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ユーザーインタビューとは?手順・実施する目的・成功するためのコツを紹介

2025/02/25

ユーザーインタビューとは?手順・実施する目的・成功するためのコツを紹介
コミューン編集部

コミューン編集部

商品やサービスの改善に不可欠なユーザーインタビュー。しかし、「どのように実施すれば良いのか」「どんな質問をすれば本音を引き出せるのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。この記事では、ユーザーインタビューの基礎から実践的なテクニックまで、現場ですぐに活用できるノウハウを詳しく解説します。また、継続的なユーザーコミュニケーションの新しい形についても紹介していきます。

ユーザーインタビュー

ユーザーインタビューとは、製品やサービスの開発・改善プロセスにおいて、実際のユーザーから直接的に情報を収集する調査手法です。単なるアンケートとは異なり、インタビュアーとインタビュイーが1対1で対話を行うことで、より深い洞察や予想外の発見を得ることができます。

特に、デジタルプロダクトの開発現場では、ユーザーインタビューはUXリサーチの重要な手法として位置づけられています。ユーザーの行動や思考プロセス、感情、ニーズを詳細に理解することで、より使いやすく価値のある製品を作ることが可能になります。

ユーザーインタビューの特徴として、以下の点が挙げられます。

【ユーザーインタビューの特徴】

  • 質的データの収集が可能
  • 非言語コミュニケーションの観察
  • その場での掘り下げ質問が可能
  • ユーザーとの信頼関係構築の機会

インタビューの形式は、目的や状況に応じて3つのタイプから選択することができます。それぞれの特徴を理解し、適切な手法を選択することが、効果的なユーザーリサーチの鍵となります。

構造化インタビュー

構造化インタビューは、事前に用意された質問項目に厳密に従って進められるインタビュー形式です。すべてのインタビュイーに対して、同じ質問を同じ順序で行うことで、データの定量的な比較や分析が可能になります。

この手法の最大の特徴は、高い再現性と客観性にあります。複数のインタビュアーが異なる時期に実施しても、同様のデータを収集することができます。特に、大規模な調査や、複数のユーザーグループを比較する際に効果的です。

ただし、質問の順序や内容が固定されているため、予期せぬ発見や深い洞察を得ることは難しい場合があります。そのため、既存の仮説の検証や、定量的なデータ収集が主な目的の場合に適しています。

半構造化インタビュー

半構造化インタビューは、基本的な質問項目を用意しながらも、状況に応じて柔軟に質問を追加したり順序を変更したりできる形式です。構造化インタビューの客観性と、非構造化インタビューの柔軟性をバランスよく組み合わせた手法といえます。

このアプローチでは、インタビュイーの回答に応じて適切な掘り下げ質問を行うことができ、予想外の発見や深い洞察を得る機会が増えます。また、基本的な質問項目があることで、必要最低限の情報は確実に収集することができます。

多くのUXリサーチでは、この半構造化インタビューが採用されています。製品開発の初期段階でユーザーニーズを探索する際や、既存製品の改善点を発見する際に特に効果的です。

非構造化インタビュー

非構造化インタビューは、事前に用意された質問項目を持たず、自然な会話の流れに沿って進められるインタビュー形式です。インタビュイーの発言や反応に応じて、その場で質問を考えながら対話を展開していきます。

この手法の最大の利点は、インタビュイーが自由に考えや経験を共有できることです。固定の質問に縛られないため、インタビュイーにとって本当に重要な事項や、予想もしていなかった課題が浮かび上がってくることがあります。

ただし、インタビュアーには高度なスキルが求められ、得られたデータの分析も複雑になりがちです。探索的なリサーチや、特定のトピックについて深い理解を得たい場合に適していますが、複数のインタビュー結果を比較することは難しい場合があります。

ユーザーインタビューが必要な理由

商品やサービス開発において、ユーザーの声を直接聞くことは、成功への近道です。データだけでは見えてこない真のニーズを発見しましょう。

定量データでは見えない真のインサイトを得られる

定量データは数値として明確な指標を提供してくれますが、その背後にある「なぜ?」という理由を説明することはできません。例えば、ウェブサイトの離脱率が高いというデータは、問題の存在を示唆しますが、なぜユーザーが離脱するのかという本質的な理由は教えてくれません。

ユーザーインタビューでは、実際のユーザーから直接、その行動の理由や感情を聞くことができます。「このボタンがわかりにくかった」「情報が多すぎて混乱した」といった具体的なフィードバックは、製品改善への直接的なヒントとなります。

定量データとユーザーインタビューを組み合わせる

このように、定量データとユーザーインタビューを組み合わせることで、より効果的な商品やサービスの改善が可能になります。特に、新規開発の段階では、ユーザーの生の声を聞くことが重要です。

予期せぬ課題やニーズを発見できる

ユーザーインタビューの最大の利点の一つは、開発チームが予想もしていなかった課題やニーズを発見できることです。商品やサービスを提供する側は、往々にして「こうあるべき」という固定観念に縛られがちです。しかし、実際のユーザーは、私たちの想定とは全く異なる方法で商品やサービスを使用したり、異なる課題を抱えていたりします。

例えば、あるチャットアプリの開発チームが実施したユーザーインタビューでは、高齢のユーザーが「既読機能」を気にして夜眠れないという予想外の課題が発見されました。これは、機能追加が必ずしもユーザー体験の向上につながらないという重要な気づきをもたらしました。

このような予期せぬ発見は、製品の方向性を大きく変える可能性を秘めています。定期的なユーザーインタビューを実施することで、継続的に新しい気づきを得ることができます。

開発チームの共感力を高める

ユーザーインタビューは、開発チームのメンバーがユーザーと直接対話する貴重な機会を提供します。数値やデータだけでなく、実際のユーザーの表情や声のトーンを直接体験することで、チームメンバーのユーザーへの共感力が大きく向上します。

この共感的理解は、商品やサービス開発において非常に重要な要素です。開発者やデザイナーが「このユーザーのために」という具体的なイメージを持って作業することで、より使いやすく価値のある商品・サービスを作ることができます。また、チーム内でユーザーストーリーを共有することで、メンバー全員が同じ方向を向いて開発を進めることができます。

実際、多くの成功した開発チームでは、定期的にチームメンバー全員がユーザーインタビューに参加する機会を設けています。これにより、チーム全体でユーザー視点を持ち続けることができ、より効果的な商品やサービス開発につながります。

ユーザーインタビューはいつ誰に行う?

事業の成功は、適切なタイミングで適切な対象者にインタビューを行うことから始まります。戦略的なアプローチを取ることで、より価値のある知見を得ることができます。

ユーザーインタビューが必要なタイミング

ユーザーインタビューは、商品やサービスの開発サイクルにおける様々な段階で異なる目的を持って実施されます。初期段階では、市場投入前の製品コンセプトの検証や潜在的なニーズの発見に重点を置きます。この段階でのインタビューは、製品の方向性を大きく左右する可能性があるため、特に慎重に計画する必要があります。また、競合の利用状況や、ターゲットユーザーの現在の課題解決方法についても詳しく調査することができます。

開発中の段階では、プロトタイプやベータ版を用いたユーザビリティテストと組み合わせて実施することが効果的です。この時期のインタビューでは、具体的な機能や使い勝手に関するフィードバックを得ることができ、開発の優先順位付けにも役立ちます。特に、重要な機能の実装前後でインタビューを行うことで、設計の妥当性を確認することができます。

商品やサービスのリリース後も定期的なインタビューが重要です。実際の使用状況や長期的な満足度、新機能のニーズなどを把握することで、継続的な改善につなげることができます。特に、重要なアップデートの前後でインタビューを実施することで、変更の効果を質的に評価することが可能です。このような継続的なフィードバックは、商品・サービスの進化と市場適合性の維持に不可欠です。

ユーザーインタビューの対象者

インタビュー対象者の選定は、調査の成否を左右する重要な要素です。理想的には、ターゲットユーザーを代表する多様な属性を持つ人々を選ぶことが望ましいでしょう。年齢、性別、職業、使用環境など、製品に関連する重要な特性を考慮に入れる必要があります。また、技術への習熟度や、商品カテゴリーへの関与度なども、重要な選定基準となります。

既存商品の場合は、現在のユーザーベースから選定することが可能です。特に、熱心なユーザーや逆に離脱したユーザーなど、異なる利用パターンを持つユーザーからバランスよく選ぶことで、より包括的な理解が得られます。また、製品の異なる機能を使用しているユーザーや、異なる目的で製品を活用しているユーザーなど、多様な視点を含めることが重要です。

新規商品の場合は、想定するターゲット層や類似製品のユーザーを対象とします。この際、早期採用者だけでなく、より一般的なユーザー層も含めることで、商品の市場適合性を正確に評価することができます。特に、類似商品の利用経験がある人々からは、競合との比較や、現在の課題解決方法についての貴重な情報を得ることができます。

ユーザーインタビューを実施する方法

ユーザーインタビューを実施する方法

効果的なインタビューのためには、自社での実施と外部委託それぞれのメリットを理解し、適切な方法を選択することが重要です。

自社で実施

自社でユーザーインタビューを実施する最大のメリットは、開発チームが直接ユーザーの声を聞けることです。これにより、インタビュー中の細かなニュアンスや非言語コミュニケーションまで含めた深い理解が可能になります。また、気になる点について その場で掘り下げ質問ができるため、より柔軟な調査が可能です。

ただし、自社実施の場合は、インタビュースキルの習得や、インタビュー環境の整備など、一定の準備が必要になります。特に初めて実施する場合は、以下の点に注意を払う必要があります。

  1. インタビュアーのトレーニング
    ・適切な質問の仕方
    ・傾聴スキル
    ・バイアスの排除
    ・フィールドノートの取り方
  2.  環境整備
    ・快適なインタビュースペース
    ・録音・録画機材
    ・リモートインタビューのための通信環境
  3. 参加者の管理
    ・スケジュール調整
    ・謝礼の準備
    ・個人情報の適切な管理

これらの準備を十分に行うことで、質の高いインタビューを実施することが可能になります。また、継続的に実施することで、チーム全体のインタビュースキルも向上していきます。

調査会社に依頼

調査会社への依頼は、専門的なノウハウと実績を活用できる効率的な選択肢です。特に、大規模な調査や、特定の属性を持つ参加者の募集が必要な場合に有効です。調査会社は、参加者のスクリーニングから、インタビューの実施、分析レポートの作成まで、一貫したサービスを提供します。

また、第三者の視点で調査を行うことで、社内の固定観念やバイアスに縛られない、客観的な結果を得ることができます。ただし、コストが比較的高くなる点や、開発チームとユーザーの直接的な接点が減る点には注意が必要です。

調査会社に依頼する際は、以下の点を明確に伝えることが重要です。

・調査の目的と期待する成果
・ターゲットユーザーの詳細な定義
・重点的に確認したい項目や仮説

ユーザーインタビューの手順

ユーザーインタビューの手順

成功するユーザーインタビューには、綿密な計画と準備が不可欠です。以下の手順に従って、効果的なインタビューを実施しましょう。

実施する目的を明確にする

ユーザーインタビューを始める前に、なぜこのインタビューを行うのかを明確にすることが重要です。目的が曖昧なまま実施すると、得られる情報も曖昧なものになってしまいます。具体的には、以下のような点を明確にしていきます。

・何を知りたいのか(具体的な調査項目)
・どのような結果を期待するのか(期待される成果)
・どのように活用するのか(結果の活用方法)

これらの点を事前に整理し、チーム内で共有することで、より焦点を絞ったインタビューが可能になります。また、目的に応じて適切なインタビュー形式(構造化・半構造化・非構造化)を選択することもできます。

対象者の要件を決めてリクルーティングする

インタビュー対象者の選定は、調査の成否を左右する重要なステップです。慎重に進めましょう。

対象者の要件定義

インタビュー目的に基づいて、理想的な対象者の属性を定義します。年齢、性別、職業といった基本的な属性に加え、商品やサービスの利用頻度、技術への習熟度、関連する経験など、目的に応じた詳細な要件を設定します。また、除外すべき条件(競合企業の従業員など)も明確にしておくことが重要です。

要件を設定する際は、ペルソナ設定などを活用し、具体的なユーザー像をチームで共有することで、より的確な要件定義が可能になります。さらに、インタビュー対象者の多様性も考慮に入れ、異なる視点や経験を持つユーザーをバランスよく含められるよう、要件を設計することをお勧めします。

リクルーティング方法の選択

対象者の募集方法を決定します。自社のユーザーデータベースの活用、SNSでの募集、調査会社の利用など、様々な選択肢の中から最適な方法を選びます。特に、対象者の属性や必要なサンプル数によって、適切な募集方法は異なってきます。コストと時間のバランスも考慮に入れましょう。また、募集時の告知文や応募フォームの設計も重要です。参加者の期待値をコントロールし、適切な対象者が応募しやすい内容にすることで、効率的なリクルーティングが可能になります。さらに、季節要因や社会情勢なども考慮に入れ、最適なタイミングで募集を行うことも成功の鍵となります。

スクリーニングの実施

応募者の中から適切な対象者を選定するためのスクリーニングを行います。事前アンケートや簡単な電話インタビューなどを通じて、設定した要件に合致する人を選びます。この段階で、インタビューの目的や所要時間、謝礼などの条件も明確に伝え、相互の認識を合わせておくことが重要です。

スクリーニングでは、単に要件との適合性を確認するだけでなく、コミュニケーション能力や積極性なども評価します。また、虚偽の回答を見分けるためのチェック質問を含めるなど、信頼性の高いスクリーニングを心がけましょう。選定後は、参加者とのスムーズな連絡体制を確立することも重要です。

事前の準備を行う

インタビューを円滑に進めるために、必要な準備を漏れなく行いましょう。

インタビューガイドの作成

目的に沿った質問項目をリストアップし、インタビューの流れを整理します。導入から締めくくりまで、時間配分を含めた具体的なシナリオを作成します。また、予想される回答に対する掘り下げ質問も準備しておくことで、より深い洞察を得ることができます。

インタビューガイドには、アイスブレイク用の質問や、次の話題への自然な橋渡しとなる質問も含めましょう。質問は開放的で中立的な表現を使い、誘導的にならないよう注意します。また、インタビュー中に確認すべきチェックポイントや、時間管理のための目安も明記しておくと実施がスムーズになります。

必要な機材の準備

録音・録画機器、メモ用具、プロトタイプなど、インタビューに必要な機材を準備します。特に、録音・録画機器は事前に動作確認を行い、バックアップ機器も用意しておくことをお勧めします。リモートインタビューの場合は、通信環境の確認も重要です。また、録画する場合は、参加者の表情や身振り手振りが適切に撮影できるよう、カメラの位置や照明を工夫します。プロトタイプを使用する場合は、操作手順の確認や不具合の対処方法も事前に準備しておきましょう。さらに、予備のバッテリーや充電器なども用意し、機材トラブルに備えることが重要です。

インタビュー環境の整備

快適なインタビューができる場所を確保し、必要な設備を整えます。プライバシーが守られ、騒音の少ない環境を選びましょう。椅子やテーブルの配置、室温、照明なども、リラックスした雰囲気作りに重要な要素です。特に、インタビュアーと参加者の距離感や座席の角度は、心理的な影響を考慮して決定します。また、飲み物や簡単な茶菓子を用意することで、よりリラックスした雰囲気を作ることができます。リモートインタビューの場合は、バーチャル背景の設定や、音声品質の確認など、オンライン特有の環境整備も必要です。

必要書類の準備

同意書、謝礼関係の書類、アンケート用紙など、必要な書類を準備します。特に個人情報の取り扱いに関する同意書は、法的要件を満たすよう慎重に作成します。また、インタビュー中に使用する補助資料(画像やプロトタイプの説明資料など)も忘れずに用意しましょう。書類は複数部数を用意し、参加者用とインタビュアー用で使い分けます。事前アンケートを実施する場合は、インタビュー当日までに回答を収集し、内容を確認しておくことをお勧めします。また、緊急連絡先リストや、トラブル時の対応マニュアルなども準備しておくと安心です。

ユーザーインタビューを実施する

インタビューの実施では、参加者との信頼関係を築きながら、必要な情報を収集していきます。まず、開始時には改めて目的と所要時間を説明し、録音や録画の許可を得ます。また、話しやすい雰囲気作りのため、簡単なアイスブレイクから始めることをお勧めします。

インタビュー中は、事前に準備したガイドラインに沿いつつも、参加者の反応に応じて柔軟に質問を展開していきます。重要なのは、参加者の発言をしっかりと傾聴し、適切なタイミングで掘り下げ質問を行うことです。非言語コミュニケーション(表情、身振り手振りなど)にも注意を払い、参加者の本当の気持ちや潜在的なニーズを捉えることを心がけます。

また、インタビュー中は以下の点に特に注意を払います。

・誘導的な質問を避ける
・参加者の発言を遮らない
・適切な沈黙を許容する
・重要な発言はその場で確認する
・時間管理を意識する

ユーザーインタビューの結果を分析し改善する

インタビュー終了後は、得られたデータを整理・分析し、具体的な改善アクションにつなげていきます。まず、録音データの文字起こしや、メモの整理を行い、生データを扱いやすい形に変換します。その際、参加者の発言だけでなく、観察された行動や表情の変化なども含めて記録することが重要です。

分析では、以下のようなステップで進めていきます。

・データの整理とコード化
・パターンや傾向の特定
・重要な発見事項の抽出
・改善案の検討

また、分析結果は必ずチーム内で共有し、様々な視点からディスカッションを行います。その際、データに基づいた客観的な議論を心がけ、具体的なアクションプランの策定につなげていきます。改善案の実施後は、その効果を測定し、必要に応じて追加のインタビューを計画するというサイクルを確立することが重要です。

ユーザーインタビューを成功させるためのコツ

ユーザーインタビューを成功させるためのコツ

より深い洞察を得るために、インタビューでは技術と心構えの両方が重要です。実践的なコツを紹介します。

参加者の緊張をほぐし、本音を引き出す

インタビューの成否は、参加者がどれだけリラックスして本音を話せるかにかかっています。まず、インタビュー開始時には、簡単な自己紹介や日常的な話題から始めることで、自然な会話の流れを作ります。この際、インタビュアー自身も適度に自己開示を行うことで、参加者との心理的な距離を縮めることができます。

また、参加者の発言に対する反応も重要です。うなずきや相づち、表情の変化など、非言語コミュニケーションを効果的に使用することで、「話を真摯に聞いている」というメッセージを伝えることができます。特に、参加者が迷いながら話すときや、否定的な意見を述べるときには、受容的な態度を示すことが重要です。

さらに、インタビューの途中で適度な休憩を入れたり、飲み物を勧めたりすることも、リラックスした雰囲気作りに効果的です。ただし、過度にフレンドリーになりすぎると、かえって参加者が警戒心を持つ可能性もあるため、程よい距離感を保つことを心がけましょう。インタビュアーは「友人」ではなく「話を聞く専門家」としての立場を保つことで、より信頼性の高い情報を得ることができます。

効果的な質問テクニックを使いこなす

質問の仕方一つで、得られる情報の質は大きく変わります。基本的には、「はい/いいえ」で答えられる閉じた質問ではなく、「どのように」「なぜ」といった開いた質問を中心に進めていきます。ただし、「なぜ」という質問を続けすぎると、参加者が追い詰められたように感じる可能性があるため、表現を工夫することが重要です。

具体的な状況を引き出すために、「最近、その機能を使ったときのことを教えていただけますか?」といった具体的な体験を聞く質問や、「もし○○だったら、どうされますか?」といった仮定の質問も効果的です。また、参加者の発言の中で興味深いキーワードが出てきた場合は、「先ほどの○○について、もう少し詳しく教えていただけますか?」といった形で掘り下げていきます。

沈黙も重要なテクニックの一つです。参加者が考えを整理する時間として、適度な沈黙を恐れずに取り入れましょう。ただし、沈黙が長すぎると参加者が不安を感じる可能性もあるため、場の空気を読みながら適切なタイミングで次の質問に移ることが重要です。質問は一度に一つずつ行い、参加者が十分に答える時間を確保することも、深い洞察を得るためのコツです。

予期せぬ発見を逃さない観察力を養う

インタビューでは、参加者の言葉だけでなく、表情、身振り手振り、声のトーン、発言と行動の矛盾など、様々な非言語情報も重要な手がかりとなります。特に、プロトタイプやサービスの操作中には、参加者が無意識に見せる「つまずき」や「戸惑い」の瞬間を見逃さないようにすることが重要です。

また、参加者が当たり前すぎて言葉にしない行動や習慣にも注目します。例えば、「いつも使っている機能を見せてください」という依頼をした際の、何気ない操作の順序や、画面の見方なども貴重な情報となります。このような観察から、参加者自身も気づいていない潜在的なニーズや課題を発見できることがあります。

インタビュー中は、メモを取りながらも参加者の様子をしっかりと観察できるよう、可能であれば複数人で実施することをお勧めします。一人がインタビューを進行し、もう一人が観察とメモに専念するという役割分担により、より多くの気づきを得ることができます。この際、観察者は参加者の視界に入らない位置に座り、インタビューの妨げにならないよう配慮することが重要です。

まとめ

ユーザーインタビューは、定量データでは見えない真のインサイトを発見し、予期せぬニーズや課題を明らかにする重要な手法です。効果的な実施のためには、明確な目的設定、適切な対象者の選定、そして綿密な準備が欠かせません。また、参加者との信頼関係構築や効果的な質問手法、鋭い観察眼を養うことで、より深い洞察を得ることができます。

しかし、従来のユーザーインタビューには、設定や準備に時間とコストがかかる、定期的な実施が難しい、限られた対象者にしかアプローチできないといった課題がありました。また、フォーマルな場での緊張が、参加者の本音を引き出す妨げになることもあります。

このような課題に対して、Commune(コミューン)が提供する顧客コミュニティという新しいアプローチは、日常的な対話の中から自然なインサイトを得られる環境を提供します。コミュニティ内での継続的なコミュニケーションを通じて、より多くのユーザーの声を収集し、開発チームとユーザーの距離を縮めることができます。これにより、従来のユーザーインタビューの価値を、より自然な形で継続的に実現することが可能になります。

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