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パレートの法則 / 2:8の法則とは-0からわかるカスタマーサクセス用語集

2024/03/27

パレートの法則 / 2:8の法則とは-0からわかるカスタマーサクセス用語集
コミューン編集部

コミューン編集部

パレートの法則とは、「全体の80%の成果は、たった20%の要素から生まれる」ことを示したものです。「80 対 20 の法則」とも呼ばれ、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した経験則です。売上の大半が一部の優良顧客からもたらされるように、ビジネス現場では驚くほど多くのケースでこの比率が当てはまります。

とりわけカスタマーサクセス(CS)の領域では、トップ 20%の顧客をどう育て、成果を倍化させるかが勝敗を分けるポイントです。優良顧客のLTV(顧客生涯価値)を最大化できれば、広告依存から脱却しながら持続的な成長エンジンを手に入れられます。
 
この記事では、パレートの法則の概要から具体例、応用方法までを徹底解説します。

パレートの法則とは

パレートの法則は、「全体の成果の80%は、わずか20%の要素から生まれる」という経験則を指します。“2:8の法則”“80:20ルール”“ばらつきの法則”とも呼ばれ、構成要素の寄与が均等でない現象を端的に表す概念です。

代表例としては次のようなものが挙げられます。

  • 売上の80%は、全顧客の20%にあたる優良顧客が生み出している
  • 世界の富の80%は、上位20%の富裕層が保有している

ビジネス領域では戦略立案・品質管理・マーケティング(ロングテール分析など)で優先順位を決めるフレームワークとして広く活用されています。

この法則を発見したのはイタリアの経済学者ヴィルフレド・パレート(1848–1923)。1880年代に欧州の所得分布を分析する中で、「所得額」と「その所得を超える人の割合」に共通の比率があると気づきました。さらに趣味で育てていたエンドウ豆の収穫量の約80%が、全サヤの20%から得られた経験から、自然界にも経済にも普遍的な不均衡が存在すると確信し、理論化したとされています。

売上の80%は、全顧客の20%にあたる優良顧客が生み出している

身近に潜む「80:20」の具体例

パレートの法則は、日常のあらゆる場面でこっそりと顔をのぞかせています。上位2割が全体に大きなインパクトを与える構造さえあれば、ほとんどが80 : 20に収れんする――その分かりやすい例は、以下のようなものです。

  • 1日の行動
      私たちは可処分時間の約80%を、通勤経路や自宅などわずか20%の場所で過ごしている。
  • ソフトウェアの機能利用
     多機能アプリでも、利用者の8割は全機能の2割しか使っていないとされる。
  • 売上構成
    企業の売上の80%は、上位20%の優良顧客が生み出しているケースが多い。
  • 商品別の利益
    棚に並ぶ商品のうち20%が、総利益の80%を稼ぎ出していることもしばしば。

たくさんあるように見えて、実際に成果を動かしているのはほんの一握り――この視点を持つことで、リソース配分や改善の優先順位が一段とクリアになります。

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類似している法則

パレート最適(パレート効率性)

資源が無駄なく配分された状態のことをパレート最適といいます。この法則もパレートが提唱したものです。

例えばケーキを2人で分ける際、半分に配分し、余りがない状態がパレート最適にふさわしい状態になります。3等分に配分し、3分の2を1人が、残りの3分の1をもう1人が食べた場合、3分の1を与えられた1人の満足度は犠牲になりますが、この状態も、資源が無駄なく配分されているためパレート最適にふさわしい状態になります。

2:6:2の法則(働きアリの法則)

この法則はパレートの法則から派生して生まれたものだといわれています。2:6:2の法則とは組織や集団の人員構成において、優秀な働きをする人材2割、普通の働きをする人材6割、貢献度の低い人材2割になるという理論を指します。この法則はさまざまな集団に当てはまり、ビジネス集団やプロスポーツチームが挙げられます。

もし、下位の2割がいなくなったとしても、残り8割の中の2割が貢献度が低くなり、逆に上位2割がいなくなっても、残り8割の中の2割が優秀な働きをするようになります。そのため人員構成が変わったとしても、この法則は働き続けます。

最小努力の法則

これはある目標を達成するのに複数の方法が存在する場合、人間は最終的に最も少ない努力で済む方法を選択するという法則です。この法則は、少量の努力で効率よく同じ結果が得られるため、自らを調整する傾向があるとジョージ・K・チップが見出しました。

応用する方法

パレートの法則は、ビジネスにおいてどの要素を伸ばしていくかの大きなヒントになり、営業や戦略立案をする上で非常に大切なフレームワークになります。

経営改善での応用

チームで進めた仕事の成果の8割は、費やした時間の2割で生み出している

これは、チームの成果の大部分は、チーム全体が費やした時間のうちの2割を占める時間が支えていることを示しています。よって2割に当てはまる時間の見極めが重要でしょう。さらに2割がより多くの成果を創出できる環境整備も必要といえます。

営業での応用

会社売上の8割を支えている顧客に対して営業時間の2割を費やし、優良顧客になってもらう

会社売上の8割を占める2割の顧客に費やす工数を増やし、それ以外の顧客に費やす工数を減らすという策に応用できます。また、顧客に必要とされるサービスを開発する時間を作ることも重要でしょう。

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パレートの法則を活用するにあたっての注意点

あくまで経験則に過ぎない

パレートの法則はあくまでも経験則です。パレートの法則と異なった分布を示す場合ももちろん発生します。1.5:8.5であったり、3:7の可能性もあります。

そのため全てを鵜呑みにするのではなく、一種の仮説として分析を行ったり、施策を立てたりすることが大事になります。

残りの8割は不要ではない

仮に売上に貢献していない要素があっても、すぐに切り捨ててはいけません。残りの8割は、売上以外の要素で貢献している可能性があるからです。そのため、各要素を丁寧に分析する必要があります。

例えば、花屋の売上の8割を占めるのが2割の花だった場合、売上の低い8割の花を売るのをやめてしまったら花屋自体の売り上げは下がってしまいます。また、その8割の花を求めていたお客様も存在するので、お客様が他の花屋に流れてしまうというリスクもあります。

そのため、花屋に来店するお客様のニーズを把握することが非常に重要になります。花屋に来店する目的はさまざまなので、むやみに売上に貢献している2割の花だけ売るという施策は取らないようにしましょう。

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まとめ

パレートの法則は、ビジネスを展開する上で重要な指標になってくる場合があります。しかし、全てを鵜呑みにせず、あくまでも参考程度で一つの材料として扱うのが良いでしょう。よって2:8のバランスを取ることが肝になります。

ただビジネスや社会において「少数の要素が多数の結果を起こす」または「たくさんの事象も元は少数の要素から生まれている」ということは、かなりの確率で当てはまるでしょう。

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