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これからの時代に必要なファンマーケティングとは?

2024/07/09

これからの時代に必要なファンマーケティングとは?
コミューン編集部

コミューン編集部

みなさんはお気に入りのカフェやお店、アパレルブランドはありますか?または、スーパーで迷った時につい買ってしまう商品はありませんか?
なぜ、その商品/お店/ブランドを選ぶのでしょうか。商品が好きだから、店員さんの人柄が好きだから、企業理念に共感するから、安心感があるからなど、さまざまな理由があるのではないでしょうか。

近年、商品やサービス・企業に対して強い愛着を持った「ファン」を増やすことで、中長期的に安定した売り上げ基盤を構築する「ファンマーケティング」に取り組む企業が増えてきています。

ファンマーケティングとは

ファンマーケティングとは、商品やサービス・企業に対して強い愛着を持った「ファン」を増やすことで、中長期的な売り上げの拡大を狙うマーケティング手法のことです。
ファンとは、商品やブランド・その企業にロイヤルティ(関連記事を読む)を持った顧客で、長期的な売り上げに大きく貢献してくれます。

ファンマーケティングでは、コアユーザーの定着だけでなく、ファン主体で商品やサービス・その企業の魅力が発信されることにより、潜在顧客へのアプローチにも効果が期待されます。

ファンマーケティングが注目されている背景

ファンマーケティングが注目されている背景には、人口減少やSNSの普及による情報収集の方法の変化があります。

人口減少による市場縮小

出典: 日本の人口の長期的推移
*出典:2020年までは「国土の長期展望」中間とりまとめ 概要
2020年以降は「日本の将来推計人口(平成29年推計)」

 

2004年以降、日本の人口は減少の一途を辿っています。総務省の人口推計(*1)によると、日本の総人口は2004年の約1億3千万人でピークを迎え、2050年には9千万人台まで減少する(*2)という調査結果が出ています。

また、高齢化と出生率低下により生産年齢人口が減少、さらに市場の縮小が進むことが予想されます。

そのため、企業は縮小し続ける市場で売り上げを伸ばすことが求められます。今までのような新規顧客を獲得する営業手法では、コンスタントに売り上げを伸ばすことは難しくなるでしょう。

今後は、時間と労力をかけて既存顧客と信頼関係を築き、長期的に売り上げを伸ばすLTV(関連記事を読む)の考え方が鍵となります。

 

*1 総務省 統計局

*2 総務省 我が国における総人口の長期的推移

 

SNSが普及したことによる個人の影響力の強まり


NTTドコモのモバイル社会研究所2022年1月の調査(*3)では、2022年のスマートフォンの所有率は94%という結果が出ています。また、株式会社CIT総研の2022年5月の調査(*4)によると、日本のSNS利用者はネットユーザーの82%にのぼり、さらに今後増えていくと予想されます。

スマートフォンやSNSの普及により、一人ひとりの発信力が高まっている現代では、企業や芸能人の発信よりも個人の発信が影響力を持つこともあります。

それゆえ、ユーザーの発信は、そのユーザーと同じ興味や関心を持つクラスターに届き、潜在顧客に認知を広げることが可能となります。

 

*3 モバイル研究所 レポート

*4 ICT総研 2022年度SNS利用動向に関する調査

 

ファンマーケティングの3つのメリット

ファンマーケティングでは、ユーザーからフィードバックを得ることができたり、ファン同士が交流することによって、商品やサービス以上の価値が生まれるなどのメリットがあります。今回はファンマーケティングのメリットを3つに絞ってお伝えします。

熱量のある生の声を聞くことができる

インターネットの普及により、私たちは日々多くの情報に触れています。ユーザーは、企業による広告やインフルエンサーの発信、口コミなど複数の情報源から批判的な意見も含めて情報収集をしています。

大量の情報から何を信用したらいいかわからない時に重要視されるのは、「誰からの情報か」ということです。

ファンが発信する情報は、実際のユーザーの生の声であるため、信頼性が高く、購買意欲を高め、結果として新規顧客が増えるというメリットがあります。

顧客が定着し、離れにくい

ファンとは、商品やサービスへの愛着が強く、継続して購入する顧客のことです。つまり、一時的な購入で終わるのではなく、何度もリピートしてくれるという特徴があり、長期的な売り上げへの貢献が期待できます。

また、新規顧客への販売コストは、既存顧客への販売コストの5倍かかると言われています。リピートされることは、営業コストの面でも大きなメリットがあります。

有益なフィードバックを得られる

ファンは好きな商品やサービスが、もっとよくなることを望んでいます。更に、ファンの間では、商品やサービスについての話や意見交換が積極的に行われています。

ファンからの感想や意見は、サービスや商品についての有益で的確なフィードバックです。それを参考にサービスや商品を改良することで、よりニーズに適したものを提供できるようになります。

ファンマーケティングの具体的な施策

ファンマーケティングと一言で言っても、アプローチ方法はいくつかあります。今回は「SNS活用」「ファンコミュニティ」「ファンミーティング」をご紹介します。

SNS活用

SNSの発信に共感したり、サービスや商品に対しての理解が進むことが、ファンになるきっかけを与えます。

SNSの大きな特徴はいいねやシェアでの拡散が可能な点にあります。

広く拡散されることで、情報がファン層だけにとどまらず、潜在顧客にも届くことで新たに接点を持つことができます。

ファンコミュニティ

ファンコミュニティとは、ファンが集まるコミュニティを指します。

このファンコミュニティでは、顧客が参加し、ファン同士がサービスや商品に対して同じ立場から意見を交換したり、「好き」を共有することで交流を深め、さらに愛着を育みます。また、コミュニティへの帰属意識を持つことで、サービスや商品への愛着が一層強くなります

加えて、コミュニティは新規顧客獲得にも効果があります。コミュニティが新規顧客獲得に効果がある理由については「コミュニティが新規顧客獲得につながる2つの理由 – 既存顧客が新規顧客を呼び込む仕組み」記事からをご確認いただけます。

 

*記事を読む

コミュニティが新規顧客獲得につながる2つの理由 – 既存顧客が新規顧客を呼び込む仕組み

ファンミーティング

ファンミーティングは、ファンが参加できる交流イベントのことです。具体的にはファンと社員が交流するイベントや会社見学、新商品発表会などがあります。実際に顔を合わせて社員や他のファンと話したり、ファンにもっと商品やサービスを知ってもらう機会となります。

ファンマーケティングの事例

実際にファンマーケに取り組んでいる企業の事例をご紹介します。

ベースフード

ベースフードでは、ファンコミュニティを通じて得られたお客様の声を商品開発・改良に役立てています

コミュニティ内では、社員×ユーザー×ユーザーのコミュニケーションが活発に行われています。ユーザーからのオリジナル商品の提案、ベースフードの新しい食べ方の紹介などアイディアがたくさんあり、ユーザー・企業双方にとって価値のあるコミュニティです。

ベースフードの事例について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

 

ベースフード株式会社 vol.1 「ユーザーコミュニティで継続率の向上とお客様からの紹介数増加を実現」

ベースフード株式会社 vol.2 「ユーザーがユーザーに働きかける好循環。コミュニティ内の投稿が商品理解の促進と新商品アイデアの源泉に」

ヤッホーブルーイング

ヤッホーブルーイングは、熱狂的なファンにより19年連続で増収、常に過去最高益を更新しています。企業の価値観に共感/支持してくれるファンをターゲットにしたイベントの開催や、自社レストランでの交流会を行っています。5,000人規模のファンイベントのほか、ファン主催のイベントなど、ファン同士での交流が活発に行われ、心に秘めている「好き」という思いを共有する場です。

 

*出典:

【ヤッホーブルーイング2021年業績】売上高は前期比3割増 19期連続増収・過去最高益を記録

日経XTREND 大手では真似できないライトユーザーを”伝道師”に導くヤッホーブルーイング流”ファンづくり”

カゴメ

カゴメは「ファンを知る」「ファンに伝える」「ファンと一緒に体験する」を目的としてコミュニティ「&KAGOME」を運営しています。カゴメの商品の売上の30%を2.5%のヘビーユーザーが占めており、ヘビーユーザーの離脱が売り上げの伸び悩みの原因となっていました。そこで、ファンを増やして継続的にユーザーとつながるためにコミュニティを立ち上げました。

このコミュニティのアクション率は10%を維持しており、活発なコミュニケーションが行われています。

コミュニティ運営のほかにも、座談会を開き、会員の意見を取り入れた商品の改良や”カゴメらしさ”について語るファンミーティングを開催しています。

このように多様な顧客接点を持つことで、ファンのブランドや商品への愛着を育んでいます

 

*出典:

ITmedia ビジネスオンライン カゴメが築く「ファンを夢中にさせる」戦略 わずか2.5%のユーザーに注目したワケ

 

 

mineo

mineoは、愛着や共感を抱いてくれているファンとの共創を重視しています。機能やサービスで差別化するのが難しいモバイル通信市場では、安いプランを提供できる企業が有利です。

その中でmineoは、mineoでしか得られない機能・価格以外の価値体験を提供することで、顧客にとってのオンリーワンになれるのではないかと考えました。

コミュニティサイトでの社員とファン・ファン同士の交流のほか、ファンの集いやオフラインイベントを通じてファンとの共創を体現しています。

実際に、新規契約の3〜4割が既存ユーザーからの紹介となっているとともに、解約率もそれまでの2.0%前後から約1.0%まで改善しており、ファンとの共創が長期的な売り上げに貢献しています。

 

*出典:

KARTE CX Clip “オンリーワン”の体験価値はファンとの共創から生まれる。mineoの実践するコミュニティづくり

まとめ

ファンマーケティングを取り入れる企業も年々増えており、これからの時代に必要なマーケティング手法です。今後、マーケティング施策を考える時には、「ファンマーケティング」を選択肢の一つに入れてみてはいかがでしょうか。

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