ユナイテッド株式会社は、投資・教育・アドテクなど7事業を展開し、社員456名・臨時従業員1,225名(2026年3月末時点)を擁するコングロマリット企業です。
2025年夏から本格検討を開始し、Commune for Work を基盤とした社内ポータル「みないと!」を2026年1月にオープン。わずか半年でユナイテッド社単体のアクティブ率82%という高い定着を実現しています。
その裏側にあった広報×人事の二部門連携と、社員が自然に集まる運用設計について、人事部 採用育成チームの村上様・工藤様にお話を伺いました。
7事業を横断する人事チームが、社内ポータルを牽引する
――まず、お二人のご担当領域について教えてください。
村上(以下、敬称略):ユナイテッドの人事部、採用育成チームでマネージャーをしています。新卒・中途の採用と、社員の育成、研修や制度の見直しに加えて、ユナイテッドグループ全体の組織活性化として締め会やキックオフの企画運営、懇親会の企画、社内の福利厚生制度/施策の運営も担当しています。
工藤(以下、敬称略):同じく採用育成チームで、採用や育成、組織活性化に関する業務を担当しています。もともとは投資事業本部に所属していましたが、新しい挑戦として約1年前に人事に異動してきました。現場を経験してきたからこそ持っている視点も活かしながら、今回の社内ポータル「みないと!」の導入や運営に携わっています。

10年以上前のWordPressが「社内報」だった
――導入前は、どのような課題がありましたか。
工藤:まず、旧社内報ではグループ会社の社員も閲覧できる一方で、投稿できる人が一部に限られていました。そのため、ユナイテッド本体から発信する一方向の媒体になってしまい、グループを横断した交流が生まれにくかったんです。
もう1つは、ツール自体が古くなっていたことです。
村上:作ったのが2014年で、都度改善を重ねてはいたのですが、機能なども今の組織形態に合わなくなってきていて…。いちユーザーとしても、シンプルに「利用するには不便だな」と感じていました。
工藤:旧社内報は運営チームを組成した運用体制だったこともあり投稿者の権限が限られていたこともあって、アナウンス中心の内容に偏ってしまっていました。結果双方向のやりとりがほぼない状態が続いていました。
――投稿権限の制限は、どういった事情だったのでしょうか。
村上:セキュリティの都合で、投稿できる人をかなり絞っていたんです。役員以外は人事や広報が代理で投稿するフローでした。社員から原稿をもらって、僕たちがコピペして……ズレて直して……という流れで。単純に手間ですし、その障壁もあって投稿率が下がる原因になっていたと思います。
――過去にも何度かリプレイスの検討があったと伺いました。
村上:3回出て3回頓挫しています。WordPressを複数のベンダーが手を入れる中でカスタマイズが積み重なっていて、CMSのバージョンも古いし、何がなんだかわからない状態でした。役員が投稿することもあったので、より使いやすい環境にしたいね、という声は以前からありました。その他、「コメントの通知が来ない」「スマホで見られない」という現場からの声もあったのですが……検討を詰めていく中で、「今このタイミングで、社内のコミュニケーション活性化に投資すべきか」という問いに対して明確に答えを出しきれず立ち消えていった、というのが正直なところです。

カスタマイズの柔軟性が、最終的な決め手になった
――今回、導入を実現できたのはなぜですか。
村上:4度目の正直、というのもありますが、今回は期限を区切り、経営陣も巻き込んだうえで、Commune for Workを導入するか、内製でゼロから作るか、外部に委託して自社サイトとして作るかの3択を本腰を入れて精査しました。
工藤:セキュリティ面で、ID管理サービスのOkta連携ができないと導入の土台に乗らなかったので、その時点で内製は外れました。他社さんもOkta連携には対応していたのですが、サイトのカスタマイズ性(たとえばカスタムブロックを作ったり、ユナイテッドらしいデザインにしたりという柔軟性)が一番あったのがコミューンでした。
村上:他社のツールだと「ここのブロックは変えられません」「名前だけ変えられます」「色は変えられません」といった制約があって。経営陣からも「株価を載せたい」「デザインをこうしたい」という声がかかるんですが、その時のベストも1年後にはまた変えたくなるだろうと思ったので、柔軟に変えられることが大事でした。
――数値面での変化もありますか。
村上:旧社内報ではGoogleアナリティクスを入れていたのですが、GA4への移行で見方もわからなくなっていて、実質的に「見ていない」状態でした。今はどのコンテンツがどれだけ見られているか把握できるので、運営の判断に使えるのは大きいです。
工藤:運営側としても、頑張って作った投稿がちゃんと見てもらえているとわかることは大切ですよね。

「書く」きっかけを仕組みで作る。日報制度と部活動の活用
――「みないと!」ではどのようなコンテンツを展開されていますか。
村上:まず福利厚生や休暇制度など、人事施策系の情報をWikiのような形で整備しています。あとは連載記事的なマガジン、プレスリリースの転載、自己紹介、イベントレポート。それから「ランダム」というカテゴリで、社内交流施策のリアルタイム投稿や部活動の報告、さらには社員による日報など、本当にカジュアルな投稿も載せています。
――日報制度はどのような経緯で始まったのですか。
村上:2年ほど前に、マネージャー以上で「組織活性化施策」を議論したことがきっかけです。当社は事業部が多く、事業内容もバラバラで、隣のチームが何をしているかわかりにくい構造がある中で、仕事もプライベートも含めて可視化できると横のつながりが生まれるのではと考えました。最初は日報用のSlackチャンネルからスタートし、「まずはやってみよう」という気持ちで始めたところ、社員が乗ってくれて定着しました。
工藤:最初は業務寄りの内容が多かったのですが、だんだんプライベート寄りに変わってきて。人となりが見えることで、オフラインでの会話のきっかけにもなっています。
――部活動との連携も工夫されていると聞きました。
工藤:弊社には部活動制度があって、活動すると一部補助が支給されるのですが、「みないと!」に活動報告を投稿することを支給の条件にしたんです。ちょっと無理やりではあるんですけど(笑)。おかげで、アナウンスとは違う「みんなで活動したよ」という投稿が増えてきたのはよかったなと思います。

運営は「混じって」やる。広報×人事の緩やかな連携
――導入期は広報が主導、現在は人事主導で運営されているそうですね。どのような役割分担をされていますか。
村上:明確に分けているわけではなく、それぞれの得意領域を活かしながら進めている感じです。広報の今井が画面の構成やデザインの調整、投稿の見え方といった具体的な運用を引っ張ってくれています。人事側は、社内施策の運用全般や経営とのすり合わせを担っています。何か入れられそうなネタがあれば3人で話して動く、という形ですね。
工藤:導入期の3ヶ月間(2025年10月〜12月)は週1〜2回集まっていましたが、今は月1回ぐらいの定例で回せています。立ち上げ期に集中して動いていたので、軌道に乗ってからは無理なく続けられている感じです。

半年でアクティブ率82%。「みないと!、あげちゃいなよ」が合言葉に
――オープンから半年、率直に運用状況はいかがですか。
村上:良い感じだと思います。一番心配していたのは、リプレイスに対して社員が面倒だと感じないか、定着するか、でした。でも日報制度のおかげで3ヶ月以内に全員が投稿を経験しますし、前向きな社員に「スタンプを押してね」「何でもいいから気軽に投稿してね」と声をかけながら、カジュアルな空気感を作っていけたのが大きかったです。
工藤:今までの社内報は「自分らしさ」を出せる場ではなかったんです。プロフィール画像も入社時の写真が固定されたままでした。今はアカウント設定も自由ですし、日報でも人柄がしっかり見える。社内報というよりはスマホでも使える社内SNSに近い形になってきています。
――現場の社員からはどんな声がありますか。
村上:社員が集う場で、写真を撮ったら「それ、みないと!にあげちゃいなよ」という会話が出るくらいには定着しています。あとは、「みないと!」の「Wiki」という場所に社内制度をまとめているので、「この制度いつからだっけ?」と聞かれたときに「みないと!にまとまっているから見てみてね」で済むようになったのは、こちらとしても楽になりましたね。
工藤:アクセス数も想定以上で、月に20回以上見てくださっている方もいらっしゃいます。
村上:運営としても投稿がしやすくなりました。以前のシステムではコピペしたら改行がずれて……プレビューを何度も確認して……という作業で、工数もマインドシェアも取られていたんですが、今はプレビューを見なくても安心して投稿できます。体感で工数は2/3ぐらいに、マインドシェアは1/5ぐらいになりました。

経営陣が「いちメンバー」として融け合う文化
――アクティブ率が82%と高い要因をどう捉えていますか。
村上:経営陣との距離が近いのは大きいと思います。社内施策などを通じて、代表と社員が一緒に出かけたり、スポーツの大会に出ることもあったりと、日頃から自然な信頼関係が築かれています。そうした関係性を土台に、仕事でも成果を出そう、というのが弊社の「Cool & Wet」(ユナイテッドスタイル = 社員の在り方)の考え方なんです。経営陣が楽しみながら投稿していれば、1年目の社員も「気軽に投稿していいんだ」と感じてくれる。その循環はあると思います。
工藤:経営陣がいちメンバーとして融け合っているのがいいんですよね。デザインに対しても「ここはこうしたい」と踏み込んでフィードバックをくださるので、担当者としては難しい面もあるんですが(笑)、それだけ本気で考えてくださっている証だと感じています。

Communeから見た、ユナイテッド「みないと!」の凄さ
「みないと!」の支援を担当するCommuneカスタマーサクセス、畔柳に、客観的な視点での意見を聞いた。

――導入から半年でアクティブ率82%という数字が出ています。支援する立場から、「みないと!」の凄さをどう表現しますか?
畔柳:一番感じているのが、「自分たちの持ち物」という感覚の強さです。アクティブ率がこれだけ高くても、現状維持で終わらず、さらにプラスオンしていこうと常に考えてくださっている。
オープン時から、社員にどう見てほしいか・どう感じてほしいかというところまで考えてデザインにこだわり、株価表示や社員の顔が見える写真など、カスタムブロックを多数実装いただいたケースも、私の知る限り類を見ません。社内ポータルとしてCommune for Workを活用いただいている企業の中でも、アクティブ率はずば抜けて高い水準です。単に機能を使うだけでなく、「社員の皆さんにどうあってほしいか」という想いが細部に詰まっていて、それに社員の皆さんが応えてくれている。この循環が、近くで見ていて本当に素敵だと感じています。

「成果を上げるための土台」として育てていく
――今後の展望を教えてください。
村上:オンライン上でも、部署・年次・経験といった垣根を越えてコミュニケーションが生まれるハブになればいいなと思っています。まだ途上な部分もあるんですが、Cool & Wetのどちらの面も良い感じで混ざり合いながら、「みないと!」が起点になって全員の信頼関係を作り、成果を上げるための素地・土台の1つのキーとして機能していけるようになるといいなと考えています。
工藤:今はどちらかというとWet寄りの活用が多いので、ゆくゆくはCool寄りの発信も充実させていきたいです。個人的には、グループ会社も含めて「ユナイテッドグループの一員だ」という意識をより多く持っていただけるよう、グループ会社の皆さんにも利用してもらえるようなコンテンツや施策に取り組んでいきたいなと思っています。

これからコミュニティを始める方へ
――最後に、社内コミュニティの導入を検討している方へメッセージをお願いします。

村上:定量的なROIで測ろうとすると、どうしても難しい部分はありますが、実際にやってみると、じわじわと効いてきている実感があります。一緒に働いている人の顔が見えること、直接会わない場面でも相互理解のきっかけになっていること。これらは確かに感じています。導入をご検討中であれば、踏み出してみる価値はあると思います。

工藤:私も、数字だけでは測りきれない価値があると思っています。メンバーの立場から見ても、「みないと!」で仲間のことを知っておくことで、社内の人とのコミュニケーションのきっかけが増えるんです。些細なことですが、組織における心理的安全性は仕事のしやすさを底上げするものだと思いますし、長い目で見ると確実に組織全体の成果につながっていく取り組みだと感じています。
――日報制度や部活動レポートといった様々な「仕掛け」はもちろん、運営する広報・人事の皆さんの人柄・キャラクターの掛け合わせとの掛け算があってこそ、社員も経営層も集まる場が育っている。そんなことを感じた取材でした。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!


