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ブランドエクイティを高めるメリット|5つの形成要素

2024/09/04

ブランドエクイティを高めるメリット|5つの形成要素
コミューン編集部

コミューン編集部

ブランド同士の競争に打ち勝ち、企業が成長を達成するカギとなるのが「ブランドエクイティ」です。ブランドエクイティは、本来可視化できないブランドの価値を、資産として捉える考え方です。自社のブランド戦略にお悩みの場合は、向上のための施策を検討するようおすすめします。本記事では、ブランドエクイティの意味や構成要素、高めるメリット、測定方法、導入事例などをご紹介します。

ブランドエクイティとは

ブランドエクイティとは、簡単にいうと「ブランドの資産価値」のことです。エクイティ(Equity)には複数の意味があり、金融用語として「株主資本」などの意味で使われることもあります。ブランドが得ている知名度や信頼などは、目に見えるものではありません。このような無形のものにも価値を見出し、企業の資産としてとらえることがブランドエクイティの考え方です。

ブランドエクイティを高めること、売上向上や新規顧客・リピーターの獲得などにつなげることができます。ブランドエクイティは他社との差別化要素になるので、市場での競争優位性を高めることも可能です。そのためには、一貫性のあるブランディングや顧客との積極的なコミュニケーションなどを行っていくことが重要です。


ブランドエクイティの5つの形成要素

ブランドエクイティの提唱者であるデイビッド・アーカー氏によると、この概念は5つの要素によって成り立っているといわれています。ここでは、ブランドエクイティを構築するそれぞれの要素について解説します。

ブランドロイヤルティ

ブランドロイヤルティとは、ブランドに対する愛着や信頼などの度合いを意味します。ブランドエクイティの構成要素の中でも、特に重要といえるものです。強いブランドロイヤルティを持っている顧客はリピーターとなり、安定した売上に貢献してくれます。口コミによる宣伝で新規顧客獲得にもつなげてくれるでしょう。

ブランド認知

ブランド認知とは、「そのブランドがどの程度知られているか」を表す度合いのことです。

顧客が商品を購入する際、まったく知らないブランドよりは、知っているブランドを選ぶ傾向にあるといわれています。ブランドの認知度が高いほど、多くの顧客から購入される可能性も高まるといえるでしょう。ブランド認知を向上させることで、必然的にブランドエクイティを高められます。

知覚品質

知覚品質とは、顧客のブランドに対する品質への評価です。

実際の品質と関係なく、あくまでも顧客が認識している品質のことを指しています。いくら商品やサービスの品質が良くても、顧客がそう思っていなければ知覚品質は低いままです。品質について説得力のあるアピールを続けていくことで、知覚品質を高められるでしょう。

ブランド連想

ブランド連想とは、顧客がブランド名を聞いた際に想起するイメージのことです。

商品パッケージやロゴデザインなど、ブランド自体に関わるもののほか、顧客自身の個人的な体験から連想されるものも含まれます。例えば、「ブランドの商品を使っていた友人の姿」「商品を使ったときのシチュエーション」などを連想する人もいます。

ブランドによって、ブランド連想の内容は大きく異なります。競合との差別化においても重要な部分です。自社ブランドに対して、よりポジティブなイメージを抱いてもらえるような工夫が求められます。

その他のブランド資産

その他のブランド資産とは、上記の4つ以外のすべての無形資産のことです。

自社の優位性を支え、他社との差別化を打ち出せる特許・著作権・商標権などの知的所有権もこちらに含まれます。さらに、取引先との関係性や自社ならではの技術、ノウハウなどもブランドの持つ資産とみなされます。


ブランドエクイティを高める主なメリット

ブランドエクイティの向上には、売上増加や顧客獲得など、さまざまなメリットがあります。主なメリットについて見ていきましょう。

売上増加

ブランドエクイティが高まると、顧客は商品やサービスに対して強い信頼感を覚え、積極的な購買行動に結びつきます。さらに、他社商品より価格が高い場合でも、自社のブランドを選んでもらえる可能性が高まります。結果、売上の増加につなげられるでしょう。

他社との差別化

ブランドエクイティの高い企業は、他社との差別化を図りやすくなります。

競合他社と一線を画す価値観やブランドイメージを構築し、顧客にとって魅力的なブランドを目指しましょう。うまく差別化を行うことで、市場での競争力を高めることもできます。

ファンやリピーターの獲得

ブランドエクイティが強化されると、顧客は単なる消費者から熱心なファンへ変化することがあります。

優良な顧客は継続的な購買で安定した売上に貢献してくれるでしょう。また、ブランドのファンになった顧客は、SNSなどの口コミ共有で広告塔になってくれることもあります。口コミを見てブランドに興味を抱いた人が、新規顧客になるケースもあるでしょう。


ブランドエクイティの測定方法

本来、ブランドエクイティは可視化できない価値であるため、正確に測定することは難しいものです。

財務情報やNPSなどを活用した測定を行い、ブランド価値を総合的に判断しましょう。以下では、ブランドエクイティの主な測定方法を解説します。

財務情報から測定する

財務情報からブランドエクイティを測定する方法があります。この手法で用いられるのは企業の「超過収益力」です。

超過収益力とは、測定や定量化ができない潜在的な企業価値のことを指し、主に企業の買収・合併などの際に用いられます。算出することで、大まかなブランドエクイティを判断できます。ただし、超過収益力にはブランド以外の資産価値も含まれるため、ブランドエクイティを正確に測ることは難しい点に留意が必要です。

NPS®︎分析から測定する

NPS分析とは、NPS(ネット・プロモーター・スコア)を使った分析手法で、顧客ロイヤルティを数値で表すことができます。顧客ロイヤルティの高さは、ブランドロイヤルティの高さにもつながるでしょう。

分析の際は、顧客に対してアンケートを行い、「このブランドをどのくらい他人にすすめたいと思うか」を0~10段階で評価してもらいます。高い評価をした人の割合から批判的な評価をした人の割合を引き、NPSを算出します。NPSが高いほどブランドエクイティも高いといえるでしょう。


ブランドエクイティの導入例

ブランドエクイティを向上させる施策を行うときは、実際の企業の例を参考にしてみることがおすすめです。以下では、ブランドエクイティの高いブランドの事例をご紹介します。

スターバックス

アメリカに本社のあるスターバックスは、世界的なコーヒーチェーンとして知られています。

「居心地の良いおしゃれな店内空間」や「質の高いコーヒー」などの提供を続けてきたことにより、統一されたブランドイメージを確立しています。

無印良品

無印良品では商品のカテゴリを縛らず、雑貨や衣類、家具などを幅広く取り扱っています。

「シンプル」「ナチュラル」という一貫したコンセプトでブランドを展開してきた結果、ブランド哲学に共感する多くの顧客からの支持を得ています。

コカ・コーラ

コカ・コーラはアメリカに本社のある飲料メーカーです。

主力商品である「コカ・コーラ」は認知度が高く、「炭酸飲料といえばコカ・コーラ」と連想する人も少なくないでしょう。大々的なCMによる「クリスマス」「ハピネス」などのブランドイメージも強く、世界中にファンを持つ存在です。

まとめ

自社の利益向上のためにブランドエクイティを高めましょう!

ブランドエクイティを向上させることができれば、売上向上やファンの獲得など、多くのメリットを得ることができます。ブランドエクイティを構成する要素を確かめた上で、それぞれを高められるような施策を行うことがポイントです。

また、基本的に、ブランドエクイティの確立には長い時間がかかります。長期的なブランド戦略を立て、自社独自の価値を創出していきましょう。

 

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