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内発的動機付けとは?重要な理由や意欲を高める方法を解説
2024/10/09
内発的動機付けとは、自らの興味や関心に基づいて行動し、活動自体にやりがいや達成感を見出す心理状態のことです。内発的動機付けが高まれば、自発的に仕事に取り組むようになり、パフォーマンスが向上します。この記事では、内発的動機付けについて解説しています。
目次
近年、企業の人材マネジメントにおける取り組みにおいて「内発的動機付け」への注目が集まっています。内発的動機付けは自発性や持続性が高く、従業員の創造力や生産性の向上が期待できるとされています。しかし、内発的動機付けを高める方法を知らない方もいるのではないでしょうか。
この記事では、内発的動機付けについて詳しく解説します。内発的動機付けが重要な理由や、従業員の意欲を高める方法についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
内発的動機付けとは
以下では、「内発的動機付け」の定義や、対義語である「外発的動機付け」との違いについて解説します。
内発的動機付けの定義
内発的動機付けとは、自分自身の興味や関心に基づいて行動し、活動そのものにやりがいや達成感を見出す心理状態のことです。外的な報酬や評価ではなく、自己決定感や自己有能感が満たされることで内発的動機付けは高まります。なお、内発的動機付けは、自律性、有能感、関係性の3つの要素で成り立っているといわれています。
- 自律性:自分の意思で行動を選択・決定できる感覚
- 有能感:自分の能力を発揮し目標を達成できる感覚
- 関係性:他者とのつながりを感じられる感覚
内発的動機付けは、上記3つの心理的欲求を満たすことが重要です。仕事においては、自分が携わっている業務の意義や価値を明確にすることで、従業員は自分の役割の重要性を認識でき、内発的動機付けが高まります。
外発的動機付けとの違い
内発的動機付けと対義である概念に「外発的動機付け」があります。外発的動機付けは、報酬や他者からの評価、罰則などの外的要因による動機付けを指します。外発的動機付けは一時的な行動変容をもたらす効果がありますが、報酬や評価がなくなるとモチベーションが低下する懸念があります。一方の内発的動機付けは、個人の内面から自発的に湧き上がるものであるため、外的要因に左右されることなく持続的な行動変容につながる傾向にあります。
内発的動機付けが重要な理由とは
組織の活動において、なぜ内発的動機付けが重要なのでしょうか。以下で詳しくみていきましょう。
働き方の多様性と流動性の増大
近年、テレワークやフレックスタイム制度の導入など、働き方の多様化や流動化が進んでいます。こうした環境の変化に伴い、組織に求められるのは柔軟性です。従業員一人ひとりのニーズに合わせた労働環境を実現できなければ、優秀な人材の流出を防げなくなります。
そこで重要になるのが、内発的動機付けの醸成です。自律性を尊重し、個人の成長を後押しするような環境づくりが、多様で流動的な時代において人材を確保するカギとなるでしょう。
従業員のエンゲージメントおよび生産性向上の必要性
少子高齢化に伴う労働人口の減少により、一人当たりの業務負担が増加しています。そこで、内発的動機付けに注目して従業員の主体性を引き出すことで、従業員のエンゲージメントと生産性向上が期待できます。内面から湧き上がる興味・関心や好奇心が満たされる環境があれば、従業員は自発的に業務効率化や生産性向上に取り組むようになるでしょう。
パーパス経営への関心の高まり
パーパス経営とは、企業の存在意義や社会的価値を重視する経営手法のことです。パーパス経営では単に利益を追求するだけでなく、社会的意義のある事業運営を行い、従業員に働きがいを感じてもらうことも目的としています。パーパス経営が注目されはじめたことで、従業員の内発的動機付けがより重要になっています。企業の目的や価値観を明確にし、従業員がそれに共感できれば、自己実現を図りながら仕事に取り組むようになるでしょう。
内発的動機付けのメリット
内発的動機付けには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。以下では、3つのメリットを解説します。
創造性の向上
内発的動機付けは、行動自体に喜びや満足感を見出すため、個人は自発的に行動を模索し、工夫を重ねるようになります。この試行錯誤のプロセスを通じて、創造的な思考が育まれていきます。また、内発的動機付けが高い人は、失敗を恐れずにチャレンジし、学びを継続する姿勢を持っています。自ら設定した目標の達成に向けて、より効果的なアプローチや行動計画を模索することで、自然と創造力が高められるでしょう。
従業員の自発的な成長の促進
内発的動機付けは、従業員のモチベーションを高め、自発的な成長を促します。自分の興味や関心に沿って仕事に取り組むことで、新しい技能の習得や知識の探求に前向きになるでしょう。内発的動機付けにより、仕事に前向きな姿勢に変容していくことで、長期的な自己成長の促進やキャリア開発にもつながります。
職場環境の改善
内発的動機付けによって従業員が自発的に仕事に取り組むようになると、組織内でのコミュニケーションが活発になり、チームワークが強化されます。従業員同士の関係性が良好な組織では、心理的安全性も高まり、ストレスが軽減されるでしょう。職場環境が改善されれば、従業員の満足度が上がり、結果として離職率の低下につながります。
さらに、組織への帰属意識が強くなりやすく、長期的な視点で自己成長や組織貢献に取り組むため、優秀な人材への成長が期待できます。
内発的動機付けのデメリット
内発的動機付けにはメリットがある一方で、いくつかデメリットもあることを考慮しておかなければなりません。以下で詳しく解説します。
効果が表れるまでに時間がかかる
内発的動機付けは、効果が表れるまでに時間がかかる場合があり、即効性は期待できません。外発的動機付けのように、すぐに行動変容を促すことは難しいでしょう。内発的動機付けを高めるためには、自律性を尊重し、個人の興味や関心を引き出す環境づくりが必要ですが、これには一定の時間を要します。従業員一人ひとりのニーズを理解し、適切な支援を提供するには、継続的なコミュニケーションと努力が求められます。
個人差が大きい
内発的動機付けは、個人の価値観や興味・関心に大きく依存するため、人によって得られる効果に差があります。ある従業員にとって内発的に動機付けられる要因が、別の従業員にとっては効果的でないこともあります。従業員の個人差を考慮せずに画一的なアプローチを取ると、かえってモチベーションを低下させる恐れがあります。そのため、内発的動機付けを促進するには、個人に合わせたきめ細やかな対応が欠かせません。
マネジメントが難しい
内発的動機付けは個人の自律性を重視するため、従業員のマネジメントが難しくなる側面があります。従業員の内発的動機付けを引き出すには、個々の自主性を尊重し、意思決定の機会を与えることが重要です。しかし、同時に組織の方向性や目標とのバランスを取る必要があります。内発的動機付けを上手に活用するには、こうした繊細な舵取りが企業全体に求められるため、マネジメントの難易度は高いといえるでしょう。
職場における内発的動機付けを促す方法とは
職場において従業員の内発的動機付けを促すには、いくつか方法があります。以下では、5つの方法を解説します。
業務の目的を明確化する
従業員に仕事の目的や意義を明確に伝えることは、従業員の内発的動機付けを高めるうえで極めて重要です。会社の将来像や戦略を共有し、一人ひとりの業務がそれらの実現にどのように結びついているかを説明することで、従業員が仕事に価値を見出し、個々で自発的に取り組むようになります。また、従業員の興味や関心、強みを引き出し、それを業務に反映させることも大切です。
従業員の自律性を尊重して裁量権を与える
従業員の自立性を尊重し、業務における意思決定の権限を委ねることは、内発的動機付けを高める効果的な方法のひとつです。自分の判断で仕事を進められる環境では、創造性や問題解決能力が最大限に発揮されやすくなります。また、自律性を尊重することで、仕事への責任感とやりがいも高まるでしょう。企業には、従業員の裁量権を適切に設定し、自立的な働き方を支援することが求められます。
スキルアップの機会を提供する
従業員一人ひとりにスキルアップや新たな挑戦の機会を提供することは、従業員の有能感を満たし、仕事へのモチベーション向上につながります。たとえば、教育研修の実施や資格取得支援、希望業務へのアサインなど、多様な方法で成長をサポートしましょう。スキルアップの機会が豊富にあれば、従業員の自己効力感が向上し、自発的な学習と成長の促進が期待できます。
目標設定とフィードバックのプロセスを確立する
従業員が自身の目標に向かって着実に前進していると実感できるよう、適切なフィードバックを提供することも大切です。従業員は、上司や同僚から的確なアドバイスやサポートを受けられれば、自分の能力や成長に対する自信を深められます。自分が成長しながら目標達成に近づいているという感覚は、個々の有能感を高め、さらなる努力を促す原動力となるでしょう。
組織内のコミュニケーションを活性化して関係性を深める
従業員同士が互いを理解して助け合える職場環境は、内発的動機付けで重要となる関係性の欲求を満たし、仕事への意欲を高めます。具体的には、定期的な会議やミーティングを通じて情報共有と意見交換を促進しましょう。ほかにも、チームビルディング研修や社内イベントで従業員同士の絆を深めることも大切です。
また、オンラインでコミュニケーションがとれるツールなどを導入して、組織や勤務地といった垣根を越えて全社員が気軽に交流できる場を設けることも、コミュニケーションの活性化に役立つでしょう。
まとめ
内発的動機付けは、自発性や創造性を引き出し、一人ひとりの生産性やエンゲージメントの向上につながります。組織は従業員の自律性を尊重し、スキルアップの機会を提供して目的意識を明確にすることで、内発的動機付けを促進できるでしょう。内発的動機付けを理解することが、個人と組織の持続的な成長と発展のカギになるといえます。
「Commune for Work」は、従業員の内発的動機付けにつながる機能が豊富なツールです。一般的なビジネスチャットとは異なり、気軽に会話できる環境を整備でき、従業員が能動的にほかの人とコミュニケーションを取れるようになるため、内発的動機付けにつながります。
また、社内コミュニケーションの活性化やエンゲージメント向上にもつながり、組織全体の発展に貢献します。この機会にぜひ、「Commune for Work」の導入を検討してみてください。
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