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マーケティング
ファンマーケティングの成功事例10選!成功のコツやメリット・デメリットを解説
2025/03/04

ファンマーケティングは、自社商材に愛着があるファンを育成するマーケティング手法です。これから取り組む場合、行うべき施策を具体的にイメージしづらいでしょう。ファンマーケティングの成功事例や実施ポイント、メリット・デメリットを解説します。
目次
「ファンマーケティング」とは、自社の製品やブランドへの愛着がある「ファン」の育成を目的としたマーケティング手法です。ファンマーケティングを実施することで、自社商材をリピート購入してくれる顧客が増え、収益の安定化が図れます。
しかし、これからファンマーケティングに取り組む場合、具体的にどのような施策を行うべきか、イメージしづらいこともあるでしょう。そこで本記事では、ファンマーケティングの成功事例を10選ご紹介したうえで、ファンマーケティングのメリット・デメリットや施策のポイントを解説します。
ファンマーケティングとは

成功事例を見ていく前に、まずはファンマーケティングの基本について、次のポイントを改めて確認しておきましょう。
- 自社商材のファンを育成するマーケティング手法
- インターネットが浸透した現在では訴求効果が高い
- 代表的な施策が「顧客コミュニティ」の構築
自社商材のファンを育成するマーケティング手法
「ファンマーケティング」とは、自社の製品やサービスに愛着がある「ファン」を育成し、中長期的な売り上げの拡大を目指すマーケティング手法です。ファンとの関係性を強化するために、双方向的なコミュニケーション施策を展開し、信頼関係を構築していくことが特徴です。
ファンマーケティングにより、自社ブランドや商材のコアなファンを醸成できます。さらに、ファンは商材を購入するだけではなく、SNSやクチコミなどで自発的に情報を拡散してくれます。その結果、新規顧客の開拓コストを削減でき、中長期的なビジネスの成長に寄与するのです。
インターネットが浸透した現在では訴求効果が高い
近年ファンマーケティングが注目されていますが、その最大の理由が「インターネットの浸透」です。顧客は従来のマスメディアではなく、SNSやコミュニティサイトなどで自発的に情報を集めるようになっています。さらに重要なポイントが、顧客自らがクチコミやノウハウなどの情報を発信するケースが増えたことです。
そのため、企業から一方的に情報を発信するよりも、企業と顧客、あるいは顧客同士で双方向的なコミュニケーションを取るほうが、顧客の意思決定に与える影響が強くなりました。また、顧客が発信した情報やクチコミを製品・サービスの開発に活かすことで、顧客の満足度を高めやすくなります。
代表的な施策が「顧客コミュニティ」の構築
ファンマーケティングを行うための手法には、次のようなものがあります。
ファンミーティング | 自社商材の愛用者を対象としたオフラインの交流イベント |
メールマガジン配信 | 自社商材に関するお役立ち情報をメールで提供する |
サブスクリプション運営 | 定期契約制の有料サービスをファン限定で提供する |
SNSキャンペーン | SNS上でプレゼント企画を展開して販売促進を行う |
サンプリング体験 | ファンに商材サンプルを提供してクチコミを発信してもらう |
顧客コミュニティ | 企業とファンが相互に交流できるコミュニティサイトを構築する |
ファンマーケティングで特に効果が高いと考えられているのが「顧客コミュニティ」です。顧客コミュニティは企業と顧客、さらには顧客同士が交流を深めるための場所です。顧客コミュニティを構築することで、企業と顧客の信頼関係を醸成すると同時に、顧客同士の情報共有も活性化し、商材やブランドへの愛着がさらに深まっていきます。
ファンマーケティングの成功事例10選

前述したように、ファンマーケティングで特に効果的な施策が、顧客コミュニティの運用です。ここでは顧客コミュニティ構築サービス「Commune」を活用した、ファンマーケティングの成功事例をご紹介します。
- カルビー株式会社|ファンとの深いつながりで「共創」が実現
- 株式会社アマノ|接客力を生かした店舗連動企画を展開
- 株式会社SHARP|顧客接点の一元サポートでCXを向上
- 株式会社大丸松坂屋百貨店|投稿内容が顧客の購買意欲を刺激
- 株式会社LIXIL|コミュニティ内の意見を製品開発に反映
- 株式会社Gakken|子供たちが体験を共有できる環境を構築
- 株式会社プラザクリエイト|制作を楽しめる環境でファンを獲得
- 株式会社サイバー大学|学生同士が自由に交流できる環境を構築
- 株式会社ビームス|実店舗のような双方向コミュニケーション
- ベースフード株式会社|ユーザーが同士が影響し合う好循環を
カルビー株式会社|ファンとの深いつながりで「共創」が実現
菓子・食品のメーカーのカルビー株式会社では、「絶品かっぱえびせん」のファンと交流できる場所を作るために、Communeを導入しました。顧客コミュニティでは、オンライン飲み会や商品共創プロジェクトを行ったりするコンテンツを展開しています。
商品共創プロジェクトでは、顧客から集まったアイデアをもとに商品化が実現するなど、優れた成果が得られました。顧客との双方向のコミュニケーションにより、熱心なファンの獲得に成功したのです。
株式会社アマノ|接客力を生かした店舗連動企画を展開
化粧品・医薬品の専門店を展開する株式会社アマノでは、コロナ禍で「顧客とのオンラインのつながりが希薄」という課題が浮き彫りになりました。そこで同社はCommuneを導入し、座談会やイベントを定期的に開催することにしました。
特に好評なのが、商品を試用した顧客にその様子をコミュニティに投稿してもらう「お試しコスメレビュー」です。こうした取り組みで顧客とのつながりを深めることで、店舗のリニューアルオープン日にお祝いの花が贈られるなど、熱心なファンを多数獲得することに成功しています。
株式会社SHARP|顧客接点の一元サポートでCXを向上
電気機器メーカーの株式会社SHARPでは、自動調理鍋「ホットクック」の顧客体験向上のためにCommuneを導入しました。新しいタイプの調理家電なので、ビギナーは製品使用イメージや使いこなし方、ベテランはオリジナルレシピや体験の共有など、顧客のフェーズごとの課題があったのです。
顧客コミュニティの構築により、顧客同士が自由に情報やノウハウを共有できるようになり、点在していた課題を一元的に解決できました。コミュニティを見て購入に至るケースが増えるなど、CX改善に大きな効果が得られています。
株式会社大丸松坂屋百貨店|投稿内容が顧客の購買意欲を刺激
全国に百貨店を展開する株式会社大丸松坂屋百貨店は、顧客とのタッチポイントが少ないという課題を抱えていました。そこで顧客との距離を縮めるために、Communeで顧客コミュニティを構築しました。
その結果、例えば同社のセミナーの参加者が体験をコミュニティに投稿し、参加できなかった人が刺激を受けて店舗に足を運ぶなど、顧客関係の深化に大きな効果が得られています。
株式会社LIXIL|コミュニティ内の意見を製品開発に反映
住宅設備機器業界の株式会社LIXILでは、マグネット脱着式キャットウォールの「猫壁(にゃんぺき)」のユーザーと、継続的な接点を持つことに課題を抱えていました。そこで顧客コミュニティ「猫壁ひろば」の構築にCommuneを導入しました。
その結果、顧客からさまざまなフィードバックを得ることができ、実際に製品開発に活用されています。より便利かつユーザー好みの製品を提供することで、売上や顧客満足度の向上にも成功しました。
株式会社Gakken|子供たちが体験を共有できる環境を構築
教育事業を展開している株式会社Gakkenでは、「科学」に関する体験を共有できる環境の構築に課題を抱えていました。今の子供たちはスマートフォンやタブレットに慣れていることから、同社は顧客コミュニティCommuneを導入しました。
子供たちが自身の体験を投稿・拡散し、編集部の担当者がそれを褒めるというのが、コミュニティの基本的な流れです。成功体験の支援により、次のトライにつながって科学のことが好きになり、さらには雑誌の継続購入にもつながっています。
株式会社プラザクリエイト|制作を楽しめる環境でファンを獲得
写真サービスやモバイル事業を展開している株式会社プラザクリエイトでは、既存顧客をファン化するために顧客コミュニティの運用を始めました。ノーコードでサイトを構築できることや、定例ミーティングによる手厚いサポートなどを魅力に感じたことが、Commune導入の決め手です。
同社の顧客コミュニティでは、制作途中の作品やアレンジを加えた作品など、さまざまな投稿が集まっています。顧客の投稿がナレッジとして蓄積されていくため、初心者の疑問解消や挫折防止に役立ち、顧客体験が大幅に向上しました。
株式会社サイバー大学|学生同士が自由に交流できる環境を構築
フルオンラインの通信制大学を運営している株式会社サイバー大学は、学生が「横のつながり」や「学友」に不足を感じるなど、学生同士の関係構築に課題を抱えていました。フルオンラインだからこそ、孤独感で学習モチベーションの維持が難しくなる学生が少なくなかったのです。
そこで同社は顧客コミュニティを構築するためにCommuneを導入しました。コミュニティ内では、学生同士がおすすめ授業の紹介や、業務や生活で学びが活きたエピソードなどを共有しています。コミュニティのおかげで休学・退学を思い留まった学生もいるなど、顧客体験の向上に成功しました。
株式会社ビームス|実店舗のような双方向コミュニケーション
セレクトショップを展開している株式会社ビームスでは、コロナ禍で「顧客との繋がりを維持する手段」として、顧客コミュニティの構築に取り組みました。オンラインでも実店舗のような、双方向のコミュニケーションを実現することが主な目的です。
コミュニティサイトでの交流がリアルに影響して、その体験をコミュニティに投稿して盛り上がるなど、企業と顧客あるいは顧客同士のインタラクティブなコミュニケーションが実現しました。
ベースフード株式会社|ユーザーが同士が影響し合う好循環を
食料品メーカーのベースフード株式会社では、ベースフードのリアルな活用シーンを、顧客同士で共有できる環境の構築に課題を抱えていました。そこで同社はCommuneを導入し、顧客との接点を深めるための施策を展開しました。
コミュニティの構築により、ベースフードのさまざまな活用法や、そのためのコツが顧客の投稿で共有されるようになり、ベースフードへの理解が深まりました。さらに、顧客のフィードバックを商品・サービスの改善に反映するなど、熱心なファンを育成する取り組みが加速しています。
ファンマーケティングを実施するメリット

企業がファンマーケティングを実施することで、次のようなメリットが得られると考えられます。
- 顧客のファン化により収益が安定化する
- 情報拡散で新規顧客の獲得にもつながる
- 顧客からのフィードバックを活用できる
顧客のファン化により収益が安定化する
ファンマーケティングの大きなメリットは、顧客がファン化することにより、自社商材・ブランドの中長期的な収益が安定化することです。経済学分野の「パレートの法則」という理論によると、「成果の8割が全体の2割の要素から生み出される」と考えられています。
これをマーケティングの分野に置き換えると、「収益の8割は顧客の2割を占めるファンが生み出す」ということです。ファンを大切に育成することで、上位商材を購入してもらう「アップセル」や、関連する商材に興味を持ってもらう「クロスセル」も増えます。このように、顧客のファン化は収益に大きな好循環をもたらすのです。
情報拡散で新規顧客の獲得にもつながる
前述したように、ファンマーケティングによりファン化した顧客は、SNSやブログなどに好意的なクチコミを投稿してくれます。特にSNSでは、クチコミがほかのユーザーによって「拡散」されるため、従来では考えられなかったほど広い範囲に自社商材の情報が行き届きます。
こうした情報拡散の連鎖が起きれば、自社商材を認知していない潜在顧客の関心を惹き、新規顧客の獲得につなげることができるでしょう。ファンマーケティングは「企業目線」ではなく、「顧客目線」でのリアルな声が拡散されるからこそ、顧客の信頼が得られるのです。
顧客からのフィードバックを活用できる
ファンマーケティングを行う過程で、企業は顧客の「生の声」に触れることができます。これは、忌憚のないフィードバックが得られることを意識します。それを丁寧に汲み上げることで、顧客の真のニーズを把握でき、商品開発や改善に活かせるでしょう。
さらにファンの数が増えるほど、斬新な意見やアイデアも出やすくなります。例えば、企業が想像していなかったような方法で、自社の商材を活用するなどです。こうしたファンの発想が、新たな商品・ブランドの開発につながることは珍しくありません。
ファンマーケティングで注意したいデメリット

ファンマーケティングを実施する際は、次のようなデメリットに注意することが大切です。
- 中長期的な取り組みが必要になる
- 運用方針を誤ると炎上リスクがある
中長期的な取り組みが必要になる
ファンマーケティングは短期間で成果が出るものではありません。顧客との信頼関係の醸成には相当の時間がかかるため、中長期的な観点での計画とアプローチが求められます。熱烈なファンを育てるためには「共感」「愛着」「信頼」を意識して、ファンの声と丁寧に向き合っていく姿勢を示すことが大切です。
運用方針を誤ると炎上リスクがある
ファンマーケティングでは、顧客と近い距離で交流を深めていく必要があります。ただし、発信する情報の内容や顧客との接し方を誤ると、SNSやコミュニティが炎上してしまうリスクがあります。ひとたび炎上すると鎮静化には相当の時間がかかり、ブランドイメージの低下や顧客離れの原因になりかねません。顧客とコミュニケーションを取るときは、企業として適切な姿勢を忘れないようにしましょう。
ファンマーケティングを効率的に実施するポイント

ファンマーケティングを成功させるために、次のポイントを意識しながら施策を進めていきましょう。
- 新規顧客より既存のファンを優先させる
- ブランドの理念や価値観を浸透させる
- 「顧客コミュニティ」を構築・運用する
新規顧客より既存のファンを優先させる
ファンマーケティングを成功させるためには、新規顧客の獲得より既存ファンを優先した施策を展開することが大切です。前述したように、ファンは強力な拡散力を発揮するため、既存ファンを重視したアクションを継続することで、ファンがまたファンを増やすという連鎖反応が起きます。逆に新規顧客の獲得を優先すると、既存ファンが離れるという事態になりかねません。
ブランドの理念や価値観を浸透させる
ブランドの理念や価値観をファンに浸透させることも大切です。自社のメッセージに一貫性があると、ファンは企業やブランドの価値を体感でき、自社商材に対する理解や信頼を深めます。自社が追求するビジョンに共感するファンが増えることで、商品・サービスの購入やクチコミの拡散が進むのです。
「顧客コミュニティ」を構築・運用する
冒頭でご紹介したように、ファンマーケティングの成功事例の大半が「顧客コミュニティ」を活用した施策を展開することで、優れた成果が得られています。顧客コミュニティの導入により、ファンマーケティングに欠かせない顧客と企業、あるいは顧客同士が交流できる場所を構築できます。
しかし、顧客コミュニティの構築には、Webサイト構築や運用の専門知識が必要になるため、顧客コミュニティ構築サービスを活用するのがおすすめです。
ファンマーケティングには顧客コミュニティ「Commune」がおすすめ

ファンマーケティングを実施することで、自社ブランドの熱烈なファンの育成による収益の安定化が期待できます。顧客との信頼関係の醸成により、クチコミの拡散や新規顧客の獲得など、さまざまな効果が得られるでしょう。そのための施策として、顧客と双方向のコミュニケーションが取れる「顧客コミュニティ」の構築がおすすめです。
顧客コミュニティ構築サービス「Commune」には、ユーザー同士の交流や企業とユーザーとの共創を実現するための機能が備わっています。顧客の熱量を上げ、双方向の関係を築く仕組みにより、優れた成果を得られるカスタマーサクセスやファンマーケティングが実現できます。この機会にぜひ、Communeの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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