
コラム
マーケティング
オンラインコミュニティが企業にもたらす利益とインパクト -日本語訳-
2024/08/30

本記事は、北米を中心にコミュニティツールを提供するVanilla Forumsより発表された「コミュニティ施策に関する経営者へのアンケート調査の結果」の一部を日本語訳したものとなります。
出典(英語):「Vanilla Online Communities: The Benefits and Impacts on Organizations 2019」(Vanilla Forums)
目次
- 注目すべき5つの重要な結果
- 1. エンゲージメントが最も大きな課題である
- 2. オンラインコミュニティは最重要事業課題の解決に寄与する
- 3. 自社ブランドコミュニティは最も効果的である
- 4. 専属のコミュニティマネージャーにより、コミュニティの影響力やパフォーマンスが向上する
- 5. サポートコミュニティはナレッジベースを有する傾向にある
- 5つの重要な結果の詳細分析
- 1. エンゲージメントが最も大きな課題である
- 2. オンラインコミュニティは事業上のトップの課題解決に寄与する
- 3. 自社ブランドコミュニティは最も効果的である
- 4. 専属のコミュニティマネージャーにより、コミュニティの影響力やパフォーマンスが向上する
- 5. サポートコミュニティはナレッジベースを有する傾向にある
アンケート概要
近年、様々な研究結果によってコミュニティの価値が明らかになってきました。しかし、実際の現場においてコミュニティが発揮する価値をどれほどの人が正しく認識しているのでしょうか。
そこで、以下の問いを明らかにすべく、約400名の経営者にアンケートを実施しました。
・コミュニティを持たない企業が直面している事業上の問題は何か?
・オンラインコミュニティを持つことは、これらの問題解決に繋がるのか?
・ならば、オンラインコミュニティはどこまでこれらの問題解決に繋がるか?
・自社ブランドコミュニティはこれらの問題をソーシャルメディア上のコミュニティよりも解決できるのか?
調査対象
今回、調査の対象になった企業の規模は様々でしたが、そのほとんどはテクノロジー産業に属しています。

また、アンケート回答者を「有するコミュニティのカテゴリ―別」に3つに分類しました。結果的に、約75%の企業が何らかのコミュニティ施策に取り組んでいると判明しました。

*ブランドコミュニティ:自社の保有しているドメイン傘下あるいは、あるいはサブドメインとして存在するコミュニティ(例: domain.com/forum あるいは forum.domain.com )
*ソーシャルメディアコミュニティ:FacebookやTwitter、Linkedin等で形成されるコミュニティ
注目すべき5つの重要な結果
1. エンゲージメントが最も大きな課題である
経営者にとって最大の課題は、「顧客エンゲージメントの向上」に他なりません。
2. オンラインコミュニティは最重要事業課題の解決に寄与する
オンラインコミュニティを有する企業は、コミュニティ施策を行っていない企業が苦戦している事業上の課題において効果的な解決策を見出しています。
3. 自社ブランドコミュニティは最も効果的である
全体的に、自社ブランドコミュニティは、ソーシャルメディア上のコミュニティよりもビジネスの課題を解決する上で効果的です。回答者の多くは自社ブランドコミュニティを通して高いパフォーマンスを発揮しているようです。
4. 専属のコミュニティマネージャーにより、コミュニティの影響力やパフォーマンスが向上する
専属のコミュニティマネージャーを有するコミュニティは、専属のコミュニティマネージャーがいないコミュニティよりも良いパフォーマンスを発揮しています。
5. サポートコミュニティはナレッジベースを有する傾向にある
製品・サービスのカスタマーサポートを提供するコミュニティは、サポート戦略の一環としてナレッジベースを有する傾向にあります。
以下、それぞれの詳細をアンケート結果とともに解説していきます。
5つの重要な結果の詳細分析
1. エンゲージメントが最も大きな課題である
顧客のエンゲージメントを得ることが経営者にとって最大の課題です。 これは、「自社ブランドコミュニティを有しているか否か」「ソーシャルメディア上でコミュニティを運営しているか否か」または「コミュニティ施策を行っているか否か」を問いません。
今回の調査によって、顧客エンゲージメントの獲得においては、次の順で課題が軽減されることが明らかになりました。最も課題を抱えているのが「コミュニティ施策を行っていない企業」、次に「ソーシャルメディア上のコミュニティを運営している企業」、最後に「自社ブランドコミュニティを有する企業」です。
顧客エンゲージメントに関する課題

顧客エンゲージメントを高める一番の方法は、自社ブランドコミュニティを持つこと・専属のコミュニティマネージャーを配置することである
2. オンラインコミュニティは事業上のトップの課題解決に寄与する
オンラインコミュニティは企業が直面する5つの課題の解決・サポートに貢献する可能性があります。
(1) 57%の企業は顧客エンゲージメントに苦戦している
オンラインコミュニティは顧客エンゲージメントの課題を軽減しています。
(2) 55%の企業は顧客体験の向上に苦戦している


良い顧客体験は「顧客のリテンション」や「新たなリード獲得」、「売上向上」など事業上の重要指標へ貢献するのです。
(3) 46%の企業はブランドビジビリティに苦戦している
(4) 38%の企業はブランドロイヤルティの維持と管理に苦戦している

(5) 41%の企業は良質なフィードバックを得ることに苦戦している
「自社ブランドコミュニティ」、「ソーシャルメディア上のコミュニティ」は良質なフィードバックを得るためのプラットフォームになっており、企業にポジティブな影響を与えています。
オンラインコミュニティは企業が直面するこれら5つの課題の解決・サポートに貢献する可能性があるのです。
3. 自社ブランドコミュニティは最も効果的である
総合的に、自社ブランドコミュニティはソーシャルメディア上のコミュニティよりも効果的であることがわかりました。


4. 専属のコミュニティマネージャーにより、コミュニティの影響力やパフォーマンスが向上する
専属のコミュニティマネージャーを有する自社ブランドコミュニティは、専属のコミュニティマネージャーがいないコミュニティよりも高いパフォーマンスを発揮しています。


- 自社ブランドコミュニティに専属のコミュニティマネージャーを配置することで、最大12%のパフォーマンス向上が可能
- 管理されているオンラインコミュニティを持つことで、エンゲージメントによる負担を44%軽減
5. サポートコミュニティはナレッジベースを有する傾向にある
製品・サービスのカスタマーサポートを提供するコミュニティは、サポート戦略の一環としてナレッジベースを有する傾向にあります。
ナレッジベースに関する調査

アンケート結果詳細
アンケート回答者の24%は「オンラインコミュニティを持っていない」と答えました。 そのうち、28%は「1年以内にオンラインコミュニティの立ち上げを検討している」と回答しています。
コミュニティ施策を行わない傾向にある産業

コミュニティを持たない企業が今抱えている事業上の課題トップ10
- コミュニティを持たない企業の約30%が1年以内にコミュニティの立ち上げを検討
- コミュニティを持たない企業が抱える課題は、顧客エンゲージメント、顧客体験、ブランド認知の向上
調査によって、自社ブランドコミュニティを有する企業の66.3%は専属のコミュニティマネージャーを配置していることが分かりました。
一方、専属のマネージャーを配置していない企業では、多くの場合CEO/オーナー/設立者がコミュニティのマネジメントを担当しています。
自社ブランドコミュニティは誰が管理しているか

ソーシャルメディア上でコミュニティを有する企業
ソーシャルメディア上のコミュニティの約64%はFacebookで運営されています。 このうち、15%は1年以内に以下の理由で自社ブランドコミュニティへの移行を検討しています。
- コミュニティの管理を強化したい (67%)
- ゲーミフィケーションやアイデアを受け付ける機能を実装したい(67%)
誰がソーシャルメディア上のコミュニティを運営しているか
ソーシャルメディア上のコミュニティを運営するスタッフの役職は、ソーシャルメディアマネージャーよりもコミュニティマネージャーの方が多いことがわかりました。

コミュニティの目的

コミュニティの成果に関する調査結果

自社ブランドコミュニティへ移行したきっかけ

まとめ
以上、北米約400名の経営者に対して実施された「コミュニティ施策」についてのアンケート結果の一部を日本語翻訳に致しました。
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・コミュニティマーケティングとは何か
・なぜいまコミュニティマーケティングが重要なのか
・なぜコミュニティがユーザーインサイト獲得に効果的なのか
いま注目される「コミュニティマーケティング」とはどのようなものか、なぜいま重要なのかについて、社会的な背景や実際のコミュニティ施策先行企業の事例も含めてご紹介をいたします。