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パレートの法則(2:8の法則)とは?意味・具体例・カスタマーサクセスでの活用方法を整理する

2026/01/08

パレートの法則(2:8の法則)とは?意味・具体例・カスタマーサクセスでの活用方法を整理する
コミューン編集部

コミューン編集部

パレートの法則(2:8の法則)とは、全体の成果の約80%は、全体の要素のうち約20%から生み出されている、という経験則です。「80:20の法則」とも呼ばれ、売上、顧客、業務時間、プロダクト利用など、ビジネスのさまざまな領域で引用されてきました。
 
とくにカスタマーサクセスの文脈では、「売上の8割は上位2割の顧客が生み出している」「成果の大半は一部の取り組みから生まれている」といった形で語られることが多く、施策の優先順位を考える際のヒントとして用いられています。
 
一方で、この法則はあくまで経験則であり、万能な正解ではありません。解釈を誤ると、「上位顧客だけを見ればよい」「残りの顧客は重要ではない」といった短絡的な判断につながり、結果としてLTVの成長や解約率の改善を阻害してしまうこともあります。
 
重要なのは、パレートの法則を顧客を切り捨てるための理屈ではなく、限られたリソースをどこに配分すべきかを考えるための思考フレームとして捉えることです。本記事では、パレートの法則(2:8の法則)の基本的な意味や具体例を整理したうえで、カスタマーサクセスや事業運営の実務において、どのように解釈し、どう活用すべきかを解説します。また、現場で陥りやすい注意点にも触れながら、判断材料として使える形に落とし込みます。

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目次

第1章 パレートの法則(2:8の法則)の基本を押さえる
パレートの法則とは何か
なぜ「2:8」という比率が語られるのか
カスタマーサクセス文脈で注目される理由
第2章 身近な事例から理解するパレートの法則
ビジネスにおける典型的な80:20の例
業務・プロダクト利用における偏り
カスタマーサクセスで見られる典型パターン
第3章 混同しやすい関連法則とその違いを整理する
パレート最適(パレート効率性)との違い
2:6:2の法則(働きアリの法則)との関係
最小努力の法則との使い分け
第4章 パレートの法則を実務にどう応用するか
経営・事業運営における使いどころ
カスタマーサクセス業務への落とし込み方
営業・マーケティングとの接続
第5章 パレートの法則を使う際に陥りがちな誤解
「上位2割だけ見ればよい」という誤解
8割の中に埋もれているシグナルを見落とすリスク
経験則であることを忘れない
第6章 パレートの法則をCS施策に落とすための実践視点
分布を「固定」ではなく「変化」として捉える
数値指標だけで判断しない
声をどう集め、どう解釈するか
第7章 パレートの法則を“使い切る”ために必要な次の一手
指標だけでは、偏りの正体までは見えない
継続的なVoCが、分布を動かす材料になる
「測る → 活かす → 回し続ける」ための基盤としてのCommune

第1章 パレートの法則(2:8の法則)の基本を押さえる

パレートの法則とは何か

パレートの法則とは、「成果の大部分は、全体の一部の要素から生み出されている」という偏りを示す経験則です。代表的な表現が「80%の成果は、20%の要素から生まれる」というものですが、これは厳密な数値を指すものではありません。重要なのは、要素ごとの影響度が均等ではなく、構造的な偏りが存在するという点にあります。

この法則は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが、所得分布の分析から見いだしたことが起源とされています。その後、経済だけでなく、経営、品質管理、マーケティングなど、幅広い分野で応用されてきました。

なぜ「2:8」という比率が語られるのか

パレートの法則が「2:8」や「80:20」という形で語られるのは、その比率が直感的に理解しやすく、現実の多くの事象に近い形で観測されるからです。売上、顧客満足度、業務成果などを分析すると、少数の要因が全体に大きな影響を与えているケースは珍しくありません。

ただし、実務では必ずしも80:20にきれいに当てはまるわけではなく、70:30や90:10といった分布になることもあります。そのため、この法則は正確な数値モデルではなく、傾向を捉えるための思考補助線として扱うことが前提になります。

カスタマーサクセス文脈で注目される理由

カスタマーサクセスの領域でパレートの法則が注目される理由は、顧客ごとのLTVや利用状況、サポート工数に大きなばらつきが存在するためです。実際、多くのSaaSやサブスクリプションビジネスでは、上位顧客が売上やプロダクト改善の示唆に大きく貢献しています。

一方で、CSにおけるパレートの法則は「上位顧客だけを重視すべき」という結論を導くものではありません。むしろ、どの顧客層に、どのような関わり方をすべきかを整理するための視点として活用することが重要になります。

第2章 身近な事例から理解するパレートの法則

ビジネスにおける典型的な80:20の例

パレートの法則は抽象的な理論ではなく、日々のビジネスの中で具体的な形として観測されます。たとえば売上構成を分析すると、全顧客のうち一部の優良顧客が売上の大半を占めているケースは珍しくありません。同様に、商品ラインナップを見ても、限られた商品が利益の大部分を生み出していることがあります。

これらの事例が示しているのは、「数が多いものほど重要」という直感が必ずしも正しくないという点です。成果を生んでいる要素は、量ではなく影響度によって決まっているという構造を、パレートの法則は可視化します。

業務・プロダクト利用における偏り

業務の進め方やプロダクトの利用状況にも、パレート的な偏りは現れます。チームでの成果を振り返ると、実際に価値を生んでいる作業は、全体の時間の一部に集中していることが多くあります。また、多機能なプロダクトであっても、利用頻度が高い機能はごく一部に限られる傾向があります。

このような偏りを把握できると、「すべてを平等に改善する」という発想から、「影響の大きい部分に集中する」という意思決定へと視点を切り替えやすくなります。

カスタマーサクセスで見られる典型パターン

カスタマーサクセスの現場では、売上だけでなく、サポート対応やプロダクト改善の示唆においても偏りが見られます。特定の顧客からのフィードバックが、機能改善やオンボーディングの質向上に大きく寄与するケースも多いでしょう。

ただし注意すべきなのは、声が大きい顧客や利用頻度の高い顧客だけが、常に「正しい方向」を示しているとは限らない点です。パレートの法則は、あくまで構造を理解するための視点であり、どの声をどう解釈するかは別途判断が必要になります。

 

第3章 混同しやすい関連法則とその違いを整理する

パレート最適(パレート効率性)との違い

パレートの法則と混同されやすい概念に、「パレート最適(パレート効率性)」があります。これは「誰かの満足度を下げずに、他の誰かの満足度を上げられない状態」を指す概念で、資源配分の効率性を評価する際に用いられます。

重要なのは、パレート最適は“状態”を示す概念であり、パレートの法則は“分布の傾向”を示す経験則であるという点です。前者は経済学的な判断基準、後者は観測されやすい偏りの説明であり、目的も使いどころも異なります。カスタマーサクセスの文脈では、両者を混同すると議論がずれてしまうため、切り分けて理解しておく必要があります。

2:6:2の法則(働きアリの法則)との関係

2:6:2の法則は、組織や集団において「よく働く2割、平均的な6割、あまり成果を出さない2割に分かれる」という考え方です。この法則は、パレートの法則から派生したものとして語られることが多く、組織マネジメントの文脈で引用されます。

ただし、これは人の能力を固定的に分類するための理論ではありません。人員構成が変わっても同様の分布が生まれるとされる点からも分かるように、構造的な役割分布を説明するための仮説として捉えるのが適切です。CS組織に当てはめる際も、評価や切り捨ての根拠として使うべきではありません。

最小努力の法則との使い分け

最小努力の法則は、人は複数の選択肢がある場合、最も少ない努力で目的を達成できる方法を選ぶ傾向がある、という考え方です。これは行動原理に近い法則であり、パレートの法則とは焦点が異なります。

両者を並べて理解すると、「なぜ一部の行動や機能に利用が集中するのか」という背景を説明しやすくなります。パレートの法則が“結果の偏り”を示すのに対し、最小努力の法則は“その偏りが生まれる理由”を補足する視点として役立ちます。

第4章 パレートの法則を実務にどう応用するか

経営・事業運営における使いどころ

パレートの法則は、経営や事業運営において「何に集中すべきか」を考える際の補助線として機能します。たとえば、複数の施策やプロジェクトが同時並行で進んでいる場合、それらすべてが同じだけの成果を生んでいることはほとんどありません。実際には、限られた施策が成果の大部分を支えているケースが多く見られます。

ここで重要なのは、「成果が出ている2割を見つけること」そのものよりも、なぜそこに成果が集中しているのかを構造的に理解することです。その背景を読み解くことで、再現性のある判断や、次の打ち手につなげやすくなります。

カスタマーサクセス業務への落とし込み方

カスタマーサクセスの実務では、顧客ごとにLTV、利用頻度、問い合わせ内容、解約リスクなどが大きく異なります。そのため、すべての顧客に同じ関わり方をするのではなく、顧客の状態や影響度に応じて支援の濃度を変える必要があります。

パレートの法則を使うことで、「どの顧客層に、どのタイミングで、どの程度のリソースを割くべきか」を整理しやすくなります。ただし、これは顧客を序列化するためではなく、限られたCSリソースを最適に配分するための視点として捉えることが重要です。

営業・マーケティングとの接続

パレートの法則は、CSだけで完結するものではありません。営業やマーケティングと連携することで、より大きな価値を発揮します。たとえば、継続率やアップセルにつながっている顧客の特徴を整理することで、理想的な顧客像(ICP)の精度を高めることができます。

また、CSが把握している「成果を出している顧客の行動」や「つまずきやすいポイント」は、マーケティング施策やオンボーディング設計にも活かせます。パレートの法則は、部門横断での共通言語としても有効です。

第5章 パレートの法則を使う際に陥りがちな誤解

「上位2割だけ見ればよい」という誤解

パレートの法則で最も多い誤解は、「成果を生んでいる上位2割だけを重視すればよい」という短絡的な解釈です。たしかに売上や利用頻度の観点では、上位顧客が大きな影響を持つケースは多くあります。しかし、それは残りの顧客が価値を持たないことを意味しません

特にカスタマーサクセスでは、今は成果に直結していない顧客が、将来的にLTVを伸ばす可能性を持っていることも少なくありません。現時点の分布だけを見て判断すると、成長の芽を自ら摘んでしまうリスクがあります。

8割の中に埋もれているシグナルを見落とすリスク

残りの8割の顧客や要素は、売上貢献度こそ低く見えるものの、プロダクト改善や体験設計の観点では重要な示唆を含んでいる場合があります。たとえば、解約に至った理由や、オンボーディングでつまずいたポイントは、必ずしも上位顧客からは見えてきません。

パレートの法則を過度に強調すると、こうした静かなシグナルを拾えなくなる危険性があります。CSの役割は、成果を出している顧客だけでなく、うまくいっていない顧客の声にも耳を傾けることにあります。

経験則であることを忘れない

パレートの法則は、あくまで多くのケースで観測されやすい「傾向」を示した経験則です。必ず80:20になるわけではなく、事業フェーズやプロダクト特性によって分布は大きく変わります。

そのため、この法則を絶対的な前提として意思決定するのではなく、自社のデータで確かめながら仮説として使う姿勢が重要です。数字の比率よりも、「どこに偏りがあるのか」「なぜそうなっているのか」を考えること自体に価値があります。

第6章 パレートの法則をCS施策に落とすための実践視点

分布を「固定」ではなく「変化」として捉える

カスタマーサクセスにおいて重要なのは、パレート分布を静的なものとして扱わないことです。上位2割・残り8割という構造は、あくまである時点での状態に過ぎません。オンボーディングの設計や活用支援の質が変われば、分布そのものは動きます。

つまりCSの役割は、「今の上位顧客を守る」だけでなく、8割側にいる顧客を、どうやって成果が出る状態へ引き上げるかにあります。パレートの法則は、現状把握のための視点であり、未来を固定するものではありません。

数値指標だけで判断しない

LTV、利用率、アクティブ率などの定量指標は、CS判断において欠かせません。しかし、パレートの法則を指標だけで当てはめると、顧客の文脈や背景が抜け落ちてしまいます。たとえば、利用頻度は低くても、導入目的を明確に果たしている顧客も存在します。

ここで重要になるのが、定量データと定性情報をセットで見る視点です。数値上は8割側に見える顧客の中に、次の成長を示唆するヒントが隠れていることは少なくありません。

声をどう集め、どう解釈するか

パレートの法則をCS施策に活かすためには、顧客の声(VoC)を継続的に収集し、文脈ごとに整理することが不可欠です。単発のアンケートや一部顧客の意見だけでは、分布の全体像は見えてきません。

とくに重要なのは、「成果が出ている顧客の声」と「うまくいっていない顧客の声」を切り分けて理解することです。両者を並べて見ることで、成功要因と阻害要因の違いが浮かび上がり、次に手を打つべきポイントが明確になります。

第7章 パレートの法則を“使い切る”ために必要な次の一手

指標だけでは、偏りの正体までは見えない

パレートの法則を通じて「成果の偏り」が見えても、それだけで打ち手が決まるわけではありません。LTVや利用率といった数値指標は、「どこに偏りがあるか」を教えてくれますが、なぜその偏りが生まれているのかまでは説明してくれないからです。

カスタマーサクセスの実務では、この「理由」の部分を捉えられない限り、8割側の顧客を引き上げる施策や、上位顧客の成功を再現する取り組みは属人的になりがちです。パレートの法則は出発点であり、結論ではありません。

継続的なVoCが、分布を動かす材料になる

分布を動かすために不可欠なのが、顧客の声(VoC)を継続的に集め、文脈ごとに整理する仕組みです。成果を出している顧客が何に価値を感じ、どこでつまずかなかったのか。一方で、うまくいっていない顧客は、どの段階で迷い、何が障壁になっているのか。

これらを一過性のヒアリングではなく、日常的な接点の中で蓄積し、横断的に比較できる状態を作ることで、パレート分布は「観測するもの」から「改善できるもの」へと変わります。

「測る → 活かす → 回し続ける」ための基盤としてのCommune

こうしたVoC活用を現実的に回していくうえで有効なのが、顧客との継続的な接点を持てるコミュニティという選択肢です。Commune は、企業と顧客が日常的に対話できる場を提供し、顧客の声や行動データを分断させずに蓄積・活用することを支援します。

コミュニティ上での投稿や反応、議論の履歴は、単なる「声の集合」ではなく、どの顧客層が、どのテーマで価値を感じているのかを立体的に捉える材料になります。これにより、パレートの法則で見えた偏りを、具体的な施策へとつなげやすくなります。

パレートの法則を「分かったつもり」で終わらせず、CS施策として機能させるために。測るだけでなく、活かし、回し続ける。その基盤づくりから考えることが、次の一手になります。

 

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