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マーケティング
データ活用とは?データ分析との違い、メリット、課題、手順を解説
2024/09/06
「データ活用」はビジネスではよく耳にする言葉ですが、実際にどのようなものなのか、メリットが分からなかったりという方は多いのではないでしょうか。
データ活用とは、一言で言えば「収集・蓄積したデータの取捨選択・分析・加工・検証などを行い、自社のビジネスの拡大や課題解決のために継続的に利用すること」です。
データを活用すると、売上向上やコスト削減など様々なメリットがあります。
今回は、データ活用をする際に押さえておくべきポイントや流れを分かりやすく解説します。
目次
データ活用とは何か
データ活用とは、収集・蓄積したデータの取捨選択・分析・加工・検証などを行い、自社のビジネスの拡大や課題解決のために継続的に利用することです。
総務省の「デジタルデータの経済的価値の計測と活用の現状に関する調査研究」によると、「データ分析に基づいた経営判断の実施」をしている企業が4割程度となっており、データに基づく経営が重要視されてきていることうかがえます。
データ活用における企業の現状
総務省が発表した「令和2年 情報通信白書」によると、大企業で約9割、中小企業でも半数を超える企業がデータ活用に取り組んでいると報告されています。
データ活用とデータ分析の違いとは
データ分析は、データ活用のプロセスの1つです。収集データや蓄積データ、加工データなどを整理した後、目的に応じて分析します。
ビッグデータとは
ビッグデータ(Big Data)とは、人間では全体を把握することすら困難な巨大なデータ群のことです。一般的にはVolume(量)、Variety(多様性)、Velocity(速度・頻度)の「3つのV」を高いレベルで備えている情報と定義されることがい多いです。また近年では、これにVeracity(正確性)とValue(価値)を加えた「5つのV」をビッグデータと定義とするとも言われています。
ビッグデータの活用方法
膨大な情報量を含むビッグデータの分析ができれば、より精度の高い予測が可能です。例えば、経験が必要とされる現場でビッグデータの予測分析に基づく意思決定を徹底すれば、属人的な業務から脱却することができます。また、季節ニーズに応じたダイナミックプライシング(変動型価格)もビックデータと活用し実現している物です。
データの種類と、分類するためのアプローチ方法
企業が主に使用するデータの種類は以下になります。
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- 顧客データ
- 電子メールデータ
- アクセスログ
- 経理データ
- 業務データ
- 販売記録データ
企業や業界によって活用するデータの種類は異なるものの、さまざまなデータが存在します。自社で保有するデータ以外にも、公的機関や業界紙、競合他社の公表情報などに記載されているオープンな情報も、データとして活用することができます。
データを分析するアプローチ方法としては
-
- 仮説立証的アプローチ
- 仮説探索的アプローチ
の2つがあります。
仮説立証的アプローチとは、既に存在している仮説をデータによって立証する方法です。一方、仮説探索的アプローチとは、仮説がない・薄い状態でデータから仮説を見つける方法です。
例えば、「あるカテゴリの商品は冬に高齢者に多く売れる」という仮説があれば、それを立証するデータを探すのは簡単ですが、探索的なアプローチでこの結果にたどり着くのは時間がかかる可能性が高いです。一方、仮説探索的アプローチには思いがけない結果にたどり着く可能性があるというメリットがあります。
kk売上データや商談データを収集、統合、分析することで、顧客ニーズ、嗜好、興味関心、行動の傾向などを高い精度でリサーチ・把握ができます。過去のデータから未来の予測を行なう予測的分析から、顧客のニーズを正確に捉えることができるようになり、売上向上に繋がります。
また、リアルタイムで収集・蓄積したデータを分析・活用できれば、最新の流行・ニーズに基づいた研究・開発・営業などが可能になります。
コスト削減
データ活用により、コスト削減とリスク管理の効果が期待できます。例えば、蓄積データから売上や必要在庫を予測できれば、余剰在庫や配置人員を事前に削減することができます。
グループ内の企業の購買データを統合し活用することで、同じ商材、部材や備品を安価に購入できている部門を見つけ、コスト削減につなげることもできます。
業務効率化
企業やベテラン従業員に蓄積している属人的なノウハウやナレッジ、リスク管理方法などを分析することで、業務効率化が図れます。
また、業務フローや製造ラインにおいて無駄な業務や工数が発生している箇所をデータ活用で洗い出し、分析結果を基に業務改善へつなげることが可能です。
戦略策定
今までは、抱えている問題の解決方法や新しいビジネスは、経験や勘に頼ったものが一般的でしたが、データ分析による市場の需要予測や競合分析により、市場ニーズに合った製品やサービスの開発、新規事業の展開が可能になります。
データ活用の課題点
データ活用における課題は、投資対効果、データ準備、難易度、現場での活用に大きく分けられます。
投資対効果
データ活用を行うにはコストがかかるので、経営陣の意思決定が必要になります。投資対効果を明らかにし、経営陣からの理解および予算をもらわないといけません。
データ準備
幅広いデータ活用をする場合は、データの収集や整備、構築したデータ品質を保つ仕組みやシステムの運営に莫大なコストがかかります。また、取得するデータの数が多かったり、個人情報を含んでいると、提供者を特定できてしまうことがあるため、データは個人が特定されない形式で保存し、セキュリティ対策をしっかりと行う必要があります。
難易度
データ分析やビッグデータ処理を効率的に行うには、ビジネス力、データサイエンス力、データエンジニアリング力が必要と言われています。これらのスキルが不足しているとデータ分析の十分な成果を得られません。
現場
データ活用は現場で継続して行うことで大きな成果を得られるものです。現場での活用のためには現場の理解・変革が必須となります。
データ活用のコツ
データ活用は経営テーマ・業務課題で決まる
データを活用して経営改革や業務改善を行うには、経営戦略や業務課題を明確に定義する必要があります。これらを定義した後に、対応策である経営施策や業務施策を立案し、それらの施策に必要な情報を明確化します。そして、どのデータを使って、どのようにその情報を作り出すのかを検討します。このようなプロセスを経ることで、はじめてデータ活用で経営や業務に役立つことができます。
データを活かせる業種や領域を知る
どの業種、領域でも簡単にデータを活用できるわけではありません。業種は必要条件を満たせば、基本的に全業種でデータを活かすことができます。データを生かすことができる領域は「製品・サービスの開発」、「マーケティング」、「生産・製造」、「保守・メンテナンス・サポート」が挙げられます。
「何らかの意思決定・判断・評価等を行っている箇所の特定」、「その意思決定等に関するデータが十分に利用できること」が必要条件です。
データ分析の人材確保、ツールの活用
日本では、データ分析人材は比較的新しい職種であり、また国内でデータ分析を学べる教育機関が少ないため、人材不足が課題です。企業はDX化を推進するにあたりデータ人材のニーズが高まっていますが、それと同様にデータ分析をするAIによって自動化する動きも進んでいます。事業部門によるデータ分析のセルフ化も進み、データ人材が担う仕事は、今後AIが一部対応できると予想されます。そのため、データ分析についての知識がない人材でも活用できる場面は増えますし、データ人材は自動化されたツールを活用することでより高度な業務に取り組めるようになるとされています。
データ活用の流れ
データ活用の目的を決める
まずは、データ活用によって何を実現したいのかという目的を決めます。
目的によって、必要となるデータや分析の視点が異なるため、「売上を向上させる」、「営業活動を効率化する」というように目的を明文化します。
データを収集する
データ活用の目的に応じて、どのようなデータが必要なのかを検討します。データの数と種類が多いほど分析の質が上がるため、社内データに限らず外部データも積極的に入手しましょう。
データを加工する
データを収集したら、図表やグラフで表すなどわかりやすいように加工しましょう。データそのものは文字や数字の羅列なので、図表やグラフという形にすることで初めて、誰が見ても理解できるようになり、議論や分析の材料として使えるようになります。
データを分析する
データを加工したら、データの意味を読み取る分析をしていきます。
図表やグラフ化されたデータを注意深く観察し、以下のような観点に当てはまるものがないか探っていきます。
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- 規則性 一定のルールで繰り返される事象はあるか
- 異常値 データ全体から突出する値はあるか
- 因果関係 特定の原因によってもたらされた結果はあるか
- 相関関係 条件と結果の間に密接なかかわりがあるか
この作業によって、データのもつ特性が明らかになり、ビジネスにどう活かすかのヒントが得られます。
効果の検証なくしてアクションプランの成功はあり得ないからです。仮に最初の実践で成果を挙げたとしても、その理由や持続可能性を検証しなければ、まぐれ当たりで終わってしまうかもしれません。
アクションプランを策定する
データ分析をしたら、それによって掴んだ現象や傾向を基に、目的を達成するためのアクションプランを策定します。データ分析の結果に基づいて、何をどのようにすれば目的を達成できるのかを具体的に考えましょう。
プランの効果を検証する
アクションプランを策定して実践したら、その効果について検証します。仮に最初の実践で成果を挙げたとしても、その理由や持続可能性を検証しなければ、まぐれ当たりで終わってしまうかもしれません。最初に設定した目的をどの程度達成できたのか、データに基づいて評価しましょう。
データ活用の具体事例
営業力の強化を目的にデータ活用した企業では、ノンプログラミングでのダッシュボード構築とデータ連携ツールを活用した他社製品との柔軟な連携が解決策となりました。その結果、各営業担当者の売上実績や進捗状況をデータで把握できるようになり、さらに全社的な営業戦略に基づいたお客様のRFM分析を推進を実現しました。
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まとめ
本記事では「データ活用」をテーマに解説しました。以下で要点を簡単にまとめます。
データ活用とは、一言で言えば「収集・蓄積したデータの取捨選択・分析・加工・検証などを行い、自社のビジネスの拡大や課題解決のために継続的に利用すること」です。
ビッグデータとは、人間では全体を把握することすら困難な巨大なデータ群のことです。膨大な情報量を含むビッグデータの分析ができれば、より精度の高い予測が可能です。
企業が主に使用するデータの種類は以下になります。
- 顧客データ
- 電子メールデータ
- アクセスログ
- 経理データ
- 業務データ
- 販売記録データ
データ活用のメリットは4つあります。
- 売上向上
- コスト削減
- 業務効率化
- 戦略策定
データ活用における課題は、投資対効果、データ準備、難易度、現場での活用に大きく分けられます。
データ活用のコツは3つあります。
- データ活用は経営テーマ・業務課題で決まる
- データを活かせる業種や領域を知る
- データ分析の人材確保、ツールの活用
データ活用の流れは下記になります。
- データ活用の目的を決める
- データを収集する
- データを加工する
- データを分析する
- アクションプランを策定する
- プランの効果を検証する
本記事を参考にしていただき、データ活用を成功させましょう。
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