コラム
マーケティング
コミュニティのコアメンバーの見つけ方
更新日:2026/06/08
マーケティングでお困りの方へ
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施策は実行している。CSにも取り組んでいる。
それでも、どこか噛み合わない。
その違和感は、顧客との関係性が
積み上がっていないことかもしれません。
顧客との関係性を「面」として設計するために、
コミュニティという選択肢を検討しませんか?
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目次
コミュニティを立ち上げた、あるいはすでに運営している。メンバー数は増えた。でも、なんだかコミュニティが動いていない気がする。投稿しているのは運営側ばかりで、盛り上がりに欠ける。そういう声は、コミュニティの現場でもよく聞かれます。
その原因のひとつが、「コアメンバーをきちんと見つけられていない」ことにあります。
コアメンバーとは、コミュニティを活性化させる少数精鋭のメンバーのことです。彼らの存在がコミュニティの雰囲気をつくり、他のメンバーの行動を促し、コミュニティそのものの価値を高めていきます。
この記事では、「コアメンバーとは何か」という定義から始まり、「どう見つけるか」という具体的な方法、そして「立ち上げ期と成熟期では何が違うか」まで、実践的な観点で考えていこうと思います。
それではいきましょう!
そもそも「コアメンバー」とは?
まず定義から始めましょう。コアメンバーとはどういった存在なのでしょうか。コミュニティの参加構造について、古典的な理論があります。エティエンヌ・ヴェンガーらが提唱した「実践共同体(Communities of Practice)」の研究によれば、健全なコミュニティには参加度合いに応じた層構造が存在します。中心にいる「コアメンバー」は全体の10〜15%ほどで、コミュニティの活動に積極的に関わり、知識を共有し、他のメンバーとともに場を育てていく存在です(Wenger et al., 2002)。
さらに現代のオンラインコミュニティ研究では、「90-9-1の法則」がよく引用されます。これはニールセン・ノーマン・グループのジェイコブ・ニールセンが2006年に提唱した概念で、オンラインコミュニティにおいては90%のメンバーがコンテンツを消費するだけの「閲覧者( lurker)」であり、9%が時々反応・参加し、コンテンツを積極的に作り出すのはわずか1%だというものです。実際のコミュニティの全てがこの法則に則るわけではないですが、今回はこの法則を頭の片隅においていただけたらと思います。

さて、コアメンバーはその「1%〜9%の領域」に位置する人たちということになります。全体を引っ張る創造者であり、他のメンバーと対話を続ける媒介者でもある。彼らがいることで、閲覧するだけだったメンバーが少しずつ反応するようになり、時には投稿するようになる。そのポジティブな連鎖がコミュニティの活性化につながります。
ただし、「コアメンバー=ヘビーユーザー」ではないことに注意が必要です。単純にログイン頻度が高いとか投稿数が多いというだけでは不十分で、コミュニティの価値観を体現していること、他のメンバーへの影響力があること、そして長期的に関わり続けてくれること、こうした要素が揃って初めてコアメンバーと呼べます。
なぜコアメンバーの見つけ方が難しい?
コアメンバーの重要性は多くの運営者が理解しています。しかしその「見つけ方」は難しいと捉えられているようです。
理由のひとつは、コアメンバーは「自ら名乗り出ない」からです。熱量の高いメンバーは、必ずしも目立つ行動をとっているわけではありません。毎回のイベントに参加し、他のメンバーのコメントに丁寧に反応し、場の雰囲気を良くしてくれているのに、自分から「私がコアメンバーです」と言う人はいない。むしろ控えめな人がコアになっていることも多い。
もうひとつの理由は、「熱量」が定量的に測りにくいことです。投稿数や閲覧数といった行動指標では、その人の本当のコミットメントは見えてきません。10回投稿して質の低い情報を流している人より、1回の投稿で他の30人の心を動かした人のほうが、コミュニティにとってはるかにコアな存在です。
そして、コアメンバーは「コミュニティフェーズによって変わる」という問題もあります。立ち上げ時のコアメンバーが、100名・1000名規模になったときも同じようにコアであり続けるとは限りません。コミュニティが成熟するにつれ、求められるコアメンバーのあり方も変化していきます。
これら3つの難しさを踏まえたうえで、コアメンバーを見つける方法を考えていきましょう。
コアメンバーを見つける2つのアプローチ
コアメンバーを見つける方法は、大きく2つに整理できます。「データで見つける」「対話で見つける」です。それぞれ見ていきましょう。
アプローチ①:データで見つける
まず、定量的なアプローチです。コミュニティプラットフォームには、メンバーの行動ログが蓄積されます。投稿数、コメント数、リアクション数、イベント参加回数、ログイン頻度など、さまざまな指標が取れます。これらを組み合わせることで、「活動量の高いメンバー」を洗い出すことができます。
例えば、「投稿頻度や累積ポイント数などの指標からコアメンバーを把握する」アプローチがあります。数値で可視化することで、運営チームの主観に左右されない客観的なコアメンバー候補リストが作れます。
ただし、数値だけを信じすぎてはいけません。データで見つけることができるのは「行動量の多いメンバー」であって、「コアメンバー」とイコールではないからです。コアメンバーを見つけるためにデータは入口として有効ですが、そこから先の判断には定性的な視点が必要です。
アプローチ②:対話で見つける
次に、定性的なアプローチです。データで候補を絞り込んだら、実際に話してみることが必要です。アンケート、インタビュー、座談会などの手法が使われます。これは単に候補者を探すだけでなく、コミュニティのビジョンを共有し、そこへの共感度を確認するプロセスでもあります。
対話によって見えてくるのは、その人の「なぜここにいるか」という動機です。コミュニティのテーマに対して本当に熱量があるのか、他のメンバーとの交流に価値を感じているのか、自分が場を支えたいという意識があるのか。これらは数字には現れません。
ただ、メンバーと日々の接点を積み重ねてきた担当者にとっては、コアメンバーを発見することは難しくないでしょう。「この人は熱量が高く、他のメンバーに発信したい意欲がある」と気づけるはずです。
コアメンバーのタイプを理解しよう
コアメンバーを見つけたあと、次に重要なのは「どんなタイプのコアメンバーか」を理解することです。同じ「コアメンバー」でも、その人がコミュニティに求めているものや、得意なことは異なります。
コミュニティ運営支援の現場では、コアメンバーを以下のような類型で捉えることがあります。
- 協力者:分科会の運営などコミュニティ運営者と協力する
- 応援者:イベントに頻度高く参加し、依頼すれば投稿などもする
- 助言者:他のメンバーの相談投稿にコメントやリアクションをする
- 参加者:イベントに参加し盛り上げる
これは単なるカテゴリ分けではなく、それぞれに対してアプローチを変えるための設計です。「協力者」には運営に参加してもらう機会を提供し、「応援者」には発信しやすいお題やネタを渡し、「助言者」には他のメンバーが質問しやすい場を設計する。タイプに応じた関わり方が、コアメンバーの力を最大限に引き出します。
また、以前書いた記事に「コミュニティメンバーを欲求タイプで5つに分類!適切なアクションで活性化しよう」があります。先ほどとは異なる分類をしています。共感者タイプ、成長者タイプなど、メンバーの内なる欲求の違いによって、コアメンバーとしての関わり方も自然と変わってきます。
「誰でもいいからコアになってほしい」という姿勢ではなく、「このタイプの人にはこういう役割でコアになってもらう」という設計思想が、長続きするコアメンバーシップを生みます。
コアメンバーを「育てる」という発想
ここまで「見つける」という話をしてきましたが、コアメンバーは「育てる」という視点も欠かせません。最初からコアなメンバーを外部から連れてくる発想より、コミュニティの中から育っていく仕組みを設計することが、長期的なコミュニティ運営において重要です。
育てるための鍵は「役割の付与」です。人は役割を与えられると、その役割に相応しい行動をとろうとします。「このコミュニティの○○担当をお願いできますか」と声をかけることで、それまで受動的だったメンバーが能動的になるケースは多くあります。
役割の例としては、「イベントの企画メンバー」「新しいメンバーへの歓迎係」「特定テーマのトピックリーダー」などが挙げられます。重要なのは、その役割が「コミュニティのために自分が何かできる」という実感を持てるものであることです。
もうひとつの育成の鍵は「成功体験の設計」です。初めてコアとして活動する人に、小さくても「やってよかった」と思える経験を積んでもらうことが重要です。初めてのイベント企画でも、5人が来てくれて楽しかったという体験があれば、次はもっとやりたいという気持ちになります。コアメンバーの「内発的動機」を育てることが、継続的な関与につながります。
コアメンバーを「維持する」ために
コアメンバーを見つけ、育てた後に直面するのが「維持する」という課題です。コアメンバーは永続的な存在ではありません。仕事や生活の状況が変わったり、他に優先したいことが出てきたりすれば、自然とコミュニティへの関与が薄れることがあります。それは仕方のないことです。
重要なのは、「コアメンバーが離れていくことへの備え」と「新しいコアメンバーが生まれる仕組み」の両方を持つことです。
特定の人に依存しすぎないためには、コアメンバーのロールを「属人化」させないことが重要です。「Aさんがいるからイベントが成立する」という状態は、Aさんが抜けたときにコミュニティが揺らぐリスクを内包しています。コアメンバーが担う役割を言語化し、他の人でも引き継げる形にしておくことが、持続可能なコミュニティの条件です。
また、コアメンバーへの「感謝と報酬の設計」も重要です。ここでいう報酬は金銭的なものに限りません。コアメンバーとして活動することで得られる「特別な情報へのアクセス」「運営との密な対話機会」「自分が場を支えているという自己効力感」など、コアとして関わることに意味と価値を感じてもらえる設計が必要です。
おわりに
コアメンバーを見つけることは、コミュニティ運営において最初のハードルであり、最も重要なステップのひとつです。しかし、ここを「感覚」や「偶然」に任せてしまっているケースもあります。ぜひここで紹介した内容を参考にコアメンバーを見つけ、育成していただけたらと思います!
コアメンバーを探すということは、言い換えれば「自社のコミュニティが誰に刺さっているか」を発見するプロセスでもあります。コアメンバーが明確になると、「なぜこの人はこんなに熱量が高いのか」という問いが生まれます。その問いを深掘りすることが、コミュニティのビジョンの再定義につながり、コンテンツ設計の見直しにもなります。
コアメンバーは、コミュニティを動かすエンジンであると同時に、コミュニティそのものを映す鏡でもあります。そんな視点を持つと、コアメンバー探しの意味が少し変わって見えてくるかもしれません。
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施策は実行している。CSにも取り組んでいる。
それでも、どこか噛み合わない。
その違和感は、顧客との関係性が
積み上がっていないことかもしれません。
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それでも、どこか噛み合わない。
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