チームワークとは？重要性や改善するための施策・ポイントを解説

まずは「チームワーク」の意味や目的について、次のポイントから解説します。

• 目標達成のための共同作業のこと
• チームワークが重要視される理由・背景
• 「チーム」と「グループ」の違い

チームワークとは、組織のメンバーが共通の目的や目標を達成するために、互いに協力して共同作業を行うことを指します。プロジェクトを成功させるには、個々の能力だけでなく「同じ方向を目指して協力する姿勢」が欠かせません。

一人ひとりの性格や価値観は異なりますが、その違いを理解し、互いの強みを生かし合うことで初めて高い成果が生まれます。心理学者ブルース・タックマンが提唱した「チーム形成の4段階モデル（形成期・混乱期・統一期・機能期）」でも示されているように、チームは摩擦や調整を経てこそ本当の力を発揮できるのです。

従来は、優秀な個人の活躍だけで組織が成果を出せるケースもありました。しかし、今日のビジネス環境は複雑化・多様化し、将来の予測が困難な「VUCA時代」と呼ばれています。市場の変化スピードが速く、不確実性が高いからこそ、一人の力では対応できない課題が増えています。

ハーバード・ビジネス・レビューの調査でも、複雑な課題ほど「多様なスキルを持つメンバーの協働」が成果につながると報告されています。つまり、良好なチームワークは変化の激しい時代を生き抜くための競争優位性そのものと言えるでしょう。

しばしば混同されるのが「チーム」と「グループ」です。両者の最大の違いは、共通目標の有無にあります。

• グループ：特定の目的で人が集まった集団であり、必ずしも全員が同じ目標を共有しているとは限らない。

• チーム：組織として共通の目標を掲げ、その達成に向けてメンバー全員が役割を担いながら行動する。

つまり、単なる人の集まりが「グループ」、成果を生み出すために結束した集団が「チーム」と言えるのです。

組織のチームワークが不十分な場合は、次のような問題やデメリットが生じる可能性があります。

チームワークが不足している環境では、メンバーの協力関係が希薄になり、ミスやトラブルが起きやすくなります。主体性を持つ人が少ないため、問題発生時に「自分は悪くない」と責任を押し付け合う“他責”が横行します。

この状態は心理学でいう「責任拡散（diffusion of responsibility）」とも関連し、誰もが自ら解決に動かなくなる傾向を強めます。その結果、信頼関係が損なわれ、さらに他責が増えるという悪循環に陥るのです。

異なる価値観や思考を持つ人が集まる以上、意見の衝突は避けられません。むしろ建設的な議論はチームの成長には必要です。

しかし、チームワークが欠如している場合は「相手を尊重する文化」が根付いていないため、意見の違いがすぐに個人攻撃や感情的な対立に発展します。結果として会議は形骸化し、意思決定スピードが遅れ、チーム全体の生産性も下がってしまいます。ハーバード・ビジネス・スクールの研究でも、心理的安全性が低いチームほど「対立が生産性低下に直結する」ことが報告されています。

役割が不明確な組織では、一部のメンバーが努力しても、他のメンバーが「働いているふり」でやり過ごしてしまうことがあります。こうした「ぶら下がり社員（フリーライダー）」は、周囲の負担を増やすだけでなく、努力している人のモチベーションを著しく下げます。

経営学ではこれを「社会的手抜き（social loafing）」と呼び、チームワークが弱い集団ほど発生率が高いとされています。この状態が放置されると、組織全体のパフォーマンス低下に直結し、優秀な人材の離職にもつながりかねません。

組織のチームワークを改善することで、次のようなメリットが期待できます。これは単なる理論ではなく、経営学や組織心理学の研究でも実証されている効果です。

チームワークが強化されると、メンバー間に信頼関係が生まれ、結束力が高まります。その結果、役割分担が明確になり、各自が自分のタスクに集中しやすくなります。業務の効率化は組織全体の生産性向上につながり、ひいては業界内での競争力強化にも寄与します。

実際、米ギャラップ社の調査によれば、エンゲージメントが高いチームは低いチームに比べて21％も生産性が高いと報告されています。

現代のビジネス環境は高度化・多様化しており、個人の力だけで乗り越えることは困難です。強固なチームワークのある組織では、メンバーが同じ方向性を持って力を合わせるため、個人では到達できない大きな成果を生み出すことが可能になります。これは単なる「足し算」ではなく、協働によって発揮されるシナジー効果が成果の質と量を押し上げるのです。

良好なチームワークのある職場では、メンバー同士の人間関係が健全で、互いの努力や成果が正しく評価されやすくなります。この環境は「切磋琢磨できる場」として機能し、メンバーの能力発揮を後押しします。

結果として、従業員のモチベーションやエンゲージメント（組織への貢献意欲）が高まり、離職率の低下にもつながります。Google社が行った「プロジェクト・アリストテレス」の研究でも、高業績チームの共通点は心理的安全性の高さであることが示されました。

チームワークが改善されると、情報の流れがスムーズになり、メンバー間での知識共有が活発になります。結果として、問題解決や意思決定のスピードが向上し、組織としての対応力も強化されます。

知識経営の分野では「ナレッジ・シェアリング」がイノベーションの基盤とされており、共有文化の有無は企業の成長スピードに直結します。

価値観や専門性の異なるメンバーが協力し合う環境では、多様な視点が交わりやすくなります。健全なチームワークがあれば、異なる意見は排除されるのではなく、新しい発想を生み出すきっかけになります。

これは「ダイバーシティ・マネジメント」の重要な効果の一つであり、企業のイノベーション創出や競合との差別化につながります。

組織のチームワークを高めるためには、抽象的な「協力」だけでなく、実際の仕組みや行動が欠かせません。以下のポイントを意識することで、チームの結束力を強化できます。

強いチームには「共通の旗印」が必要です。組織として目指すビジョンやゴールを明確にし、メンバー全員で共有することで、一人ひとりが同じ方向を向いて動けるようになります。さらに、チーム目標に加えて個人目標を設定すると、オーナーシップや達成意欲を引き出しやすくなります。

実際、経営学者ピーター・ドラッカーの「目標による管理（MBO）」も、明確な目標設定がパフォーマンスを高めることを裏付けています。

チームの力を最大化するには、それぞれの強みや専門性を生かした役割分担が不可欠です。役割が明確であれば責任感が生まれ、「自分が貢献している」という実感がメンバーのモチベーションを高めます。

逆に役割が曖昧だと「誰かがやってくれる」という心理が働き、いわゆるフリーライダー問題につながりかねません。適材適所の配置はチームワークの基盤です。

Googleが実施した「プロジェクト・アリストテレス」の研究でも、高業績チームの共通点として最も強調されたのが「心理的安全性」でした。心理的安全性とは、意見やアイデアを安心して表明できる環境のことです。この状態が整っていると、メンバーは批判を恐れずに発言でき、情報共有や学習のスピードが上がります。結果として、成果の質やイノベーションの可能性も高まります。

良質なコミュニケーションは、信頼関係の土台です。社内イベントやメンター制度、定期的な1on1などの取り組みによって、縦横のつながりを強化できます。

近年では、チャットツールやWeb会議システムなどのデジタル手段も不可欠になっています。ハイブリッドワークの広がりを踏まえると、意識的に「話す機会」を設けることが、対立や誤解を防ぐうえでますます重要になっています。

日常的な交流を促すには、社内SNSが有効です。従業員が気軽に情報を共有したり、称賛を送り合ったりできる場があると、信頼関係が自然と深まります。社内SNSは単なるツールにとどまらず、「心理的安全性の土台」として機能し、結果的にチームワーク強化やエンゲージメント向上につながります。

チームワークを改善することで、従業員のモチベーションや生産性の向上などが見込めます。チームワークを醸成するためには、社会コミュニケーションを活性化させることで、心理的安全性を高めることが可能です。その施策のひとつとして、社内SNSが注目を集めています。

社内SNS「Commune for Work」には、社内SNSとして必要な機能が網羅されています。社内コミュニケーションの活性化はもちろん、従業員エンゲージメントの向上や人材育成効果の最大化も実現でき、チームワークの強化につながるでしょう。この機会にぜひ、Commune for Workの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

以下のフォームから「3分でわかるCommune for Work」資料をダウンロードできます。社内コミュニティのメリットや具体的な事例をご確認いただけます。