パナソニック エンターテインメント
&コミュニケーション株式会社様

「写欲」を循環させ、ファンと共創する。LUMIXが挑むコミュニティ戦略とは

「写欲」を循環させ、ファンと共創する。LUMIXが挑むコミュニティ戦略とは
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「写欲」を循環させ、ファンと共創する。LUMIXが挑むコミュニティ戦略とは
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  1. Commune(コミューン)
  2. 導入事例一覧
  3. 活用目的の導入事例
  4. 「写欲」を循環させ、ファンと共創する。LUMIXが挑むコミュニティ戦略とは
概要
ミラーレス一眼という激戦市場で、LUMIXはなぜ“コミュニティ”という手段を選んだのか。背景には、「体験と感動を育てるブランドでありたい」という確かな意思があります。
 
本記事では、LUMIXコミュニティを運営するパナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社 イメージングソリューション事業部 国内マーケティング部 主務・コミュニティマネージャー 吉川 桃世氏にコミュニティ立ち上げの背景や導入にあたっての課題、Commune(コミューン)を選んだ理由、運営体制や具体的な取り組み、そしてその先に見据える展望までを伺いました。
 
「写欲」という言葉を軸に、ユーザー同士が作品を通じて刺激し合い、ブランド価値を押し上げていくLUMIXコミュニティ。その設計思想と歩みを、現場のリアルな声とともにひも解いていきます。
(インタビュー取材:間藤大地 編集:澤山モッツァレラ)

課題

  • 熱量の高い顧客との関係深化が求められていた
  • SNSだけでは深い関係性づくりに限界があった
  • 写真・動画制作の習熟難度が高く、初心者がステップアップしにくかった

活用方法

  • オンライン企画でUGCを促し、「写欲」を循環させる場を形成
  • 撮影会やワークショップなどオフライン施策で体験価値を拡張し、接点を多層化
  • 「みんなで解決!」エリアなど助け合い設計を導入し、ユーザー同士が学び合う文化を醸成

成果/これからの目標

  • 活発な投稿・反応が生まれ、熱量の高いコミュニティに
  • イベント後の購入報告など、エンゲージメント向上が購買行動へつながる
  • 行動データと購買データを紐づけ、経営貢献の可視化を進める

事業内容|LUMIXというブランドについて

――はじめに、吉川さんのご経歴について教えてください。

吉川:パナソニック株式会社に入社後、リモートカメラ、スタジオカメラ、スイッチャーなど業務用映像機器のマーケティング・コミュニケーションに携わってきました。2024年にLUMIXの国内マーケティングチームへ加わり、現在はLUMIXコミュニティの企画・運営を担当しています。あわせてマーケティングディレクターとして、主にエントリー向け一眼カメラの戦略企画も担っています。

――LUMIXというブランドについて教えてください。

吉川:LUMIXは2001年に誕生したパナソニックのカメラブランドです。2008年には世界初のミラーレス一眼「LUMIX G」を発表し、4K動画撮影にも早くから対応するなど、写真と映像の両面でクリエイターを支え続けてきました。

2019年にはフルサイズミラーレス「LUMIX S」シリーズを発表し、現在はコンパクトなGシリーズと、より表現の幅が広がるSシリーズという2ラインで展開しています。タグラインは「写真も映像も、想いのままに。」創作に情熱を注ぐすべてのクリエイターの方々に寄り添う姿勢が、ブランドの核にあります。

――コミュニティ運営の体制について教えてください。

吉川:運営は6名体制です。企画3名・デザイナー1名・システム1名が他業務を兼務する形で、さらにコミューンさんの運営代行スタッフ1名(CLG Partners 稲井さん)に関わっていただいています。コンパクトな組成ですが役割が明確なため、オンラインとオフラインを柔軟に行き来する企画推進ができています。

なぜコミュニティを始めたのか

――LUMIXコミュニティを立ち上げた背景と目的について教えてください。

吉川:カメラ市場には一定の需要がある一方、総需要を大きく拡大していくことは難しい状況にあります。各メーカーが機能を磨き上げる中で、スペックだけで差別化するのは容易ではなく、競争は非常に激しくなっています。そうした市場環境がまず前提としてありました。

その中で、LUMIXとしては新しい撮影体験を提案しながら、新規ユーザーの方の獲得を進めるとともに、既存のコアファンとの関係をより深め、LTV(顧客生涯価値)を最大化していくことが重要だと考えました。

特にカメラは「マウント」と呼ばれる、レンズとカメラボディの互換性に制約があるため、他メーカーへ乗り換えにくい特徴があります。だからこそ、長期の関係性を育てられる取り組みが事業にとって非常に大きな意味を持ちます。

――当時、どのようにユーザーの皆様とコミュニケーションをしていたのでしょうか。

吉川:コミュニティを立ち上げる以前から、SNSを通じてユーザー様と対話する取り組みは行っていました。「中の人」が自分の言葉で語る文化は大切にしていて、ユーザー様との距離を縮める上でも一定の手ごたえはありました。

ただ、SNSだけでは踏み込んだ関係づくりには限界があります。投稿は流れ去ってしまいますし、ユーザーの皆様同士のつながりや、ブランドとの“温度のある関係”を育てるには物足りない部分がありました。もっと深く、継続的に対話できる場所が必要だと感じていたんです。

――そこで、次の一手として「コミュニティ」を選んだと。

吉川:そうです。SNSの延長線上でも、さらなる距離の縮まりを実現し、「LUMIXと人」「ユーザー様同士」をつなげる場所が必要でした。単に情報を届けるだけでなく、“温かみのあるつながりを育てる”ことができる仕組みを求めていました。

そこで、LUMIXとユーザーの皆様、そしてユーザー様同士が互いに励み、学び合い、創作を共有できる「コミュニティ」を立ち上げることを決めました。ブランドを媒介に、作品や体験が循環していく場所を用意したかった、というのが大きな理由です。

コミューンの選定理由と、導入後の手応え

――コミューン(CLG Partners)は現在、どのような関わり方をしていますか?

吉川:コミュニティ運営のサポート全般をお願いしています。細かな実務から企画に向けたアイデア出しまで幅広く関わっていただいており、いわば“もう一人の運営担当”として並走してくださっているイメージですね。

逆に言うと、「これをお願いします」と明確に役割を固定して依頼しているわけではありません。私たちの状況に合わせて臨機応変に動き、必要なところにサポートしてくれる存在です。まさに、一緒にコミュニティを育てていく伴走者という位置づけですね。

――導入時・導入後のサポート体制についてはいかがでしょうか。

吉川:お伝えしたとおり、隣で走ってくれる安心感が大きいです。立ち上げ初期はもちろん、運用が進んでからも継続的にアイデアをいただいたり、改善の打ち手を並走しながら検討できることが助かっています。運営側として「困ったときに相談できる相手がいる」だけで、取り組みの持続力が大きく変わりました。

また、こちらの意図や課題感を汲み取りつつ、必要な形に翻訳してくれるので、企画やコミュニケーションに迷いが減りました。単なるコンサルティングではなく、“実行まで支える”という姿勢が、LUMIXコミュニティの推進において非常に価値をもたらしています。

――システム面(Communeとしての機能)では、どのような点を評価していますか?

吉川:特にカスタムブロック機能を頻繁に活用しています。LUMIXコミュニティはUGC(User Generated Content、コミュニティの参加者が自ら投稿するコンテンツ)が非常に多く、ありがたいことなのですが投稿が多くなるほど流れていく投稿も増えます。それゆえ、優れた作品をトップに固定表示できるのは大きいですね。「自分の作品がトップに載ってうれしい」という声は多く、参加モチベーションにもつながっています。

また季節のテーマ(桜、花火、夏祭りなど)に合わせて作品を集め、カスタムブロックで掲示することで、“時期の空気”がコミュニティに宿るのも良いところです。作品が並ぶことで雰囲気や世界観が立ち上がり、ユーザーの皆様の“写欲”を刺激するきっかけになっています。SNSにはない“作品の居場所”をつくれる感覚がありますね。

――他に活用されている機能はありますか?

吉川:「チャレンジ」機能や「気軽にひとこと」といったアイスブレイク的な投稿は、ユーザーの皆様が参加しやすい入口になっています。最初から作品投稿を求めるのではなく、ちょっとしたコメントや活動でも歓迎される空気があることで、コミュニティが“開かれた場所”になっているのだと思います。

導入後の変化(定性・定量)

――コミュニティ導入後、どのような変化が生まれていますか?

吉川: 投稿やアクションは非常に活発で、

  • リアクション数:315,661件
  • 投稿数:18,423件
  • コメント数:16,048件
  • チャレンジ参加:7,761件(数字はいずれも2024/9/30〜2025/9/30のもの)

といった定量的な数字が生まれています。ただ私たちは、会員数をむやみに増やすことは目的にしていません。質にこだわり、熱量を持ったユーザー様が自然と集まる環境づくりを優先しています。結果として登録者数に対して非常に高いアクション数が生まれており、濃いコミュニティになっていると感じます。

――コミュニティが生み出した価値についてはいかがでしょうか?

吉川:明確な変化のひとつとして、エンゲージメント向上がLTV(生涯価値)の向上に結びついていることが挙げられます。

たとえばLUMIXコミュニティに登録したことがきっかけで、LUMIXから離れかけていた方が、「もう一度LUMIXが好きになった」とイベントの際に直接話に来て下さったことがあります。。“関係が再びつながる”という小さな成功体験が、ブランド活動の大きな励みになっています。

また、一周年記念パーティにはリアル会場で24名、オンラインで79名、計100名を超える方々のご参加がありました。プログラム内容やゲストの知名度が集客を押し上げたというより、コミュニティ自体への関心・信頼が参加の動機になっていた点が印象的でした。告知前から募集がすぐに満枠となり、コミュニティの存在価値を象徴するイベントになったと思います。

――収益面との関係については、どのように捉えていますか?

吉川:現時点では、コミュニティの効果が経営指標にどの程度寄与しているか、数値で厳密に示す段階にはありません。 PoCとして立ち上げ、その後しばらくはコミュニティを安定させることに注力してきたため、社内でも“投資先行”という判断をしてきました。

ただ、足元では行動データと購買行動の関係性を分析し、成果を可視化していくフェーズに入っています。

――手応えとして感じていることがあれば教えてください。

吉川:定性的な変化は着実に感じています。イベントでユーザーの皆様と会話する中で、エンゲージメントの高まりが購買につながっていることを実感します。撮影会などのイベント後に「購入しました」と報告をいただくことも少なくありません。

コミュニティ登録者は、もともとロイヤリティが高い方が多い傾向があります。だからこそ、ユーザーの皆様に質の高い体験を提供することで、コンバージョンをより確度高く生み出せると考えています。これこそが、コミュニティが提供できる大きな価値のひとつだと思います。

コミュニティ起点で生まれる価値について

――ユーザーの声を、どのように企画や施策に反映していますか?

吉川:大事なのは、コミュニケーションの機会と回数です。 オンラインはもちろん、オフラインで直接顔を合わせる機会が不可欠です。オンラインだけで関係を深めるのは難しく、リアルな場の存在がユーザーの皆様との理解と信頼の基盤になると感じています。

企画アイデアは、リアルな場から生まれることも多いです。イベントでは、参加者全員と1on1でコミュニケーションを取ることを心がけています。深い関係性が築かれていくと、ユーザーの皆様が自発的に動き出す瞬間があります。実際、有志によるフォトウォークや、投稿作品を集めてスライドショーをつくる企画などが自然発生的に生まれるようになっています。

また、「声を拾い上げて形にする」プロセスをユーザーの皆様に見せることも重視しています。ユーザー様の声を元に実現したことを可視化することで、「運営は本当に要望を形にしてくれる」という信頼が高まるからです。

投稿への日々の目配りも欠かせません。イベントでの会話やアンケートを通して、ユーザーの皆様の「やってほしいこと」を丁寧に拾い上げています。ポイントは、構えた形ではなく、“悩み相談” のような形式で率直に話を聞くことその方が、具体的な要望や協力の申し出につながりやすいです。

――企画設計で大切にしていることは何でしょう?

吉川:「運営側のやりたいこと」を起点にしないことです。皆様が求めていることを起点にしながら、運営として実現したいゴールと重ね合わせていく。その両輪がそろうことで、満足度の高い体験が生まれます。

――コミュニティが目指す価値について教えてください。

吉川:私たちは、「LUMIXを通じて得られる体験や感動を、より豊かなものへ育てていく」ことをコミュニティの中心に置いています。ユーザー様同士が作品や撮影の気づきを共有し、互いに刺激し合う環境づくりを重視しています。

この循環を象徴する言葉として、コミュニティ内では「写欲」という概念があります。
良い作品を見ると「自分も撮ってみたい」という欲求が生まれ、撮影した作品をまた誰かに見てもらいたくなる。その投稿がさらに別の誰かを刺激し、撮影へと向かう。こうした往復が、コミュニティ全体の熱量を高めているんです。

もう一つの特徴が、「三方よし」の文化です。初心者は不安や迷いが多く、独学では挫折してしまうこともあります。一方、ベテランユーザー様には「自身の経験を共有したい」という欲求があります。

この両者が自然につながれるよう、「みんなで解決」という質問・相談がしやすいエリアを用意し、互いに助け合う空気を育てています。ユーザー様同士、初心者と上級者、そしてユーザー様とメーカー、立場を越えたやり取りが生まれ、関わる全員が満たされる場になっていることに大きな価値を感じています。

さらに、ユーザー様がブランドを共に押し上げる仲間になってくださることも重要です。帰属意識が高まることで、一方的な要望にとどまらず、LUMIXの実情を踏まえたうえでより良い提案をしてくださることが増えています。

単なる「お客様」ではなく、“共創パートナー”として関わっていただけるケースが多いと感じます。これによって、私たちも現実的かつ効果的な検討がしやすくなり、ブランドを一緒に育てている感覚があります。これこそがコミュニティが果たす重要な役割だと思っています。

もちろん、カメラそのものが提供する機能や性能で価値を届けることが大前提です。その上で、「LUMIXコミュニティがあるから、LUMIXを選びたい・買ってみたい」と思っていただけるような存在になること。それが、私たちが目指すコミュニティの姿です。

今後の事業展開|オンライン×オフラインが生む体験価値

――コミュニティの今後について教えてください。

吉川:LUMIXコミュニティは「WEBサイト」というデジタル基盤を持ちながら、顧客が求める体験は非常にフィジカルである、という前提に立っています。プレオープン期から変わらず、ユーザーの皆様から最も支持されている企画は「撮影会」や「ワークショップ」といったリアルイベントです。

カメラという商材が“リアルな撮影体験”を提供するものである以上、オフラインの場がもたらす価値は大きいと考えています。

一方で、オンラインでの活動も欠かせません。写真や動画といったアウトプットはデジタルデータであり、オンラインを介せば瞬時に多くの人へ共有できます。そこで、コミュニティではテーマ投稿やカレンダー企画(月次)といったオンライン企画を継続的に実施しています。 毎回70〜80点ほどの作品が投稿され、写真・動画を軸にした自然発生的なコミュニケーションが活発に行われています。

今後は、ユーザーの皆様から集まったTipsをもとにトレーニングプログラムの開設も検討しています。「教える喜び」を感じられる熟練者にとっても、初心者がステップアップするうえでも、双方の目的が満たされる仕組みにしたいと考えています。

結果として、幅広いリテラシーをもつユーザー様同士が交流を深め、コミュニティ全体としてスキルが底上げされ、LUMIXファンの育成につながることを目指しています。初心者の成長は、継続的な顧客育成において非常に重要な要素です。

オンラインとオフラインを柔軟に行き来しながら、ユーザーの皆様の体験を豊かにし、創作活動を後押しするプラットフォームへ。 このふたつのバランスを保ち続けることが、今後のコミュニティ運営においても核心になると考えています。

コミュニティ運用、お困りではありませんか?

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  • 顧客の声やインサイトを拾いたいが、やり方がわからない
  • そもそもコミュニティ構築が難しい、うまく設定できない
  • コミュニティを作ったものの、うまく活性化できない
  • 担当者の感覚や属人的な対応に頼りがち etc..

Communeは専門家による手厚い支援で、戦略から運用までを伴走。
豊富な経験を持つ専任チームが、戦略設計からKPI設定、運営実務の代行まで一貫サポート。
成果につながるコミュニティ運営を実現します。

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