コラム
マーケティング
ファンベースマーケティングとは?必要性やポイント・事例を紹介
2025/01/21
ファンベースマーケティングとは、自社の商品やサービスを愛してくれる「ファン」を中心としたマーケティング手法です。情報が溢れる現代において、多くの企業が短期的な売上アップよりも、長期的にブランドを支え続けてくれるファンづくりに注目しています。
本記事では、ファンベースマーケティングの基本から、注目される背景、成功事例、そして企業が押さえるべきポイントを詳しく解説します。
目次
ファンベースマーケティングとは?
ファンベースマーケティングとは、自社の商品やサービスを愛してくれる「ファン」を中心に据えたマーケティング手法です。ファンとは、商品やサービスを繰り返し購入・利用するだけでなく、魅力を周囲に積極的に伝えてくれる存在を指します。
ファンの口コミや紹介によって新たなファンを呼び込み、長期的にブランドロイヤルティを高められる点が特徴です。ファン同士がつながり合うことで、企業は安定的かつ持続可能な成長を目指せます。
ファンベースマーケティングが注目される背景
多くの企業がファンベースマーケティングに着目している背景として、まず情報過多の社会状況が挙げられます。
インターネットやSNSの普及によって、消費者は日々膨大な情報に接するようになりました。結果、企業の情報発信はそのままでは埋もれがちになっています。情報を適切に届けることが難しくなる中、消費者との関係性をより強固に築いていく方法として「ファン」に焦点を当てた戦略が注目を集めるようになりました。
従来の大量生産・大量消費型のマーケティング手法では、多様化した消費者の価値観に対応しきれません。特に若い世代は「自分に合ったブランドや商品を選びたい」「共感できる企業を応援したい」という思いが強く、企業の理念や社会的な取り組みに共感してブランドのファンとなる傾向があります。こうした消費者の変化に合わせ、企業は商品そのものだけでなくブランドストーリーやコミュニティを大切に育てる必要があります。
さらにSNSやオンラインコミュニティが発達したことで、企業とファンが直接コミュニケーションを取る機会が増えました。ファンはブランドに対して要望を伝えたり、商品に対するレビューを積極的に投稿したりするなど、企業活動に深く参加するようになっています。その結果、ファン同士の交流から新しいアイデアが生まれ、企業側にとって大きな宣伝効果が期待できるようになりました。
こうした環境が整いつつある今、ファンの力を最大限に引き出すファンベースマーケティングの重要性はますます高まっているといえるでしょう。
ファンベースマーケティングが必要な理由
企業がファンベースマーケティングを行なうべき理由は、主に以下の3点に集約されます。
長期的な安定収益の確保
ファンは単なる顧客とは異なり、ブランドや商品に強い愛着を持っています。そのため一時的なキャンペーンなどに左右されにくく、継続的に商品やサービスを利用してもらいやすいのが特徴です。
さらにファンが自発的に口コミを行うことで、自然と新規顧客が増える可能性も高まります。長期的に売上を安定させたい企業にとって、ファンベースマーケティングは欠かせない戦略となるのです。
ブランドイメージや価値向上への貢献
ファンは企業やブランドの“共感者”となる存在であり、ブランドのビジョンや理念を深く理解し、外部に発信してくれます。多くの消費者が企業の社会的意義やサステナビリティへの取り組みを重視するようになった今、ファンが語るブランドストーリーはより説得力を帯びます。これにより企業のブランド価値は自然と高まり、競合他社との差別化にもつながります。
製品やサービス改善への貢献
ファンは企業の熱心な支持者である一方で、プロダクトやサービスをより良くするために改善点を積極的に提案してくれることがあります。SNSやコミュニティ機能を通じてファンとコミュニケーションをとることで、実際の使用感や潜在的なニーズをダイレクトに把握できるのが大きなメリットです。これにより、企業はファンの声を製品開発や運営方針に反映し、より満足度の高いサービスを提供できるようになります。
ファンベースマーケティングを成功させるポイント
ファンベースマーケティングを成功させるには、ファンを大切に扱うだけでなく、その存在を最大限に活かす仕組みづくりが重要です。以下に挙げる4つのポイントを押さえながら、戦略を練り上げていきましょう。
ファンの声を徹底的に収集し、活かす
ファンがどのような価値観を持ち、何を望んでいるのかを深く理解することが出発点となります。SNSやオンラインコミュニティなど、ファンとの対話が生まれやすいプラットフォームを整備し、継続的にファンの声を吸い上げましょう。集めた意見を真摯に受けとめ、製品やキャンペーンの改善に反映させることで、ファンとの絆はさらに強化されます。
共通の世界観・価値観を打ち出す
ファンが集まるコミュニティにおいては、共有できる世界観や価値観が非常に重要です。商品の機能や価格だけでなく、ブランドとしてどんな思いを持ち、社会やユーザーに対してどのような価値を提供しようとしているのか明確に打ち出しましょう。その世界観に共感したファンは、自発的にコミュニティやSNSで情報を発信しさらなるファンを引き寄せる大きな力となります。
ファン同士が交流できる仕組みを整える
ファンベースマーケティングでは、企業とファンだけでなく、ファン同士のつながりも大切です。ファン同士が交流し、情報を共有できるオンラインコミュニティやイベントを企画することで、ファンのロイヤルティがより深まります。ファン同士の対話が活発になると、新たなアイデアやコラボレーションの機会が生まれ、ブランドの価値創造に大きく寄与する可能性があります。
長期的な視点で施策を計画する
ファンを獲得し、定着させるには時間がかかります。短期的な売上目標に追われるだけでは、ファンベースマーケティング本来の力を引き出すことは難しいでしょう。ファンとの信頼関係を築き上げる過程を大切にし、長期的な観点でブランドが提供する価値を高めていく取り組みが必要です。イベントやSNS施策など、定期的かつ継続的な接点づくりを意識することが鍵となります。
ファンベースマーケティングの成功事例
ファンベースマーケティングによって大きな成果を上げた企業は少なくありません。次の3つの事例から、具体的にどのような取り組みが功を奏しているのか見ていきましょう。
カルビー株式会社の事例
大手食品メーカーであるカルビー株式会社は、「かっぱえびせん」シリーズの新商品開発をきっかけに「自社には熱狂的なファンがいる」ことを認識しました。熱狂的なファンと顔を突き合わせて直接対話をしたいという思いと、ブランドと顧客が対話できる「場」を作りたいという思いから、オンラインコミュニティを開設しました。
ファン同士が商品を楽しむ様子や商品活用アイデアを投稿し合う他、社員も顔出しで参加するオンライン飲み会を導入することで、ブランドとファンがフラットに交流できる場を整えました。
さらにファンから募ったアイデアを試食会や投票を経て新商品に反映させるなど、共創も進めました。こうした取り組みにより、SNSやメディアでの話題性が高まり、ファンではない人の間でも注目を集めました。
商品を提供する側はファンから直接「おいしい」と言われることでモチベーションが上がり、結果として長期的な売上増加とブランド価値の向上に貢献しています。熱量の高いファンを育成することで、通常商品にも好影響が波及した例といえるでしょう。
*カルビー株式会社のファンコミュニティ事例インタビューを見る
ベースフード株式会社の事例
ベースフード株式会社は「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに」を掲げ、完全栄養のパンやパスタなどを提供している企業です。
同社では顧客の本音を早期に把握し、商品改善や新規アイデアを得るためにCommune(コミューン)を導入し、オンラインコミュニティ「BASE FOOD Labo」を運営しています。ユーザーを“研究員”と呼び、月ごとの『ラボ企画』で新商品案を募集したり、企業代表や開発担当が直接投稿するなど、双方向のコミュニケーションを活発化させています。
さらに新商品の試食モニター募集も行い、スピーディにフィードバックを集められる体制を整備しました。ユーザー同士がアレンジレシピを共有し合うことで商品理解とブランド愛着が深まり、結果として顧客満足度とロイヤルティを高めることに成功しました。今後はさらに多くのユーザーとの協働を進め、健康的な食習慣の普及を目指しています。
*ベースフード株式会社のファンコミュニティ事例インタビューを見る
六甲バター株式会社の事例
プロセスチーズの国内シェア1位を誇る六甲バター株式会社は、高いシェア率にもかかわらずブランド想起率1位ではない現状に課題感を持っていました。そこでCommune(コミューン)を導入し、ファン同士が日常のチーズ活用やダイエット情報を共有するオンラインコミュニティを構築しました。社員も商品開発秘話を投稿し、ユーザーの要望を直接ヒアリングしています。
実際に「どんなチーズが食べたいか」をコミュニティ内で問いかけ、試作品を試食してもらうなど、新しいマーケティングプロセスを実践しました。さらに、コミュニティでの投稿やログイン回数などのアクションに応じてアンバサダー制度を導入することで、ユーザーのコミュニティ参加意欲を高めています。
その結果、社員のモチベーション向上と新商品アイデアの創出が進み、長期的なファン育成とブランド価値の向上に成功しました。
*六甲バター株式会社のファンコミュニティ事例インタビューを見る
まとめ
ファンベースマーケティングは、単なる短期的な売上向上の手段ではなく、長期的に企業やブランドを支え続ける「ファン」との関係を深める戦略です。
ファンとの絆が強まるほど口コミ効果が高まり、ブランド価値や商品の魅力を継続的に発信してもらえます。ファンベースマーケティングを成功させるポイントをしっかり押さえ、成功事例を参考にしながら、自社に最適な施策を検討してみてください。Commune(コミューン)のコミュニティサクセスプラットフォームを活用し、ファンとの繋がりをさらに強固なものにしましょう。
ファンベースマーケティングをやるならCommune(コミューン)
私たちCommune(コミューン)は、企業がファンや顧客とのコミュニケーションを円滑に行うためのコミュニティサクセスプラットフォームを提供しています。
オンライン上でファン同士が交流し合い、企業へのフィードバックをスムーズに届けられる仕組みを構築し、ファンベースマーケティングの実践を強力にサポートいたします。高度な分析機能やカスタマイズ性に優れた管理画面で、長期的に持続可能なコミュニティづくりを目指す企業の成長を後押しします。
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