株式会社NTTデータグループ様

NTTデータのユーザーコミュニティ戦略 - フルスクラッチ開発からSaaSへの転換で、UX改善・運営工数の削減を両立

NTTデータのユーザーコミュニティ戦略。フルスクラッチ開発からSaaSへの転換で、UX改善・運営工数の削減を両立
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NTTデータのユーザーコミュニティ戦略。フルスクラッチ開発からSaaSへの転換で、UX改善・運営工数の削減を両立
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  1. Commune(コミューン)
  2. 導入事例一覧
  3. 活用目的の導入事例
  4. NTTデータのユーザーコミュニティ戦略。フルスクラッチ開発からSaaSへの転換で、UX改善・運営工数の削減を両立
概要
業務システムやITサービスが高度化する一方で、プロダクトを「導入して終わり」にしないための顧客接点づくりは、年々難しくなっています。
 
特にBtoBtoBの商流を持つ企業では、誰に・どこまで・どの情報を届けるかという設計そのものが、事業成長を左右するテーマになりつつあります。
 
そうした環境の中で、NTTデータ様はフルスクラッチで運営してきたユーザーコミュニティ『UserForum』を見直し、ユーザー同士の学びと課題解決が循環するコミュニティへと転換しました。
 
狙いは開発の待ち時間を減らすことだけではなく、ユーザーとの関係性を継続的に育てる仕組みへ再設計することでした。
 
本記事では、その刷新に至った思想と意思決定、運営体制の変化、そしてデータを起点にした改善サイクルを、運営を担う濱田 夏実様・山田 優樹様へのインタビューを通じて紐解きます。

課題

  • フルスクラッチ運営による改修リードタイムの短縮
  • BtoBtoB商流ならではの、ユーザー属性ごとの情報出し分け
  • 継続的な関係性へ発展させるためのコンテンツ集約と拡充

活用方法

  • 商流・契約形態に応じて情報を自動で切り替える、権限設計を前提としたコミュニティ運営
  • 学習コンテンツ・イベント・Q&Aを一体化し、ユーザー同士の知見が循環する場づくり
  • データ分析を起点に、反応の良いコンテンツへと柔軟にシフトする改善文化の醸成

成果/これからの目標

  • 非エンジニア主体の運営体制により、投稿や改善のスピードが大幅に向上
  • ユーザー行動の可視化を通じて、動画コンテンツなど新たな価値創出の兆しを発見
  • 将来的にはヘルススコアや関心領域を捉え、より適切なサポート提供を目指す

事業・ブランド紹介

ーーまずは貴社の事業概要と、ご担当領域について教えてください。

濱田様:NTTデータは受託開発のイメージが強い会社だと思いますが、この5〜10年で事業構造は徐々に変化してきました。現在は、自社ソリューションやプロダクトを提供する比重も高まっています。

その中で私たちの部署は、「一つのプロダクトを継続的に育て、届けていく」役割を担っており、業務改善領域のツールを中心に展開しています。

販売スタイルとしては直販よりも代理店経由が多く、エンドユーザー様と直接接点を持ちにくい構造です。だからこそ、ユーザー様に向けた情報提供や、実際の活用状況・声を受け取る場として、コミュニティの重要性を感じてきました。ユーザーの皆様がどこでつまずき、どんな工夫をしているのかを知ることは、プロダクトを育てていく上で欠かせない要素だと考えています。

現在は、WinActorをはじめとしたRPAツールに加え、AIエージェントやAI OCRなども扱っています。こうしたプロダクト群のユーザー向けコミュニティとして、UserForumは2019年にスタートしました。社内でフルスクラッチで開発しており、当初は業務改善に取り組む現場担当者同士が質問や活用事例を共有する、掲示板型のサイトでした。

導入前:実装リードタイムは最長1年

ーーフルスクラッチで作られていたコミュニティを、本格的に見直そうと考えた背景は何だったのでしょうか。

濱田様:移行を考えた最大の理由は、開発体制に限界を感じていたことです。機能追加やUI改修のたびに6名の開発チームと仕様検討を行い、実装可否を確認し、そこから開発に入る必要がありました。日々のバグ改修やセキュリティ対策と並行していたこともあり、結果としてリードタイムは半年、長い場合は1年に及ぶこともありました。

一方で、ユーザー様のニーズや現場の課題は日々変化していきます。そのスピード感に対して半年〜1年という開発リードタイムは現実的ではなく、「このままでは応えきれないのではないか」という課題意識が強まっていきました。そこが、コミュニティに特化したツールの導入を検討し始めた出発点です。

私たちが目指したのは、単なる問い合わせ対応の場ではありません。掲げていたコンセプトは「業務改善マイスターを育てていく」ことです。ツールの使い方を知るだけでなく業務改善そのものを理解し、現場で応用し、周囲へ広げていける人を増やしたい。そのためにはQ&Aだけでなく、学習コンテンツを含めた全体の底上げが必要だと考えていました。

加えてユーザー、販売店、製造元、そしてNTTデータという関係者すべてをつなぐ“ハブ”のような存在になりたい、という思いもありました。

ーーその中で、Communeを選んでいただいた理由はどのあたりだったのでしょうか?

濱田様:どの仕組みが一番フィットするのかを検討する中で、「最も実現したい姿に近い」と感じたのがCommuneでした。

他のツールも検討しましたが、結局どの選択肢でも開発負荷の問題は解消されないと感じました。そこで「開発ありき」ではなく、コミュニティ運営に必要な要素があらかじめ揃ったSaaSを使うべきではないか、という考えにシフトしたんですね。

そのタイミングで、山田がマーケター向けのイベントに参加した際にCommuneさんの担当者様と出会い、具体的な話を聞く機会があったことも後押しになりました。少しずつイメージが具体化し、「この方向で進めてみよう」という流れで導入を決めました。

導入後:投稿リードタイムはゼロ。圧倒的な工数削減

ーー定量・定性面において「導入してよかった」と感じている点があれば教えてください。

濱田様 定量成果については導入からまだ2か月ほどなので、これからと思っています。一方、定性面ではすでに手応えがあります。最近は「イベントのアーカイブやコンテンツを見たい」といったお問い合わせをいただくことが増えてきました。「ここに来れば欲しい情報が手に入る」という認識が、ユーザー様の中で生まれ始めている証拠かなと感じています。

そうした認識が広がることでUserForumの利用が継続され、結果として製品も使い続けてもらえる循環が生まれていくのではと思っています。ライセンス継続という観点では、すでに一定の貢献はしている感覚はあります。

また、最近ようやくデータ分析画面の見方も理解できてきました。御社セミナーをきっかけに「こういう視点で見ればいいんだ」と分かってきたので、今後はコンテンツ制作やキャンペーン施策を実行し、成果を測っていきたいと考えています。

工数面では、ページ作成やお知らせ配信を自分たちで完結できるようになった点が大きいです。以前は開発メンバーを介さないとできなかった作業も、今は管理者権限があればすぐに対応できます。「やりたい」と思ったときに、すぐ試せる基盤があるのは便利ですね。自前で開発を続けるよりもCommuneの基盤に任せて運営する方が、圧倒的に楽ですし精度も高いと感じています。

ーー以前は、1つ投稿するのにどれくらい時間がかかっていたのでしょうか。

濱田様 各チームに原稿や画像を用意してもらって、そこから「画像サイズが合わない」といったやり取りが発生して作り直してもらうことも多かったです。細かい調整も必要だったので、1投稿あたり1週間くらいかかっていました。

ーー1週間ですか!

濱田様  実質的には週1回更新できるかどうか、というペースでした。今は各チームが権限を持って、自分たちで投稿できるようになっています。チーム内確認が終われば即投稿できるので、感覚的に投稿にかかるリードタイムはゼロに近いですね。

ーーUI/UXが変わったことで見えてきた、ユーザー様の変化についても教えてください。

濱田様 以前から使ってくださっているお客様が多いので、質問・相談の掲示板へのアクセスが多いという傾向はありました。ただ、新規で作った公式の学習コンテンツについても、想像以上にアクセスが伸びています。導入から2か月という短い期間でも手応えを感じていますね。

以前のアンケートでは「何が分からないのか分からないから、質問できない」という声もありました。今は公式コンテンツで基礎を学べるので、右も左も分からない状態を解消する手助けができているのではないかと感じています。

また、分析をしてみて分かった新しい気づきとして、コラムよりも動画コンテンツの方が圧倒的に見られているという点がありました。文章や画像だけでは伝わりにくい部分も、動画だと一目で理解できる。ユーザーの皆さんも、そうした分かりやすさを求めているのだと思います。今後は、動画コンテンツにもより注力していきたいと考えています。

ーーなるほど。分析ができるようになったからこそ、見えてきた変化ですね。

運営体制と日々の活用状況

ーーここからは、現在の運用状況についてお伺いできればと思います。UserForum自体は2019年から取り組まれているとのことですが、当初はどのような運営をされていて、現在はどのように変化してきているのでしょうか。

濱田様:まず現在コミュニティ運営に関わっているのは、大きく分けて4チームです。

一つ目は、私と山田のチームです。コミュニティ全体のコンセプト設計や企画を担い、「どんな思想で場をつくるか」「どんなコンテンツを出すか」といった軸を考えています。ページ作成やコンテンツのたたき、データ分析も私たちの役割です。

二つ目がサポート部門です。一定期間回答が付かない質問へのフォローや公式の学習コンテンツ、技術コラムの作成を担当しています。今後は、コラム内容を短い動画にしたり、GIFを活用したりと、より分かりやすい表現も検討しています。

三つ目は、各プロダクトの営業担当です。主にお知らせやイベント情報の発信を担ってもらっており、それぞれが役割を持ちながら関わることで、無理なく運営できる体制をつくっています。

四つ目が、イベントや施策を企画・推進するチームです。以前は製品サイトやメールで告知していましたが、現在はCommune上でイベント情報を掲載しています。実際に課題を抱えているユーザー様に、より届きやすくするためです。コミュニティ上の反応やデータをもとに、新しいイベント企画へとつなげています。

専任で関わっているのは私と山田ですが、イベント担当や各プロダクトの担当者も含め、多くのメンバーが関与しながら運営しています。

ーー通常業務と並行しながら、工数はどの程度かけていらっしゃるのでしょうか。

濱田様:私自身は、ほぼコミュニティ運営が中心です。一方で、他のメンバーはそこまで大きな稼働を割いているわけではありません。

イベントチームは時期によって波がありますが、業務全体の半分程度の稼働感です。サポート部門については、Communeとヘルプデスクを切り分けたことで、ヘルプデスク側にしっかり工数をかけつつ、Commune側は無理なく回せていると聞いています。

各プロダクトの担当チームも同様で、情報をもらえれば私が対応できる部分も多く、管理画面上でコンテンツ作成や権限設定が開発なしでできるようになったことで、少人数でも運営できている実感があります。

フルスクラッチで運営していた頃は、開発や基盤を含めて多くのメンバーが関わり、調整にも時間がかかっていました。現在は各チームとの連携だけで進められるため、小回りが利き、結果として全体の稼働は大きく削減できていると感じています。

Commune導入後、UserForumはどう変化した?

ーーフルスクラッチで運営されていた頃とCommuneに切り替えた現在とで、UserForumの位置づけはどのように変わりましたか?

濱田様: Communeに切り替えてからの変化で、最も大きいのは公開範囲に対する考え方です。以前のUserForumは誰でも登録でき、登録すれば基本的にすべての機能を使えるオープンな設計でした。主なコンテンツはユーザー様同士の掲示板と、弊社とお客様が非公開でやり取りするヘルプデスクの二つが中心でした。

現在のコミュニティでは、まずサービスの提供範囲を見直すところから設計しています。コンセプトとしては、「弊社から製品をご購入いただいているお客様に、よりしっかり価値を還元できる場にする」というものです。登録自体は誰でも可能ですが、30日間のトライアル期間を設け、その後はご契約状況に応じて利用できるサービスを一部制限する形にしています。

その代わり、弊社と契約いただいているお客様には、掲示板に加えて学習コンテンツやイベント情報、製造元や弊社・代理店からのお知らせなどをまとめて提供し、「ここに来れば必要な情報が揃う」状態を目指しました。

ーーカスタム項目と自動グループの組み合わせを活用した権限管理について、かなり工夫されている印象があります。

濱田様:カスタム項目と自動グループ追加は、機能の出し分けやサービス提供範囲を制御するために活用しています。グループは大きく三つに分けています。

一つ目は、弊社から製品をご購入いただいているお客様。
二つ目は、他社商流でご購入され、サービス提供の対象外となるお客様。
三つ目は、旧UserForum時代から活発に活動してくださっていた方々で、購入先に関わらず引き続き全サービスを使っていただきたいと考えたグループです。

プロフィール欄には契約に関わる情報を必須で入力いただき、その内容をもとに自動でグループ分けを行っています。以前のフルスクラッチのフォーラムでは難しかった「誰に、どこまでの情報を届けるか」を、運営側で柔軟にコントロールできるようになった点は、非常に大きな変化だと感じています。

ーーまだ導入して間もない中ですが、どのような変化を感じていますか。

濱田様:実際に運用してみると、「プロフィールを入力したのに閲覧できない」といったお問い合わせは確かに増えました。一方で、それだけ「UserForumを使いたい」と感じてくださっている方が増えている実感もあります。結果として、コミュニティへの関心度が高いユーザー様が、よりはっきりと見えるようになりました。

カスタム項目の活用という点でも、旧UserForum時代から活躍してくださっている方は引き続き把握できますし、最近参加されたユーザー様の中でも、積極的に回答してくださる方が自然と浮かび上がってきます。一人ひとりの行動を追えるようになったことで、ユーザーの変化を捉えやすくなったのは大きな変化ですね。

ーー御社はQ&Aが非常に活発だと伺っています。他社様ではあまり多くない事例ですが、どのような工夫をされているのでしょうか。

濱田様:Q&Aが盛り上がっている点については、よく驚かれます。私たちは基本的に「ユーザー様に任せる」というスタンスを取ってきました。実際に、よく回答してくださる方にお話を伺うと、「人の課題に答えること自体が、自分の理解を深めるトレーニングになっている」という声が多いんです。

旧フォーラム時代に行っていた、ポイント獲得者の表彰など「認められる体験」がモチベーションにつながっていたという話も印象的でした。そうした積み重ねが、回答が自然と循環する状態をつくっているのだと思います。

コミュニティ起点に、事業の好循環を作りたい

ーー今後取り組んでいきたいことについてもお伺いできればと思います。ユーザーのヘルススコア化や、自社商流を増やしていくといったお話も伺っていますが、具体的にはどのような構想をお持ちでしょうか。

濱田様  まず取り組みたいのは、ユーザーの活用状況をきちんと可視化することです。ログイン頻度や、特にホットなQ&A掲示板への参加状況、学習コンテンツの閲覧・受講状況などを組み合わせて「どれくらいコミュニティを活用してくださっているのか」を可視化できる状態をつくりたいと考えています。

その上でどこでつまずいているのか、どんなテーマへの関心が高いのかをデータから読み取り、必要なタイミングで適切なサポートを届けられる状態を目指しています。

最近データ分析を見ていて印象的だったのは、検索されているキーワードが想像以上に多様だという点ですね。どのキーワードが多く検索されているのか、どのコンテンツが実際によく読まれているのかを掛け合わせることで、「これは解決につながった」「逆に、ここは解決できていない」といった示唆も見えてくるのではないかと思っています。

コミュニティで取得できるデータが増えた分、「何から手を付けるか」を考える難しさもあります。ただ、その分だけ可能性も広がっていると感じます。

将来的には分析結果を販売店や製品の製造元にも還元し、離脱防止やオンボーディングの見直し、さらには製品の新機能開発やコンテンツ企画にもつなげていきたいと考えています。コミュニティを起点に、事業全体がより良く循環していく状態をつくることが目標ですね。

関係性を長く育てたいなら、Communeがおすすめ

ーー最後に、これからコミュニティに取り組もうとしている企業様に向けて、ツール選定の観点や、運営で大切にした方がいい考え方などをお話しいただけると嬉しいです。

濱田様 Communeを導入して良かった点については、これまでお話ししてきた通りですが、運営の考え方という意味では社内でもよく共有しているポイントがあります。

一つ目は、「ユーザー様の発言をそのまま真に受けない」。これは山田が特に大事にしている考え方なのですが、ユーザー様が口にする言葉そのものよりも「その背景で何を目指しているのか」「何に困っているのか」を捉えることが重要だと考えています。

分かりやすい例えとしてよく出るのが、マクドナルドの話です。アンケートで「ヘルシーなハンバーガーが食べたい」と答える人は多かったのに、実際に販売するとほとんど売れなかった、という話があります。

見栄を張って“そう言いたい”だけで、実際の行動は全く違うことがある。コミュニティでも同じで、アンケートや発言だけを見ていると本当のニーズを見誤ってしまう可能性があります。

だからこそユーザー様が実際に何を見て、どこで検索して、どこで離脱しているのか。行動データまで含めて追えること、そしてそれを分析できることは、ツール選定の際に重視した方がいいポイントだと思います。

もう一つ大切にしているのは、「ステークホルダー全員がハッピーになる場を目指す」という考え方です。私たちの場合で言えば運営側である私たち、製品を使ってくださっているエンドユーザー様、製品の製造元、そして販売店様。この全員にとってメリットがある状態を目指すことで、結果としてコミュニティは自然と育っていくのだと思っています。

そうした考え方を実現できる基盤として、私たちにとってフィットしたのがCommuneさんでした。単に場を作るだけではなく、関係性を長く育てていきたいと考えている企業様には、ぜひCommuneさんという選択肢を検討してみていただきたいですね。

社内コミュニケーション、うまく機能していますか?

  • 経営のメッセージや重要情報が、現場まで届いていない
  • 部署・拠点をまたいだ横のつながりが、そもそも生まれづらい
  • 社内報やグループウェアを使っているが、誰も見ていない
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