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従業員エンゲージメントとは?重要性や向上のための施策を解説
2024/11/12
「従業員エンゲージメント」とは、企業と従業員の結びつきの強さを示す指標です。企業が持続的な成長を続けるために、従業員エンゲージメントの向上が注目されています。従業員エンゲージメントの重要性や向上のための施策について解説します。
目次
「従業員エンゲージメント」とは、企業と従業員の結びつきの強さを示す指標です。企業が持続的な成長を続けるために、従業員エンゲージメントの向上が着目されています。しかし、「具体的にどうすればいいか」と手法に関して、わかりかねている方も居ると思います。
そこで、本記事では従業員エンゲージメントの重要性や向上のための施策について解説します。
従業員エンゲージメントとは
従業員エンゲージメントについて、以下の4つのポイントが重要だと言われています。
具体的には、「明確なビジョンとコミュニケーション」「成長と発展の機会提供」「認知と評価の文化構築」「働きやすい環境と福利厚生の整備」を意識した施策が求められます。
- 「企業に貢献したい」と思える意欲
- 従業員満足度との違い
- モチベーションとの違い
- 従業員エンゲージメントが高い従業員の特徴
「企業に貢献したい」と思える意欲
「従業員エンゲージメント」とは、自社の企業理念や経営方針に従業員が共感し、自ら「企業に貢献したい」と行動する意欲のことを指します。いわば自社と従業員の信頼関係や結びつきの強さを示す指標と言えるでしょう。
従業員エンゲージメントの高い従業員は、自社への帰属意識が高く、ビジネスへの貢献度合いが高まることから、従業員エンゲージメントの向上施策に注力する企業が増えています。
従業員満足度との違い
「従業員満足度」は、従業員の企業や業務内容、福利厚生や人間関係などに対する満足度を意味します。ただし、あくまで「満足しているかどうか」という受動的な指標なので、それが「能動的な意欲」を高めるとは限りません。
そのため、従業員エンゲージメントが財務指標にプラスの影響を与える一方で、従業員満足度についてはその限りではないのです。
モチベーションとの違い
モチベーションは、目標に向かって行動を起こす「やる気」を意味し、その背景には予測される結果への「期待」があります。例えば、「評価が上がる」「給料が上がる」といったベネフィットのために努力するなどです。一方で従業員エンゲージメントは、そうした損得勘定を抜きにした、「企業に貢献したい」「業務を頑張りたい」といった意欲を指します。
従業員エンゲージメントが高い従業員の特徴
従業員エンゲージメントの尺度は曖昧で、その判断基準は自社で定める必要がありますが、一般的に従業員エンゲージメントの高い従業員には次のような特徴があると考えられています。
- 職場環境や待遇に満足している
- 業務を通じた成長の機会がある
- 自社の理念や方向性に共感している
以上の点を踏まえると、従業員エンゲージメントの向上には、従業員の「満足度」「成長度」「共感度」を高めることが大切であることが分かります。
従業員エンゲージメントを構成する3つの要素
従業員エンゲージメントは、次の3つの要素から成り立っていると考えられています。
- 自社に対する理解
- 自社への帰属意識
- 能動的な行動意欲
自社に対する理解
従業員が自社の企業理念やビジョンを具体的に理解し、さらに支持している必要があります。両者の意識やベクトルが一致することで、従業員が当事者意識をもって業務に臨めるようになり、それが業績向上に結びつくのです。しかし、従業員の理解がなければエンゲージメントの向上はあり得ないため、まずは自社の理念について説明して理解度を高めることが大切です。
自社への帰属意識
従業員が自社に対して「帰属意識」を感じていることも大切です。帰属意識とは、自身が組織の一員であるという自覚があることを意味します。従業員の帰属意識が強ければ、仲間とのコミュニケーションや組織への貢献意欲も強まり、組織の成果も向上しやすくなるでしょう。
能動的な行動意欲
従業員が自主的・主体的に行動を起こす「行動意欲」も欠かせません。自らの役割を理解して、積極的に動く従業員が増えれば、組織全体のパフォーマンスや生産性が高まります。自身の行動が業績につながっていると感じられるように、成果に対する適切な評価や納得感のあるフィードバックを行うことが大切です。
従業員エンゲージメントが重視される理由・背景
近年では従業員エンゲージメントが重視されるようになりましたが、その背景として次のようなものが挙げられます。
- 人手不足が深刻化しているため
- 生産性の向上が急務であるため
- 市場・社会の変化に対応するため
人手不足が深刻化しているため
急激な少子化と生産年齢人口の減少により、あらゆる業界で人手不足が深刻化しています。これは企業の採用競争が激化しており、人材の確保が難しくなっているということです。さらに、現在では「一社で長く勤める」という価値観が薄れており、転職する人が増えています。優秀な人材を確保して、自社で長く働き続けてもらうためには、従業員エンゲージメントの改善が必要です。
生産性の向上が急務であるため
人手不足に対応しながら企業を持続的に成長させるためには、生産性の向上も欠かせません。従業員エンゲージメントを改善することで、従業員が自主的にスキル向上や業務効率化に励むため、生産性が向上しやすくなります。その結果、良質な商品・サービスの開発と企業業績の向上が見込まれるため、従業員エンゲージメントが注目されているのです。
市場・社会の変化に対応するため
技術の発展や国際化などにより、消費者ニーズの多様化とビジネス環境の目まぐるしい変化が起きています。困難な時代で企業が生き残るためには、持続的な成長が欠かせませんが、そのためには従業員のスキルアップを図り、生産性を向上させる必要があります。従業員エンゲージメントを改善することで、個々の成長意欲が高まり、自律的な知識・スキルの向上につながるのです。
従業員エンゲージメントの改善で得られるメリット
従業員エンゲージメントを高めることで、企業は次のようなメリットが得られると考えられています。
- 組織が活性化する
- 顧客満足度が向上する
- 離職率が低下する
組織が活性化する
顧客満足度が向上する
従業員エンゲージメントが高まり、従業員が自発的に行動するようになれば、業務の品質や生産性も向上します。顧客により優れた商品・サービスや提案が行えるようになれば、顧客満足度が向上し、自社の信頼性も高まるという好循環が生まれるでしょう。そうした企業に属することで、従業員が誇りを感じられるようになり、自社への帰属意識もさらに強くなるのです。
離職率が低下する
自社に愛着や帰属意識を持つということは、業務にやりがいや価値を見出せているということでもあります。そのため、従業員エンゲージメントが高い組織は「離職率」が低くなり、必要な人材を確保しやすい傾向があります。
さらに、離職率の低い組織は「働きやすい」という印象を与えやすくなり、そこを求職者に強くアピールすることも可能です。結果的に採用活動や新人教育に必要なコストが減るため、中長期的なコスト削減にもつながるでしょう。
従業員エンゲージメントを向上させる方法・施策
従業員エンゲージメントを向上させるためには、次のような施策が効果的だと考えられています。
- 企業理念・ビジョンを浸透させる
- 人事評価制度の納得度を高める
- 社内コミュニケーションを活性化させる
- キャリア形成やスキルアップをサポートする
- ワークライフバランスを改善する
企業理念・ビジョンを浸透させる
自社の方向性に共感している従業員は、「企業に貢献したい」と感じやすいため、エンゲージメントが高まりやすい傾向があります。そのため、まずは自社の企業理念やビジョンを明確化し、従業員に理解してもらうことが大切です。
ただし、「押しつけ」では従業員の反発を招いてしまうので、理念の背景にあるストーリーや、顧客・社会に提供できる価値を明確化して共感を求めましょう。キックオフミーティング・社内報・コーポレートサイトなど、さまざまなルートで浸透させることができます。
人事評価制度の納得度を高める
自身の努力や成果を正当に評価されなければ、従業員が自社に愛着を感じることはありません。評価基準を明確化したうえで、好き嫌いや贔屓などではなく公平な尺度による人事評価を行えば、納得感と信頼の醸成ができます。
ただし、成果だけではなく「企業理念の体現度」や「業務プロセス」なども評価基準に加えることで、従業員の意欲を高めやすくなります。そのためには、「コンピテンシー評価」や「360度評価」など、自社に合う手法を採用することが大切です。また、上司のフィードバック能力を高めるために、管理職向けに「フィードバック研修」を実施し、マネジメント手法も改善していきましょう。
社内コミュニケーションを活性化させる
従業員同士の関係や職場環境も、従業員エンゲージメントに大きな影響を与えます。一緒に働いている同僚や上司との関係性が深まれば、職場で過ごしやすくなり、「ここで働き続けたい」という思いが強まるものです。
例えば、定期的なランチミーティングや社内SNS、上司との1on1ミーティングなどが効果的です。特に社内SNSは、従業員同士が非対面でも円滑にコミュニケーションが取れるので、関係醸成や情報共有などに役立つでしょう。
キャリア形成やスキルアップをサポートする
職場環境が良くても、自身の成長を感じることが難しければ、従業員の心は離れてしまいます。従業員の成長やキャリア形成をサポートすることで、従業員は「もっと組織に貢献したい」という意欲を強め、全社的なパフォーマンス向上につながります。
例えば、「キャリアデザイン研修」で今後のキャリア設計を促したり、「管理職研修」のような階層別研修を手厚く行ったりするのが効果的です。
ワークライフバランスを改善する
業務にやりがいがあっても、残業が多かったり休暇が取りづらかったりするのでは、従業員エンゲージメントの向上は難しいでしょう。勤務時間の見直しや業務効率化などを行い、従業員のワークライフバランスを整えることが大切です。
例えば、デジタルツールの導入で業務効率化を図ることや、フレックスタイム制度・短時間勤務制度・リモートワークなどフレキシブルな勤務形態を採用するなどです。ただし、経営陣が一方的に進めると効果が出づらい場合があるので、現場の意見を参考にしながら行いましょう。
従業員エンゲージメントの向上施策の進め方
従業員エンゲージメントの向上施策を実施するためには、次のようなステップで進めることが大切です。
- ステップ1:従業員エンゲージメントを調査する
- ステップ2:課題を特定してプランを策定する
- ステップ3:PDCAサイクルを回しながら継続する
ステップ1:従業員エンゲージメントを調査する
まずは自社の従業員エンゲージメントの現状を把握するために、次のような方法でデータを集めましょう。
- エンゲージメントサーベイ
- 従業員へのアンケート
- 従業員へのヒアリング
なお、「エンゲージメントサーベイ」は従業員エンゲージメントを数値化して把握するためのツールで、従業員の企業への評価やエンゲージメントへの要因などを調査できます。
ステップ2:課題を特定してプランを策定する
エンゲージメントサーベイの結果をもとに、自社の従業員エンゲージメントの現状を把握します。従業員エンゲージメントが低い場合は、どこに課題があるかを洗い出すことが大切です。
アンケートやヒアリングの結果により、例えば「職場環境が悪い」「残業が多い」などの回答があった場合、それを基に必要な施策を立てて、中間目標も設定しましょう。
ステップ3:PDCAサイクルを回しながら継続する
従業員エンゲージメントは、業種・業態や企業規模、業務内容や所属部門などで異なるため、短期間で大きな成果を得ることは容易ではありません。定期的に調査を繰り返し、成果が出ていない点は施策を改善し、長期的にPDCAサイクルを回すことが大切です。
従業員エンゲージメントの向上には「Commune for Work」がおすすめ
従業員エンゲージメントは、「企業に貢献したい」と思える従業員の意欲を意味し、これを高めることは企業の成長のためにも重要です。企業理念の浸透やワークライフバランスの改善も欠かせませんが、社内コミュニケーションの活性化で職場の風通しを良くすることも大切です。
従業員エンゲージメントを向上させるための施策のひとつとして、社内SNS「Commune for Work」の導入がおすすめです。Commune for Workには社内SNSとして必要な機能が網羅されており、社内コミュニケーションの活性化はもちろん、従業員エンゲージメントの向上や人材育成効果の最大化も実現可能です。
「サントリーホールディングス様」では、従業員同士が気楽につながり合えるコミュニティサイトを構築するために、Commune for Workが導入されました。その結果、グループや部署の垣根を超えて、従業員同士でコミュニケーションが促進され、自社やブランドへの愛着が深まる従業員が増えたのです。詳細についてはこちらをご参照ください。
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