日本航空株式会社

新しい働き方や地域活性 社会課題の解決に挑む自治体と企業の共創型コミュニティ

新しい働き方や地域活性 社会課題の解決に挑む自治体と企業の共創型コミュニティ
日本航空株式会社
新しい働き方や地域活性 社会課題の解決に挑む自治体と企業の共創型コミュニティ
日本航空株式会社
  1. Commune(コミューン)
  2. 導入事例一覧
  3. ナレッジ共有の導入事例
  4. 新しい働き方や地域活性 社会課題の解決に挑む自治体と企業の共創型コミュニティ
概要
日本航空株式会社は、ワーケーションを通じた新たな働き方と地域との関係性創造を目指し、企業と自治体の共創型コミュニティ「ワークスタイル研究会」というコミュニティを2022年に立ち上げました。コミュニティを通じて、従来の観光とは違う、人と地域の新たな繋がりを生み出す可能性を探求し、社会的価値の創造を目指しています。ワーケーションが新たな働き方、ウェルビーイングの1つの方法として着実に認知されつつある中、カルチャーづくりに貢献するコミュニティのあり方についてお聞きしました。
運用体制
・関係繋がり創造部をコアに、18名のクロスファンクショナルチームで運営
・全社横断的なチームで取り組んでいる
導入の決め手
・コミューンの提案によって目指すコミュニティ像が鮮明になった
・要件を満たす機能を持っており、必要経費も手頃だと感じた
・コミューンのインタラクティブな機能と事例に魅力を感じた

課題

  • 従来の働き方や旅行の概念を超える新しい価値の創造
  • 地域と企業をつなぐ新しいコミュニケーション手段が必要
  • ワーケーションの社会的認知と文化の醸成

活用方法

  • オンラインと対面のハイブリッドでの情報交換
  • 自治体会員の協力を得た、会員向けリアル研修イベントの開催
  • 会員向け勉強会・音声配信などコンテンツの提供

成果/これからの目標

  • コミュニティからのフィードバックを元に専門商品やモニターパックを開発
  • 実地イベントによってワーケーションの本質的な価値を体感

新たな働き方を模索する社会変化への対応

まずはコミュニティの概要について説明をお願いいたします。

大津様(以下、敬称略):
私たち関係・つながり創造部は、日本航空の中期経営計画に基づき「移動を通じた関係・つながり」を創造することをミッションとしています。部署としては2024年7月に設立されたばかりで、主に①「移動を通じた関係・つながり」の新規アイデアや事業の発掘と推進、②都市から地域へ訪問する「仕組みづくり」に取り組んでいます。

具体的には、単なる移動手段の提供だけでなく、たとえば②のひとつとしてワーケーションを通じた人と地域、地域と地域のつながりを生み出すことを目指しています。航空会社として、人やモノの輸送という役割を超えて、社会的価値と経済的価値の両立を追求しているのです。

岡田様(以下、敬称略):
「ワークスタイル研究会」は、そうした取り組みの一つで、ワーケーションを通じた新しい働き方や都市と地域との関係性について、企業や自治体と共に研究し、実践する場として2022年に立ち上げました。現在(2024年12月時点)は企業23社、自治体58団体、合計81の団体に会員としてご参加いただき、オンラインでの定期的な情報交換のほか、2024年10月には和歌山県カンファレンスを行うなど、オフラインイベントを通じてもワーケーションの可能性を探求しています。

取り組みの背景には、昨今の働き方の変化や、地方創生への関心の高まりがあります。私たちは、ワーケーションを単なる一時的な流行りではなく、新たな働き方の文化として定着させたいと考えています。

社内で「コミュニティを作ろう」という機運はどのように高まっていったのでしょうか。

齊藤様(以下、敬称略):
コミュニティの計画が出てきたのは、まだコロナ禍の影響が続いている頃でした。人の移動が制限され続けている中で、リモートワークがだいぶ普及し、人々の働き方や生活様式が大きく変化していくのを感じていました。

このような背景の中で、私たちはワーケーションが単なる新しい旅のスタイルにとどまらず、移住や二拠点生活のきっかけ、さらには地方の人口減少問題の解決策になる可能性があると考えたわけです。

そこで私たちは、ワーケーションを通して目先のビジネスではなく、社会課題の解決や新しい働き方の追求をしたいという発想に至りました。

つまり「企業や自治体がワーケーションをどのように捉え、活用できる可能性があるか」「働く場所の多様性が、個人や組織にどのような価値をもたらすのか」など、本質的な問いを皆で追求した先に、新たなカルチャーが生まれるのではないかと考えたのです。コミュニティという形式を選んだのも、固定観念にとらわれないオープンな議論の場を設けることで、様々な立場の人々が自由に対話し、新しいアイデアを生み出せる場を作りたかったからです。

名称にコミュニティの目指すイメージが込められているのですね。

齊藤:
研究という二文字には、「あらゆる働き方、ワークスタイルを議論するところから始めたい」という意志が込められています。働き方の選択肢を増やすための第一歩は、各地で行われているさまざまな取り組みを多くの人が知ることです。たとえば、ワーケーションという働き方を実現するためには、企業側は柔軟な勤務制度や仕組みを整える必要があります。一方、受け入れる地域や施設側は、リモートワークが可能な環境を整備し、滞在中のサポート体制を用意することが求められます。このように制度や準備について具体的に探求し、実行可能な方法を模索する過程そのものが、まさに研究だったのです。

未知のコミュニティの未来をコミューンが示してくれた

当時どのようにCommuneのことを知り、そして選んでいただいたのでしょうか。

齊藤:
当初、関係者の間で検討を開始したものの、初の取り組みということもあり、このようなコミュニティに対する知見は少なく、Web検索を通じてコミューンさんのことを知りました。最終的に選んだ理由の1つは、コミュニティ運営に関する具体的な提案をしてくれた点です。他社の成功事例を豊富に共有してくれたうえで、関心を引きやすいコンテンツの傾向や、イベントへの参加促進など具体的なアドバイスをいただいたことで、弊社が目指すコミュニティの姿をイメージできるようになりました。

また、初めての施策で限られた予算の中で、過不足なく機能が備わっていることも魅力的に映りました。他社の場合は、コミュニティへの知見が少ない私たちが使いこなせるかわからない機能も多く、比例して費用も大きい印象でした。

立ち上げ時のサポートで具体的にどんな点が役に立ったか教えてください。

齊藤:
あらゆる点で助けられたと思います。例えば、メンバーにどのようなアクション、役割を担ってもらうのか、どの層にどんなコンテンツを提供すれば参加を促進できるかなど、実際の運用に関わる細かな部分へのアドバイスが非常に有効でした。

また、昨今は企業によってはチャットやQ&Aに誘導するサポートも多いように思いますが、コミューンさんは些細な相談事でも、すぐに打ち合わせを設定してアドバイスしてくれるので、その丁寧さとスピーディさには驚かされました。

会員としては自治体と企業が参加しています。メンバー集めでの工夫を教えてください。

齊藤:
自治体は、地域の人口減少や観光振興といった文脈から、すでにワーケーションへ強い関心を持っていたため比較的メンバー集めの苦労はありませんでした。一方、企業側の参加を促すのが難しかったです。単なるビジネスチャンスとして捉えている企業も少なくない中で、本質的な働き方改革や従業員満足度の向上、社会価値の創造に取り組む意思がある組織をお招きしました。

大津:
その結果、企業と自治体が商売相手ではなくパートナーとして、対等な立場でワーケーションの可能性を共に探求するユニークなコミュニティの素地ができたのではないかと思います。

真剣な地域・企業共創型コミュニティから生まれるシナジー

現在の運用フェーズについて教えてください。どんな活動がうまくいっていますか。

柴田様(以下、敬称略):
現在は58の自治体と、企業23社の合計81団体が参加しています。
私たちのコミュニティは、オンラインとリアルの両方の良さを活かした運営を心がけています。基本的な活動は、2か月に1回のオンラインミーティングで、グループディスカッションなどを行っています。オンラインの利点は、地理的な制約なく、全国の企業や自治体の方々と容易に意見交換できる点です。

一方で、和歌山県で行ったイベントのように、リアルな場での交流も大切にしていますし、好評をいただいております。様々な地に赴くことで、オンライン上では伝わりにくいその地域の空気感や具体的な課題、可能性を肌で感じられます。オンラインとリアルを組み合わせることによって、より深い学びと交流が生まれていることも効果として実感できています。

岡田:
オフラインイベントの成功の要因は、参加者それぞれが新しい価値や可能性を発見できたことだと考えています。企業と自治体の立場を超えて、互いの知見を共有し、ワーケーションの可能性を多角的に探求できたことが大きいですね。

参加者からは、和歌山の魅力を再発見したり、他の自治体の方が「和歌山方式」に学びたいと感じたりと、具体的な気づきの声が多く聞かれました。単なる情報交換ではなく、実際に地域と触れ合うことで、ワーケーションの本質的な価値を体感できたのだと思います。

現在もコミューンさんと行う、月1回の定例会では、コミュニティサイトの閲覧数や、記事ごとに関心を持たれているポイントを教えていただくなどの振り返りを行っています。更に、実際に行ったワーケーション企画の記事化、会員数の増加につながる施策の紹介など、コンサル的なことも行ってもらっているのは非常にありがたいです。

三橋様(以下、敬称略):
JALとしても、このコミュニティを通じて得られた知見を、現場にフィードバックして活かしています。グループの旅行会社である株式会社ジャルパックでは、コミュニティでの議論を参考に「ワーケーションダイナミックパッケージ」という専門商品を開発しましたし、社内外の企業向けにモニタープランを作成するなど、実践的な成果も生まれています。

また関係・つながり創造部が取り組む新規事業の構想にも、コミュニティのネットワークや知見が大きく貢献しています。想定していなかったアイデアや、地域との連携の可能性が見えてきたのは、私たちにとっての重要な資産です。

数値よりも質にこだわり、カルチャーとしての定着へ

コミュニティとして重視したいKPIについてはどのように考えていますか。

大津:
率直に申し上げると、数値的なこだわりはあまり強くありません。このコミュニティの本質は、数字よりもむしろ質的な変化にあると考えているためです。ただ、もちろん社会的な認知拡大やインパクトを追求するうえでは数も重要ですので、会員の強化には継続して力を入れています。

現時点では、参加者一人ひとりが新しい気づきを得て、その価値を周囲に伝えていくプロセスを大切にしています。数字よりも、ワーケーションを通じて生まれる人と地域の新たなつながりこそが、私たちの最大の成果だと考えています。

今後に向けた決意やコミューンへの期待などをお聞かせいただけますか。

大津:
目指しているのは、ワーケーションを単なる働き方の一つの選択肢ではなく、一つの文化として定着させることです。具体的には、どんな立場の人もあたりまえにワーケーションという働き方を選択でき、それが個人や企業のウェルビーイングにつながるような状態を理想と考えています。

岡田:
コミューンさんには、今後もデータ分析や運営支援において、より深い洞察と具体的な提案を期待しています。私たちの取り組みをさらに進化させるパートナーとして、共に成長していきたいと思います。

柴田:
企業と自治体が対等な立場で語り合える、このコミュニティの価値をさらに高めていきたいです。ワーケーションを通じて、新しい社会の可能性を探求し続けます。究極的には、誰もが自分らしい働き方を選べる社会を実現することが私たちの願いです。コミュニティは、その大きな一歩となるはずです。

社会課題解決に向けた壮大な可能性を秘めたコミュニティをこれからも一緒に盛り上げられたらと思います。立ち上げから今日、未来までのお話しをありがとうございました!

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