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マーケティング
コホートとは?コホート分析の効果や活用例を徹底解説
2024/09/30
コホート分析はユーザーをグループごとに分類し、その行動を分析する手法です。ユーザーのリテンションレート(定着率)を改善して、企業の売上増加をかなえるために活用されています。
本記事ではコホート分析の意味や重要性、メリット、活用方法を解説します。また商品開発とマーケティングを統合した概念であるグロースハックと、コホート分析との関係性についても紹介します。
目次
コホートとはどういう意味か
コホートとは英語で「仲間」という意味を持つ言葉です。コホート分析ではユーザーを一定の条件で仲間分け、すなわちグループ化し、時間経過に伴う行動の変化を分析します。
例えば「自社のネットショップに、3月1日にアクセスしたユーザー」をコホートとして、「そのうち何割が1週間以内に再訪したか」を分析するなどです。
コホートの重要性
Webサイトやアプリサービスを成長させるには、リピーターを獲得することが重要です。コホート分析ではユーザーのリテンションレート(定着率)を可視化できるため、適切な施策を講じ、リピーター獲得を目指せます。
SaaS(Software as a Service)やサブスクリプションサービスが普及してきた現代において、コホート分析の重要度は増してきていると言われます。SaaSとは、クラウド上で利用できるソフトウェアサービスのことです。サブスクリプションサービスは、料金を支払うと商品やサービスを一定期間利用できる権利を得られるサービスになります。
SaaSとサブスクリプションサービスには、顧客が支払う初期投資額を抑えられるというメリットがある一方、企業側にとっては継続利用してもらえないと利益を得られないというデメリットがあります。ユーザーのリテンションレートが重要になるため、これらのビジネスを行う企業にとって、コホート分析はなくてはならない手法といっても過言ではありません。
コホート分析のメリット
コホート分析には「トレンドを把握できる」「ニーズを把握できる」「需要予測に役立つ」といったメリットがあります。それぞれについて詳しく解説します。
トレンドを把握できる
コホート分析は、時間経過に伴うユーザー行動の変化を可視化するものです。ユーザー行動の変化から世の中のトレンドを把握し、トレンドに合わせた施策を講じることで売上増加を図ることも可能です。
例えばコホート分析により、ある時期からのユーザー離脱率が高くなっていることが分かったとします。その時期に自社と同様のサービスが流行、増加していた場合、他社サービスにユーザーが流出している可能性が考えられます。自社サービスの価格を下げるなど、他社と差別化する施策を講じることで売上を回復できるかもしれません。
ニーズを把握できる
コホート分析により、再利用や離脱のタイミングが分かれば、ユーザーニーズに合わせた施策を講じられるようになります。
例えばユーザーのライフステージが変わるタイミングで離脱が起きやすいことが分かった場合、新たなライフステージでも使いやすいように商品を改良することで、離脱防止につながるかもしれません。
需要予測に役立つ
月や年ごとに同じコホート分析を行い、データを蓄積していけば、今後の需要予測に活かすことができます。
例えば数年に渡って、ある月の再利用率が高くなっていることが分かったとします。この場合、今年もその月の需要は高まると予測できるため、事前のDM送付や広告出稿などにより、さらに売上を伸ばせるかもしれません。
コホート分析の活用方法・具体例
コホート分析の具体的な活用方法を5つ紹介します。オンラインコミュニティにおける活用方法も紹介しますので、オンラインコミュニティを現在運営している、あるいはこれから運営を検討している方は参考にしてみてください。
セッション時間を把握する
コホート分析では、各コホートにおけるセッション時間を把握できます。セッション時間とは、ユーザーがサイトに滞在する時間のことです。一般的にはセッション時間が長いほど、ユーザーはサイト内のコンテンツに興味を持っていると考えられます。
コホート分析によりセッション時間が短いことが分かれば、内部リンクやユーザーニーズに合うコンテンツの増設など、滞在時間を伸ばす施策にスムーズに取り掛かることができます。
新規に獲得すべきユーザー数を把握する
コホート分析で離脱率を調査することにより、新規に獲得すべきユーザー数を割り出すことができます。
例えばコホート分析により、ユーザーが1週間ごとに3%ずつ離脱する傾向があると分かった場合、一定期間における避けられない離脱数を算出できます。これにコンバージョン率や売上目標額を併せて考えることで、売上目標を達成するために必要な新規ユーザー数を割り出すことが可能です。
具体的に獲得すべき新規ユーザー数が分かれば、効率的に施策を講じられるようになるでしょう。
キャンペーンの効果を把握する
キャンペーンの実施は、売上増加につながる重要な施策です。この効果を把握するのにも、コホート分析は役立ちます。
例えばキャンペーンを告知したユーザーをコホートし、実際に商品購入に至った割合を調査すれば、キャンペーンの効果を知ることができます。またユーザーあたりの収益を分析することで、キャンペーンにかけるコストやリソースも最適化できるはずです。
今後の需要を予測する
長期的にコホート分析を継続すると、月や年ごとの需要変化がつかめるようになり、施策の立案に役立ちます。
例えばコホート分析により月初に再訪するユーザーが増えることが分かった場合、そのタイミングに合わせてセールを行えば売上を増加させられるかもしれません。また需要予測から売上予測もできるため、事業計画や経営戦略の立案にも役立つでしょう。
オンラインコミュニティにおける離脱率を把握する
時間経過に伴う離脱率を把握できるコホート分析は、オンラインコミュニティの運営にも活用できます。
Commune(コミューン)では、ユーザーを登録月(週)ごとにコホートし、時間経過に伴う離脱率を表示する「コホート分析機能」をご提供しています。離脱率が高くなるタイミングが明らかになるため、そのタイミングでユーザーと積極的にコミュニケーションを持ち、離脱を防止できるようになるはずです。
コホート分析とグロースハックの関係性
コホート分析は、グロースハックを成功させるための有効な手法としても知られています。
グロースハックとは、市場やユーザーのニーズを商品開発の段階から研究し、マーケティングにも取り入れていく手法です。さまざまな改善施策を同時に行い、その都度効果を測定するため、サービスや商品を急速に成長させられるというメリットがあります。グロースハックの一般的な手順は以下の通りです。
グロースハックの一般的な手順
- ターゲットと目標の設定
- サービスや商品の開発と市場への投入
- 分析と現状把握
- 改善策の立案
- 評価と見直し
3の段階においてユーザー行動を詳細に分析する必要があるため、コホート分析が役立ちます。
グロースハックの重要性や実践方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、併せて参考にしてみてください。
まとめ
コホート分析を実施すると、トレンドやユーザーニーズが把握できるようになります。また今後の需要予測も可能になるため、自社にとって最適なマーケティング施策を講じ、売上の回復や増加を目指せるはずです。
本記事で紹介した活用方法を参考に、コホート分析を上手に活用しましょう。特にサービスや商品を急速に成長させたい場合は、コホート分析を取り入れたグロースハックの活用についても検討してみてください。
コホート分析ならCommune(コミューン)
オンラインコミュニティを成功へと導くためにも、コホート分析は有効です。各コホートのログイン頻度やコメント数などを分析し、適切な施策を講じることでリテンションレートを高められれば、コミュニティを維持、活性化できるでしょう。
Commune(コミューン)では、登録月(週)ごとにログイン率を比較できる「コホート分析機能」や、ログイン頻度の分布を一目で把握できる「パワーユーザー分析機能」などをご提供しています。ユーザー動向を簡単に把握していただけるため、リテンションを中心とした施策を検討しやすくなるはずです。
以下フォームからダウンロードできる「3分でわかるCommune(コミューン)」資料には、より詳細な情報が記載されています。ぜひチェックしてみてください。