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【5分で読める対談】BtoBカスタマーサクセスの教科書!株式会社ABEJAコミュニティ運営のすべて語ります(3)#コロナ後のオンライン顧客接点編

2024/09/05

【5分で読める対談】BtoBカスタマーサクセスの教科書!株式会社ABEJAコミュニティ運営のすべて語ります(3)#コロナ後のオンライン顧客接点編
コミューン編集部

コミューン編集部

小売店舗解析サービス「ABEJA Insight for Retail」のカスタマーサクセス 丸田絃心氏。お客様と自社、双方の課題解決を両立するABEJAのコミュニティ戦略とは?戦略~現場レベルの話まで伺いました。

※2020年6月3日に開催したオンライン対談イベント「Withコロナ時代の顧客接点とは? 〜ABEJA 丸田氏×コミューン高田 徹底討論 〜」の一部を記事化したものです。

第1部:ABEJAのカスタマーサクセス紹介編
第2部:コミュニティ施策の失敗と学び編
第3部:コロナ後のオンライン顧客接点編 ←イマココ
第4部:コミュニティのROIとは?編

登壇社情報

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いかにオンラインのProsを活かして、Consを潰せるか

橋本翔太(以下、橋本):元々オフラインで走っていた施策が、どのようにオンラインに転換していったか、みたいな話をお聞きしたいです。

丸田絃心さん(以下、丸田):まず、そこはうちもまだまだ課題を持っている部分ではあります。

オフライン施策からの転換をどう考えているか

オンラインとオフラインをPros(長所)とCons(短所)で分けるとこうなるかなと思っていて。

コミュニティ施策のオンライン転換

こちらでいうオンラインとはZoomを用いたオンラインイベントなど画面越しの集まりを、一方のオフラインは会場に足を運ぶリアルイベントなど対面の集まりを指しています💡

オンラインのPros (長所)

図の左上の「オンラインのいいところ」というのは、物理的な制約がなかったり、時間的な制約も減ったり、開催コストも大幅に減る点です。

北海道や沖縄のお客様も参加できるし、移動時間がかからないから手軽に参加していただけます。開催者側も手軽に実施できるところがいい。

コミュニティ施策のオンライン転換

オンラインのCons (短所)

一方で、図の左下「オンラインのよくないところ」に、顧客のITリテラシーの壁があると思います。

例えば小売業とか製造業だと、そもそも自宅にWi-Fiがない、パソコンがない、ブラウザって何ですか?みたいなお客様がいらっしゃいます。そうなると、Web会議とかウェビナーをするためのオンボーディングが必要になるんですよね。

コミュニティ施策のオンライン転換

もう一つはコミュニケーションに関してです。コミュニティやワークショップでは、お客様同士で話してもらうこと自体が大きな価値になっていました。

オフラインでは実現していた「n対nの同時議論」が、オンラインではやりにくい。

お客様同士で話すことはツール上は可能ですが、隣のグループが何話してるかわからないとか、盛り上がってる熱量が伝わらない、といった点でオンラインコミュニケーションは難しさがあります。

オフラインのCons (短所)

ただ、「オフラインのよくないところ」で、やっぱり参加に対するハードルがあまりにも高いですよね。

逆に言えばオフラインイベントって相当熱量の高い方だけが集まってくれる点ではすごくいいのですが。

コミュニティ施策のオンライン転換

継続性と拡散性の低さもあります。オフラインのイベントって流石に毎日、毎週って開催できないじゃないですか。うちの場合はCSと兼務してコミュニティもやっててお客様も忙しい。そうなると月1開催ぐらいが限界でした。

イベントは盛り上がるんですけど、月1でイベントを開催する間ってコミュニケーション頻度が少なく、途切れがちになります。すると「5月と6月イベント参加したけどもう7月はいいや」みたいになっちゃうんですよ。

さらに一度参加すると参加のハードルはかなり低くなるので、参加者はリピーターが多くなります。いいことではありますが、弊害としてクローズなつながりになるというのはありますね。


一方で、オンラインって誰でも参加できたり頻繁に開催できる、という意味ですごく継続性と拡散性が高い施策です。そういう意味では今回オンラインに振っていくというのはすごくアリだなぁと思っています。

まあオンラインもオフラインにもいい点と悪い点あると思うので、オンラインのPros (長所) をいかに活かしてCons(短所)をいかに潰していくか、というのを考えていかなきゃいけないですね。

オフラインを完全にオンラインに代替はできるのか?

高田優哉(以下、高田):オフラインのPros(長所)で書いてある部分を完全にオンラインで代替するのは結構チャレンジかなと思うのですが、そのあたり感触どうでしょうか?

丸田:いや、完全には代替はできないと思います。インターネットは情報伝達の効率化手段です。

オンラインだと、動画でもテキストでも情報伝達はできるんですけど、熱量や雰囲気って伝わりづらいんですよね

やり方はあるのかもしれませんが、オフラインと比べたら完璧には代替できないかなと。

高田:今後、オフラインでの活動が定常的にできる世界っていうのがもう1年ぐらいは多分なさそうとなると、オンラインでも頻度を落とし、その分1回に気合い入れてプレミアムな体験を提供するみたいな感じになっていくのでしょうか?

丸田:おっしゃる通りだと思いますよ。


イベントにおける機能って何かしらの「情報提供」と、エモーショナルな部分での「関係構築」の2つじゃないですか。情報のやりとりだけならオンラインでよくって。オンラインでもでも多少の感情は生まれると思いますし。

ただ、思いっきり盛り上がってもらえるようなオフラインでのプレミアムな体験、スペシャルデーみたいな体験は意識しないといけないなぁとすごく思います。

自己解決を促す「超わかりやすいコンテンツ」の重要性

丸田:22ページかな。ちょっと話飛んじゃうんですけど、顧客接点の考え方をまとめていて…

今後の顧客接点の考え方

顧客接点って、メールとかオンライン何々とか結構「How」の部分ばかり着目されがちです。

ただ、考えるべきは、3つあります。

1) Why(目的)何のためにこういうアプローチの仕方をするのか

2) What(内容)そのお客様に対してそのチャネルで何をするのか

3) How(方法)メールやコミュニティなどどのようにするのか

 

「コロナでオフラインがきつくなってオンラインに切り替えなきゃ!」という状況でもWhy(目的)とWhat(やること)って変わらないと思うんです。

ここで考えなきゃいけないのが、オフラインからオンラインにどうやって切り替えるか、というHow(方法)についてです。それについて今後は「セルフサーブ化」と「マイクロタッチ化」が進むんじゃないかなと思っています。

コンテンツの「セルフサーブ化」

「セルフサーブ」というのは、お客様自身が必要な時に必要な情報を必要な分だけ取ることで課題を自己解決してくれる形。わかりやすい例えは、FAQページに情報全部乗っけて「これだけ見とけばわかります」というサイトを作るとかですね。

ハイタッチやオフラインのコミュニティとかって、対面であるがゆえに雰囲気や説明の仕方の工夫で情報の分かりづらさを補えます。コンテンツや情報ってそんなに調理せず生煮えの状態で出しても何とか回避できたと思うんです。

例えば今日のイベントも視聴者の皆さんはオンラインで声を聞きながら、画面で資料を見ながらなので多少僕の資料が説明不足でも、わかってくださると思います。

しかし後日、この資料だけをイベントに参加していない人が見てもなかなか分かりにくいと思います。情報を自分で取りに来てもらうというのは、裏を返せばこちらから丁寧に補足説明をする余地がないということでもあります。

だからこそ、コンテンツは徹底的にわかりやすくする。

コンテンツの「マイクロ化」

かつ、それをデカいコンテンツじゃなくて、ちっちゃく3分とか5分で読めるようなマイクロに分けていく。

今までと同じような情報提供の仕方をしちゃうと、お客様は見てくれなくなるんじゃないかなと思ってます。

情報提供はオンラインでも工夫できるんですけど、関係構築はどうしても今までどおりは中々難しいです。僕もまだ解がない。

ただ、どうにかしてオンラインをメインにした関係構築をやっていけたらいいなと思っていますし、その解の一つ がオンラインコミュニティだと思っています。

オンライン化したのに電話がかかってくる…お客様の行動をどう変えるか?

高田:たしかに、おっしゃる通りセルフサーブ型というのは大事だと思います。ただ、これを自社に落とし込みたいときになにが難しいかって、「お客様の行動をいかに変えるか」

丸田:ああ~(笑)

高田:社内で3分のわかりやすい記事を用意するとか、オンラインコミュニティつくって案内するとか、全然できる。 でも結局「お客さんが電話してきます」みたいな。

丸田:ははは(笑)。たしかにたしかに。

高田:例えばABEJAにもそういうケースがあり得ると思うんですけど、どうやって対処してるんですか?

丸田:めっちゃありますね(笑)。それでも、うちは徹底的にコンテンツで回答するようにしてますね。オンボーディングも自助努力で解決していくクセづけをしてます。

今ままでは丁寧に「まずこれをやりましょうね」という感じでしたが、そこから「うちが作ったコンテンツ、まずこれを見てください」という「自分で解決してみてね」なオンボーディングに一部切り替えました

逆に、お客様が今までのやり方に慣れちゃってるところの意識変革をしないと、会いに来てよとか電話かけてくるとかすごいあると思ってて。そこは本当に悩みではあります。

高田:いいっすね。ちょっとマネします(笑)。

松田:はは、ぜひ(笑)。

高田:うちもですが、この配信の視聴者さんでも結構あると思うんですよね。お客様の動きを変えるのが多分一番難しい。

丸田:お客様にとってのメリットがないとダメですよね。オンラインより電話で聞くほうにメリットを感じたら、もう絶対に変わらないと思う。

「電話だと15分ですが、これ見て頂ければ1分ですよ」というように、自分でやった方が楽、みたいな伝え方をしていかないと脱却できない気がします。

1時間のオンラインイベント、“ながら見”させない工夫とは

高田:今後のABEJAにおいて、オンラインとオフラインを何対何でやるべきとか、仮説はありますか?

丸田:この一年くらいは100 – 0でオンラインです。コロナがどうなるかはわかりませんが…

完全に個人の意見ですが、いまの経済の再開って見切り発車気味だなと思うんです。めちゃくちゃリスク大きい。

オフラインコミュニティはいつか実施するかもしれませんが、オフラインの場を設ける意思決定はあまり積極的にできない気がしています。やるとしても、相当対策してよっぽど安全だとわかった時。

コミューンさんはこの半年でオフラインやります?超こわくないですか?

高田:やらないですね。本当おっしゃる通りで、効率悪そうだなと思っちゃって。

感染確率が1パーセントでもある時のオフラインイベントの参加率って低いじゃないですか。

丸田:ああ、たしかにたしかに。

オフラインで開催するにしても、お客様自身でオンライン・オフラインを選択できる参加の仕方ができたらいいかもしれないですね。大きなスクリーンをリアル会場に置いておくとか。

高田:あと我々もオンラインイベントを始めてみて、わかったこともあります。

今回このイベントずっと画面に張り付いて見てる人って半分くらいしかないと思うんですよ。以前はずっと集中して聞いてくれる方の比率をどうやったら上げられるんだろう…と考えていたのですが、もうそういうものだなって割り切っています。

丸田:僕が個人でやっているCSカレッジのイベントから学んだのは、インタラクティブ性を上げると参加者の皆さんの関与度も高まるなと。参加者側から発信対してフィードバックがある状態じゃないと、どうしても「ながら見」みたいになっちゃうかなと思います。

CSカレッジではディスカッションやオンラインゲームなどのコンテンツを出して積極的に関与してもらうように努めています。

今回のQ&Aもすごくいいと思いますし、参加者の皆さんに何かアクションを求めるコミュニティなりウェビナーだと、関与度は上がるかなと思いますよ!

つづきは第4部をご覧ください。

〈第4部目次〉

  1. ROIの投資ばかり考えすぎ?リターンを増やす方法とは
  2. 元々オンライン前提の海外コミュニティ。そこから日本が盗めることがある。
  3.  オフラインが難しい中で、いかにオンラインでお客様対応するか?
  4. 興味のある方は丸田さんの「CSカレッジ」ヘ!

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