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イベントレポート

カスタマーサクセス

【5分で読める対談】Plutoコミュニティの軌跡|成功と失敗から得た学び

2024/09/11

【5分で読める対談】Plutoコミュニティの軌跡|成功と失敗から得た学び
コミューン編集部

コミューン編集部

※2020年6月25日に開催したオンライン対談イベント「Plutoコミュニティの軌跡~成功と失敗から得た学び~」の一部を記事化したものです。

Repro株式会社が目指すのは、「企業とユーザーのコミュニケーション最適化」。対談中、コミューン代表 高田は次のように言います。

“我々のツール『commmune』の目的も、実はReproと近いんです。本丸の価値は、企業と顧客の垣根をなくしてエンゲージメントを強めることだと考えてますね。”

この、「企業と顧客の垣根をなくす」という視点が、今回の対談において重要となります…!岩田さんがコミュニティ立ち上げを通じて学んだ顧客との関係構築において重要なこととは一体なんでしょうか。

コミューン株式会社代表の高田・橋本が、視聴者を代表して聞いてみました!

登壇者情報

登壇者情報

CSの効率化を一番とした施策なんてユーザーに刺さるわけがない

岩田健吾さん(以下、岩田):コミュニティ立ち上げ当初から大失敗を犯しました(笑)。

当時、お客様の急激な増加に対して人手が足りず工数が逼迫していたんです。こりゃヤバいということで、CS効率化の文脈からコミュニティを立ち上げました。「一人のカスタマーサクセス(以下、CS)から複数のお客さんに対してサポートしよう!」と。

Repro株式会社 岩田健吾さん

失敗1|いつでもオフィスに来てください!「もくもく会」

岩田:立ち上げ時に失敗した施策として2つ、もくもく会と同業界の事例共有会というのがあります。

これは「Reproのオフィスを1時間空けるのでどうぞ来てください、その時間にReproの設定お手伝いします」というものです。皆さん、イベント当日何人来たと思います?

橋本:30人ちょっとは来るんじゃないですかね…?(恐る恐る)

岩田:そうですよね…なんとですね、ゼロだったんですよ。

誰も来なくてですね(笑)。イベントスペースで待ってたのですが、1時間待っても誰も来ず悲しい思いをしました。

立ち上げの失敗

高田:あれじゃないですか、日程まちがったんじゃないですか?

岩田:日程、いえ残念ながら…(笑)

振り返ると、あまりユーザー目線で考えてなくて、全然響きませんでしたね。

こちらの「1対nで効率的にサポートしたい」という欲求から考えちゃったので、Reproのオフィスで自由にできるよと言われても、それ何の価値があるんだろう?って。

失敗2|同じ業界の方大集合!「事例共有会」

もう一つの施策、同業界の事例共有会。これは、同じ業界同士で事例を共有し合ったらいいんじゃないかという考えでした。

(※同業界の事例共有会に関しては、対談動画内でご覧頂けます。)

この2つの大失敗からコミュニティが始まっております…。

高田:これが201X…いつ頃の話でしたっけ?

岩田:2018年の夏ぐらいですね。

高田:2018年夏だと、クライアント数はかなり順調に増えてきてそうですね。

岩田:かなりの勢いでした。ReproがPMFを達成したのが2017年くらいなんです。そこから毎月毎月すごい勢いで新規契約がとれまして、2018年はそのピークの最中でしたね。

PMF(プロダクト・マーケット・フィット)顧客の課題を満足させる製品(プロダクト、サービス)を提供し、それが適切な市場に受け入れられている状態のこと

高田:すると、本来的にお客様にとっては、Reproのうまい実装方法や活用情報などが知れること自体のニーズはあったと思われる…?

岩田:そうですね。そのニーズはあったと思います。ただやはり先ほど申し上げたとおり、ユーザー視点ではなく我々のCS効率化視点で考えてしまった。ユーザーさんに刺さるはずがない、という反省でしたね。

ユーザーから頻繁に聞かれた質問がターニングポイントに

岩田:振り返ると、よく聞かれる質問があったんですよね。「他社さんではどういう施策が成功してるんですか?他社さんどういうことをやってるんですか?」と。ここからすごくヒントを得ました。

ユーザーさんの声

岩田:もしかして、我々からユーザーさんへ事例や施策を提案するのではなくて、ユーザーさん同士で情報をシェアしてデジタルマーケティングの解を見つけていく、同時にReproもその支援に入る、こういう共創関係こそが実はユーザーさんのためになるんじゃないかって。

その気づきが、コミュニティの在り方を修正したきっかけですね。

ユーザーさんの価値にフォーカス

具体的には2つのことをやりました。一つがコンセプト設計、もう一つが戦略策定です。

ユーザーさんに価値を感じてもらい、ユーザーさん同士学び合う空間をつくるためにはどのようなコミュニティを設計すべきか?を問いました。

コンセプト設計と戦略策定

そこからコミュニティ立て直しでやったことは、リーダーさんを増やすことです。

こちらの図でいう一番上、コミュニティを盛り上げてくれるリーダー層の方を増やすって一番大事なんですよね。

Repro Community Growth Pyramid

Repro Community Growth Pyramyd 各階層の定義(上から)

リーダー:イベントをオーガナイズしたり、Slackを盛り上げてくれる方。

フォロワー:イベントに参加してくれる方。Slackで反応頂ける方。

オーディエンス:上2つに該当せず、受動的にコンテンツを楽しむ方。

まずはSlackを通じてユーザーさん同士で顔が見えるようにしたり、ノウハウのシェアができる場を作りました。

Slackとノウハウシェアチャネル

コミュニティ見てるだけの人はテイカーか?

橋本:先ほどの3層ピラミッドにおけるリーダー、フォロワー、オーディエンスの割合はどのように推移していったのでしょうか?

Repro Community Growth Pyramid

岩田:コミュニティ初期の2018年から現在まで、各層の比率は変わらずボリュームが増える、という推移でした。

リーダーさんは全体の1〜3%くらい、フォロワーさんは20~30%くらいの肌感です。もちろん初期段階でリーダーさんはいないので、ワークショップなどを通じて増やしていきました。

高田:オーディエンスの方の扱いって難しいかなと思うんですよね。コミュニティはユーザーさんに知見を共有する場、とすると表向きにはSlackを見ていただけるだけでありがたい。一方、自分の会社の話はしないけど他社の事例は知りたい、という姿勢は言ってしまえばただのテイカーじゃないですか。どう思われますか?

岩田:オーディエンスの方は、テイカーではありません!


冒頭で申し上げた通り、カスタマーサクセスとしてMRRを最大化することがゴールというのが前提です。そのゴールの手段である「ユーザーさんの成功の支援」に紐付いているのであればいいかなと思っています。

なにより、ユーザーさん自身の事業の成長のためにReproを使ってくれていることに間違いないんですよね。

オーディエンスの方に向けては、オーディエンスの方なりの価値提供がある。むしろ受動的でも手が届くような、ラジオや記事などのコンテンツを今後拡充していかないと、と思ってます。

僕自身もいろんなコミュニティに入っていますが、結構オーディエンスタイプです(笑)。ただ、情報をもらうだけでもちゃんと勉強になったりします。

高田:すみません。あえてああいった質問の仕方をしました(笑)。

我々もいろいろ見てて、会社にとっての価値の総和が一番大きいのは、実はオーディエンス層だと思うんですね。

ピラミッドの上の既に活用度やロイヤルティが高い方への効果って見えづらいはずなんです。リーダーの方が「サービスの活用機能減らそう」とか「もう解約しよう」とかってあんまりならない。

ロイヤルティ好意的な感情、信頼や愛着度合いのこと

実は、一人当たりの効果が一番大きいのはフォロワー層の方です。

ただ、オーディエンス層の方の人数に比べてフォロワー層の方はそんなに多くない。一方で、オーディエンス層の方の一人当たりの効果はそんなに大きくないけれど、人数がすごく大きい。

コミュニティ自体を引っ張っているのはリーダー層やフォロワー層の方でも、会社にとっての価値で言うとオーディエンス層の方が占める割合は大きいんです。

岩田:すごい面白いですね。オーディエンス層の方のインパクトが高い、というのは盲点だったなと思いました。

高田:ただ、オーディエンス層の方のインパクトを引き上げているのは、リーダー層の方やフォロワー層の方だったりしますね。

岩田:先ほどのピラミッドの図の一番下はオーディエンスと書いてあるんですけど、その下にももう1個「何もしない方」がいるなぁと思ってて(笑)。その方をオーディエンスに引き上げるっていうのも大事ですよね。

きびしいフィードバックこそコミュニティ内で回収したほうがお得!

高田:「コミュニティに投稿される、プロダクトへの厳しいフィードバックなどはどのように対応していましたか?」という質問を頂いてますが、いかがでしょうか。

岩田:おっしゃる通り、かなり厳しいフィードバックをコミュニティに投稿されることは多々あります。

意識しているのは、フィードバックに真摯に向き合うことですね。厳しいフィードバックの投稿に対しては、CSがヒアリングをかけたり機能改善のディスカッションをさせていただいたりしています。

高田:質問者の方の懸念って、恐らく会社へのレピュテーションリスク(ネガティブな評価・評判が広まることによる経営リスク)だと思うんですが、そのリスクは飲む、ということでしょうか…?

岩田:そうですね。ただ、先ほどの話でいうと、CSのヒアリング結果から機能を改善した、という実績もあるんです。Slack上で不満の声を頂いてから3ヶ月後とかに、また当時のスレッドに戻って「先日頂いた要望、なんとか機能化しました!」と報告した時はかなり喜んでいただけました。


ユーザーさんに真摯に向き合うというのは、すごく厳しい・正直心が苦しいところはありますが、良い側面もあるかなと思っています。

高田:今って、無限にチャネルがあるじゃないですか。レピュテーションリスクを気にすることって実際不可能だと思うんですよね。Reproが把握できるSlackで言われているのは、むしろまだマシだって思った方がいいぐらい。

極論、Twitterとかで不満を言われちゃうと、その方が実際のReproユーザーさんなのかどうかもわからないです。もしかしたらとても重要な位置付けの方たちの声が見落とされていた可能性もあります。

あるいは、対Reproに言えなくなったら誰に言うかというと、知人やご友人とかになるんですね。「〇〇のサービスってイケてないらしいよ」と。BtoBだと狭い世界で悪い評判が広まってしまう可能性もありますし、BtoCだとなおさら印象だけで選ばれなくなっちゃいますよね。

そういうことを考えると、企業様に伝えていただいているだけでもかなり良いんじゃないかなと思います。

岩田:ユーザーファースト、クライアントファースト、これがとても大事な学びでした。

橋本:ありがとうございます。ちょっと夜の遅い時間でしたが、岩田さんにはコミュニティ施策の酸いも甘いも、そして今後のエールも含めてたくさん語って頂いたのではと思います。本当に今日はありがとうございました。

高田:ありがとうございました。

イベントでも必ずと言っていいほど「ネガティブな発言にはどう対策していますか?」と言う質問をされる視聴者の方がいらっしゃいます。どの登壇者の方も、「コミュニティでご意見いただける分には逆にとてもありがたい!」と回答されています。

炎上が心配でなかなかコミュニティ立ち上げに踏み切れないと不安を抱える方には是非参考にしていただきたいエピソードです。

 

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