1. Commune コミュニティコンパス
  2. コラムの記事一覧
  3. 既存顧客向けマーケティングとは?新規獲得との違い、成果につなげる実践方法

コラム

マーケティング

既存顧客向けマーケティングとは?新規獲得との違い、成果につなげる実践方法

2026/01/08

既存顧客向けマーケティングとは?新規獲得との違い、成果につなげる実践方法
コミューン編集部

コミューン編集部

既存顧客向けマーケティングとは、すでに自社と関係を持つ顧客との接点を見直し、継続利用や価値実感を高めていくためのマーケティングの考え方です。
 
新規顧客の獲得に注力してきたものの、思うように成果が伸びない。獲得コストは上がり続け、解約率や利用停滞といった課題が後回しになっている──多くの企業で、こうした違和感が顕在化しています。
 
既存顧客向けマーケティングは、単なるフォロー施策やサポート強化ではありません。顧客との関係性を前提に、接点や情報提供のあり方を再設計し、長期的な価値創出につなげていく取り組みです。一方で、「CSとの違いが分からない」「KPI設計が曖昧」「施策が単発で終わってしまう」といった悩みを抱える現場も少なくありません。
 
本記事では、既存顧客向けマーケティングの定義や新規獲得との違いを整理した上で、実務で成果を出すための考え方や施策設計のポイントを解説します。

コミュニティ運用、お困りではありませんか?

コミュニティ運用、
お困りではありませんか?

  • 顧客の声やインサイトを拾いたいが、やり方がわからない
  • そもそもコミュニティ構築が難しい、うまく設定できない
  • コミュニティを作ったものの、うまく活性化できない
  • 担当者の感覚や属人的な対応に頼りがち etc..

Communeは専門家による手厚い支援で、戦略から運用までを伴走。
豊富な経験を持つ専任チームが、戦略設計からKPI設定、運営実務の代行まで一貫サポート。
成果につながるコミュニティ運営を実現します。

Communeは専門家による手厚い支援で、
戦略から運用までを伴走。
豊富な経験を持つ専任チームが、
戦略設計からKPI設定、
運営実務の代行まで一貫サポート。
成果につながるコミュニティ運営を実現します。

第1章:既存顧客マーケティングとは何か

既存顧客マーケティングの定義

既存顧客マーケティングとは、すでに自社の商品やサービスを利用している顧客、あるいは契約・購入経験のある顧客との関係性を前提に設計されるマーケティング活動全般を指します。対象は「まだ買っていない人」ではなく、「すでに接点を持っている人」です。

重要なのは、単なるフォローやアフターサポートではなく、顧客が自社の提供価値を継続的に理解・実感し、利用を深めていくための“関係設計”である点です。利用促進、継続率向上、アップセル・クロスセルなどが目的に含まれますが、それらは結果であって、中心にあるのは顧客体験の最適化です。

新規獲得マーケティングとの違い

新規獲得マーケティングが「いかに知ってもらい、選んでもらうか」を主眼に置くのに対し、既存顧客マーケティングは「いかに使い続けてもらい、価値を感じてもらうか」に重きを置きます。

そのため、KPIや時間軸、必要な情報も大きく異なります。新規獲得では流入数やCVRが中心になりますが、既存顧客では利用頻度、定着度、顧客の理解度といった指標が重要になります。両者は対立する概念ではなく、獲得した顧客との関係を育てることで、初めて新規獲得の投資効率も成立する、補完関係にあります。

なぜ“マーケティング”と呼ぶのか

既存顧客向けの取り組みは、カスタマーサクセスやサポートの仕事だと捉えられがちです。しかし、顧客にどのタイミングで、どの情報を、どのチャネルで届けるかを設計する行為は、本質的にマーケティングの領域です。

価値の伝え方や期待値の調整、体験の編集といった活動は、場当たり的な対応ではなく、意図を持って設計される必要があります。その意味で既存顧客マーケティングは、部門横断で顧客理解を深め、事業成長につなげるための中核的な役割を担う考え方だと言えます。

第2章:なぜ今、既存顧客マーケティングが重要なのか

新規獲得の限界とコスト構造

多くの企業で、新規顧客獲得は年々難易度が上がっています。広告費の高騰、競合サービスの増加、機能や価格だけでは差別化しにくい市場環境などにより、同じ成果を出すために必要なコストは増え続けています。

この状況下では、新規獲得だけに依存した成長モデルは不安定になりやすく、獲得後の顧客が十分に活用されないまま離脱してしまうと、投資が回収できません。こうした構造的な制約が、既存顧客との関係性を見直す必要性を強くしています。

LTV視点で見た既存顧客の価値

既存顧客は、すでに自社を選び、一定の信頼関係を築いている存在です。そのため、新規顧客と比べて追加提案や継続利用につながる可能性が高く、長期的な視点で見ると事業への貢献度は大きくなります。

LTV(顧客生涯価値)の観点では、解約を防ぎ、利用を深めることで、売上だけでなく事業の安定性も向上します。既存顧客マーケティングは、このLTVを引き上げるための活動であり、短期的な施策ではなく、中長期の成長戦略として位置づける必要があります。

BtoBにおける意思決定構造の変化

特にBtoB領域では、導入後の評価や継続判断に関わる人数が増え、意思決定がより複雑になっています。現場担当者だけでなく、管理職や経営層など、複数のステークホルダーが関与するケースも珍しくありません。

そのため、導入時だけでなく、利用フェーズにおいても継続的に価値を伝え、理解を更新し続ける必要があります。既存顧客マーケティングは、こうした複雑な関係性の中で顧客との共通認識を保ち、長期的なパートナーシップを築くための重要な役割を担っています。

第3章:既存顧客マーケティングで扱う主な施策

オンボーディングと活用促進

既存顧客マーケティングの起点となるのが、オンボーディングと活用促進です。契約や購入がゴールになるわけではなく、顧客が「使いこなせている」「価値を理解できている」と感じる状態に到達して初めて、関係性は安定します。

初期段階でつまずくと、その後どれだけ施策を重ねても利用は広がりません。導入直後の体験設計や、利用フェーズに応じた情報提供は、既存顧客マーケティングの基盤となる重要な要素です。

エンゲージメント施策の設計

既存顧客との関係を維持・深化させるためには、継続的なエンゲージメント設計が欠かせません。定期的なコンテンツ配信、イベントやウェビナー、コミュニケーションの場づくりなど、接点の設計は多岐にわたります。

重要なのは「頻度」ではなく「文脈」です。顧客の状況や関心に合わない情報を届け続けても、関係性は強まりません。顧客の理解度や課題感に合わせて接点を設計することが、既存顧客マーケティングの質を左右します。

アップセル・クロスセルへの接続

既存顧客マーケティングの成果として語られやすいのが、アップセルやクロスセルです。しかし、これらを目的に前面に出しすぎると、顧客にとっては「売り込み」に感じられてしまいます。

本来、アップセルやクロスセルは、顧客が自社の価値を理解し、次の課題に気づいた結果として自然に生まれるものです。既存顧客マーケティングでは、顧客の利用状況や声を踏まえながら、納得感のある形で次の選択肢を提示することが求められます。

第4章:既存顧客マーケティングのKPIと指標設計

よく使われる指標の整理

既存顧客マーケティングでは、解約率、継続率、LTV、利用頻度、アクティブ率、CSATなど、さまざまな指標が用いられます。これらは顧客の状態を把握する上で有効ですが、それぞれが示しているのは「結果」であり、「原因」そのものではありません。

たとえば解約率が上がったとしても、それが機能不足なのか、期待値のズレなのか、サポート体制の問題なのかは、数値だけでは判断できません。指標はあくまで状況を把握するための入口であり、単独で万能なものではないという前提が重要です。

数値だけでは見えない課題

KPI管理が強くなりすぎると、「数字を下げないこと」自体が目的化してしまうケースがあります。その結果、顧客の不満や違和感といった定性的な情報が軽視され、本質的な改善が後回しになることも少なくありません。

既存顧客マーケティングでは、数値の変化に一喜一憂するのではなく、「なぜその数値になっているのか」を考える姿勢が欠かせません。数字は問題を教えてくれますが、解決策までは示してくれない点を意識する必要があります。

KPIを“管理”ではなく“判断材料”にする

既存顧客マーケティングにおけるKPIは、現場を縛るための管理指標ではなく、次のアクションを考えるための判断材料として使うべきものです。

解約率や利用状況の変化を起点に、顧客の声や行動データを重ね合わせて解釈することで、初めて意味のある示唆が得られます。指標を責める対象にするのではなく、顧客理解を深めるためのヒントとして扱うことが、既存顧客マーケティングを機能させるポイントです。

第5章:既存顧客マーケティングが失敗する典型パターン

施策が単発で終わってしまう

既存顧客マーケティングでよくある失敗の一つが、施策が単発で終わってしまうことです。オンボーディング資料を整えた、イベントを一度開催した、アンケートを取った──それ自体は正しい取り組みでも、その後につながらなければ成果には結びつきません。

既存顧客との関係は時間とともに変化します。一度設計した施策を「やり切った」と判断してしまうと、顧客の状況とのズレが生じ、形骸化していきます。継続的に改善される前提で設計されていない施策は、既存顧客マーケティングとして機能しにくいのが実情です。

顧客の声が活かされない

アンケートやヒアリングで顧客の声を集めているにもかかわらず、実際の施策や意思決定に反映されていないケースも多く見られます。数値やコメントを集めること自体が目的化し、その後の分析や活用が追いつかない状態です。

この状態では、顧客にとっても「意見を言っても変わらない」という印象が残り、協力意欲が下がってしまいます。既存顧客マーケティングでは、顧客の声を“集める”だけでなく、“どう活かすか”までを含めて設計することが不可欠です。

部署ごとに分断されてしまう

既存顧客に関わる施策は、マーケティング、カスタマーサクセス、営業など複数の部門にまたがります。そのため、部門ごとに目的や指標が分断されていると、顧客にとって一貫性のない体験が生まれてしまいます。

たとえば、マーケティングは活用促進を狙っていても、営業は短期的なアップセルを優先している、といったズレがあると、顧客の信頼を損なう可能性があります。既存顧客マーケティングは、特定の部門だけで完結するものではなく、顧客理解を軸に横断的に設計される必要があります。

第6章:成果を出す既存顧客マーケティングの考え方

顧客理解を起点に設計する

既存顧客マーケティングで成果を出すためには、施策やチャネルから考え始めるのではなく、顧客理解を起点に設計することが欠かせません。年齢や業種といった属性情報だけでは、顧客が何に価値を感じ、どこでつまずいているのかは見えてきません。

重要なのは、顧客がどのような目的でサービスを使い、どの段階で不安や期待を抱くのかという「利用の文脈」を捉えることです。この理解があって初めて、届けるべき情報や接点の設計が意味を持ちます。

VoCを継続的に集め、活かす

既存顧客マーケティングでは、VoC(顧客の声)が重要な役割を果たします。定量データでは把握しきれない違和感や評価の背景を知るためには、顧客の言葉に触れる必要があります。

ただし、単発のアンケートや不定期なヒアリングだけでは十分ではありません。継続的に声を集め、変化を追い続けることで、施策の妥当性や改善ポイントが見えてきます。VoCは意思決定を支える材料として、日常的に活用される状態が理想です。

仕組みとして回る状態をつくる

属人的な対応に頼っていると、担当者が変わった途端に既存顧客マーケティングは機能しなくなります。成果を安定させるためには、顧客理解やVoC活用が仕組みとして回る状態をつくることが重要です。

情報の収集、共有、活用までを一連の流れとして設計し、誰が関わっても一定の判断ができる状態を目指します。既存顧客マーケティングは、一部の優秀な個人に依存するものではなく、組織として継続できる形で設計されるべき取り組みです。

既存顧客マーケティングを「回り続ける仕組み」に変えたい方へ

既存顧客マーケティングは、施策を増やすことよりも、顧客理解を更新し続けられるかどうかが成果を左右します。指標を見て、施策を打ち、結果を振り返る──このサイクルを回していても、顧客の「なぜそう感じたのか」「どこで違和感を持ったのか」が見えなければ、改善は頭打ちになりがちです。

重要なのは、顧客の声を単発で集めるのではなく、継続的に活用できる状態をつくることです。既存顧客との関係を、場当たり的な対応ではなく、事業の資産として積み上げていく。そのための一歩として、顧客の声の扱い方を見直してみてはいかがでしょうか。

顧客の声を「集めて終わり」にしないために

既存顧客マーケティングを実践する中で、多くの企業が直面するのが「顧客の声をどう扱えばいいのか」という問題です。アンケートは取っているが、分析や活用まで手が回らない。声は集まっているのに、施策や意思決定に反映されていない。こうした状態では、せっかくの顧客理解が組織に蓄積されません。

顧客の声を集める → 構造化する → 活用するまでを一貫して回す仕組みがあれば、既存顧客マーケティングは属人的な努力から、再現性のある取り組みに変わります。

たとえば Commune が提供するコミュニティ基盤や、顧客の定性データを横断的に分析できる Commune Voice のような仕組みは、顧客理解を組織全体で共有し、改善につなげるための選択肢の一つです。

既存顧客マーケティングを「施策の集合体」ではなく、「顧客との関係を育て続けるプロセス」として捉えることが、次の成長につながります。

コミュニティ運用、お困りではありませんか?

コミュニティ運用、
お困りではありませんか?

  • 顧客の声やインサイトを拾いたいが、やり方がわからない
  • そもそもコミュニティ構築が難しい、うまく設定できない
  • コミュニティを作ったものの、うまく活性化できない
  • 担当者の感覚や属人的な対応に頼りがち etc..

Communeは専門家による手厚い支援で、戦略から運用までを伴走。
豊富な経験を持つ専任チームが、戦略設計からKPI設定、運営実務の代行まで一貫サポート。
成果につながるコミュニティ運営を実現します。

Communeは専門家による手厚い支援で、
戦略から運用までを伴走。
豊富な経験を持つ専任チームが、
戦略設計からKPI設定、
運営実務の代行まで一貫サポート。
成果につながるコミュニティ運営を実現します。