株式会社再春館製薬所

リアルとオンラインの融合によってファンの想いを育むコミュニティマーケティングの可能性

リアルとオンラインの融合によってファンの想いを育むコミュニティマーケティングの可能性
株式会社再春館製薬所
リアルとオンラインの融合によってファンの想いを育むコミュニティマーケティングの可能性
株式会社再春館製薬所
  1. Commune(コミューン)
  2. 導入事例一覧
  3. ロイヤルティの導入事例
  4. リアルとオンラインの融合によってファンの想いを育むコミュニティマーケティングの可能性
施策概要
株式会社再春館製薬所は、「人間も自然の一部という漢方の考え方にもとづき、自然からの恵みを人の力に活かしていく」を理念とし、化粧品や医薬部外品、健康食品の販売を手がけています。基礎化粧品「ドモホルンリンクル」は、発売50年を超える大ヒット商品として、多くのファンに支えられてきました。ユーザー同士の交流と相互支援を促進する「ドモホルンリンクル ファンコミュニティ」を立ち上げたねらいや、ここまでの手応えについて、ファンマーケティング マネージャーの田中 真希様にお話を聞きました。
運用体制
・ファンマーケティングチームが中心となり運営
・初期メンバー(ファーストクルー)8名で始動し順次拡大中
・月1回のクルーとの会議、月2回のCommune(コミューン)とのサポート会議を継続
導入の決め手
・Communeが提示した『顧客同士のコミュニケーションを促進し、熱量を高める場所』というコミュニティのビジョンが自社の意向と一致した
・ツールの機能説明にとどまらず、リアルでのつながりを大事にするという自社の姿勢に寄り添った施策の提案に安心感があった

課題

  • 商品の性質上、ユーザーが商品使用を積極的に発信しづらい状況があった
  • 既存顧客の商品リピート率は94%と高いが、新規顧客の紹介が伸び悩んでいた
  • ファンと言える人を特定できていなかった

活用方法

  • 全国でのお客様交流会の開催とオンラインコミュニティの連動
  • イベント、お知らせ、フリートークの3つに絞ったシンプルな構成
  • ユーザー同士のコミュニケーション促進を重視した設計

成果/これからの目標

  • ユーザーから毎日自発的な投稿が継続している
  • コミュニティを始めとするファンマーケティングによって新規顧客紹介数やギフト購入が前年比倍増、SNSでの口コミも増加
  • コミュニティによってファンの熱量が可視化、お祝いなどでは大きな盛り上がり

株式会社再春館製薬所
ドモホルンリンクル事業部
ファンマーケティング マネージャー
田中 真希 様

リピート率は高いが新規顧客紹介の生まれにくい構造

はじめに貴社事業の概要と導入前の課題を教えてください。

弊社は、ダイレクトマーケティングを基盤にお客様との直接的なコミュニケーションを大切にしながら、基礎化粧品「ドモホルンリンクル」を中心に商品を展開しています。リピート率94%という高い数字が示すように、多くのお客様に長く愛用いただいており、既存のお客様からの紹介で新規のお客様になっていただくことが多いのが特徴です。

しかし、ここ数年、紹介による新規のお客様の数が思うように伸びていないという課題がありました。それは商品の性質上、長く愛用されている方でも積極的に「使っている」と発信しづらい環境があるのだろうと推察しました。その背景には、弊社の化粧品に「エイジングケア」や「アンチエイジング」というイメージを持たれている方もいるため、それが恥ずかしさにつながっている可能性がありました。また、廉価な商品ではない点も心理的な障壁となり、お客様の中で発信を敬遠する要因になっているのではないかと私たちは考えました。

課題を受けてまずはどのような施策を行ったのでしょうか。

まず私たちが取り組むべきだったのは、お客様の心理的安全性を確保し、よい口コミが多く上がる環境を整えることでした。そこで、当初はUGCの施策やインフルエンサーマーケティングなどさまざまなアプローチ方法を試しました。本社を見学し、社員食堂で一緒に昼食をとっていただくような会も開催してきましたし、特に各地でお客様と直接お会いするお客様交流会(再春館製薬所様におけるスキンケア講習や新商品や薬膳茶の体験会)においては2023年度は8回で203名、2024度は12月までで10回開催し500名弱に参加いただきました。

これらを通じて、弊社が従来から大事にしてきたお客様とのBtoCコミュニケーションだけでなく、お客様同士のCtoCコミュニケーションこそお客様から求められているものかつ、私たちが抱えている課題に有効な施策だと判断できました。また、交流会のクイズ大会やお茶会などの場を通じて、自然とリーダー的に話を広げる方や、他の方の話を上手に引き出す方が浮かびあがったことは、その後のコミュニティの素地となりました。盛り上げてくださる方の中には、周りの話にも耳を傾けながら場を和ませてくださる方などがいて、そういった方々こそ、コミュニティの核になっていただくことが適していることもわかってきました。

そのような経験と経緯を基にコミュニティ「ドモコミュ」(「ドモホルンリンクル ファンコミュニティ」の愛称)の設立へ向かっていきました。

 

コミュニティのあり方を一緒に考えてくれるのがCommuneだった

コミュニティ設立に際してCommuneを導入した理由を教えていただけますか。

最大の理由は、コミュニティの本質的な価値について一緒に考えてくれる姿勢があったことです。当時、複数のコミュニティツールを検討していたのですが「このような機能があります」「こういった実装が可能です」といったツールを説明する会社が多かったです。ただ、まだどのようなコミュニティを作るかイメージを描けていないのに、必要な機能などがわかるはずもありませんでした。一方で、コミューンさんは、私たちが実現したい「お客様同士のコミュニケーションを促進し、熱量を高める場」というビジョンについて、具体的な実現方法を一緒に考えてくれました。オンラインの場を提供する立場ながら、リアルな交流会の重要性を理解し、その活用方法まで提案してくれた点は特に印象的でした。私たちは「through the community(コミュニティを通じて)」というアプローチで、ファンの方々の熱量を高め、さらに価値が広がっていく状態を作りたいと考えていたのですが、その思いに深く共感し、具体的な施策を一緒に考えてくれる、伴走してくれるコミューンさんの姿勢に心を動かされ、Communeを選びました。

コミュニティ立ち上げのプロセスについても教えてください。

先ほどお話しした交流会などで、出会ったコアなファンの方々8名を「ファーストクルー」として選定し、その皆さまとともにドモコミュの基盤づくりを行ってきました。ファーストクルーを選ばせていただくにあたって重視したのは、次の4点です。

1つは、商品を適切な使用頻度で継続的にご愛用いただいていること。次にモチベーションの高さですね。商品やブランドへの愛着だけでなく、その方の生活における価値観とコミュニティ活動が合致し、ドモホルンリンクルを一緒に推奨したいという気持ちをお持ちの点を重視しました。3つ目は、発言する力です。ブランドの話をしっかりと聞き、ポジティブな共感でき、周りの人の気持ちを前向きに動かせるかどうか、そして最後が発信力です。SNSなどで自分の意見を率先して発信し、共感を生める人です。こうした基準で選ばせていただいた結果が、現在の安定したコミュニティ運営につながっていると感じます。逆に、商品使用頻度がやや低くても熱量が高いという理由で選んだ方は、やはり継続的な参加が難しい傾向にありました。このことからも、この4つの基準は正しかったと実感しています。

コミュニティの方針に影響したファーストクルーの貢献

ファーストクルーの方々は、どのような役割を果たしているのですか。

月に一度のペースで会議を開催し、コミュニティ初期から「どんなコンテンツがあると嬉しいか」「どういう頻度で投稿があれば参加しやすいか」などといった運営方針の基礎となる部分を一緒に検討してきました。具体的にはコンテンツが多すぎるとどこを見ていいかわからないというご意見から、現在のような「イベント」「お知らせ」「フリートーク」という3つのシンプルな構成が生まれました。またファーストクルーの方々は、普段からも多くの投稿をしてドモコミュを盛り上げてもくださっています。

ここまでのCommuneのサポートに対する評価をお聞かせください。

コミューンさんとは現在、月2回のサポートミーティングを実施しています。そこでは他社コミュニティの事例や知見を適切に共有してくださるのが参考になります。弊社が都内で開催したイベントにも実際に足を運び、現場での様子を理解した上でサポートしてくださっている点も頼もしく思っています。お客様との交流会など、その場の雰囲気や、私たちが大切にしている価値観を肌で体感してくださるので、より的確なアドバイスにつながっているように思います。

また、ユーザーの年齢層が高くSNSに慣れていないという課題もありましたが、これに対しても投稿方法の動画マニュアルをコミューンさんにご協力いただきながら作成するなど、きめ細かな対応で改善できました。現在は、社員の投稿がなくても毎日どなたかが投稿してくださるようになり、活性度の高さを実現できています。

さらにCommuneの運営サポートの方には、ドモコミュの中で社員でもファンでもない、中間的な立場を貫いていただいています。弊社商品やブランドへの理解が深いお客様は、その人が社員の立場から発言しているか、十分な知識があるかなど、容易に気づけるため社員のように演じるのはかえって逆効果になると考えているからです。こうした弊社の方針を理解して「コミュニティを運営するサポーターであり、ドモホルンリンクルのファンでもある」という透明な立場で関わっていただくことが、お客様からの信頼獲得にもつながるものと感じています。

祝福が飛び交った「ドモホルンリンクル50周年」のその日

ファンマーケティングによる数字上の成果も出ているそうですね。

ドモコミュを始めとするファンマーケティングの活動や、その視点での施策の実施でSNS上での口コミ投稿が3倍近くまで増えましたし、弊社ホームページのレビュー機能を通じた口コミ件数もほぼ倍増しています。

また、お客様からの紹介数が前年度の倍になっているほか、ギフトとしての購入も倍増したという成果が出ています。これらの結果は、以前よりもお客様が商品を人に勧めてくださるようになった表れだと考えていますので、今後はドモコミュをさらに活発化させることで、より一層お客様の自発的な推奨につなげ、自然な形でビジネス成長にも結びつけていきたいですね。

このコミュニティが秘めた可能性を感じる象徴的な出来事もありました。2024年12月、ドモホルンリンクルが発売50周年を迎えたその日、日付が変わった直後から、メンバーの方から祝福の投稿が殺到したんです。「この特別な日をドモコミュの皆さんと一緒にお祝いできて嬉しい」というメッセージと、お祝いケーキの写真が添えられていました。ご自分が好きな商品が発売された日を心から喜んでくださり、それが広がっていく様子は、私たちの意図的な仕掛けなどありません。自発的に記念日を祝福し、その想いが自然な形で広がっていく形こそ、私たちが目指していたひとつの姿だと実感しました。この温かな関係性は、商品の力と、ファンの想い、そして受け皿としてのコミュニティがあってこそです。

今後に向けた展望をお聞かせください。

参加者数は、現在の2倍程度、1,000名までは早期に拡大したいです。やはり一定の母数があってこそ、ビジネス上のインパクトも生まれるものだと考えているためです。ただし、単なる数の拡大ではなく、コミュニティの質を保つことが重要ですので、新規メンバーが増えても半数以上の方が投稿に反応してくださるなど、現在の状態を維持することを重視しています。

そのために、新規参加者の活動率が低下することのないように、新しい方でも受け入れられやすい、参加したくなる環境づくりを進めていきたいと考えています。

ファンの方の心温まるエピソード、そして熱量は、コミュニティの可能性を感じさせるものでした。貴重なお話をありがとうございました。

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