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ロイヤルカスタマーとは?定義・重要性・育成のポイントを紹介

2024/07/03

ロイヤルカスタマーとは?定義・重要性・育成のポイントを紹介
コミューン編集部

コミューン編集部

商品やサービスの多様化によって顧客の選択肢が大幅に増え、顧客獲得の難易度が上がっている現代においては、商品・サービスそのものの差別化や、機能を充実させることだけでは選んでもらえない時代になってきています。

そこで重要視されるのが、「ロイヤルカスタマー」です。ロイヤルカスタマーとは、企業やブランドを信頼し、愛着を持ってくれている顧客のことです。ロイヤルカスタマーを育成し、どれだけ大事にできるかが事業成長のカギとなりつつあります。

この記事では、ロイヤルカスタマーの定義や重視すべき理由、育成のヒントを解説します。

ロイヤルカスタマーとは

ロイヤルカスタマーとはロイヤルティの高い顧客のことで、わかりやすくいうと熱心なファンのようなイメージです。売上貢献が高かったり、継続して利用してくれていたりというのはもちろんですが、企業やブランドに信頼を寄せてくれていることが特筆すべき特徴となります。

ビジネスにおける顧客はさまざまな名称で分類できますが、最上位の顧客層として位置づけられるのがロイヤルカスタマーです。

ロイヤルカスタマーと優良顧客の違い


ロイヤルカスタマーとよく似た言葉に、「優良顧客」があります。優良顧客とは、商品・サービスを継続的に購入してくれる売上貢献が高い顧客のことです。「売上上位の顧客」や「高頻度で購入してくれる顧客」は優良顧客といえます。

これだけだと優良顧客とロイヤルカスタマーが同じ意味に聞こえますが、厳密には異なります。ロイヤルカスタマーと企業間には信頼が存在するのに対し、優良顧客と企業間の関係性は必ずしもそうではありません。

例えば、優良顧客のなかには「商品が安いから」「現状に不満がないから」「ほかの商品を探すのが面倒だから」などの理由で、特に愛着があるわけではないけれどリピーターとなっている人も含まれます。

優良顧客は企業にとって大事な顧客であることに間違いありませんが、顧客側に信頼や愛着があるかどうかは別の話です。他社でもっと良い商品を見つけたり、お得なキャンペーンが行われたりすると、離れていってしまう可能性も大きいといえます。

一方で、ロイヤルカスタマーは企業やブランド自体に信頼や愛着を感じてくれているので、「競合のほうが安いから」「家の近くに似たようなお店ができたから」などの理由で簡単に離反しにくいのが特徴です。

ロイヤルカスタマーの信頼を裏切らず、さらに関係性を深めていくことが、企業やブランドを持続させるためのカギになるといえるでしょう。

ロイヤルカスタマーを重視すべき理由

ロイヤルカスタマーを重視することで得られるメリットには、主に以下のようなものがあります

LTVの向上
・新規顧客の呼び込み
・商品やサービスのフィードバックの取得

一つずつ具体的に見ていきましょう。

LTV向上

まずは、LTV (Life Time Value:ライフタイムバリュー、関連記事を読む)  の向上です。LTVとは、顧客がブランドと接点を持ってから関係が終了するまでにもたらす収益の総額を指します。

企業自体に愛着を感じているロイヤルカスタマーは、長期間、安定的に購買や利用を続ける傾向にあります。ロイヤルカスタマーはLTVが高いため、企業やブランドに安定をもたらす重要な存在なのです。

ロイヤルカスタマーは、売上貢献が高いだけではなく、その愛着心から商品・サービスの肯定的な情報を自発的に発信し、紹介してくれる傾向にあります。「家族や友人が勧めていると買いたくなる」という心理が働くので、ロイヤルカスタマーの熱心な紹介により周囲の人たちが新規顧客になる可能性が高いです。

親しい人からの口コミには、企業が宣伝するよりも説得力があります。ロイヤルカスタマーの存在により、高額の広告費をかけなくても、口コミで自然に商品が広がる仕組みをつくることができるのです。ロイヤルカスタマーとより良い関係を構築することが、ダイレクトに売上アップをもたらします。

サービス/プロダクトのフィードバックを取得できる

サービスや商品の改善には、顧客の意見が欠かせません。企業にはさまざまな顧客からのフィードバックが寄せられますが、なかでもロイヤルカスタマーからの声は、特に大切にすべきです。ロイヤルカスタマーは、長く愛用しているからこその視点で、フィードバックをしてくれることがあります。良質なフィードバックは、サービスの質の向上に活かせるだけでなく、商品開発のきっかけにもなり得ます。

顧客ロイヤルティとは

ロイヤルカスタマーと企業の間にある信頼や貢献を、専門的な言葉で「顧客ロイヤルティ」といいます。

顧客ロイヤルティは大きく2つに分類されます。1つ目は「心理的ロイヤルティ」で、企業・ブランド・商品に対する好意的な感情のことです。「ブランド自体が好きだから新作が出たら購入したい」「この企業の商品は間違いない」など思考が、心理的ロイヤルティにあたります。

2つ目は「行動的ロイヤルティ」で、購入金額・頻度・継続利用などの直接的な貢献を指します。

顧客ロイヤルティの醸成について、もう少し具体的に見ていきましょう。企業と顧客の関係性を表すピラミッド「顧客満足型マーケティングの展開フレーム」では、①から④に分けて解説されています。

①獲得フェーズ(Get customer)
初回購入により、購買データを獲得する段階

②関係構築フェーズ(Build relationship)
①の顧客と関係を構築する段階。継続購入してもらえる状態に育成する必要がある

③育成フェーズ(Grow relationship)
コミュニケーションを通して、顧客との関係性をより強める段階

④維持フェーズ(Keep customer)

顧客との関係性を維持していく段階。ここにきてはじめてロイヤルカスタマーといえる

ピラミッドの下から上に移るにつれて、顧客数は減り、顧客ロイヤルティは高くなります。④であるロイヤルカスタマーは、心理的ロイヤルティも行動的ロイヤルティも高いのが特徴です。

また、新規顧客を獲得したからといって、あぐらをかいていられるわけではありません。新規顧客をロイヤルカスタマーに育成するためには、顧客がブランドに興味を持ち続け、愛着を持ってくれるように努力する必要があります。

顧客をよく理解して、ニーズを汲んだ商品・サービスを展開することも必要でしょう。定期的に顧客とコミュニケーションをとり、継続的に関係を構築できるようにすることが大切です。

顧客をロイヤルカスタマーに育成する方法


顧客をロイヤルカスタマーに育成するのは、簡単ではありません。以下では4つのステップに分けて具体的な方法を解説します。

顧客が求める価値の定義

ロイヤルカスタマーを育成するためには、顧客が求める価値を改めて確認することが大切です。提供価格を下げたり、キャンペーンを打ったりすることで、相対的に価値を高めるのは簡単です。しかし、それは本質的に顧客が求めていることとは限りません。

顧客の愛着を形成するためには、製品やサービスを通して顧客の価値を増幅することが重要です。「顧客が求めているもの」「利用してみての課題」など、顧客体験(関連記事を読む)を改めて見直すことがはじめの一歩といえます。顧客とのコミュニケーションを通して、価値を掘り下げるのも1つの方法です。

現状の顧客ロイヤルティの把握

現状の顧客ロイヤルティを把握することは、非常に重要なステップです。顧客がどれだけ愛着や信頼を感じてくれているのかを客観的に知ってはじめて、新たな施策を打つことができます。

方法の1つとして有名なのが、「顧客推奨度調査」です。サービス利用後に行われるアンケートのなかに、「周りに勧めたいと思いますか?」という内容の質問がよく設けられています。それこそが「顧客推奨度調査」です。

勧めたいかどうかを0〜10の11段階で評価してもらうことによって、顧客満足度を定量的に把握し、戦略に活かすことができます。以下のように、数値によって顧客ロイヤルティの度合いがわかります。

・0~6と評価している人:批判者
・7~8と評価している人:中立者
・9~10と評価している人:推奨者

優先ターゲットの選定

現状の顧客ロイヤルティを把握したところで、優先ターゲットを選定します。顧客のなかにもさまざまな顧客がいるため、顧客をセグメントに分けることで、施策が検討しやすくなります。顧客推奨度と収益性のデータをもとに分類すると、以下の6つにわけられます。

A:収益性が高い推奨者

収益性が高く、顧客推奨度が高い顧客は、ロイヤルカスタマー。ここに属する人たちは最優良顧客層といえ、企業にとって最重要のセグメントといえます。

B:収益性が高い中立者
ロイヤルカスタマー候補者層。収益性は高いけど、人に勧めるまではしない顧客。ロイヤルカスタマーに移行してもらうために施策を講じる必要があります。

C:収益性が高い批判者
お金を使ってくれているにも関わらず、顧客推奨度が低い層。優良顧客ではあるが、ロイヤルカスタマーとはいえない顧客です。重要な顧客であるため、ロイヤルカスタマーに移行してもらうために、顧客のロイヤルティ向上策を検討する必要があります。

D:収益性が低い推奨者
他人には勧めるにも関わらず、自分では買わない層。「高額で手が届かない」「近くにお店がない」などの何らかの理由があることが考えられます。

E:収益性が低い中立者
お金を使わず、他人にも勧めない顧客。企業に対しての関心が感じられないため、優先順位は低めです。

F:収益性が低い批判者
ロイヤルカスタマーからもっとも遠い層。優先順位がもっとも低い顧客です。

顧客を分類したあとは、どこまでの顧客をフォローするかを検討し、施策を考えます。優先順位は企業の状況やセグメントの比率によっても異なります。

ロイヤルティ向上施策の実行

最後に、ロイヤルティを向上するための施策を立てて実行します。顧客は期待通りの結果がもたらされれば満足しますが、期待値を超えてはじめて感動が生まれ、ロイヤルティが育ちます。顧客の愛着を形成するためには何が必要かを具体的に検討することが重要です。

昨今は、サービスや商品そのものの価値だけでなく、購入前から購入後までのすべてのプロセスにおける体験が評価される傾向にあります。顧客体験をいかに向上させるかを検討してみましょう。

顧客の満足度を上げるためには、タッチポイントをつくるのも有効。SNSを運用したり、コミュニティを創出したりするほか、オフラインのイベントを実施するのもコミュニケーションのための1つの方法です。顧客と接する機会を増やすことは、ロイヤルカスタマーの育成において必要な施策といえます。

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