コラム
社内コミュニティ
日本の離職率の平均は?業界別データと原因から考える、定着率を高める実践ポイント
2026/01/08

少子高齢化による労働人口の減少や、転職が当たり前になりつつある時代背景を受け、企業にとって「離職率」は避けて通れない経営指標となっています。
実際、日本企業全体の離職率はおおむね15%前後で推移しており、業界や企業規模によって大きな差が見られます。しかし、単に数値を把握するだけでは、自社の課題や打ち手は見えてきません。
重要なのは、離職率が「なぜ高い(あるいは低い)のか」を構造的に理解し、組織の実態に合った改善策につなげることです。本記事では、日本の離職率の平均や業界別の傾向、新卒・理由別データを整理したうえで、離職率が高まる背景と具体的な改善アプローチを解説します。
離職率の改善、制度だけで止まっていませんか?
離職率の改善、制度だけで止まっていませんか?
- 離職の兆しに、気づいたときには手遅れになってしまう
- 評価制度や1on1を整えたが、現場の納得感が上がらない
- 部署を越えたつながりが弱く、孤立や分断が起きている
- 「ここで働き続けたい理由」を言語化・共有できていない
Commune For Work は、社内コミュニティを通じて、
従業員同士のつながりやナレッジ、成功体験を可視化・共有します。
部署や役職を越えた対話を生み出し、日常的に声が届く環境をつくることで、
心理的安全性とエンゲージメントの向上につなげます。
「辞めにくい組織」ではなく、「ここで働き続けたいと思える組織」づくりを後押しします。
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部署や役職を越えた対話を生み出し、日常的に声が届く環境をつくることで、
心理的安全性とエンゲージメントの向上につなげます。
「辞めにくい組織」ではなく、「ここで働き続けたいと思える組織」づくりを後押しします。
目次
第1章 離職率とは何か
離職率の定義と意味
離職率とは、一定期間内に企業や組織を離れた従業員の割合を示す指標です。厚生労働省では「常用労働者数に対する離職者数の割合」と定義されており、企業の雇用の安定性や人材定着の状況を測るために用いられます。
離職率が高い場合、従業員満足度の低下や組織運営上の課題を内包している可能性が高く、採用コストの増大や生産性の低下にも直結します。一方で、離職率が極端に低ければ良いというわけでもなく、新陳代謝が停滞しているケースも考えられるため、数値の「高さ・低さ」だけで判断するのは危険です。
離職率の算出方法と注意点
厚生労働省が用いている基本的な算出式は以下の通りです。
離職率 =(離職者数 ÷ 常用労働者数)× 100
ここでいう常用労働者とは、期間の定めなく雇用されている者、または1か月以上の期間を定めて雇用されている者を指します。算出自体はシンプルですが、注意すべき点は「どの期間を切り取るか」「正社員・非正規をどう扱うか」によって数値の意味合いが変わることです。
自社の離職率を評価する際は、業界平均や過去推移と比較しながら、同じ定義・条件で見続けることが重要になります。
離職と退職の違い
「離職」と「退職」は混同されがちですが、意味は異なります。離職は、自己都合退職・会社都合退職・契約満了・失業など、雇用関係が終了した状態全般を指す広い概念です。公的統計やハローワークでは主に「離職」という表現が用いられます。
一方、退職は労働者が労働契約を終了する行為そのものを指し、主に自発的な意思によるケースで使われます。懲戒解雇などの場合には「退職」という表現は用いられません。
離職率を正しく理解するためには、この言葉の違いを押さえたうえで、データの前提条件を確認することが欠かせません。
第2章 日本企業の平均離職率はどのくらいか
日本企業全体の平均離職率
厚生労働省の「雇用動向調査」によると、日本企業全体の離職率は直近で約15%前後で推移しています。令和4年のデータでは、入職率15.2%に対し、離職率は15.0%となっており、労働市場全体としては「人が出入りする状態」が常態化していることがわかります。
この数値だけを見ると高く感じるかもしれませんが、重要なのは「平均値」である点です。業界・企業規模・職種によって離職率の分布は大きく異なり、15%という数字自体は“高い・低い”の判断基準にはなりません。まずは全体感を把握したうえで、自社がどの位置にあるのかを見極めることが重要です。
新卒の離職率と「七五三現象」
新卒者の離職率を見ると、より特徴的な傾向が浮かび上がります。新規学卒就職者の「就職後3年以内の離職率」は、大卒で約3割、高卒で約4割前後とされ、いわゆる「七五三現象」として知られています。
近年は改善傾向が見られるものの、依然として新卒の早期離職は企業にとって大きな課題です。特にオンボーディング不足や、業務内容・職場文化とのミスマッチは、入社後早期の離職につながりやすい要因といえます。新卒離職率は、採用の成否だけでなく、育成や定着施策の質を映す指標としても捉える必要があります。
理由別に見る離職率の内訳
離職理由を大きく分けると、「個人的理由」と「事業所側の理由」に分類されます。近年の傾向では、結婚・出産・介護などを含む個人的理由による離職が大半を占めており、全体の離職率を押し上げています。一方で、経営悪化や人員整理など、事業所側の理由による離職も微増傾向にあります。
この内訳から読み取れるのは、離職率のすべてが「企業努力不足」とは言い切れない一方で、働き方や制度設計次第で抑制できる余地があるという点です。離職率を改善するためには、数字の背景にある理由まで分解して捉える視点が欠かせません。
第3章 離職率が注目される背景とは
労働力人口の減少と人材確保の難化
日本では少子高齢化の進行により、労働力人口の減少が続いています。企業にとっては「採用できるか」だけでなく、「採用した人材をいかに定着させるか」が経営上の重要テーマになりました。
離職率が高い企業では、採用・育成にかけたコストが回収できないまま人材が流出し、生産性や組織力の低下を招きます。その結果、慢性的な人手不足に陥り、既存社員への負荷が増すという悪循環が生まれやすくなります。こうした背景から、離職率は人材戦略の成果を測る指標として注目されているのです。
働き方・キャリア観の多様化
近年、成果主義やジョブ型雇用、リモートワークなどの普及により、働き方やキャリアに対する価値観は大きく変化しました。特に若年層を中心に、「一つの会社に長く勤めること」よりも「自身の成長や納得感」を重視する傾向が強まっています。
その結果、転職はネガティブな選択ではなく、キャリア形成の一手段として一般化しました。この変化は人材の流動性を高める一方で、企業にとっては離職率をコントロールしにくい状況を生み出しています。従業員が「この会社で働き続けたい」と思える環境づくりが、これまで以上に重要になっています。
離職率が経営に与える影響
離職率の上昇は、人事部門だけの問題ではありません。離職が増えることで、採用コストの増加、業務の属人化、組織ノウハウの流出など、経営全体に影響が及びます。特に、経験豊富な人材の離職は、短期的な人員補充ではカバーしきれない損失をもたらします。
そのため、離職率は「結果としての数字」ではなく、組織文化やマネジメントの状態を映し出すシグナルとして捉える必要があります。離職率が注目される背景には、こうした経営インパクトの大きさがあるのです。
第4章 離職率が高い傾向にある業界
宿泊業・飲食サービス業
宿泊業・飲食サービス業は、全産業の中でも特に離職率が高い業界です。全体の離職率は20%台後半に達しており、新規学卒者の3年以内離職率に限ると、大卒・高卒ともに5割を超える水準となっています。
背景には、不規則な勤務体系や繁忙期の長時間労働、慢性的な人手不足があります。また、教育体制が十分に整っていないケースも多く、将来のキャリア像を描きにくいことが、早期離職につながりやすい要因です。個々の現場努力だけでは限界があり、業界全体として働き方や育成の在り方を見直す必要があるといえるでしょう。
生活関連サービス業・娯楽業、医療・福祉
理美容業や娯楽施設を含む生活関連サービス業・娯楽業も、離職率が高い業界の一つです。賃金水準の低さや体力的負担の大きさ、不規則な労働時間が主な要因として挙げられます。
また、医療・福祉業界では、人手不足による業務負荷の増大や、夜勤・シフト制によるワークライフバランスの崩れが離職につながりやすい傾向にあります。社会的意義の高い仕事である一方、待遇やキャリア形成が追いついていない現場も多く、構造的な課題を抱えている業界といえるでしょう。
卸売業・小売業、教育・学習支援
卸売業・小売業では、不規則な就業時間や売上目標に対するプレッシャーが、離職率を押し上げる要因となっています。特に若年層では、業務量と報酬のバランスに不満を感じやすく、転職に踏み切るケースが少なくありません。
教育・学習支援業界でも、授業以外の業務負荷の大きさや長時間労働が課題となっています。やりがいはあるものの、労働環境が追いつかず、結果として離職率が高止まりしているのが実情です。
第5章 離職率が低い傾向にある業界
複合サービス事業・インフラ関連産業
複合サービス事業(郵便・協同組合など)や、電気・ガス・水道といったインフラ関連産業は、全体的に離職率が低い傾向にあります。これらの業界に共通しているのは、事業の安定性と雇用の継続性です。
景気変動の影響を受けにくく、事業の見通しが立てやすいため、従業員も中長期的なキャリアを描きやすくなります。また、勤務時間が比較的安定している点や、福利厚生が整っている点も、定着率を高めている要因といえるでしょう。
情報通信業・製造業
情報通信業は、離職率が低い一方で入職率が高く、人材の流動性が健全に保たれている業界です。リモートワークやフレックスタイムなど柔軟な働き方が浸透しており、専門スキルを軸にしたキャリア形成がしやすい点が特徴です。
製造業も比較的離職率が低く、特に大企業では教育制度や福利厚生が充実しています。近年では中小企業でも、人材確保を目的に待遇改善や働き方改革に取り組む動きが広がっており、こうした積み重ねが定着率の向上につながっています。
金融業・保険業、建設業
金融業・保険業は成果主義の色合いが強い一方で、評価基準が比較的明確であることが、定着率を支える要因となっています。数字による評価に納得感を持てる人材にとっては、働きやすい環境といえるでしょう。
建設業も、特に大手企業では高い給与水準や長期的なキャリア支援体制が整っており、離職率は低めに推移しています。ただし、中小企業では労働環境に差があり、業界内でも二極化が進んでいる点には注意が必要です
第6章 離職率が高くなる主な原因とは
待遇・評価制度への不満
離職理由として最も分かりやすいのが、給与や福利厚生といった待遇面への不満です。従業員は、自身の成果や役割に見合った報酬を期待していますが、その水準が市場や業務負荷と乖離している場合、転職を検討するきっかけになります。
加えて、人事評価制度への不満も大きな要因です。評価基準が不明確だったり、評価と報酬・昇進が連動していなかったりすると、努力が正しく報われていないという感覚が生まれます。こうした「納得感の欠如」は、徐々にモチベーションを下げ、離職へとつながっていきます。
労働時間・働き方の問題
長時間労働や休日出勤が常態化している職場では、離職率が高くなる傾向があります。特に、慢性的な人手不足の中で業務が属人化している場合、特定の従業員に負荷が集中しやすく、心身の疲弊を招きます。
また、有給休暇を取得しにくい雰囲気や、柔軟な働き方が認められない環境も、ワークライフバランスを重視する層にとっては大きなストレス要因です。働き方の問題は、制度だけでなく「実際に使えるかどうか」という運用面まで含めて見直す必要があります。
職場環境・人間関係・心理的安全性
離職の引き金として見逃せないのが、職場の人間関係や心理的安全性の欠如です。上司との関係性が悪い、意見を言いづらい雰囲気がある、ハラスメントが黙認されているといった環境では、従業員は安心して働くことができません。
特に、相談先がなく孤立感を抱えた状態が続くと、問題が表面化しないまま突然の離職につながるケースもあります。離職率を下げるためには、制度整備だけでなく、日常的なコミュニケーションや信頼関係の構築が不可欠です。
第7章 離職率を改善するための実践ポイント
制度改善だけで終わらせない
離職率を改善するうえで、報酬体系や人事評価制度の見直しは欠かせません。給与水準や福利厚生、評価基準の透明性を高めることで、従業員の納得感は確実に向上します。ただし、制度を整えただけでは離職率は思うように下がらないケースも多く見られます。
重要なのは、「制度がある」ことと「現場で機能している」ことは別だという点です。制度設計とあわせて、運用状況を定期的に確認し、現場の声を反映し続ける姿勢が求められます。
日常のコミュニケーションを設計する
離職率の改善において、見落とされがちなのが日常的なコミュニケーションです。定期的な1on1やオンボーディングの充実、部署を越えた情報共有などは、従業員の不安や孤立感を軽減し、定着率を高める効果があります。
特に、悩みや違和感が小さいうちに言語化できる環境があるかどうかは重要です。問題が表面化しないまま蓄積すると、ある日突然の離職につながりやすくなります。離職率を下げるためには、「辞める理由」を事後的に分析するだけでなく、「辞める前の兆し」を捉える仕組みづくりが欠かせません。
社内コミュニティによる定着率向上
従業員同士が役職や部署を越えてつながれる社内コミュニティは、離職率改善において有効な打ち手の一つです。業務以外の接点や、気軽に意見交換できる場があることで、帰属意識や心理的安全性が高まります。
こうした取り組みを仕組みとして支える手段として、Commune For Work のようなコミュニティプラットフォームを活用する企業も増えています。戦略設計から運用支援までを一貫して行うことで、属人的になりがちなコミュニケーション施策を継続可能な形に落とし込むことができます。
離職率の改善は、単なる人事施策ではなく、組織文化そのものを育てる取り組みです。従業員が「ここで働き続けたい」と感じられる環境づくりが、結果として企業の持続的な成長につながっていくでしょう。
離職率改善を「仕組み」で前に進めるために
離職率が高まる背景には、待遇や評価制度といった構造的な要因がありますが、多くの企業で見落とされがちなのが、それらが日常の業務やコミュニケーションの中でどう受け取られているかという点です。
制度を整えても、意図や背景が共有されなければ、従業員の納得感や行動は変わりません。
実際の離職は、突然起きるものではなく、「相談できない」「声が届かない」「自分の居場所が感じられない」といった小さな断絶が積み重なった結果として起こります。だからこそ、離職率改善には制度と人をつなぐ日常の接点を、属人化せずに仕組み化することが重要です。
Commune For Work は、社内コミュニケーションを起点に、エンゲージメントと定着率の向上を支えるプラットフォームです。部署や役職を越えた対話、ナレッジ共有、従業員同士のつながりを可視化することで、「ここで働き続けたい」と思える組織づくりを後押しします。
離職率の改善、制度だけで止まっていませんか?
離職率の改善、制度だけで止まっていませんか?
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部署や役職を越えた対話を生み出し、日常的に声が届く環境をつくることで、
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部署や役職を越えた対話を生み出し、日常的に声が届く環境をつくることで、
心理的安全性とエンゲージメントの向上につなげます。
「辞めにくい組織」ではなく、「ここで働き続けたいと思える組織」づくりを後押しします。
