イベントレポート
マーケティング
【イベントレポート】顧客起点経営で事業を伸ばす 〜経営戦略の新潮流「カスタマーレッドグロース」〜
2024/11/28
本記事は、Commune(コミューン)が提唱する顧客起点経営、カスタマーレッドグロースについて解説しています。
カスタマーレッドグロースとは、顧客の声を生かして、より良い商品やサービスを顧客に提供し、さらに企業価値を高める手法です。
なぜ、顧客の声が大事なのかその背景から実践方法、すでに実践している成功事例も紹介します。
※この記事は、2024年10月24日に開催した、ウェビナー「顧客起点経営で事業を伸ばす 〜経営戦略の新潮流「カスタマーレッドグロース」〜」の様子をまとめております。
目次
- カスタマーレッドグロース具体事例
- 事例1:ベースフード株式会社【顧客獲得、LTV向上】
- 事例2:カルビー株式会社【共創/製品開発】
- 事例3:ユーザックシステム株式会社【カスタマーサクセス - コストを減らしつつLTV向上】
- 事例4:Spotify【プロダクト改善、レコメンド精緻化によるLTV向上】
はじめに
私はコミューン株式会社代表取締役CEOの高田優哉と申します。新卒でボストンコンサルティンググループに4年ほど勤め、2018年にコミューンを共同創業し、それから一貫してCEOを務めさせていただいています。趣味は筋トレと愛犬のゴールデンレトリーバーと遊ぶことです。
コミューンは2018年に創業し、2019年からCommune(コミューン)を提供しています。正社員は165名ほどの会社で、不動前駅にオフィスがあります。
コミューンは「あらゆる組織とひとが融け合う未来をつくる」というビジョンを掲げて事業に取り組んでいます。
私たちは、コミュニティ領域でCommune(コミューン)というサービスを提供しており、日本では最も評価をいただいているサービスとなっております。
サントリー様、日産様、シャープ様など日本を代表する大企業からベンチャー企業まで幅広い業界・業種の企業様をご支援させていただいております。
本セミナーの趣旨
今回はカスタマーレッドグロース、顧客起点経営について解説をさせていただきます。皆様の経営や事業運営、マーケティング戦略、現場の日々の活動などにおける実践的なTipsやヒントをお持ち帰りいただければと思っています。
カスタマーレッドグロースとは?
自社の失敗から気づいた
私と共同創業者の橋本は、Commune(コミューン)事業を始める前に、サプリメントの通販事業に取り組んでいました。OEM様からサプリが何万粒と送られてきて、それを包装して発送ということをやっていました。
しかし、事業としてうまくいかず、100名くらいのお客様がいるタイミングで事業撤退を決断しました。その後事業の振り返りをした際に、一つの気づきがありました。
それは、お客様との距離が遠く、お客様の力を活かして事業に繋げることができなかったということです。
月3,980円のサービスでしたが、初月の割引で実質月の売り上げは一人約3,000円、お客様が100名いても月単位で30万円くらいの売上でした。
サプリメントは減価率が高く、ソフトウエアのようにはいかないので、その売上規模だと1人でも生活できず、事業としても成り立っていません。
100名しかお客様がいないにも関わらず、お客様がどのような人で、なぜ興味を持ってくれ、なぜ買ってくれたのか、なぜやめてしまったのか、など全くわからず、お客様との距離も遠く、当然お客様の力を活かして事業に繋げることができませんでした。
顧客起点経営、つまりカスタマーレッドグロースとは、お客様の力を活かして事業をより成長させることに繋がるという考え方です。顧客満足を起点として、企業の活動のあらゆるところにお客様の力を活かすことだと定義しています。
これまでのビジネスモデルに+αでお客様の力を借りる
お客様の力を活かすポイントは大きく3つあります。
1つ目は製品開発やマーケティングです。製品開発やプロダクトの打ち出し方を考える際にお客様の声を活かすということですが、既に実践しているという企業様も多いのではないでしょうか。
2つ目は顧客獲得です。既存のお客様がお友達を紹介してくれたり、お客様のプロダクトに対するポジティブな発信が拡散されるような、認知や評価を高めることに貢献してくれるようなことです。
3つ目はカスタマーサポートです。製品の活用方法を他のお客様がアドバイスしてくれたり、カスタマーサポートチームでは提案しづらい応用的な使い方をお客様同士で情報交換、意見交換して解決に繋がることです。
本来カスタマーサポートがすべき業務をお客様がしてくれるという言い方もできますが、これが顧客起点経営、カスタマーレッドグロースの一つのあり方です。
カスタマーレッドグロース(顧客起点経営)と言うとスケールの大きい話に聞こえてしまうかもしれないですが、大きい話でありながらも部分部分で適応することもできます。
これまでのビジネスモデルや商流を大きく変えず、+αでお客様の力を借りると考えると取り組みやすいですし、その考えで良いと私たちは思っています。
改めて、コミューンは「あらゆる組織とひとが融け合う未来をつくる」というビジョンを掲げていると先ほどお伝えしましたが、これは、誰と誰の関係性なのか、どの組織とどの人との関係性なのかで結果としての表現が変わります。
企業とお客様の関係性における「あらゆる組織とひとが融け合っている姿」の理想形は「企業がお客様と共創関係を築いて、お客様の力を活かして事業成長することができる」状態だと思っています。ですので、コミューンはカスタマーレッドグロース(顧客起点経営)の実現をご支援する企業として皆様のお役に立ちたいと考えています。
顧客体験(CX)と従業員体験(EX)の両輪が前提
なぜカスタマーレッドグロースが重要か?
我々がプロダクト開発に着手した2018年ごろから、様々なお客様や企業様とお話しさせていただく中で、顧客起点経営、カスタマーレッドグロースがどんどん当たり前になっている、あるいは必要性がある、経済合理性があるので取り組む企業様が増えている印象を受けています。
既存顧客の方が効率的で収益性が高い
その理由の一つは、既存のお客様からの方が収益性が高く、効率的であるという点です。新規のお客様で売り上げを同額に増やそうとするとコストは5倍くらいかかってしまいます。
生産人口の減少
二つ目は、人口の減少です。特に消費者向けのサービスを提供している企業様のクリティカルな問題でもあります。日本の人口は毎年80万人減っており、自治体1つがなくなるくらいの市場の変化が起こっています。つまり、新しい市場から新たなニーズを作ることのコストが年々向上し、既存顧客やファンの存在が重要になってきています。
そして、生産年齢人口も減少しています。日本は人口が減っているだけでなく”人口に占める生産年齢人口割合”が減っており、絶対値としてもG7でも最も低いので、人件費は年々上昇しています。
私が大学生の時に働いていたバイト先の時給は当時950円でしたが、今は1,250円になっていました。仕事の内容が1.3倍になったかというとそうではなく、需要に対して供給が少なくなったからこのようなことが起こっています。つまり、同じコストで同じ売上を上げようとすると、より多くのお客様により少ない従業員で向き合う必要があるように市場は変化しています。
顧客との接点の変化
最後に最も重要な点が、個人のメディアパワーの高まりです。生産年齢人口の減少もある一方で個人のメディアパワーが高まっています。消費者の指先一つで良い方向にも悪い方向にも大きな経済インパクトを与えることができる時代です。
そして、お客様の力を借りるコストも減ってきています。例えば、昔はお客様からフィードバックをもらうためには、新聞の折込チラシのハガキに記入してもらい、ポストに投函してもらい、1枚1枚を読んで、ワープロに記入するというようにとてもコストがかかっていました。しかし、今はスマホ一つでフィードバックをいただけたり、顧客と直接連絡を取ることが可能になり、お客様との通信コストも下がってます。
これらを含めて顧客起点経営の経済合理性が変化しています。この状態が続くのであれば、あらゆる企業にとって、カスタマーレッドグロース(顧客起点経営)はなくてはならない考え方になると考えています。
ちなみに、マッキンゼーの調査では、顧客満足を重要視し顧客起点経営を実現している企業と、そうでない企業を分析すると、5年で2倍程の成長差が生まれていると定量的な結果にも表れています。
カスタマーレッドグロース具体事例
事例1:ベースフード株式会社【顧客獲得、LTV向上】
完全栄養食のパスタやパン、クッキーを開発・販売するベースフード株式会社はBASE FOOD Laboというコミュニティを2018年11月にCommune(コミューン)で開設しました。
会員を「研究員」と呼び、一緒にレシピを共有したり、商品開発に参加したり、それらを通じてインセンティブを得たりできるコミュニティです。
ベースフード株式会社はコミュニティを自社の競争力の源泉であると、IRの中でも位置付けています。コミュニティのお客様の投稿から示唆を得て、製品開発のサイクルを早める取り組みを行っています。
また、お客様と繋がって信頼関係を築くことにより、製品開発というわかりやすい共創だけでなく、様々な効果を産んでいます。
コミュニティに参加している方の定期購入の継続率が高く、定量的なアンケート回収の場としても機能しています。数時間で300〜500回答集まったり、1日40件以上ものUGCも集まります。
ベースフードと何を食べ合わせているか、どのような場面で食べているのかなどがお客様の投稿からわかるのがユニークな点で、食品を扱う企業様にとっては重要なデータです。
更には、毎月約800件の新規紹介を生んでいます。定期購入にかかるコンバージョンコストを考えるととても大きいということをご理解いただけると思います。
このような形で、UGCによる気づきがある、新商品開発ができる、製品開発のためのアンケートを回収できる、友達紹介をしてくれるなどは、いわばR&Dやマーケティングリサーチ、実際の顧客獲得の部分をお客様がやってくれているとも言えます。カスタマーレッドグロース(顧客起点経営)ができている好例として紹介させていただきました。
*ベースフード株式会社のコミュニティ活用事例を詳しくみる
事例2:カルビー株式会社【共創/製品開発】
かっぱえびせんは皆様全員が食べたことあるくらいの国民的なブランドですが、2020年に新たに登場した絶品かっぱえびせんというブランドをご存じでしょうか。上質・高級というイメージで作られ、他社ビール商品などともコラボしています。
コミュニティには、ふとした投稿にお客様のインサイトが隠れています。たとえば、第3のビールと一緒に楽しまれている方が多かったり、特別な時ではなく日常の中のお酒を楽しむ時間のクオリティをあげたいという気持ちで絶品かっぱえびせんを選ぶ方が多いといった喫食シーンに関するインサイトです。マーケティングリサーチなどとは異なる顧客リサーチを行うことができています。
実際に新商品のフレーバー選定をコミュニティメンバーと行うなど、商品開発にコミュニティのお客様が参加、共創したプロジェクトもありました。
コミュニティ参加者との共創で作られた新商品は、他の商品に比べ約130%の売上を記録するなど大ヒットとなりました。更に、お客様自身がメディアのオンラインレクチャーで商品について説明する試みを行うなど、非常にユニークでメディアバリューもあるプロジェクトとなり、広告価値という点においてもポジティブな評価になりました。
企業が一生懸命に考えて行っているメディア露出をお客様の力で軽々と実現することができた事例になります。
*カルビー株式会社のコミュニティ活用事例を詳しくみる
事例3:ユーザックシステム株式会社【カスタマーサクセス - コストを減らしつつLTV向上】
RPAを提供するユーザックシステム株式会社は、カスタマーサクセス、お客様支援・サポートをする部門で効率化しつつお客様のLTVを改善した事例になります。
導入した企業がワークフローを組んだりレシピを考えなければならないため、なかなか使いこなせない、基本的なことしかできないといった企業様やユーザー様がいらっしゃいました。そのお悩みに応えようとした際に、カスタマーサポートのリソース不足や、お客様のやりたいことやレシピを全て把握して提案すること自体がとても難しいという点、さらには、他社のツールのことを聞かれた場合などは自社で支援するのが難しいという点がありました。
そこで、お客様間でサポートし合い、コミュニケーションが取れる場としてコミュニティを提供されました。これによってお客様が相互に助け合うということが実現し、課題解決が促進されました。
コミュニティ内で過去の質問を見ることができたり、オープンなインターネット上では公開できない動画をクローズドなコミュニティ内で公開したりすることで、導入初期のユーザー様のオンボーディングに繋がりました。
カスタマーサポートにおいても、より現場目線を持つお客様に手伝ってもらうのが良いという発想の転換でお客様に支えていただき、より良い顧客体験を提供されている事例です。
*ユーザックシステム株式会社のコミュニティ活用事例を詳しくみる
事例4:Spotify【プロダクト改善、レコメンド精緻化によるLTV向上】
皆さんもご存知の音楽やポッドキャストが聴けるプラットフォームのSpotifyは、サービスを始めた初期からコミュニティを提供していて、お客様のフィードバックを活かし顧客体験をより良くするということを行なっています。もちろんプロダクトが優れているのもありますが、顧客体験にこだわることでロイヤルティの高いユーザー様が使い続けています。
ユーザーコミュニティ「Spotify Community」でフィードバックやアイディアを募って、プロダクトにユーザーの声を反映しています。しかし、全ての意見を反映させることはできないので、「このような意見をもらいました。これは良い意見だけど今はできないです。」といったレポートを公表することで、実際に意見が反映されなくても自分の声がきちんと聞かれていると思ってもらうのが良い取り組みだと思います。Commune(コミューン)でもこの取り組みを取り入れました。
お客様からのフィードバックをもとに、顧客視点で改善している好例です。
カスタマーレッドグロースの実現ステップ
ここからはカスタマーレッドグロースの具体的な実現ステップについてお話しします。カスタマーレッドグロースの具体的な実現ステップは、大きく4つあります。
長期ビジョンやあるべきマインドセットを策定し、どこから取り掛かるのか、どのように社内で広げるのか設計し、どのようにクイックウィンを出すかを考え、実際に実行していくプロセスになります。
ステップ1 – 長期ビジョン、あるべきマインドセットの策定
長期ビジョンの策定
カスタマーレッドグロース(顧客起点経営)のサイクルは、お客様に貢献することで満足していただき、口コミや購買等で企業に対して貢献してもらうことで、事業がより良くなり、もっとお客様が貢献したくなる循環です。
顧客との接点をもつ部門だけでなく、直接には接点を持たない部門も巻き込んだ方針策定が必要となります。
マインドセットの策定
カスタマーレッドグロース(顧客起点経営)は「顧客との距離が近づく」(コミューンの言葉でいうと「融け合う」)ことが前提となっています。場合によっては顧客と近づくのは当たり前ではないため、意識付けが必要です。
ステップ2 – 起点となる業務/部門、社内での貢献度/影響度を高めていくステップを設計
業務特性×顧客属性からスタート地点を決定
この表はあくまで例なので、各企業のビジネスモデルや部門の業務内容・特性などを踏まえて設計する必要がありますが、大事なのは、お客様がどのような人でどのような声を活かせるのか掛け算で考えることです。
私たちはたくさんのファンマーケティング支援の事例から、ファンが持つパワーの素晴らしさや事業上の価値を認識しています。しかし、ファンだけがお客様という訳ではないですし、必ずしもファンと一緒に何かをするのが正しいとは限りません。どの顧客セグメントと共創に取り組むのかというのをセットで考えることが重要です。
社内での貢献度/影響度を高めていくステップを設計
KPIや全社アワードの設計、定量売上の調査を行うなどの戦略作りも大事なポイントです。
ステップ3 – クイックウィン施策の設計
成果の測り方としておすすめしているのがクイックウィンです。どのお客様のどんな声をどのように集めるのか、どの業務セグメントをどんなスケジュールで誰がどのように良くするのか、どのように成果証明するのかというのが大枠です。
シャープ様のホットクックユーザーコミュニティでご支援させていただいている施策を一例としてご紹介させていただきます。
ホットクックユーザーの新製品の感想やフィードバックの声を特別感のあるファンミーティングで集めて、販促や商品開発、ブランド力強化に関わる業務の改善に活かすお取り組みをされています。最終的に販促につなげるために記者の方をお呼びし、国内最大級のメディアで記事化して閲覧ランキング1位を取ることをクイックウィンとして2ヶ月間で実行されていました。
クイックウィン施策の実行、施策改善、社内展開、社内教育...
クイックウィン施策だけでなく、ロングタームビジョンを並行することで短期・長期の両輪でバランスをとることが重要です。多くの企業がロングタームビジョンの方に気にとられてしまいがちですが、クイックウィン施策を成功させることがロングタームビジョンの実現につながる一番の近道であるため、この両輪が非常に重要です。
カスタマーレッドグロースの実現ステップ全体図
今まで説明したものを1枚にまとめたものがこちらになります。実際に取り組む際に参考にしていただければと思います。
カスタマーレッドグロース実現のポイント・注意事項
マインドセットを確立する
カスタマーレッドグロース(顧客起点経営)を実現するために最も重要なのは、事業の良し悪しや、お客様と共創しやすいかどうかより、「お客様との距離を縮めてお客様を生かし、自社の価値につなげないと損失だ」という考え方が社内に浸透していることです。少なくとも部門リーダーがその重要性を理解し、評価されることだと社内に発信できていることがカスタマーレッドグロース(顧客起点経営)の第一歩です。
スタート地点を定める
カスタマーレッドグロースサイクルのなかで、全社的に理解や浸透が進んでいる場合は、各自の業務でカスタマーへの貢献を意識することから始めるのが良いと思います。そうでない場合は、お客様の声は意味があると思ってもらう必要があるので、各業務に対してのカスタマーからの貢献、お客様の声を届けることをファーストステップとするのが良いでしょう。
ファンに拘らない
カスタマーレッドグロース(顧客起点経営)は「あらゆるお客様の力を事業成長に活かす」ことです。ファンはお客様の一部でしかありません。
ある食品メーカーでは、ファンの食べ方がユニークすぎて一般消費者には受け入れづらく、ライトファン層のアイデアを基に製品開発を進めたところ大ヒットしました。
ファンの声には力があり、ファンマーケティングの成功事例もたくさんあります。しかし、必ずしも顧客はファンとは限らないですし、ファン以外の顧客の方が企業の成長に必要なケースもたくさんあります。
お客様間で知見共有をしてもらうケースにおいても、熱量の高い人が必ずしも知見が深いわけではありません。熱量よりも知識量に一定のインセンティブを付与することで、自社サポート以上の高いクオリティで相互サポート環境を生むことに成功した事例もあります。
ロングタームビジョンとクイックウィンを両立させる
カスタマーレッドグロース(顧客起点経営)を実行したとしてもいきなり目の前の数字が良くなるわけではありません。初期段階ではすぐに売上に反映されない場合もあり、財務的なインパクトが出るまでは短くても1年はかかります。
また、顧客との共創施策を必ずしも目的にする必要はありませんが、賛同効果を生みやすいため結果的に大きなチャレンジに繋がることもあるので、ロングタームビジョンと合わせて、顧客との共創のようなクイックウィンを両立させるといいでしょう。
質疑応答
Q. カスタマーレッドグロースに向いている業種・業態、そうではない業種・業態などはありますか。
A. 原則、どのような事業でも役に立つと思いますが、自社の考え方やその事業の考え方、あるいはレギュレーション(法律)の観点で難しいところもあると思います。
例えば、お客様間で会話すること自体がダメな業界もあります。一方、レシピなどを共有しやすい環境が良いのでは?と思うかもしれませんが、意外とそうでもないです。コミュニティという手段でカスタマーレッドグロースを行う場合では、他では言えない話ができるというのに価値があるといえます。明確なNGがない限り、チャレンジしてみる価値はあると思います。
Q. BtoBtoC領域における顧客基点はどのように考えれば良いですか。仲介する企業からは、顧客との接点は最小限にしてほしいという要望がある中で、どのようにファンマーケティングを行えば良いでしょうか。
A. パートナー企業様をいかに自分たちの味方につけるかというのが第一だと思います。その上で、なぜ必要最低限にしてほしいのかという点を理解することと、お客様と近づくことがパートナー企業様の役にも立つということを説明するのが大事です。
言葉を選ばず言うと、より良い製品になったら、より継続率が上がって御社のマージンも◯%増えますのようなことです。
Q. ファンマーケティングと顧客起点経営の違いを教えてください。
A. 顧客起点経営とはお客様全体を経営のどこかに巻き込むことであり、ファンを活用したマーケティングを行うことがファンマーケティングです。顧客起点経営の手段の一つがファンマーケティングといえます。
私たちは多くの企業様のファンマーケティングをご支援させていただいており、パワフルで有効な手段だと思っています。ファンマーケティングもそれ以外のものも、顧客起点経営をフラットに見ていただきたいです。
Q. 顧客起点経営とファンマーケティングはニアリーイコールですか。
A. ニアリーイコールではないです。ファンマーケティングは顧客起点経営の一部です。
事例としてご説明したユーザックシステム株式会社様のコミュニティで活動されている方は一般的なファンとは違うと思います。顧客ではあるがファンではなく、自分が知っていることだから答えているということもあります。ファンでなくても顧客起点経営を実現している事例です。
Q. カスタマーレッドグロースを実現するのに起点となる部署はどこが多いですか。
A. 企業様によりますが、マーケティングかカスタマーサクセス、カスタマーエクスペリエンスの部署がやられることが多いです。
まとめ
経営戦略の新潮流「顧客起点経営(カスタマーレッドグロース)」とは、顧客満足を起点として、企業活動のあらゆるアクションにお客様の力を活かすことです。
カスタマーレッドグロースは、①マインドセット ②起点部門と業務の決定 ③クイックウィンの策定 ④実行・改善の4ステップから成り立ちます。
短期と長期の振り返りを繰り返すことで、全社に徐々に浸透しながら段々と経営や事業の方針がアップデートされていくという考え方で取り組むものです。
カスタマーレッドグロースに取り組んでいく上での壁打ちや言語化のお手伝いなどは、ぜひ、コミューンにお気軽にご相談ください!
「顧客起点経営(カスタマーレッドグロース)」ならCommune(コミューン)
以下のフォームからCommune(コミューン)について理解できる資料をダウンロードいただけます。
お問い合わせの前にまずは資料を見てみたい方は、ぜひご確認をお願いします!