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マーケティング
【5分で読める対談】Withコロナ時代の顧客エンゲージメント戦略|プレイドのCXデザイナーが見出すコミュニティの新たな可能性
2024/08/21
この記事は約5分で読めます
※2020年4月30日に開催したオンライン対談イベント「Withコロナ時代のユーザーエンゲージメント戦略」の一部を記事化したものです。
目次
CXという言葉が生まれる前から「おもてなし」をずっと考えてきた
安藤「私たちは、“データによって人の価値を最大化する”をミッションとして、KARTEというCX(顧客体験)プラットフォームを開発・提供しています。ミッションにも表れているように、“人感”を大事にしている会社なんです。私たちが顧客体験を考える上では、KARTEというプロダクト自体の価値だけではなく、KARTEを通して得られる感情的なものも含めた体験をよくすることを重視しています。」
安藤「昨年の春からKARTEに接する方々を総称してKARTE Friendsと呼んでいます。KARTE Friendsは私たちもユーザーさんも含めてまして、「親しみ」と「お友達に接するようなリスペクト」を大切にしたいという考えからきています。私はそのコミュニティ、KARTE Friends Communityの運営をプレイドのCustomer Experience Designerとしてやらせていただいています。
私自身、ちょっと名の通ったフレンチレストランでレセプショニストをしていたりと元々飲食業界にすごく長くいまして、CXという言葉が生まれる前からお客様のそこでの体験をよりよくするために「おもてなし」をずっと考えてきた人間です。今の仕事に就き、おもてなしをCXに置き換えて話しています(笑)」
高田「コミュニティ施策でよく聞くチャレンジだと思いますが、なかなか社内での共感や理解が得られない、意思決定層とのネゴシエーションが難しいといったことはありましたか?加えて、視聴者の方からコミュニティの運営体制や規模に関する質問も頂いてます。」
安藤「実は、そもそも代表が「やろう!」と言ったことがきっかけでコミュニティチームは生まれました。なのでネゴシエーション自体はありませんでしたが、運営は私ともう一人の2人だけだったので、社内の巻き込みはその後課題になってきました。運営体制については、去年までの1年間は2名体制でしたが、今は専属チームは無く、10名ぐらいのメンバーで担当業務に加えてコミュニティも一緒に見ている、という形です。」
ユーザージャーニーにおけるコミュニティは「ときどき立ち寄りたい島」
橋本「今年2月頃から新型コロナウイルスの影響もあったかと思いますが、それまではどんなことをされていましたか?」
安藤「まずはKARTE Friends Communityへの参加人数を増やすことを目標としました。目標に向けてやったことは、主にKARTE Friendsとのミートアップイベント開催ですね。
コロナによってそういったオフラインイベントが開催できない今は、KARTE Friendsのジャーニー(旅路)を改めて整理しています。KARTE Friendsにとっての体験を“長い旅路”とすると、恐らくコミュニティって“ときどき立ち寄りたい島”くらいの位置づけだと思うんです。立ち寄ると、その島に集まる他のだれかと情報交換ができたり、いつもとちょっと違う食料が手に入ったり、といった珍しい体験ができる。コミュニティも似たような余剰部分なのかなと考えていて。だからあまり注力しない、という意味ではなく、ユーザーにとっての余剰だからこそ私たちが考える価値を実験的に出せる場所と今は捉えて取り組もうとしています。」
オフラインの体験があってこそのオンライン…の前提がコロナで白紙に!
安藤「レストラン出身なのでレストランで例えさせてください(笑)。私が働いていたレストランって、料理やお酒だけで一人4万円もかかっちゃうんです。そこで、お客様はなににお金を払ってもらってるんだろうなと常々考えていました。その時気づいたのは、レストランで過ごす一生に一度きりのすごい特別な時間や空間はもちろんですが、帰った後も『また行きたいな』って回想することも含めた一連の体験に対して払ってもらってるんだなと。
どういうことかと言うと、まず「レストランで食事をする」というオフラインでの体験が基にあって、食事の後に同伴者と感想を共有したり、たのしかったことを食べログなどに書く、といったオンラインで余韻を楽しむと言う流れがありました。」
この時の体験がベースになって、これまでもコミュニティを作ってきました。KARTE Friends Communityでも、まずはオフラインのミートアップというリアルな体験に力を入れ、それをどうやってオンラインで拡張させるか、と言う考えでしたね。しかし今は、コロナによって前提であったはずのレストランでの食事体験、つまりコミュニティでいう所のオフラインのミートアップができなくなってしまいました(笑)。
「オフラインでの体験」という前提がなくなってしまったので「私たちは結局何を提供しているんだっけ?」と考え直す状態になりつつあります。いろいろ考えたのですが、もはやご飯を食べるという体験には執着しない方向で考え始めました(笑)。正直、この2ヶ月くらい(2020年2月~3月)悩みすぎてほとんど何もできなかったです…」
答えがない中で始めたオンライン井戸端会議に希望の光が!
橋本「こういう状況になってオフラインでの活動が制限されてしまったとのことですが、最近オンラインでユーザー会を開催されたと伺いました。具体的にどういうことをしたとか、開催を通じてなにか掴まれたものってありますか?」
安藤「私自身いろんなオンラインイベントに参加してみて、オフラインイベントと同じことをするオンラインイベントってすごく疲れるなとわかりました。発表する人がいて、それを聞いてディスカッションして、最後にお酒を一緒に飲んでということが画面上だとお腹いっぱいに感じています。オンラインMTGみたいになりがちで、そういう意味で多分長時間に向いてないのかなと。」
高田「ただオンラインの良いところもあると思っていて、今日今50人くらいの方が視聴してくれています。これがもし、オフラインで「コミューンのオフィスでやります!」というイベントであればこれだけの方が集まったかと言うと集まらなかったと思うんですよね。そう言う意味で裾野が広がっているから全体の熱量は増えてると言えるんじゃないかな。」
安藤「でもなんだろう、欲しい人に欲しい情報を提供できてるかって今また問われていると思っています。ちっちゃい熱量の数を増やすと言うよりは、届けたい人への熱量を大きくしていきたいなと個人的には考えてしまいます。オフラインのイベントでは熱量がある人を見つけるのって、割と簡単だったんですが今は難しいと感じています。
そこで、つい先週なのですが、大々的に告知もせずコミュニティにいる方に声をかけて、一つのテーマについてゆるーく小さく、かつ短い時間で区切って終わらせるスタイルでイベントをやってみたんです。結果、ミートアップというより熱量の高めな方が集まってプレイドの社内会議拡張版のような雰囲気ですごくたのしかったです。
そこに可能性を感じたので、今後はプレイドの社内会議に参加できたり、KARTEの中の人に話しかけられたりと、KARTEの進化に少しでも寄与できるような機会を増やしていけたらと考えています。ちなみに、終了時間の目安は自分のお尻が痛くなるぐらいです(笑)。」
さいごに
安藤さんのノウハウが知りたい!と思い、本対談を視聴しておりましたが、ユーザーさんに向き合ってトライアンドエラーを繰り返していくことのほうがノウハウよりよほど重要。という点が大きな学びでした…!
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