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Commune活用事例集
Communeをご利用いただいているお客様の活用方法をまとめてご覧になれる事例です。お客様の課題や目的ごとにどのような活用方法があるのか、どのような成果を得られているのかがわかります。
株式会社タンガロイ
課題
活用方法
成果/これからの目標
株式会社タンガロイは創業から一貫して、「超硬工具」と呼ばれる、ダイヤモンドのように硬い材料を使った工具の製造と販売を行っています。主力製品は金属部品を削る目的に使用する切削工具で、主に製造業の現場で使われています。他に一般の方にも想像しやすい分野では、バイクのブレーキパッドに使われる「摩擦材料」や、ボールペンの先端についている金属ボールといった「耐摩耗製品」にも弊社の技術が使われています。
創業90年以上の歴史を持ち、その長くは東芝グループの一員として東芝タンガロイという社名でしたが、分社化を経て2008年から外資系のIMCグループに加り現在にいたります。販売先としては年々海外の割合が増えており、今では7割近くに達していますが、もちろん国内の製造業のお客様も大切な存在であることには変わりありません。
そうですね。ただし企業が相手といっても、実態はBtoBよりもBtoCに近いスタイルだと捉えています。商社や代理店を経由した流通経路ではありますが、弊社は毎月新製品が出るほどアイテム数が多いうえ、業務用としては数万円程度のお手頃な価格であることも影響しており、職人さんが直接買い付けているケースが多いです。
そこが難しいところで、商社や代理店は弊社の製品だけを取り扱うわけではないことから、「新商品を数多くリリースしても、なかなかエンドユーザーに魅力を伝えられていない」というもどかしさを感じていました。日頃の営業や展示会といったイベントでしか、職人さんとの接点を作れていなかったんです。
そこで近年はエンドユーザーと直接つながるため、デジタルでのコミュニケーションに注力しています。自社で切削工具や加工技術に関するWebコンテンツを作成し、MAツールやメルマガを通してユーザーへ直接アプローチする試みは一定の効果がありましたし、X(旧・Twitter)やYouTube、TikTokなどのSNSも同様の投稿を中心に運営し、順調にフォロワーを増やしています。
大きなきっかけとなったのは、弊社が運営するYouTubeのコメント欄で、お客さま同士が工具の使い方を議論している様子を見かけたことでした。ニッチな製品で人数は少ないかもしれませんが、専門的でディープな議論の場を求めている方々の存在をはっきりと認識しました。
この頃はメルマガやSNSでもできるだけ「多くの人が必要とする情報」の配信を優先していました。しかし、万人受けする情報が果たして「エンドユーザーの本当に欲している情報」なのか、もっと別のニーズがあるのではないかという新たな疑問も生まれていました。エンドユーザーとは繋がれたものの、弊社から一方通行の情報発信であることを物足りなくも感じており、そこで双方向のコミュニケーションが取れて、より深い情報提供ができる場としてコミュニティの可能性に注目しました。
コミュニティ立ち上げまでのスピードが圧倒的に速いことが決め手になりました。他社のサービスとも比較検討しましたが、他社からは構築と検証作業だけで約半年かかると説明を受けたのに対し、Communeは弊社が依頼してからすぐにデモ環境を用意してもらえたうえ、実際に1か月程度でコミュニティを立ち上げられました。
弊社は施策のスピード感にこだわりがあり、コンテンツ制作やSNS運用をすべて自社で行ってきました。制作動画をすばやく公開して、反応を見てアップデートするなど、多少の失敗は許容しつつトライ・アンド・エラーを繰り返しているため、コミュニティの立ち上げもスピーディに進めたかったんですよね。
とはいえコミュニティ運営に関しては弊社にノウハウがないため、すべて自社で賄うことは現実的ではなく外部サービスを探していたところ、コミュニティ運営の専業会社としてすでに多くの実績があり、経験やナレッジをお持ちなことも頼もしく感じてCommuneを選びました。
コミュニティの方向性は早いうちから決めていました。名前はユーザーからの募集と投票で決定し、切削加工の情報交換が主な目的ということで「キリコミ」と名づけました。とはいえ一足飛びにやりたいことのすべてを実現するのは難しいので、まずは実現したいロードマップを作成しました。具体的には次の3つのフェーズがあります。
■フェーズ1:ユーザーを集めて、コミュニティを活性化させる
■フェーズ2:お客様との交流やお客様同士のやり取りから課題やニーズを把握する
■フェーズ3:実際の製品開発や営業戦略として活かす
フェーズ1のKPIとして登録ユーザー数の目標を定める際には、BtoB型コミュニティの実績をコミューンさんに教えてもらい、年度末(2024年3月)までに500名の登録を掲げました。
コミューンさんには初期から様々なアドバイスを受けましたが、特に効果のあった取り組みは、Xでの投稿によく反応してくれるフォロワーの方を個別にコミュニティへとお誘いしたことです。Xでアクティブな方は、コミュニティへの参加もご快諾してくれて、立ち上げ当初から投稿やコメントでコミュニティを盛り上げてくれるコアユーザーになりました。このようなコアユーザーは、ローンチ直後のコミュニティにとっては何よりも大切な存在ですね。
「キリコミ」をオープンしたのは2023年11月ですが、当時はほぼ毎週ミーティングを実施していました。SNSの運用経験から、コミュニティ運営が軌道に乗るまではかなりの人的リソースが必要だと覚悟していましたが、1週間の動きやタスク整理をしていただいたおかげで、期日通りに業務を進行できました。司令塔のような安心感・信頼感があります。
メルマガやSNSを運用していた影響で、初日から400名に登録していただき、わずか1か月で年度末までの目標を達成できました。Xでのフォローをきっかけに登録してくれたユーザーが率先して書き込みをしてくれて、コミュニティが早くから盛り上がったのが大きかったですね。現在は約660名の方に参加いただいていますが、ユーザーの75%が定期的にログインし、4人に1人は投稿やコメントなどのアクションを残してくれています。
コミューンの担当者によると非常に高い数字だということですが、弊社が予想していたように技術的な話題で「語りあいたい」「教えたり、学んだりしたい」という技術マニア的な志向性が背景にあるためではないかと思います。
タンガロイ製品単体のコミュニティではなく、「切削工具のコミュニティ」であることを心がけています。お客様は工具の情報交換をしたいのであって、それがタンガロイの製品かどうかはあまり関係がありません。そのため、コミュニティを盛り上げるためにも、オープンなコミュニティにしたほうがよいと考えました。 入会資格にも制限を設けていないため、競合メーカーの社員も参加してくれています。
意外かもしれませんが、実は切削工具の世界では、工具の正しい使用方法が確立され、広く知られているわけではありません。工具を使用する際のちょっとしたコツを投稿するとコメントが集中し、皆さんに共通した課題や悩みがあるのだと実感します。
長年、弊社でも「製造業では自社の情報公開はご法度」だと考えてきましたが、最近はだいぶ変わってきたようです。弊社製品を使った事例紹介に協力してくれる企業や、SNSで製造業の公式アカウントも明らかに増加してきました。
情報の一部を共有することで、他社との情報交換を促し、自らのさらなるレベルアップにつなげたいと考えるお客様が増えてきているように思います。
コミュニティ向けのネタは、すでに豊富に持っていると感じています。かなりニッチな話題でも「製造業あるある」のような、「こうやったらうまくいく」「こんなことで悩んでいる」というような投稿は共感されるんですよね。過去にSNSで投稿したネタを再利用することもありますし、逆に「キリコミ」の内部で出てきた質問の一部をXに投稿することで「コミュニティに入るとこんな議論ができるので、ぜひ入会しませんか」などと、コミュニティの勧誘にも活かせています。
社員の意識にも変化が表れ始めて、技術部門や製品開発部門の数名の社員が会員の皆さんから寄せられた質問や悩みに対して積極的に答えてくれています。ものづくりに携わる者として、「世話を焼きたい」のかもしれません。
まずはコミュニティ会員数の増加です。1年で現在の2倍以上、1,500名程度の規模にしたいと考えています。そしてさまざまな情報が得られる活発なコミュニティを作るのと同時に、お客様と弊社の営業担当者だけがじっくりコミュニケーションを取れる場所も作っていきます。オンラインですが、個室の商談ルームのようなバーチャル空間で課題をお聞きして、マーケティングや製品開発に活かすのがねらいです。
やがては弊社の企業文化を、顧客中心型に移行していきたいと考えています。製造業は、人手不足や後継者不足など暗い話題が取り上げられることが多いのですが、社会を支えるインフラのような存在でもあります。少しでも光をあてて、盛り上げていきたいと思います。
すでに計画は作っており、早期に実現したいのですが、日本と比べると弊社の認知度が低いため、まずはコアユーザーとなる初期メンバー集めにじっくり取り組んでいるところです。現在、海外のユーザーを毎月100人程度招待し、観光も兼ねたセミナーを展開しています。このような親和性の高いユーザー層をコアユーザーとし、海外向けコミュニティにおいても「キリコミ」と同じような活性化の道筋をつけていきたいと考えています。
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