コラム
カスタマーサクセス
アップセル・クロスセルとは?押し売りにならず売上が伸びる「顧客理解型アプローチ」
2024/03/27

アップセルとは、顧客が検討している商品より 上位グレード を提案すること。クロスセルとは、関連する 別商材を追加で提案 し、利用価値を広げるアプローチです。
これらは売上を伸ばす手法として知られていますが、近年は「押し売り」ではなく、顧客の課題を正しく理解し、最適な選択肢を提示する行為として見直されています。
背景には、多くの企業が抱える課題があります。「新規獲得が伸び悩む」「既存顧客への提案が難しい」「適切なタイミングがつかめない」——こうした悩みは業種を問わず共通です。本記事では、アップセル・クロスセルの基本から、なぜ今重要なのか、どのようにすれば“顧客に喜ばれる提案”になるのかまでを、実例とともにわかりやすく整理します。
アップセル・クロスセル、お困りですか?
アップセル・クロスセル、お困りですか?
- どの顧客に、どのプランを提案すべきか判断が難しい
- 提案のタイミングが掴めず、アップセルの機会を逃してしまう
- CSごとに提案方針がバラバラで、再現性のある型がつくれない
- 顧客の声や利用状況が点在し、インサイトが見えづらい
Commune for CSは、コミュニティとVoCを起点に「誰に・いつ・何を提案すべきか」を可視化。日々の投稿や行動データからインサイトを抽出し、CSが“押し売り”ではなく“伴走としてのアップセル・クロスセル”を行える環境をつくります。
Commune for CSは、コミュニティとVoCを起点に「誰に・いつ・何を提案すべきか」を可視化。日々の投稿や行動データからインサイトを抽出し、CSが“押し売り”ではなく“伴走としてのアップセル・クロスセル”を行える環境をつくります。
目次
新規獲得が頭打ちになる理由とは?
広告依存モデルの限界が来ている
デジタル広告の競争は年々激しくなり、クリック単価や獲得単価は高騰を続けています。かつては「広告を出せば一定の流入が確保できる」状態でしたが、いまは同じ予算でも成果が安定せず、再現性も下がっています。
検索結果はレッドオーシャン化し、SNSもアルゴリズムの変動によって読みづらい環境です。そのため、多くの企業が新規依存の成長モデルだけでは持続的に成果を出しにくくなっています。
市場成熟により見込み顧客の母数が伸びない
市場が成熟し、見込み顧客の母数そのものが増えにくくなっています。人口動態の変化や購買行動の多様化も相まって、「新規を増やして売上を伸ばす」という従来の戦略が機能しづらい状況です。それでも組織内のリソースは新規施策に偏りがちで、既存顧客の理解や深耕に十分な時間が割かれていません。このギャップが、売上の伸び悩みを生む大きな要因となっています。
“誰に何を提案すべきか”がわからない
CSや営業の現場では、「押し売りに見えるのでは」「この顧客に何を提案すべきか判断できない」といった声が多く聞かれます。これは担当者の力量の問題ではなく、顧客の声や利用データ、インサイトが不足していることによる構造的な課題です。
判断材料が揃わない環境では、自信を持って提案しづらく、結果としてアップセル・クロスセルのチャンスを逃してしまいます。この情報不足こそが、成長のブレーキになっているのです。
既存顧客の潜在価値は「新規の5倍以上」
売上は「顧客数 × 顧客単価」で決まる
売上を構成する要素は、非常にシンプルに分解できます。それが「顧客数 × 顧客単価」という式です。
これまで多くの企業が前者、つまり新規顧客数の増加に注力してきましたが、市場が成熟した現在はその余地が限られつつあります。一方で、既存顧客の“単価”にアプローチすることは、比較的低いコストで大きな影響を生みやすい領域です。
購買経験や利用実績がある顧客は、企業への理解・信頼が蓄積されているため、価格や機能への説得負担も新規より小さく済みます。この特性こそが、顧客単価向上の取り組みが注目される理由です。
「1:5の法則」が示す、新規依存の非効率
マーケティングでよく知られる「1:5の法則」は、新規顧客の獲得コストが既存顧客の維持コストの5倍に達するという考え方です。広告費や人的リソースが膨らみ続ける現代では、この差はさらに拡大しているとも言われます。
1:5の法則とは、新規顧客に販売するコストは既存顧客に販売するコストの5倍かかるという法則です。
つまり、同額の売り上げを達成する場合でも、新規顧客に販売する方がコストが高くなり、利益率が低くなるということです。
新規顧客は関心度・理解度・信頼度が低いため、獲得のプロセスに時間と費用が必要です。一方、既存顧客はすでに企業との接点を持ち、価値をある程度理解しています。この差が累積すると、組織のコスト構造に大きな歪みが生まれます。だからこそ、既存顧客に向き合うことは“費用対効果の高い成長戦略”と言えるのです。
LTVが伸びる=事業の再現性が高まる
既存顧客が長く利用し、追加購入や上位プランを選択してくれるようになると、LTV(顧客生涯価値)は大きく伸びていきます。LTVが高い事業はキャッシュフローが安定し、広告投資や新規施策にも余裕を持って取り組めるようになります。
さらに、既存顧客の成功体験が口コミや紹介につながり、新規顧客の流入まで加速するという好循環も生まれます。つまり、アップセル・クロスセルは単なる売上増加の手段ではなく、事業の成長エンジンを強化する根幹施策なのです。
新規獲得に頼り続けるモデルから脱却するためにも、既存顧客のLTV向上は重要なテーマと言えます。
アップセル・クロスセル・ダウンセルの基本と役割
アップセルとは:顧客の「理想実現」を後押しする
アップセルは、今検討している商品・サービスよりも上位のプランや高機能版を提案し、顧客が求めている成果により早く、より確実に近づけるアプローチです。
単なる“高い商品を買わせる行為”ではなく、顧客の利用状況や課題を踏まえ、「この機能があれば、〇〇の作業が短縮できる」「このプランだと、今後の運用に余白ができる」といった“合理的な改善”を提示する行為です。
すでに価値を感じている顧客だからこそ、上位プランの投資効果も理解されやすく、顧客満足度向上にもつながります。
クロスセルとは:利用価値を広げる「補完型」アプローチ
クロスセルは現在利用している商品・サービスに加えて、関連性のある別商材を提案することで、顧客の体験価値を広げる手法です。
たとえば、メインサービスで解決できない周辺課題が存在する場合に、連携できるツールや付随機能を提案することで、より包括的に支援できます。顧客にとっては“セットで揃えたほうが便利で効率的”という自然なメリットが感じられ、企業側にとっても顧客接点の拡大や継続率向上など、副次的な効果を見込めます。
ダウンセルとは:離脱リスクを防ぎ、関係をつなぎとめる
ダウンセルは、顧客の予算・体制・利用頻度にフィットする下位プランを提示することで、契約の“ゼロ化”を防ぐアプローチです。
解約寸前の顧客に対して、「使いこなせない機能が多い」「費用対効果が合わない」といった本音が出るケースは少なくありません。その際に、無理に上位プランを維持させるのではなく、“現状に合う選択肢”を示すことで、顧客の心理的負荷を下げ、関係を継続する道を確保できます。
継続さえできれば、利用定着後に再度アップセルが成立するケースも多く、LTV観点でも重要な打ち手です。
アップセル・クロスセルが「売上以上」の成果を生む理由
顧客体験の質が高まり、満足度が上がる
適切なアップセル・クロスセルは、顧客が抱える課題により合った解決策を提示する行為です。
たとえば、作業負荷を減らせる高機能プランや、運用の穴を埋める周辺サービスなど、顧客が「本当に必要としている価値」を見つけて提案できれば、その後の体験全体が滑らかになります。商品・サービスの真価を発揮できる状態をつくれるため、顧客自身が成果を実感しやすくなり、「この会社は自分の状況を理解してくれている」という信頼にもつながります。
適切な提案は、「伴走」として受け取られる
アップセル・クロスセルが嫌がられるのは、企業側の都合で一方的に高額商品を押しつける場合です。
反対に、顧客の利用状況・データ・声をもとに、「このままだと運用が詰まってしまう」「この機能があれば工数を大きく減らせる」と具体的に説明できれば、その提案は“押し売り”ではなく“正しい助言”になります。
顧客は“自分の成功を一緒に考えてくれている”と感じ、企業への心理的距離が縮まります。結果として、提案自体がロイヤルティ向上の一因となるのです。
ファン化が進み、紹介・口コミによる新規獲得も加速する
アップセル後に高い価値を実感した顧客は、企業やサービスに強い好意を持ちやすくなり、自然と「他の人にも薦めたい」という感情が生まれます。
特にSaaSやコミュニティ領域では、成功体験を共有する文化が根付いているため、顧客自身がアドボケイト(推薦者)となるケースが増えていきます。これにより、新規顧客の獲得が広告依存ではなく“紹介ベース”に変わり、結果的にマーケティングコストも最適化されます。
アップセル・クロスセルは、未来の顧客数を増やすための重要な施策でもあるのです。
アップセル・クロスセルの具体的な事例
B2Cの典型例:家電量販店での“理想への橋渡し”提案
家電量販店では、顧客が求める用途を丁寧にヒアリングしたうえで、より最適なスペックの製品を提案するアップセルがよく見られます。
例えばノートパソコンの場合、「動画編集をしたい」「日常利用が中心」などニーズを踏まえ、必要十分なメモリ数やCPU性能を提示することで、顧客は“未来の不満を避ける”選択ができます。また靴屋でのお手入れ用品の提案や、アパレルでのコーディネート提案もクロスセルの好例です。どれも「顧客の生活がより快適になること」を軸にしており、自然な納得感を生むアプローチと言えます
ECのレコメンド機能:データ起点の自然なクロスセル
ECサイトでは、購入履歴や閲覧履歴をもとにしたレコメンド表示がクロスセルの定番手法になっています。「この商品を買った人は、こちらも購入しています」といった案内は、膨大なデータから導かれた“よくある買い合わせ”を提示する仕組みで、ユーザーにとっては便利な意思決定サポートになります。
過度なセールスではなく、合理的な補完提案として受け取られやすい点がポイントです。また、セット購入による割引や送料無料ラインの提示も、顧客の負荷を減らしながら購買単価を上げる効果的なクロスセルの形と言えます。
B2B/SaaSの事例:CS主導で生まれる「成功へのアップセル」
SaaS領域では、カスタマーサクセス(CS)が顧客の利用状況や課題を把握し、解決に必要な機能やプランを共に検討する形でアップセルが行われます。たとえば、利用頻度が高まり運用負荷が増えている顧客に対し、自動化機能や高度な分析機能を提案するケースがあります。
これは“より良い成果を出すための処方箋”として受け入れられ、自然なアップセルにつながる流れです。また、周辺サービス(サポートプランやコンサルティング)のクロスセルも、導入効果の最大化に直結するため、顧客から歓迎されることが多くあります。押し売りではない、データにもとづいた合理的な提案が成功を生むポイントです。
アップセル・クロスセルの最適なタイミング
アップセルは「購入検討の直前」がもっとも受け入れられやすい
顧客が商品やサービスの比較検討をしている状態は、「より良い選択肢があれば知りたい」という意欲が高いタイミングです。ここで、利用状況や課題に基づいた上位プランを提案できれば、“高額な商品”ではなく“目的を達成するための合理的な選択肢”として受け取られます。
逆に、購入前の関心が低い段階や、利用開始直後の理解が浅い段階で上位提案をすると“売り込み”に見えてしまうことが多く、タイミングが非常に重要になります。検討の解像度が上がった瞬間こそ、アップセルの最適な機会です。
クロスセルは「購入直後・利用開始直後」が最適
顧客が商品やサービスの購入を決断した直後は、その価値を最大化したいという心理が働きやすい時期です。「どう使いこなせばよいか」「もっと便利にする方法はないか」という探索意欲が高まり、関連商材や便利な周辺サービスを提案すると受け入れられやすくなります。
特にSaaSの分野では、利用開始フェーズで運用量が増えるタイミングに合わせ、分析機能やサポートプランを紹介することで“成功確度を上げる提案”として好意的に受け止められやすく、継続率の向上にも寄与します。
適切な文脈づくりが提案の印象を左右する
アップセル・クロスセルの成否を分けるのは、タイミングだけではなく“前後の文脈”です。顧客が何を目的にしているか、どこでつまずいているか、どんな改善を求めているか——これらを把握したうえで提案すると、「自分の状況を理解してくれている」という安心感が生まれます。
逆に、データや声を踏まえずに画一的な提案をすると、同じ内容でも“押し売り”に聞こえてしまいます。提案前にコンテキストを整え、顧客の成功に寄り添う姿勢を示すことが、自然な受容につながります。
コミュニティはアップセル・クロスセルの「最適な土台」に
アップセル・クロスセルをうまく機能させるには、「顧客をどれだけ深く理解できているか」と「最適なタイミングで提案できるか」が重要です。
そのためには、顧客の声や利用状況が日々たまっていく“継続的な接点”が欠かせません。コミュニティはこの役割を担い、日常的な投稿やユーザー同士の会話から、アンケートだけではわからないリアルな本音を拾い上げてくれます。
また、コミュニティはサービスの“使いこなし”を後押しする場でもあります。他のユーザーの成功体験や運用の工夫が共有されることで、「もっと活用してみたい」という気持ちが自然と生まれます。利用者自身の言葉は説得力が高いため、上位プランや追加機能への関心も高まり、アップセルのハードルがぐっと下がります。
さらにコミュニティを見ていると、顧客がどの段階にいるか、どこでつまずいているかが手に取るようにわかります。投稿内容や質問の傾向から「今この顧客には何が必要か」が読み取りやすく、押し売りではなく“助けになる提案”がしやすくなります。
こうした顧客理解・利用定着・成功体験の共有を、一つの基盤で支援するのが Commune for CS です。コミュニティ運営とVoC収集、顧客インサイトの可視化を一体で行えるため、CSがより的確な提案を行い、アップセル・クロスセルの成功率を高められます。顧客の成功に寄り添った提案を実現するための、非常に実践的なソリューションだと言えます。
ご興味ある方は、こちらから資料を無料でダウンロードしてください。
アップセル・クロスセル、お困りですか?
アップセル・クロスセル、お困りですか?
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- 顧客の声や利用状況が点在し、インサイトが見えづらい
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