三起商行株式会社

子育て世代の「ちょっと話したい」を応援。リニューアルを経て芽生えた投稿文化

子育て世代の「ちょっと話したい」を応援。リニューアルを経て芽生えた投稿文化
三起商行株式会社
子育て世代の「ちょっと話したい」を応援。リニューアルを経て芽生えた投稿文化
三起商行株式会社
  1. Commune(コミューン)
  2. 導入事例一覧
  3. エンゲージメント向上の導入事例
  4. 子育て世代の「ちょっと話したい」を応援。リニューアルを経て芽生えた投稿文化
概要
三起商行株式会社は、子ども服ブランド「ミキハウス」を中心に、高品質な子供服づくりにこだわり、国内外でブランドを展開しています。
同社が運営するオンラインコミュニティ「ミキハウスパーク」は、コロナ禍で対面の接点が持ちにくくなったことをきっかけとして、ママやパパとの新たなつながり方として立ち上げられました。
子育て層のリアルな声に耳を傾けながら、「ちょっと話したくなる」「誰かと共有したくなる」という日常の瞬間を分かち合える場所として設計されています。
今回は、コミュニティづくりの工夫や運営に込めた想いについて、当事者である育児中の運営メンバーの皆様にお話を伺いました。
運用体制
・子育て中のメンバーが中心となり、企画・運営チームを構成
・月2回、30分の定例会議で投稿案や企画を検討
・初投稿のハードルを下げるためにモニターキャンペーンなどを実施
導入の決め手
・子育て世代の感性に寄り添った企画提案
・他社事例を交えた具体的なノウハウの提供
・相談しやすく、伴走力の高いサポート

課題

  • 情報提供型コンテンツに加え、お客様との継続的なつながりを実現したかった
  • コロナ禍により、ママたちが気軽に発信・交流・つながれる場へのニーズが高まった
  • 初期のコミュニティ設計では投稿が少なく、利用が定着しなかった

活用方法

  • 会員限定の壁紙配布など、参加のハードルを下げる企画を実施
  • ベビー向けスキンケア商品のモニターキャンペーンによる投稿の促進
  • アンバサダーの起用やバッジ機能の導入を検討中

成果/これからの目標

  • 初投稿への心理的ハードルが下がり、投稿者数が増加
  • 共感や応援のリアクションが自然に生まれる雰囲気が定着
  • リアルな場を経由したコミュニティ参加が増加傾向

ママやパパの不安に寄り添いたい

貴社の概要とご担当者様の役割について教えてください。

高坂様(以下、敬称略):弊社は創業1971年、ベビー服・子ども服ブランド「ミキハウス」を運営しています。また、「子どもと家族の毎日を笑顔でいっぱいに」というビジョンのもと、出産準備から育児期までをサポートするベビー・キッズ向けの商品やサービスを展開しています。

これまでも「ミキハウス妊娠・出産・子育てマガジン」(前:ミキハウス出産準備サイト)や各種イベントを通じて情報を発信してきましたが、ママ・パパとつながり、子育て中の不安や喜びを共有できる場を作りたい、もっと双方向につなげたい、という想いが強まっていきました。そうした背景から、コミュニティの場として「ミキハウスパーク」を立ち上げました。

中村様(以下、敬称略):私の担当は、ミキハウスパークのコンテンツ設計や運営方針など、企画全体です。2024年8月頃に、ママやパパが参加するオンライン座談会「ミキハウスCAFÉ」でイベントレポートを作成したことをきっかけに、コミュニティ運営に携わるようになりました。私も3人の子どもを育てており、一番下の子はまだ1歳半です。

柿野様(以下、敬称略):私は2023年12月に2人目の育休から復帰し、現在はミキハウスCAFÉでママたちから紹介されたライフハックやお役立ち情報を、X(旧Twitter)を中心に発信しています。また、SNSとミキハウスパークの企画を連携させながら、投稿へのコメント対応や体験談のシェアなどを通じて、フォロワーとの接点づくりを担っています。

玉井様(以下、敬称略):私は主に「ミキハウスクラブ」といメンバーシップサービスのほか、ミキハウスパークのマーケティングを担当しています。もうすぐ2歳になる息子の子育て中で、ママの目線を活かした情報設計や企画を行っています。

「ミキハウスパーク」誕生までの経緯をお聞かせください。

高坂:以前から「もっとミキハウスを好きになってもらえたら」という願いから、妊娠期から子育て期まで、お客様と長くつながれる関係を大切にしたいと感じるようになりました。その頃ちょうど、会社としても出産準備のところからミキハウスと接点を持っていただけるように、人材育成・商品開発が進んでいました。そこで、コト(体験)でコミュニケーションを取れたらと、2011年に部署横断型で始まったのが「プレママ・プレパパセミナー」です。

特に妊娠・出産期は、初めての経験に戸惑う方も多く「出産準備とは何から始めればいいの」「出産時期の季節によって必要なアイテムがわからない」といった声が寄せられていました。私も不安を感じていた一人でしたし、社内にも同じような経験を持つメンバーがいましたので、そうした声に応えたいと考え、2010年ころに、「出産準備サイト」を企画・公開したのがはじまりです。

その後、2013年に「ミキハウス妊娠・出産・子育てマガジン」(前:ミキハウス出産準備サイト)を始動しました。「ゆっくりママになっていいよ」という想いと、子育てが少しでも前向きで楽しいものになるようにとの願いを込めて、現在も発信を続けています。

そして2023年9月、ママやパパ同士がもっと自由に、安心してつながれる場としてのコミュニティ「ミキハウスパーク」をオープンしたというのがこれまでの大まかな流れです。

コロナ禍でコミュニティの必要性が認識された

すでにセミナーやマガジンで発信を続けてきた中で、なぜコミュニティが必要と考えたのでしょうか。

中村:コロナ禍でプレママ・プレパパセミナーを中止せざるを得なくなり、これまで大切にしてきたお客とのつながり方を、見つめ直すことになりました。ミキハウスクラブメンバーに「今どんなことがしたいですか?」とアンケートを実施したところ、一番多かったのが「おしゃべりがしたい」「子どもと2人きりで過ごす時間が長く、大人と話す機会が少ない」といった声でした。そこから、オンラインで気軽に話せる場所を作るという着想を得て、コミュニティの原型となるミキハウスCAFÉがスタートしました。

高坂:ミキハウスCAFÉに参加したママたちから「楽しかった」「ありがとう」といった声を多くいただき、満足度の高さを実感しました。だからこそ、そのつながりを一度きりで終わらせるのではなく、継続的に関われる仕組みにしたいと考えるようになりました。ちょうどそのころ、以前からお仕事でご一緒させていただいていた杉山さん(※コミューン株式会社 執行役員CMO)が、現在はコミューンで働いていることを知り、ミキハウスCAFÉのような座談会を含めた、ゆるやかにつながりが続くコミュニティの運営に興味を持つようになりました。

初めてのコミュニティ運営の不安や難しさはいかがでしたか?

高坂:当初は、私たちが思い描いていた利用イメージと、会員の反応との間にギャップを感じる場面がありました。出産準備の相談ができる場を目指してスタートしたものの、思ったように相談も集まらず、コミュニティを立ち上げただけの状態という期間が何か月も続きました。

今振り返ると、コミュニティの活用方法をイメージしてもらえてなかったのだと思います。たとえば、どんな相談ができるのかの内容も抽象的で、私たちから発信する内容も洋服の選び方や着こなしなどに限られていたことも原因かもしれません。子育てに関する相談先は多様にある中で、私たちのコミュニティだから提供できることを問い直して、リニューアルを検討することにしました。

寄り添い続けられる場に。リニューアルで目指した姿

リニューアルはどのように進めたのでしょうか?

中村:まずは、参加のきっかけを作ろうとサイトデザインを見直しつつ、キャンペーンを企画しました。その一つがミキハウスパーク会員限定の壁紙プレゼントです。四季折々の壁紙を楽しみにしてくださる方が増え、停滞していたコミュニティに100人以上も登録者が増えました。その後、スキンケア商品のモニターキャンペーンを通じて、会員同士のやりとりも増え、コミュニティ全体が少しずつ動き出したように感じています。

柿野:初めて投稿するときに、何をどのように書けばよいか迷う方も多いと思います。モニター企画という機会を用意したことで、投稿するまでの心理的なハードルが下がり、結果的にリピーターとして継続してくださる方も増えてきました。振り返ってみても、リニューアルの成果を実感できる良いきっかけになったと感じています。

コミュニティに登録してもらうだけでなく、投稿するなどの「参加」のハードルはさらに高いわけですね。

中村:単に「ママやパパ向けの場」と伝えても、なかなか興味を持っていただけません。気軽に参加してもらうにはどうすべきかを社内で検討し、ヒアリングを重ねる中で見えてきたのは、「相談の場」ではなく、日常の小さな喜びを共有できる「なんだか集まりたくなる、楽しそうな場」でした。そのため、キャンペーンはあくまできっかけとして、「子どもと公園に行った」「最近離乳食を食べてくれるようになった」など、子育て中の発見や成長を気軽に話せる場所を目指し、コミュニティづくりを進めていきました。

柿野:Xの投稿も、コミュニティの運営と重なる部分が多いと感じています。子育てをしていると、わざわざ誰かに話すほどではなくても、ふと気持ちを伝えたくなる日が少なくありません。変化や学びを促す仕組みを提供するよりも、親子のことを見守り、寄り添い続けるような存在でありたいと、日々意識しています。

これからの「ミキハウスパーク」が目指す場所

コミューンのサポートについてはどのようにお感じですか。

高坂:率直に言うと、開設当初はスタイルの違いに戸惑いはありました。私たちは、その場の空気感や気持ちを大切にしながら柔軟に進める考え方が強く、一方でコミューンの担当者さんは理論に基づいた進行を重視されていたため、なじみにくいと感じていたのも本音です。運営者も会員も、コミュニティに求めるものは千差万別であり「これが正解」というのがないのが難しさでもあり、面白さなのかもしれません。

ただコミューンさんとの定例ミーティングの進め方を見直して、1回30分、月2回と短時間で頻度を増やしてもらったところ、とても良いコミュニケーションが生まれるようになりました。コミューンの担当者さん自身もママやパパの目線で、さまざまなアイデアを出していただいています。人が動かすコミュニティだからこそ、担当者同士の相性や信頼関係も大切だと改めて実感しています。

中村:現在、コミューンさんと一緒に取り組んでいるのが「バッジ機能」の実装です。テーマに沿って投稿した会員にバッジを付与する仕組みで、発信するモチベーションにつなげていただくことを意図しています。バッジの存在は知っていましたが、具体的な運用方法が見えず、着手できずにいました。タイミングよく他社での活用事例を交えてコミューンさんから提案いただいたことで、やってみようと決心できました。

玉井:「毎月の投稿まとめ」もコミューンさんの提案によるものですが、これも好評ですね。特定の時期に投稿された内容を一覧で紹介する企画で、掲載の許可を取るためにご連絡すると、多くの方が「取り上げてもらってうれしい」と喜んでくださいます。これが、関わる人たちの想いが自然とにじむコミュニティの姿ではないかと考えており、数値的な正解よりも共感やあたたかさを大事にしたいと思っています。

今後に向けた展望をお聞かせください。

高坂:今後は、会員がより主体的に活躍できるようなコミュニティを目指したいと考えています。リニューアルによって、コミュニティ全体の雰囲気が明るくなったのは、運営メンバーが自分ごと化して取り組んでくれたからこそだと思っています。そしてそのような土台ができたからこそ、これからはミキハウスパークのママやパパの中から、アンバサダーのような役割を担う方が出てきたらうれしいです。お洋服に詳しい方、お料理が得意な方など、いろんな個性を持って自由にコミュニティを盛り上げてくださるような未来を思い描いています。ミキハウスCAFÉやミキハウスパークなど複数の接点を活かし、子育て自体を楽しめるきっかけが360度にちりばめられている、そんなコミュニティに育てていきます。

玉井:ミキハウスCAFÉの終了時に「話し足りなければ、ミキハウスパークでも触れ合いを続けられます」と案内すると、参加してくださる方が増えてきました。リアルの場で出会ったママ同士が、もっと話したい、つながりたいと感じた時に、その続きを受けとめる場としてミキハウスパークの意義を改めて実感しています。今後も、一度きりの出会いで終わらず、自然に関係が続くような仕組みを目指していきたいです。

柿野: ミキハウスパークに参加されている方は、ミキハウスに対して強い愛着を持っている方が多く、モニター企画で実施したアンケートでは、回答率が100%に達しました。ご回答も非常に丁寧で細かく、ありがたい限りです。いただいたお声は、今後のマーケティングやコンテンツづくりに活かし、会員同士の交流をさらに促進していきたいと考えています。

中村:自分自身の視点も変わりました。以前はどうしても前年対比や数値的な成果に気をとられていましたが、現在は「どのようなコミュニケーションが生まれているか」といった質的な部分に重きを置いています。バッジ機能も、付与した数を追うのではなく、参加度やエンゲージメントの可視化を促すツールとして活用したいと考えています。数値には表れにくい手応えやつながりの広がりを大切にしながら、会員のみなさんと一緒にコミュニティを育てていきます。

子育て世代に寄り添う居場所づくりを、これからも全力で支援してまいります。貴重なお話をありがとうございました!

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