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NPS®(ネットプロモータースコア)とは?顧客ロイヤルティを可視化する最重要指標をわかりやすく解説

2024/07/03

NPS®(ネットプロモータースコア)とは?顧客ロイヤルティを可視化する最重要指標をわかりやすく解説
コミューン編集部

コミューン編集部

NPS®(ネットプロモータースコア)とは、プロダクトやサービスに対する顧客ロイヤルティを数値化するための指標です。「どれくらいその企業を友人・同僚にすすめたいと思うか」というシンプルな質問から、顧客の推奨意向を0〜10点で測定し、企業が持つ“支持の強さ”を可視化できます。
 
近年は顧客獲得コストの上昇や市場競争の激化により、既存顧客との関係性がより重視されるようになりました。この文脈で、NPS®は単なる満足度調査ではなく、将来の行動と業績に結びつきやすい指標として注目を集めています。
 
本記事では、NPS®の基本的な仕組み、計測方法、業績との連動性、企業が活用する際の注意点までを体系的に解説します。

マーケティングでお困りの方へ

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施策は実行している。CSにも取り組んでいる。
それでも、どこか噛み合わない。

その違和感は、顧客との関係性が
積み上がっていないことかもしれません。

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NPS®(ネットプロモータースコア)とは?

NPS®(ネットプロモータースコア)とは、プロダクトやサービスに対する顧客ロイヤルティの度合いを数値化する指標です。「どれくらいその企業を友人や同僚にすすめたいと思うか」を0〜10点で評価してもらうことで、顧客が熱心なファンなのか、満足はしているが離脱しやすい層なのか、不満を抱える層なのかを明確に把握できます。

現在では、Apple・Amazon・Google・Facebookといったフォーチュン500※企業の3分の1以上が活用していると言われ、世界的にもスタンダードな指標として定着しています。

※フォーチュン誌が年1回発行する、アメリカ国内の売上上位500社のランキング

顧客ロイヤルティとは

顧客ロイヤルティとは、企業やプロダクト・サービスに対して顧客が抱く信頼や愛着の強さを示す概念です。“Loyalty”は本来、忠誠心や情緒的な結びつきを意味します。

ロイヤルティが高い顧客には、次のような特徴があります。

  • 繰り返し購入・利用してくれる

  • 周囲に積極的におすすめしてくれる

  • 建設的で価値あるフィードバックを提供してくれる

市場競争が激化する中、企業が「選ばれ続ける」状態をつくるうえで、こうした顧客の存在は非常に重要です。もちろん、ロイヤルティだけで成長が決まるわけではありませんが、収益性の高い持続的な成長を、顧客ロイヤルティの向上なしに実現することは極めて困難と言えます。

NPS®の計測方法とは?

①0〜10点で11段階評価してもらう

NPS®の計測方法はとてもシンプルです。まず、顧客に対して「このプロダクト・サービスを友人や同僚にすすめる可能性はどのくらいありますか?」と質問し、0〜10点の11段階で評価してもらいます。0点は「まったくすすめない」、10点は「強くすすめたい」という意味になります。

このスコアに基づき、顧客は次の3つのセグメントに分類されます。

■ 推奨者(9〜10点)

  • その企業やサービスの明確なファン
  • 親しい人に積極的にすすめてくれる高ロイヤルティ層
  • 再購入率も非常に高く、紹介による新規顧客獲得の源泉となる

推奨者が多いほど、ブランドの健全性は高まり、成長のドライバーになります。

■ 中立者(7〜8点)

  • 一応満足しているが強い愛着はなく、惰性で利用しているケースが多い
  • きっかけがあれば競合へ離脱しやすい
  • 推奨者と比べると、推奨率・再購入率ともに大きく劣り、50%以上の差になることもある

中立者は否定的ではありませんが、企業成長のエンジンにはなりにくい層です。

■ 批判者(0〜6点)

  • 不満や不平を感じている顧客
  • 周囲にネガティブな情報を伝える可能性が高い
  • 離反リスクが極めて高く、新規顧客の購入意欲を下げる要因にもなり得る

批判者が多い場合、サービス品質・体験・期待値管理など、根本的な見直しが必要です。

②「推奨者」の割合から「批判者」の割合を引く

NPS®のスコアは、「推奨者」の割合から「批判者」の割合を引くことで算出されます。たとえば100人に調査を行い、40人が推奨者、30人が批判者だった場合、割合はそれぞれ40%・30%となるため、

NPS® = 40 − 30 = 10

というスコアになります。この仕組みからも分かる通り、NPS®は**−100〜+100の範囲**で表され、推奨者が多く批判者が少ないほどスコアが高くなります。−100は「全員が批判者」、+100は「全員が推奨者」を意味します。

また、調査結果の信頼性を高めるためにはサンプル数も重要です。統計的な誤差範囲を考えると、

  • 誤差 ±5% に抑えるなら 400サンプル以上

  • 誤差 ±2% に抑えるなら 2000サンプル以上

が必要とされています。

なぜ業績との連動性が高いのか?

顧客ロイヤルティを測定する指標の中でも特に、NPS®は業績成長との相関が強く観測されている指標になります。
2003年にSatmetrix社が、航空会社・運送会社・生命保険会社など、12業種50社以上の企業に対して行った調査によると、ほとんどの企業においてNPS®のスコアと収益成長率に有意な相関関係(相関係数0.70以上)が見られました。特に航空業界においては、相関係数が0.89と非常に高く、非常に強い相関が見られました。

参考:『Net Promoter Score: The Power Behind A Single Number

このように、NPS®のスコアと業績成長は大きく連動していますが、その理由は以下の2つに集約されます。

① 将来の行動を質問しているため

一般的な顧客満足度調査は、「満足していますか?」といった、過去の体験を振り返る質問が中心です。そのため「満足している」と回答したとしても、その後の継続利用や他者への推奨など、実際の行動につながるかどうかまでは分かりません

一方、NPS®は「親しい人にすすめますか?」という、将来の行動そのものを聞きます。

推薦するかどうかは、顧客が今後どれだけそのサービスを支持するかを強く反映するため、継続利用や紹介といった実際の行動と整合性が高くなります。

② ストレスのかかる行動を質問しているため

「人にすすめる」という行為は、自分だけに影響する行動ではなく、その人との関係性に影響が及ぶため、ある程度の勇気が必要です。

同じ将来行動を聞くとしても、
「また買いますか?」(自分だけで完結する行動)
よりも、
「友人にすすめますか?」(他者を巻き込む行動)
のほうが心理的ハードルは高くなります。

だからこそ、NPS®で9〜10点をつける顧客は、本当に自信を持ってそのサービスをすすめたいと思っている顧客であり、実際の推奨行動に移る確率も高いのです。


NPS®で得られた回答が、実際の顧客行動をどれほど反映しているのかについては、複数の調査で裏づけが示されています。Satmetrix社が実施した調査では、金融サービス、ケーブル・電話、電子商取引、自動車保険、インターネット・サービス・プロバイダー、コンピュータ・ハードウェアという6つの業界において、合計4,000名の顧客データを分析しました。
その結果、
「親しい人に薦めますか?」という質問項目のスコアは、実際の顧客行動との相関において、80%の確率で1位または2位に位置する
ということが明らかになりました。

つまり、数ある質問項目の中でも「推奨意向」は、顧客の本当の行動と最も密接に結びつく指標であり、NPS®が高い予測力を持つ理由のひとつと言えます。

NPS®が適合するビジネスは?

NPS®が適しているかどうかは、業界よりも企業と顧客の関係性の深さによって決まります。特に、以下の2つの特徴を持つ企業では、NPS®が高い効果を発揮します。

  • 取引が単発ではなく、複数回もしくは長期間にわたって継続すること
     顧客との関係性が事業価値に直結するビジネスに向いています。

  • 顧客ロイヤルティに影響するタッチポイントで、直接顧客接点を持っていること
     顧客が実際に体験するサービス品質やサポートの質が、そのまま評価に反映されます。

これらの条件を満たす業態としては通信事業、金融サービス、保険、先進的なテクノロジー製品を扱う企業、フィットネス事業などが典型的です。これらの業種では顧客との関係が長く、体験の質が継続利用の鍵となるため、NPS®との相性が特に良いと言えます。

日本でNPS®調査を実施する際の注意点とは?

日本でNPS®調査を実施する際には、文化的な傾向を踏まえる必要があります。日本人は評価場面で極端な数字を選ぶことを避け、中間を選びやすい傾向があるため、0〜10点の中心である「5」に回答が集まりやすく、NPS®のスコアがマイナスに寄りやすいという特性があります。

ベイン・アンド・カンパニーのロブ・マーキー氏も「日本は文化要因によりNPS®が低く出やすい数少ない国だ」と指摘しています。

ただし、この点は懸念ではありません。NPS®はもともと米国で開発された指標であり、0〜6点が「批判者」と定義されているため、日本の文化的傾向をそのまま評価に当て込むとスコアが低く見えるだけです。重要なのは絶対スコアではなく、相対比較です。

  • 競合との比較

  • 自社の過去スコアとの比較

  • 継続的な改善のトレンド

これらを見ることで初めて意味を持ちます。

たとえば、スコアが−20であっても、前回が−30であれば「改善している」と評価できます。NPS®はスコアそのものに一喜一憂するためではなく、顧客ロイヤルティの変化を継続的に把握するための指標として使うことが大切です。

まとめ

NPS®の測定方法は非常にシンプルですが、

① 将来の行動を聞いていること
② 心理的ハードルのある行動を聞いていること
 
という2つの特徴により、実際の顧客行動との相関が高く、業績との連動性も強く表れます。一方で、NPS®を活用する際に忘れてはならないのが、絶対値そのものには大きな意味がないという点です。

文化圏や顧客層によって数値は大きく変動するため、

  • 過去の自社スコアとの比較

  • 競合との比較

  • 継続的な改善トレンド

といった“相対評価”こそが重要になります。そのため、同じ設問・同じ計測手法を継続して実施し、ロイヤルティ向上の変化を確実に捉えていく運用が効果的です。

注: ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、NPS、そしてNPS関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標またはサービスマークです。

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