが高まる。
後: 問題発生前に先回りしたサポートを提供し、顧客の成功体験を創出、エンゲージメントを強化。

ヘルススコアの精度向上

多くのカスタマーサクセスチームが、顧客の利用状況を測る「ヘルススコア」を運用しています。しかし、ログイン頻度や機能利用率といった定量データだけでは、顧客の真の満足度や潜在的な不満を見抜けないことがあります。例えば、利用頻度は高いものの、実は特定の機能に不満を抱えているかもしれません。VoC(サポートへの問い合わせ内容、コミュニティでの発言、NPS調査のコメントなど)をヘルススコアの構成要素に加えることで、顧客の感情や定性的な状況を反映した、より精度の高いヘルスチェックが可能になります。これにより、画一的な対応ではなく、個々の顧客の状況に合わせたパーソナライズドサポートが実現します。

【VoC活用前後で期待される変化】
前:
 定量的なヘルススコアに頼るあまり、顧客の真の状況を見誤り、適切な対応ができない。
後: 個々の顧客の状況に合わせた、きめ細やかで効果的なサクセスプランを実行。

アップセル・クロスセルの機会創出

顧客が製品・サービスを使いこなし、成功体験を積み重ねていく中で、新たなニーズやより高度な活用意欲が芽生えることがあります。VoCは、こうしたアップセルやクロスセルの「自然な」機会を発見するための貴重な手がかりとなります。例えば、ある機能に習熟した顧客が、コミュニティで「もっとこんなことができたら良いのに」と発言した場合、それは上位プランや関連製品の提案に繋がるかもしれません。顧客の成長段階やニーズの変化をVoCから敏感に察知し、最適なタイミングで適切な提案を行うことで、顧客満足度を損なうことなくLTVを向上させることができます。

【VoC活用前後で期待される変化】
前:
 強引なアップセル提案で顧客に不快感を与え、関係が悪化するリスク。
後: 顧客にとって価値のあるタイミングで、最適な追加提案を行い、Win-Winの関係を構築。

④経営企画・事業開発部門での活用

VoCは、日々のオペレーション改善に留まらず、企業の未来を形作る経営戦略や新規事業開発においても、極めて重要な示唆を与えてくれます。

未来の市場を読み解く

既存の製品・サービスに対する顧客の不満や要望の中には、しばしば未来の市場ニーズの萌芽が隠されています。また、顧客が編み出した独創的な使い方や、想定外の利用シーンに関するVoCは、新たな製品カテゴリーやサービスモデルの着想に繋がることもあります。これらの「未来の種」をVoCから丹念に拾い上げ、分析することで、競合他社に先駆けて次世代のヒット商品や革新的なサービスを生み出すことができるかもしれません。

【VoC活用前後で期待される変化】
前:
 既存市場の延長線上に留まり、破壊的イノベーションが生まれにくい。
後: 新たな市場機会や事業のシーズを見出し、持続的な成長を実現する。

M&Aやアライアンス戦略への示唆

自社だけで全ての顧客ニーズを満たすことは困難です。時には、他社とのM&Aやアライアンスを通じて、提供価値を拡大することが有効な戦略となります。VoCを分析することで、顧客が自社製品・サービスと組み合わせて利用したいと考えている他の製品・サービスや、自社が提供できていないものの顧客が強く求めている機能・価値を特定できます。これは、M&Aの対象企業を選定したり、アライアンス戦略を立案したりする上で、非常に強力なインプットとなります。

【VoC活用前後で期待される変化】
前:
 内部リソースや経営陣の主観に頼ったM&A・アライアンス戦略となり、顧客ニーズとのミスマッチが起こる。
後: 顧客視点に基づいた戦略的なM&A・アライアンスを実現し、提供価値を最大化できる。

企業パーパスの再確認と浸透

企業パーパス(存在意義)は、企業のあらゆる活動の根幹をなすものです。しかし、そのパーパスが本当に顧客に届き、共感を呼んでいるのかを検証することは容易ではありません。VoC、特に自社ブランドに対する顧客の想いや、製品・サービスを通じて得られた感動体験に関する声は、自社が社会や顧客に対してどのような価値を提供できているのか、そして今後どのような役割を期待されているのかを映し出す「鏡」となります。これにより、企業パーパスを再確認し、より顧客に響く形で社内外に浸透させていくことができるでしょう。

【VoC活用前後で期待される変化】
前:
 掲げられたパーパスが、社内にも顧客にも十分に浸透していない。
後: パーパスと顧客体験が接続し、パーパスが社内外に浸透している。

⑤人事・採用部門での活用

意外に思われるかもしれませんが、VoCは人事・採用部門にとっても価値ある情報源となり得ます。顧客の声は、企業の魅力を社内外に伝え、従業員の働きがいを高める上で、ユニークな役割を果たすのです。

採用ブランディング

採用活動において、自社の魅力を伝えるために社員の声を紹介することは一般的です。しかし、それに加えて「顧客の声」を活用することで、採用ブランディングに新たな視点と説得力をもたらすことができます。顧客が自社の製品・サービス、あるいは社員の対応に感動し、感謝しているというVoCは、求職者に対して「この会社は本当に顧客から愛されているんだ」「ここで働くことは社会に貢献できるんだ」という強いメッセージを発信します。これは、特にミレニアル世代やZ世代といった、社会貢献意識の高い層に対して有効なアピールとなるでしょう。

【VoC活用前後で期待される変化】
前:
 採用メッセージが社内からの視点に偏り、客観性や共感性が不足。
後: 顧客の声を通じて企業の魅力を多角的に伝えることで共感を呼ぶ。

従業員エンゲージメント向上

顧客からの感謝の言葉や、「この製品のおかげで助かった」「このサービスが人生を変えた」といったポジティブなVoCは、それらを生み出すために日々努力している従業員にとって、何よりの報酬であり、モチベーションの源泉となります。こうした声を社内で積極的に共有することで、従業員は自社の仕事の意義や社会への貢献を再認識し、誇りを持って業務に取り組むことができます。これは、従業員エンゲージメントを高め、離職率を低下させ、組織全体の生産性向上にも繋がる、非常に効果的な施策と言えるでしょう。

【VoC活用前後で期待される変化】
前:
 従業員が日々の業務に追われ、自社の仕事の社会的価値や顧客への貢献を実感しにくい。
後: 従業員のモチベーション、エンゲージメント、ロイヤルティが向上し、組織が活性化。

このように、VoCは企業のあらゆる部門にとって、計り知れない価値をもたらす可能性を秘めています。重要なのは、部門の壁を越えてVoCを共有し、それぞれの立場でその価値を最大限に引き出すことと言えるでしょう。

おわりに

本記事を通じて、VoC(顧客の声)が、従来の製品改善やサービス向上といった枠組みをはるかに超え、マーケティング、営業、カスタマーサクセス、経営戦略、人事・採用、そして組織文化の変革に至るまで、企業のあらゆる側面に計り知れない価値をもたらす戦略的資産であることを、多角的に論じてきました。

VoCは、顧客の深層心理を映し出し、未来の市場トレンドを予見させ、そして何よりも、企業と顧客との間に強固な信頼関係を築くための「羅針盤」であり、事業成長を加速させる「燃料」なのです。その価値は、私たちがこれまで認識してきたものを遥かに凌駕し、「まだまだこんなものじゃない」と断言できるほどのポテンシャルを秘めています。

しかし、その潜在能力を最大限に引き出すためには、いくつかの壁を乗り越えなければなりません。それは、VoCの収集・分析・共有における技術的な課題かもしれませんし、部門間のサイロや旧態依然とした組織文化といった構造的な問題かもしれません。そして何よりも、「VoCの活用範囲はこのくらいだろう」という私たち自身の固定観念かもしれません。そして、オンラインコミュニティはこのVoC活用において、非常に強力な推進力となるでしょう。顧客が本音で語り合い、企業と顧客が対話し、そして共に新たな価値を「共創」していくためのプラットフォームです。

本記事が、皆様の会社におけるVoC活用の新たな一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。

マーケティングでお困りの方へ

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それでも、どこか噛み合わない。

その違和感は、顧客との関係性が
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施策は実行している。CSにも取り組んでいる。
それでも、どこか噛み合わない。

その違和感は、顧客との関係性が
積み上がっていないことかもしれません。

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