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格安スマホ(MVNO)業界でオンリーワンになれた理由。 54万人が熱狂する、マイネオユーザーコミュニティの秘密!

2024/08/08

格安スマホ(MVNO)業界でオンリーワンになれた理由。 54万人が熱狂する、マイネオユーザーコミュニティの秘密!
コミューン編集部

コミューン編集部

これまで海外ユーザーコミュニティ事例やコミュニティデータ等について発信してきましたが、今後定期的に国内ユーザーコミュニティ施策の先進事例のご紹介もさせていただきます!

第一弾となる今回は、格安スマホ(MVNO)業界でオンリーワンの存在の「mineo(マイネオ)」さんです。コミュニティ戦略をご担当の吉岡さま、谷さま、高谷さまにお話をお伺いしてきました。


mineo(マイネオ)のユーザーコミュニティ「マイネ王」とは

ー 本日はお時間ありがとうございます。 改めて御社mineo(マイネオ)のユーザーコミュニティ「マイネ王」について教えていただけますでしょうか。

「マイネ王」は株式会社オプテージが自社で運営する、全国のmineoユーザー同士やmineoスタッフと交流ができるファンサイトです。

2015年1月にマイネ王を立ち上げ、現在約54万人(2019年7月末時点)、契約者のうち2人に1人が登録しているコミュニティになっています。

ユーザー同士が格安スマホについて分からないことを質問/回答できる「Q&A」や、IT・通信系の話やそれ以外の趣味の話など、ファン同士が交流できる「掲示板」、mineoの新サービスやサービス改善に向けユーザーがアイデアを出せる「アイデアファーム」など、ブランドステートメントである「Fun with Fans!」を体現すべく、運営事務局 / ファン同士の情報交換、助け合いの場を提供しています。

2019年3月からは「共創 / サポート / 紹介 アンバサダー制度」と称し、mineoに愛着を持ってご利用いただいているユーザーのみなさまがアンバサダーとして、mineoの未来を運営事務局と一緒に創っていくための制度も開始しました。

出典: マイネ王: mineo(マイネオ)コミュニティサイト

ユーザーコミュニティを立ち上げる

ーありがとうございます。私自身もmineoユーザーで、マイネ王も利用させていただいております。(笑) どうしてそもそもユーザーコミュニティをはじめようと思われたのですか?

弊社がmineo事業をはじめたのは、2014年の6月です。
実はMVNO市場は既に立ち上がっており、全体の市場の中では後発での参入ではありました。

当時は、どの会社も「価格の安さ」を強調し、通信速度などの「機能的価値」を全面に押し出した熾烈なマーケティング活動が繰り広げられている状況でした。

その中で、いかに他社と差別化を行い、選ばれるようになるかと考えた時に、「機能的価値」を越えて、「好きだな」「楽しいな」「安心だな」と思われる「情緒的価値」がキーワードになるとたどり着きました。

そこで海外のMVNO市場をリサーチしていく中で、イギリスのgiffgaffというMVNO事業者が、ユーザーコミュニティを運営しファンを創ることで大きく契約数を伸ばしていることを発見したのです。

この戦略だ!ということで、mineoのサービス開始から約半年後にあたる2015年1月には、コミュニティサイトの「マイネ王」を立ち上げました。

ーサービス開始から半年で「ユーザーコミュニティ」も立ち上げ! 当初から組織体制、成果指標はキッチリと整備できていたのですか?

いまでこそ、マーケティング活動の中心として「コミュニティ」が確立され、モバイル事業戦略部の約40人中、7人のメンバーがその運営を専任として関わっていますが、当初はそうではありませんでした。

最初は “情報発信をするため”として「スタッフブログ」からはじまり、新サービスやキャンペーンの情報などを発信することからはじめました。経営陣としても、大きくリソースはかからないだろうという認識だったと思います。

当然「コミュニティ」の構築を目論んで始めはしましたが、何をやったらいいか、活性化したら何につながるのかは全然見えていませんでした。(笑)

成果指標は敢えて置かず、まずは最終的な事業目標であるmineo自体の契約数だけみて始まりました。まずはやってみようと!

明確に今のキチっとした成果指標(後述)が設定されたのは、コンテンツが増えてきた2016年の7月頃からですね。

ーそこからオフラインも含め、試行錯誤をして運営してきたわけですね!

そうですね。オンラインを立ち上げたものの、コミュニティのこともユーザーのこともよくわかっていない、ということで3ヶ目目に最初のユーザーオフ会を実施しました。まだ規模も今のように大きくなかったことからも、本当に参加してくれるのか不安でいっぱいでしたが、10名のファンの方が参加してくださいました。

そこからオンラインでの施策はもちろん、オフラインでも力をいれてユーザーとの接点をもつようにしています。

オフラインがあって、オンラインがより活性化すると思っています。書き言葉に感情が見えるようになり、厳しいご意見をいただける方も、その後応援してくれるようになるんですよね。

オフラインイベントはこれまで約30回実施し全国でのべ1,000名以上の方に参加していただきました。

形式も10~20名の「オフ会」や、長期利用者向けの「王国イベント」、ファン同士がつながれ楽しめる「ファンの集い」(70~100名ほど)など様々な形で行っています。

オフ会では「経営戦略や新しいプロモーション」などを、私たち事業者と一緒に議論・検討し、ファンの集いでは「mineoに関するクイズ大会、新サービスなどアイデア募集」など広く楽しんでもらえるような施策を行っています。

他にも、「格安スマホ相談会」ではコアユーザーにサポート役としてお越しいただき、mineo検討者のご相談にのっていただくイベントも行っています。


ーマイネ王の会員50万人突破企画は、とても盛り上がったと聞いています。

ありがとうございます。

マイネ王の会員数50万人突破を記念し、2019年5月17日~5月31日の期間「50万人で挑む謎解きゲーム~怪盗Xからの挑戦状」企画を実施しました。

この企画はネットで完結せず、北は北海道から南は長崎の五島列島まで、誰かが実際に現地に行って初めて、みんなが謎解きに挑戦できるルールにしました。そんな中で、例えば五島列島の謎を一番早く開放したのは、東京在住のユーザーさんでした。

物理的なインセンティブはパケットがもらえることだけですので、渡航費用などを考えると“お得”ではありません。仲間であるマイネ王会員のために、自分がやらなければ、という助け合いの気持ちだけで行動いただいたのだと思います。

安さや機能的価値だけでなく、「うれしい、楽しい、誰かのためになる」という情緒的価値や社会的価値をご提供できた実例であると考えています。

出典: 50万人で挑む謎解きゲーム~怪盗Xからの挑戦状

コミュニティを盛り上げた秘訣

ー 現在約54万人が登録されているオンラインのコミュニティ。実際のユーザーさんのアクティビティはどれくらいなのでしょうか?

月間ページビュー数は約600万ほど、ユニークユーザー数は約130万ほどですね。

1日の投稿数は約1700件ほどで、コメント/回答数は1日約2,000件ナイス(記事/コメント毎に設置されている「いいねボタン」)は1日約1万2,000件ほど行われています。

Q&Aページのこれまでの総回答数は約1万件以上にのぼり、mineo全体の問い合わせの約1割をカバーする規模になっています。

ー 凄まじい数ですね....! ここまで活性化した鍵はどこにあると考えられますか?

鍵かどうかはわかりませんが、コミュニティを立ち上げてからどんな時も、誠実にファンの皆様に接することは徹底してまいりました。また、ユーザーさん同士が“交流でき、助け合える”場所であるという部分は常にブレずに施策を行ってきました。ユーザーさんが月々の通信量(パケット)をシェアできる「フリータンク」も“助け合い”というキーワードから発想があり実装した機能です。


困っている人がいたら助けてあげよう、何かできることがあるかな、助けてもらったら今度は自分も誰かを助けてあげよう…という空気感がコミュニティ全体のベースにありますよね。

助け合いをすると、人同士の関係性が近くなるんですよね。(オンライン上で)Q&Aにとどまらず、いわゆる雑談も行われているのはその距離感が近いからこそなのかもしれません。

業績や企業価値に貢献できるコミュニティ

ー ユーザーさん同士が支え合う構造ができているのですね。課題を感じる部分はありますか?

やはりユーザー数が増えるにつれて、全体のアクション率はどうしても下がってはきますね。

体感としては、1%くらいがコアなユーザーとして活発にアクションをしていて、読むだけの方も当然多く、いわゆるアクティブなユーザーは全体の10%くらいかなと思っています。

あとは「分析」の部分はもう少しできるのかな、と思っています。

現在も、月に一回は「コミュニティでの活動量」と「紹介数・解約実績」を関連付けてレポートにしていますが、ユーザーさんの特徴をカテゴリ毎に分けた詳細な分析などはできていません。

ポジティブな発言/投稿を行う方は、長期的に利用され、紹介数が多いというデータは、一度分析結果として取れたことはあるのですが、定点での精緻な検証などはまだまだこれからですね。

ーユーザーコミュニティは事業上どのような成果に繋がっているのでしょうか?

成果指標は、顧客満足度NPS、紹介数、解約率、アイデア提案・実現数という項目を主として見ています。

顧客満足度については、大変光栄なことに、第三者調査で多くの賞を受賞することができてきました。
(MVNO 顧客満足度1位(2018年度JCSI第3回調査にて)、モバイル通信サービス部門 第1位(NTTコム オンライン NPS®ベンチマーク調査 2019にて)など)

また、新規契約の3~4割が現ユーザーからの紹介となっているとともに、解約率も以前の2.0%前後から約1.0%まで改善しており、既存ユーザーの満足度が直接的にビジネスの数字にもつながっていると認識しております。

さらに、mineo / マイネ王への改善アイデアは毎月100件以上寄せられており、毎週社内での検討会議を実施して、検討/実施の仕分けを行っています。今までに約4,000件のアイデアが投稿され、約400件が実際に実現されています。


成果指標はそれぞれ独立したものではく、相互につながっています。

mineoサービス / マイネ王を通してユーザー顧客満足度が向上することで、NPSが向上し、解約率の低減と口コミによる紹介数増加につながります。さらに、mineo/マイネ王への改善アイデアの提案数が増加し、それらを実現することで、ファンの皆さんと一緒にサービス改善が行なえます。

このようなサイクルを可視化できたことで、より明確にコミュニティを軸とする事業戦略を立てることができたと思います。

ー素晴らしい成果ですね。会社全体としても上記の成果を評価しているのでしょうか?

そうですね。もちろん結果として数字に繋がることは良いことですが、経営陣には、コミュニティを通して何を目指しているのか、何を実現したいのかをしっかりと伝えるようにはしています。

こちらはお客様への価値・ベネフィットと具体的な施策をまとめたものですが、

mineo・マイネ王として、ベースとなる機能的価値に情緒的・社会的価値を加えるため、様々な取り組みを行っています。


先ほど申し上げたように、格安スマホのマーケットは既に成熟しつつあり、「機能的価値」の部分では、なかなか差別化が難しい現状です。

そこで、mineoやマイネ王を使う中で、ファンの皆さんに「共感」していただき、一緒に創る「共創」を進める中で、うれしい!楽しい!と感じるような「情緒的価値」を高める重要性があると思っています。

更には、mineoやマイネ王を使いながら、世のため人のためになるという「社会的価値」も感じていただきながら、「応援」していただけるような存在になることを目指しています。

ー「共創」のメッセージをより強く感じたのが、今年放映されたTVCMでした。

そうですね。まさにマイネ王の世界観をそのまま表現しているCMになっています。

以前は当社でも、安さを訴求するCMを行っていたのですが、それだと他社さんとの差別化ができません。

当社の強みは、ファンとのつながりです。そこで今回のCMでは、mineoのサービスについて、ユーザーさん自身に、ノーギャラ・台本なしで語ってもらうこととしました。

今回のCMでは、ユーザーさんの口から率直にお話してもらうことで、企業からの発信では伝えきれない思いや本音をうまく伝えられたのかなと思っています。

詳細な数値はお出しできませんが、今回のCMの意義やインパクトについては当社全体としても、非常に好意的に捉えています。

コミュニティのこの先

ー改めて、今後ユーザーコミュニティ含めどのようにサービスを展開されるのでしょうか?

重ねてになりますが、格安スマホの市場は約1,000社が存在する、とても競争の激しいレッドオーシャンの市場です。この中で生き残り、価値を提供し続けるには、他社にはない「mineoだけが持つ独自価値」を打ち出して、「オンリーワンの存在」になる必要があります。

生き残りをかけてmineoが打ち出した戦略、それが「徹底的なファンとの共創」(= ユーザーコミュニティ)でした。

mineoでは、「お客さまは神様」と考えるのではなく、「mineoブランドを一緒に創る同志・仲間」だと位置づけています。

「共有して、共感して、仲間と一緒に創っていこう」という徹底的な共創戦略を推進しながら、「前例のない未来へ、自ら挑戦しよう」を具現化した新しいサービス・企画をこれからも提供し続けたいと思います。

ーありがとうございました。

ありがとうございます。

まとめ

コミュニティサクセスプラットフォーム「Commune(コミューン)」は、企業のコミュニティ施策における企画・構築・運用を一気通貫でサポートします。既存ユーザーのロイヤルティ向上や売上向上、新規顧客の獲得などの実績が豊富。顧客コミュニケーションを充実させたい多数の企業に選ばれています。

以下では、導入事例やプラン体系がわかりやすく掲載された資料をダウンロード可能です。顧客体験を向上させたいマーケティング担当者の方はぜひチェックしてみてください。

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