
コラム
マーケティング
ビジネスにおけるコミュニティの作り方・運営のポイント・運営方法別のメリット/デメリットを解説
2024/07/17

ビジネスにおけるコミュニティ作りは、顧客との深い関係構築と持続的な事業成長を実現する重要な戦略として注目されています。本記事では、コミュニティ作りの目的や種類、具体的な作り方から、プラットフォーム選びのポイントまでを徹底解説します。初めてコミュニティを立ち上げる方から、既存のコミュニティをより活性化させたい方まで、実践的なノウハウをご紹介します。
目次
コミュニティはなぜ必要?
はじめに、ビジネスシーンにおけるコミュニティの意味や役割をお伝えします。コミュニティが企業にもたらすメリットを押さえておきましょう。
ビジネスにおけるコミュニティとは何か
コミュニティとは「共同体」を意味する言葉です。一般的には、地域社会や趣味をはじめとした、特定の共通点やつながりを持つ人たちによる集団のことを指します。その一方で、近年のビジネスシーンにおいては「企業がマーケティングの目的で運営する、顧客同士や社員が交流する場所」の意味合いで使われることがあります。
ビジネスにおけるコミュニティの役割
ビジネスシーンにおけるコミュニティには、企業が顧客のニーズを把握したり、顧客に充実したサポートを提供する役割があります。コミュニティが成長して交流が活発になると、顧客のレビューを商品開発の参考にしたり、ユーザー同士で疑問を解決してサポートコストを削減できるようになります。また、参加者の自社ブランドに対する愛着が高まり、継続購入や契約延長が期待できるのもメリットです。
コミュニティの種類
具体的なコミュニティの種類をご紹介しますので、ぜひ企業のコミュニティづくりの事例を参考にしてみてください。
コミュニティの種類
ビジネスシーンのコミュニティには、主に以下の種類が挙げられます。
これらのコミュニティには、参加者がインターネット上で交流する「オンラインコミュニティ」と、特定の場所に集まって対面で交流する「オフラインコミュニティ」の形式があります。近年は、時間や場所を問わず気軽に交流しやすいことから、オンラインコミュニティへの注目が高まり、盛り上がりを見せています。
コミュニティの作り方

ここでは、コミュニティの作り方を解説します。コミュニティ開設に役立つサービスや、コミュニティを作る流れを5つのステップでお伝えします。
コミュニティ開設に役立つサービス
コミュニティを作る際はオンライン上のサービスを活用するとスムーズです。コミュニティ開設に役立つツールやプラットフォームとして、以下が挙げられます。
コミュニティプラットフォームとは、コミュニティの立ち上げから運営まで必要な機能が搭載されたサービスです。例えば、メンバー管理・コンテンツ提供・イベント開催・データ分析などのコミュニティ運営に特化した機能を利用できます。ほかにも、SNSアカウントで顧客と交流する方法や、独自にサイトを構築して運用する方法が挙げられます。
コミュニティを作る流れ
STEP1:コンセプトの策定
はじめに、コミュニティの目的やテーマを定めます。例えば「自社商品のファンの意見をマーケティングに役立てる」という目的なら、商品のファンコミュニティが考えられます。コミュニティのテーマから活動内容も検討しましょう。
STEP2:サービス選定
コミュニティ開設で利用するサービスを選定します。コミュニティプラットフォームを導入する場合は、機能面やカスタマーサポート体制について複数サービスを比較検討すると良いでしょう。初めてのコミュニティづくりでは、支援が充実しているサービスが安心です。
STEP3:コミュニティガイドラインの設定
続いて、コミュニティに参加するメンバー同士で守るべきルールを取り決めます。ガイドラインは、コミュニティで発生する可能性があるトラブルを防止するために必要なものです。責任の範囲を明確にして、ルールに基づいて秩序を保てるようになります。
STEP4:参加者募集
コミュニティに参加するメンバーを集めます。初期は熱量の高いメンバーに絞り込んで招待して、小規模の運営からスタートすることが大切です。その際は、運営メンバーからのスカウトによって集客しても良いでしょう。
STEP5:コミュニティ運営
コミュニティ運営(関連記事を読む)を開始します。初期はメンバー同士の交流を促すための工夫が求められます。活発にコミュニケーションが行われるよう、運営メンバーも適度に情報を発信してメンバーと交流しましょう。長期的な視点でコミュニティを成長へ導くことが大切です。
コミュニティを作るメリット・デメリット
コミュニティ運営には、顧客との関係性構築や事業成長の可能性がある一方で、適切な管理と継続的なリソース投資が必要です。
メリット
コミュニティを活用することで、顧客の生の声を直接収集でき、商品開発やサービス改善に活かせます。また、コミュニティ参加者同士の交流により自発的なサポート体制が生まれ、カスタマーサポートのコスト削減にもつながります。さらに、ロイヤルカスタマーの育成や、ブランドへの信頼度向上により、安定的な収益基盤を構築できます。コミュニティを通じて得られる市場インサイトは、競争優位性の確立にも貢献します。
デメリット
コミュニティを立ち上げて活性化及び維持していくには、専門的な人材確保や継続的な運営コストが必要です。また、コミュニティ参加者間でトラブルが発生した際の対応や不適切な投稿の管理など、モデレーションの負担が発生します。さらに、活発な議論を維持するためのコンテンツ作成や企画立案に多くの時間と労力を要します。期待した成果が得られるまでに時間がかかり、短期的な投資対効果が見えにくいという課題もあります。
プラットフォームでコミュニティを作るメリット・デメリット
既存のプラットフォームを活用したコミュニティ作りには、独自のメリットとデメリットがあります。目的に応じて適切なプラットフォームを選択することが重要です。
プラットフォームでコミュニティを作るメリット
専用プラットフォームを利用することで、参加者管理やコンテンツ配信、イベント開催などの機能が最初から整っているため、すぐに運営を始められ、立ち上げ期間を大幅に短縮できます。また、プラットフォーム側のセキュリティ対策や技術的なメンテナンスも任せられるため、運営側の負担を軽減できます。さらに、既存ユーザーベースを活用した集客や、他のコミュニティとの連携も容易です。
多くのプラットフォームはツールだけでなく、コミュニティ運営のノウハウの持つ専門家の運営支援やサポートを同時に提供しています。社内に専門知識を持つ人材がいなくても、ツール提供者の伴走支援で円滑な運営が可能になります。
プラットフォームでコミュニティを作るデメリット
プラットフォームの利用料や手数料が継続的にかかり、収益性に影響を与える可能性があります。また、プラットフォームの仕様変更や突然のサービス終了リスクが発生する可能性があるため、コミュニティの継続性が保証されません。さらに、カスタマイズの自由度が限られ、ブランドイメージの完全な表現や独自機能の実装が難しい場合があります。
SNS・チャットツールでコミュニティを作るメリット・デメリット
多くの人が日常的に利用しているSNSやチャットツールを活用したコミュニティ作りは、気軽に始められる一方で、運営面での制約も存在します。ツールの特性をよく理解した上で、活用を検討しましょう。
SNS・チャットツールでコミュニティを作るメリット
多くのユーザーが日常的に利用しているため、参加のハードルが低く、参加者の獲得がスムーズでしょう。また、投稿やコメント、リアクション機能など、コミュニケーションに必要な基本機能が揃っているため、すぐに活発な交流を始められます。さらに、他SNSなどへのシェア機能を活用することで、コミュニティの認知度を自然に高められるメリットもあります。
SNS・チャットツールでコミュニティを作るデメリット
プライバシー管理が難しく、詳細な参加者の情報取得や活動データの分析が制限されます。また、コミュニティと関連のない情報や広告が混在するため、参加者の注目を集めづらく、重要な情報が埋もれてしまう可能性があります。さらに、炎上リスクが高く、一度トラブルが発生すると対応が困難で、ブランドイメージに大きな影響を与える可能性があります。
コミュニティを作る目的
企業がコミュニティを作る主な目的は、顧客との継続的な関係構築と事業成長の実現です。顧客の声を直接収集して商品やサービスの開発・改善に活かすことができ、参加者同士の交流によって自発的なサポート体制も生まれます。また、ロイヤルカスタマーの育成や、ファン同士のつながりを通じたブランド価値の向上にもつながります。さらに、コミュニティを通じて得られる市場インサイトやUGCは、新規事業の開発や競争優位性の確立にも貢献します。このように、コミュニティは企業と顧客の双方にとって価値ある場となり、持続的な成長を支える重要な基盤となるため、導入している企業が増えています。
コミュニティの運営の主なポイント

ここでは、コミュニティ運営で重要なポイントをお伝えします。立ち上げたコミュニティを成長させるために、以下のコツを押さえておきましょう。
運営メンバーがコミュニティのメリットを理解する
コミュニティを盛り上げるには、運営メンバー自身がコミュニティの価値を理解し、参加メンバーに伝えなくてはなりません。コミュニティを運営する目的や、参加者が実現できることを十分に理解し、的確な訴求によって熱量の高いメンバーを集めましょう。
コミュニティを作る目的を明確にする
目的が曖昧な状態でコミュニティを立ち上げると、その後の活動の方向性が定まりにくくなります。また、コミュニティの目的を明確にすることで、参加メンバーの共感を集めて結束の強化にもつながるため、熱量の高いコミュニティを作る上でも重要です。
ターゲットをしっかり決める
コミュニティ立ち上げの際は、どんな顧客に参加してほしいのかを明らかにして、ターゲットを設定しましょう。誰でも入会できる状態では、質の高いコミュニティを作るのが難しくなります。熱量の高いメンバーをスカウトするのもおすすめです。
コミュニティの事例
ベースフード株式会社の事例
ベースフード株式会社は、主力商品「ベースフード」シリーズのファンコミュニティを運営しています。コミュニティでは全社員が情報発信や交流に参加し、顧客の声を商品に反映させています。
*詳しくはこちらから
ユーザーがユーザーに働きかける好循環。コミュニティ内の投稿が商品理解の促進と新商品アイデアの源泉に
カルビー株式会社の事例
カルビー株式会社は、ロングセラー商品「かっぱえびせん」シリーズのファンコミュニティを運営しています。コミュニティで熱量の高い顧客と交流し、顧客と共同での商品開発も実施しています。
*詳しくはこちらから
熱狂的なファンとオンラインで直接繋がる。商品の共創も実現した絶品かっぱえびせんのファンコミュニティ
株式会社大丸松坂屋百貨店の事例
株式会社大丸松坂屋百貨店は、ワイン好き人のためのファンコミュニティを運営しています。伝統あるオフラインイベントである「世界の酒とチーズフェスティバル(以降 世界の酒フェス)」のオンラインコミュニティとして、オフラインイベントの時に限らず、1年中顧客との接点を持つことで、オフラインイベントの活性化にもつながっています。
*詳しくはこちらから
コミュニティの投稿をきっかけにユーザーの行動がリアルに波及
まとめ
企業のコミュニティ作りは、顧客との継続的な関係構築から事業成長まで、多様な価値を生み出す重要な戦略です。コミュニティの形態は、プラットフォーム型からSNS、チャットツールまで、目的に応じて選択できます。しかし、運営には人材確保やコスト、モデレーションなどの課題も伴います。
成功のカギは、明確な目的設定、適切なプラットフォームの選択、そして運営メンバーの理解と熱意にあります。長期的な視点を持ち、参加者との価値共創を目指すことで、企業と顧客の双方にとって意義のあるコミュニティを構築できるでしょう。
ビジネスコミュニティ作りはCommune(コミューン)
コミュニティ運営に特化したコミュニティサクセスプラットフォーム「Commune(コミューン)」は、企業のコミュニティ作りを包括的にサポートします。
参加者管理、コンテンツ配信、イベント開催などの基本機能に加え、データ分析機能も充実しています。さらに、コミュニティ運営の専門家による伴走支援で、初めての方でも安心して運営を始められます。カスタマイズ性も高く、企業のブランドイメージに合わせた独自のコミュニティ空間を構築可能です。
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